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Nikon Ai Nikkor 500mm F4 P ED IF

Nikon Ai Nikkor 500mm F4 P ED IF

Nikon Fマウント

Nikon Ai Nikkor 500mm F4 P ED IFは、500mm F4の大口径超望遠を約3,000gに収めた、マニュアルフォーカスのAI-Pレンズです。MFながらCPUを内蔵する「P」タイプであることが最大の特徴で、AF化以前の比較的シンプルな500mm F4と、後のAF-I/AF-S世代をつなぐ過渡期ならではの一本です。

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著者: ONE SCENE 編集部

MFの500mm F4にCPUを組み込んだ、AF時代への過渡期の一本

Nikon Ai Nikkor 500mm F4 P ED IFは、1988年に登場したニコンFマウントの大口径超望遠単焦点レンズです。500mmという焦点距離にF4の開放絞りを組み合わせながら、ピント合わせはマニュアルフォーカス。野鳥やスポーツ、遠景など、離れた被写体を大きく捉えるための本格的な超望遠レンズです。

このレンズを特徴づけるのが、製品名にある「P」です。AI-PレンズはMFでありながらCPUを内蔵しており、対応するカメラへレンズ情報を電子的に伝達できます。AF機構そのものを持たない500mm F4に電子接点を加えた構造は、機械的な連動を中心とした従来のAI/AI-Sレンズから、電子制御とAFが中心になる時代へ移る途中の設計です。

現在では500mm F4に高速AFや手ブレ補正を求めることが一般的ですが、本レンズにはそのどちらもありません。その代わり、6群8枚という比較的シンプルな光学系と約3,000gの重量で500mm F4を実現しています。「MF+CPU」という構造と、AF化以前だからこその軽さをどう評価するかが、このレンズを中古で選ぶうえで中心になります。

特徴①|6群8枚・約3kgで成立させた500mm F4

レンズ構成は6群8枚で、EDガラスを採用しています。焦点距離500mm、開放F4、画角は5度。超望遠では焦点距離が長くなるほど色収差が問題になりやすく、EDガラスによってその補正を図っています。

最大径は138mm、全長384mm、重量は約3,000gです。現在の感覚では十分に大型ですが、後に登場した初期のAI AF-S Nikkor ED 500mm F4D(IF)は約3,800gあり、本レンズの方が約800g軽量です。AFモーターやそのための機構を持たないMFレンズであることが、500mm F4としての構造のシンプルさにもつながっています。

フォーカシングにはIF(Internal Focusing/ニコン内焦)方式を採用しています。大型の光学系全体を前後させるのではなく、鏡筒内部のレンズ群を動かしてピントを合わせる方式で、フォーカシングによって鏡筒全長が大きく変化しません。約3kgの超望遠をMFで操作するためにも重要な構造です。

特徴②|「P」はAFではなく、MFのままCPU連動を可能にした仕組み

本レンズを理解するうえで最も重要なのが、AI-Pという仕様です。「P」が付いていてもAFレンズではなく、ピント合わせは撮影者自身が行います。レンズ内AFモーターも持っていません。

一方、通常のAI/AI-S MFレンズと異なりCPU信号接点を備えています。対応ボディはレンズから焦点距離や開放F値などの情報を受け取ることができ、CPUレンズとして測光や露出制御に利用できます。

この違いは現在のカメラで使う場合にも残っています。単に「古い500mm F4」と捉えるより、MFレンズの操作体系を残しながら電子化されたボディとの連携を取り込んだモデルと考えた方が、本レンズの位置づけを正確に理解できます。

最短撮影距離は5mです。近距離性能を重視した超望遠ではなく、遠くの被写体を500mmの狭い画角で捉え、撮影者自身がピントを追い込むという使い方が基本になります。

購入前に知っておきたいこと|Zでも使えるが、AFは使えない

ニコンZシリーズでは、マウントアダプターFTZ/FTZ IIを介して本レンズを装着できます。ニコンはAI-PレンズをFTZ/FTZ IIの対応レンズとして明記しており、MF撮影に加えてP・S・A・Mなどの撮影モードと測光を利用できます。

ただし、FTZを介してもAF化されるわけではありません。本レンズは元々MFレンズなので、Zシリーズでもピント合わせはMFです。ニコンの対応表でもAI-PレンズはAFおよびフォーカスエイド非対応、MF撮影対応として分類されています。

一方、Zシリーズとの組み合わせにはフィルム一眼レフ時代にはなかった利点もあります。拡大表示などを利用してピント位置を確認できるため、500mm F4の浅い被写界深度でもMFを補助できます。また、ボディ内手ブレ補正を搭載するZボディでは、VRを持たないCPUレンズでもボディ内VRを利用できます。

本レンズ固有の注意点もあります。ニコンはFTZ/FTZ IIで使用するAI-Pレンズのうち、500mm F4P IF-EDについては撮影条件によって適正露出が得られない場合があり、必要に応じて露出補正するよう案内しています。ヴィネットコントロールと自動ゆがみ補正も使用できません。

さらに本レンズは約3kgあります。ニコンはFTZについて1,300gを超えるレンズを装着した状態でカメラだけを持ったり、カメラ側のストラップだけで支持したりしないよう注意しています。本レンズではカメラではなくレンズ側を支持することが前提です。

AF-S 500mm F4との違いから考える現在価値|AFを手放す代わりに約800g軽い500mm F4

本レンズの後に500mm F4はAF化され、AI AF-S Nikkor ED 500mm F4D(IF)ではSWMを搭載して高速・静粛なAFに対応しました。光学系も本レンズの6群8枚から9群11枚+保護ガラス1枚となり、EDレンズを3枚使用。フォーカスロックボタンやフォーカス制限切り換えなど、動体撮影を前提とした操作系も追加されています。

この差は野鳥やスポーツでは大きな意味を持ちます。500mmの狭い画角で動く被写体を追いながらMFでピントを合わせ続けることと、AF-Sで追従することでは撮影方法そのものが変わります。動体撮影の成功率を優先するなら、AF世代を選ぶ意味は明確です。

一方、初期AF-S 500mm F4Dは約3,800g。本レンズは約3,000gなので、約800gの差があります。その後のAF-S 500mm F4D IIでも約3,430gで、本レンズより重くなっています。AFを必要としない撮影では、この重量差が現在でも本レンズを選ぶ理由になり得ます。

つまり本レンズのCurrent Valueは、「安価に500mm F4を手に入れられる可能性がある」という価格だけではありません。500mm F4という大口径超望遠を、AFやレンズ内VRを持たない代わりに約3kgの比較的シンプルなシステムとして使えることにあります。

さらにZシリーズでは、FTZ/FTZ IIを介してCPU連動を維持しながら、対応ボディならボディ内手ブレ補正も利用できます。MFという最大の制約は残る一方、AI-Pという電子連携が現代のボディでも完全には失われていないことが、このレンズの現在価値を支えています。

どんな人に向く?|AFより500mm F4の光学系とMF撮影を優先する人へ

Nikon Ai Nikkor 500mm F4 P ED IFが向いているのは、500mm F4を必要としながら、高速AFを撮影条件の必須要件としない人です。三脚を使って静止した野鳥や月、遠景などを狙い、時間をかけてMFでピントを追い込める撮影なら、本レンズの弱点は相対的に小さくなります。

反対に、飛翔する鳥やスポーツなど不規則に動く被写体を高い成功率で追いたい場合には、AF-S世代以降の500mm F4との差が大きくなります。約800g軽いことだけを理由に、AFが必要な撮影で本レンズを選ぶと、重量以上に大きな機能差を受け入れることになります。

このレンズを現在選ぶ意味は、最新の500mm F4を古いレンズで代替することではありません。6群8枚・約3,000gというAF化以前の比較的シンプルな500mm F4に、CPUを加えたAI-Pという特殊な世代であること。そしてZシリーズでも、その電子連携を一部活かしながら使えることにあります。

MFであることを制約ではなく撮影方法として受け入れられるなら、AF時代へ移る直前に作られた「MF+CPU」の500mm F4という設計そのものが、現在このレンズを選ぶ理由になります。

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ONE SCENE 編集部

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メーカーNikon
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マウントNikon Fマウント

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