玉ボケとは
玉ボケは、ボカした部分の点光源(点状の光)が水玉や泡のように写る現象。
このように、映画のワンシーンのような写真や
スパンコールが散りばめられたようなキラキラの写真
夢の中のように浮遊感のある写真など
ドラマチックで幻想的な写真を作り出すことができます。
実は簡単。玉ボケの作り方
では、玉ボケを作るにはどうしたら良いのでしょうか。
1.点光源(点状の光)を探す
まずは、イルミネーションやクリスマスツリーに付ける電飾のような、点状の光を探しましょう。
夏の風物詩、花火や蛍の光なども玉ボケに最適です。
2.被写体を近付ける
撮影の際は、ピントを合わせる被写体をできるだけカメラに近付けましょう!
紅葉した葉にクローズアップした一枚。奥の木漏れ日が大きく玉ボケしていて、まるで泡の中に葉っぱが浮いているよう。
3.望遠で撮影する
レンズは望遠側で撮影した方が大きくボケます。焦点距離でいうと
- フルサイズの場合は70mm以上
- APS-Cの場合は50mm以上
- マイクロフォーサーズの場合は35mm以上
こちらはF10と絞って撮影していますが、焦点距離が400mmなので、かなり大きな玉ボケとなっています。
4.F値を小さくする
F値(絞り)を一番小さく設定(開放)することは、玉ボケを大きくする上で外せないポイント。特に単焦点レンズには、開放F値が小さいレンズが多いのでおすすめですよ。
F1.8で撮影した写真。フルサイズ換算100mmのレンズで撮影しているというのもありますが、かなり大きな玉ボケとなっています。玉ボケに葉が重なり、スポットライトが当たっているかのよう。
身近に潜む玉ボケスポット
人が多い場所へ外出したり、遠出をしたりするのが心配になるこのご時世。イルミネーションや花火が見られなくても、散歩がてらに玉ボケを楽しめるスポットはたくさんありますよ!
・木漏れ日
木漏れ日も点光源のひとつです。
カメラ名不明
出典:flickr(@けんたま/KENTAMA)
紅葉したもみじと青葉が混ざり合うような美しい一枚。中央の木漏れ日が玉ボケとなり、作品のアクセントに。
PENTAX K1000
出典:flickr(@Marketa)
夕陽の木漏れ日を玉ボケにすれば、なんだかノスタルジックな雰囲気に。
PENTAX Program A
出典:flickr(@spoilt.exile)
暗い森に木漏れ日の玉ボケが入ることで神秘的な一枚となっています。
・葉の反射
・木漏れ日
木漏れ日も点光源のひとつです。
紅葉したもみじと青葉が混ざり合うような美しい一枚。中央の木漏れ日が玉ボケとなり、作品のアクセントに。
夕陽の木漏れ日を玉ボケにすれば、なんだかノスタルジックな雰囲気に。
暗い森に木漏れ日の玉ボケが入ることで神秘的な一枚となっています。
・葉の反射
特に街中で良く見かけるツバキやキンモクセイ、バラなどの葉はつるつるしているため、陽が当たると反射して点光源になってくれます。
・水面に映る陽の光
池や湖、海の水面に映った陽の光も点光源になります。
先述したイルミネーションやビルの灯り、車のヘッドライトなども点光源。夜景写真にはカッチリとシャープなものが多いですが、玉ボケを駆使することで、やわらかな雰囲気の夜景写真を作り出すことができます。
Leica M10
出典:flickr(@Matthias Ripp)
大都市東京も玉ボケの手にかかればサイダーの泡のように。なんともポップでキュートな夜景写真ですね。
Panasonic DMC-G1
出典:flickr(@Bernal Saborio)
雨の日の窓越しに夜景を撮影した一枚。水滴と玉ボケのコラボレーションがどこか寂しげな雰囲気を醸し出しています。
Leica MP
出典:flickr(@Kevin Utting)
オレンジ色の灯りと暗闇の黒のコントラストがかっこいい一枚。まるでアート作品のようです。
・雨の日の雫
大都市東京も玉ボケの手にかかればサイダーの泡のように。なんともポップでキュートな夜景写真ですね。
雨の日の窓越しに夜景を撮影した一枚。水滴と玉ボケのコラボレーションがどこか寂しげな雰囲気を醸し出しています。
オレンジ色の灯りと暗闇の黒のコントラストがかっこいい一枚。まるでアート作品のようです。
・雨の日の雫
木の枝や葉先に付いた雫も点光源となるので、雨が止んだら玉ボケを撮影しに出かけましょう!
水色の玉ボケが、背景の緑に溶け込んでいるような美しい作品。
陽の当たり方によっては虹色の玉ボケが楽しめることも…!
なにかと厄介な蜘蛛の巣ですが、雨上がりは良い被写体に。真珠のネックレスのように繋がった美しい玉ボケが撮影できるかもしれません。
オールドレンズで一味違う玉ボケを
オールドレンズにはユニークな玉ボケを楽しめるものがいくつかあり、一見欠点とも見られがちな特徴が逆に、写真好きやカメラ好きからカルト的人気を集めています。
・星形の玉ボケ
現代のレンズは円形絞りが一般的ですが、ロシアのオールドレンズ「INDUSTAR-61L/Z 50mm F2.8」は星形絞りで、F5.6~F8に絞ることで金平糖を散りばめたような星形の玉ボケが楽しめます。
・バブルボケ
バブルボケは、輪郭がはっきりとしているシャボン玉のような玉ボケのこと。
バブルボケが楽しめるオールドレンズはいくつかありますが、特に名玉「Trioplan f2.8/100」や、日本のオールドレンズ「Fujinon 55mm F2.2」などが有名です。
・ぐるぐるボケ
写真全体をかき混ぜているかのようにボケる、ぐるぐるボケ。玉ボケと同じ条件で発生するため、玉ボケとセットでも楽しめます。
玉ボケが出るレンズで特に有名なのはロシアのオールドレンズ「Helios 44-2 58mm F2」ですが、他にもぐるぐるボケが出るレンズはあります。
玉ボケで写真表現の幅を広げよう
一口に玉ボケといっても、ボケを大きくしたり小さくしたり、写真のメインとしたり一部だけに取り入れたりと様々な使い方があり、玉ボケの撮り方をマスターすれば表現の幅がグッと広がりそう。また、比較的簡単にチャレンジでき、基本的にはどんなレンズでも楽しめるというのも嬉しいですね。
シャープな写真も良いけれど、玉ボケを駆使して新たな写真の扉を開いてみませんか。