ポラロイドカメラとは?
「ポラロイドカメラ」はポラロイド社の創業者、エドウィン・ハーバード・ランドが開発した、撮ったその場で写真をプリントしてくれるカメラです。
富士フィルムの「チェキ」なども自動現像を行うカメラで、総称は「インスタントカメラ」。写真好きはもちろん、犯罪の捜査や医療など、改竄(かいぜん)防止性が求められる分野でも使われてきました。
Polaroid SX-70
出典:flickr(@LaniElderts)
撮影した写真をいつでも見ることができるデジタルカメラやスマートフォンの普及で、写真をプリントするということは減ってしまいましたが、撮ったその場で写真をプリントしてくれるポラロイドカメラは、写真をデータとしてではなく、触れられるモノとして、そして大切な一枚として扱うことを思い出させてくれるカメラです。
フチが写真を囲み、額縁の中に写真を飾っているようにも見えるポラロイド写真
出典:flickr(@greg)
写真サイズは真四角(正式には7.7×7.9)のものが多く、まるでインスタグラムの世界がモノとして再現されたよう(インスタグラムはポラロイド社に敬意を払い、真四角サイズを採用したといわれています)
撮影した写真をいつでも見ることができるデジタルカメラやスマートフォンの普及で、写真をプリントするということは減ってしまいましたが、撮ったその場で写真をプリントしてくれるポラロイドカメラは、写真をデータとしてではなく、触れられるモノとして、そして大切な一枚として扱うことを思い出させてくれるカメラです。
写真サイズは真四角(正式には7.7×7.9)のものが多く、まるでインスタグラムの世界がモノとして再現されたよう(インスタグラムはポラロイド社に敬意を払い、真四角サイズを採用したといわれています)
フィルムカメラのように味わいのある写りが特徴ですが、最近ではデジタル化し、撮影した写真を確認してからプリントできるもの、フィルムではなくフォトペーパーにプリントするものなども登場しています。
デジタル化によって進化したポラロイドカメラ
先述したように、昨今はポラロイドカメラもデジタル化しており、写真はフォトペーパーになり、スイッチひとつでカラーとモノクロ・セピアを変更できたり、撮った写真を液晶で確認しフィルターをかけたり、SDカードを介しスマートフォンやPCにデータをコピーできたりと、どんどん使いやすく進化しています。
また、写真はフィルムでアナログですが、スマートフォンアプリとの連携撮影やUSB充電など、機能面にデジタルの良さを取り入れたハイブリッド的なポラロイドカメラも登場しており、新旧ユーザーを虜にしています。
ポラロイドを含むインスタントカメラの主要メーカー
生産中止となったポラロイドフィルムを、有志で復活させたインポッシブル社。そのインポッシブル社とポラロイド社でスタートさせたブランドが「ポラロイド・オリジナルス」です。
ポラロイド・オリジナルスでは、ポラロイドフィルムの生産はもちろん、ポラロイドの名機を現代人に使いやすく進化させたカメラの製造や、中古ポラロイドカメラの復元などを手がけています。
・富士フイルム
富士フイルムは自社で開発した、インスタント写真システム”instax”をベースとしたカメラ「チェキ」を販売。
ポップで可愛らしいフォルムで、人気キャラクターがプリントされたフィルムが販売されているなど、写真好きのみならず誰にでも親しみやすいインスタントカメラとなっています。
フィルムの価格はポラロイドよりもリーズナブル。フィルムサイズは一番メジャーなチェキサイズのみならず、スクエアやワイドなど機種によって様々です。
・ライカ
カメラの頂点ともいわれるライカ。一般人には手が届かないお高いカメラというイメージですが、ライカのインスタントカメラ「ゾフォート」は、ライカにしては手の届きやすいお手頃な価格で、デザインもとてもおしゃれです。
フィルムには富士フィルムのinstax miniを採用しています。
・ロモグラフィー
トイカメラで有名なロモグラフィーにも、インスタントカメラがあります。中でも「ロモインスタント」は種類が充実しており、様々なサイズのフィルムで撮影できるカメラをラインナップ。
ロモグラフィーの代表作「LC-A+」や「Diana F+」のインスタントカメラもあり、ロモらしい個性の強い写りを楽しむことができます。こちらもフィルムには富士フィルムのinstaxを使用。
おすすめのポラロイドカメラ
・Polaroid Originals OneStep 2
1977年、”世界で最もシンプルなカメラ”として発売された「OneStep」。
そんなオリジナルに最大限の敬意を表したデザインでありながら、機能面を使いやすいようアレンジされたポラロイドカメラが「OneStep 2」です。約2か月間もつバッテリーやセルフタイマー、自動フラッシュやフィルムの残量表示など、デジタル世代でもストレスなく使える機能がたくさん。
また、レンズもオリジナルの撮影距離約120cmから大きく進化し、最短撮影距離60cmとなりました。新しいモデルとは思えない味わいのある写りとレトロなデザインのカメラは、まるでヴィンテージカメラを使っているような気持ちにさせてくれます。
使用可能フィルムは10.8×8.8cmの「i-Type Film」と「600 Film」。白フチ、モノクロフィルムはもちろん、色付きや柄付きのフィルムもあります。
・Polaroid SX‑70
1972年に誕生した「SX-70」は、あのアンディ・ウォーホルも愛用したという名機。
一眼レフ型で、ファインダーから見える像と同じ写真を撮ることができます。マニュアルフォーカスなので、ボケ感も調節可能。様々なモデルがありますが、SX-70の”Original(ファースト)”モデルと”ALPHA”モデルには本革が使用されており、その経年変化も楽しめる贅沢な一台です。
市場にはSX-70の中古品をひとつひとつ手作業で分解→メンテナンス→再構成し、新品同様に作り直したものが販売されていますが、念のため、動作保証の付いているお店で購入するのがおすすめです。
おすすめのチェキ
・instax square SQ10
チェキで初めてスクエアサイズのフィルムを採用した「SQ10」は、10種類のフィルターで写真を加工できたり、明るさ・ビネットの調節ができたりと、インスタグラム時代を経た現在に相応しい一台。
洗練されたスタイリッシュなボディは、一般的なチェキと比べると高級感があります。マクロ撮影が得意で、テーブルフォトもお手のもの。
「表現のアイデアが頭の中に湧き出してくるようなカメラを目指した」というSQ10は、多重露光やバルブ撮影などにも対応しており、アートな写真を生み出すこともできます。撮影時の明るさを測定し適正な露出の写真を撮影してくれる正確なAEや、気に入った写真だけをプリントできる機能、別のカメラで撮った写真もプリントできるなど、デジタル世代にも親しみやすくなっており、まさにハイブリッドなインスタントカメラといえるでしょう。
「表現のアイデアが頭の中に湧き出してくるようなカメラを目指した」というSQ10は、多重露光やバルブ撮影などにも対応しており、アートな写真を生み出すこともできます。撮影時の明るさを測定し適正な露出の写真を撮影してくれる正確なAEや、気に入った写真だけをプリントできる機能、別のカメラで撮った写真もプリントできるなど、デジタル世代にも親しみやすくなっており、まさにハイブリッドなインスタントカメラといえるでしょう。
使用可能フィルムは8.6×7.2cmの「instax square」。白フチだけでなく色付きや柄付きのフィルムもあります。
・instax mini 90 ネオクラシック
instax mini 90 ネオクラシックの外観
出典:flickr(@Dane)
ヴィンテージカメラのようにクラシックなデザインの「instax mini 90 ネオクラシック」は、見た目からは想像のできない”ネオ(=新しい)”なチェキです。
ヴィンテージカメラのようにクラシックなデザインの「instax mini 90 ネオクラシック」は、見た目からは想像のできない”ネオ(=新しい)”なチェキです。
動きの速い被写体を撮影する際に使うキッズモードや風景写真を撮影する際に使う遠景モード、そして接写モードなど、まるでデジタルカメラのような充実の機能。アナログカメラのように”光を操る”多重露光やバルブ撮影も可能です。
使用可能フィルムは8.6×5.4cmの「instax mini」。白フチ、モノクロフィルムはもちろん、色付きや柄付きのフィルムもあります。
その他おすすめのインスタントカメラ
背面液晶で基本撮影モード(自動・接写・パーティー&人物・スポーツ&アクションなど)を選ぶと、それに従って露出や絞りなどの設定値を自動で調整してくれます。撮影モードに関係なく、レンズ部分のリングを動かして撮影距離を調整することも可能。
多重露光や長時間露光のようなクリエイティブな撮影もでき、セルフタイマーやセルフィーモード、セルフポートレート用のミラーも付いているので、人物写真も楽しめます。
・Lomo'Instant Wide
いかにクリエイティブなことができるかがポリシーのインスタントカメラ「Lomo'Instant」。
こちらはワイドサイズの写真が撮影できるモデルです。フォーカスは3段階の目測式。オート露出を搭載し、適切な明るさで撮影できます。アーティスティックな写真を作り出すのには欠かせない、多重露光や長時間露光にも対応。4色のフラッシュ用カラーフィルターを使って撮影しても面白そうです。
別売のレンズアタッチメント(同梱版有り)を装着すれば、広角・接写撮影も可能です。こちらも専用フィルムは富士フィルム。8.6×108cmの「instax WIDE」です。
インスタントカメラアプリ
インスタントカメラが欲しいけど、もっと気軽に楽しみたいという方には、ポラロイドやインスタントカメラのような写真をスマートフォンの画面上で楽しめるアプリがあります。
・InstaLab … iPhone / Android
撮影した写真がポラロイドカメラのようなフチ付きの写真に仕上がるのはもちろん、スマートフォンのアルバムの写真を呼び出してフチを付けることも可能。
明るさなどの調整ができたり、エフェクトやフィルターがかけられたり、フチの部分に文字を書き込めたりと、無料でも幅広く楽しめるアプリです。
・Dazzカメラ … iPhone
フィルムカメラ風、トイカメラ風など、どこを取っても完璧と言ってもいいぐらい再現度の高いこのアプリですが、インスタントカメラ風の再現度も抜群。
こちらは撮影しかできませんが、フレームのカラーや柄もたくさんの種類の中から選べます。Instax mini風のカメラは無料で使用でき、instax square風のカメラは有料。
おわりに
ポラロイド写真やインスタント写真は、撮影後に”胸ポケットに入れて温めると写真が早く仕上がる”という性質がありますが、そんな性質もなんだか愛おしく、写真が浮き出てくるまでのわくわく感、出来上がった写真に触れ、その一枚を宝物のように大切にするということも含め、デジタルカメラやスマートフォンでは体験できないことばかりです。
慌ただしく過ぎていく毎日。ポラロイドやインスタントカメラで日々の瞬間を切り取って、あなたの宝物にしてみませんか。