OM SYSTEM OM-1 Mark II

ロゴ完全変更モデル。さらに洗練されたMFTフラッグシップ機

OLYMPUSからOMDSとなった初のフラッグシップ機の名称に選んだのは、OLYMPUSの往年の銘機であり、MFT規格における思想の原点とも言えるOM-1。それまで停滞していたMFT規格のスペックを大幅にアップデートし、MFT規格の大きな可能性を示唆する機種として注目されました。

あれから2年弱、フラッグシップ機のサイクルとしては比較的短いスパンで登場することとなったOM-1 Mark IIは、本体ボリュームや画像処理エンジン、センサーの仕様など、土台の部分では前機種とほぼ同じではあるものの、ポイントを抑えたブラッシュアップが行なわれており、見た目以上にアップデート感の強いものに仕上がっています。

例えば、AF性能。AI被写体認識AFが大きく進化し、前機種ではなぜか「人物」への認識がなかったのをしっかり対応し、既存の動物への認識力もアップ。1053点オールクロス像面位相差の本領発揮といったところでしょうか。

ハードの部分では、本体左側にあるメニューボタンをゴミ箱ボタンに置き換えることで、操作を右手側に集約可能。スーパーコンパネを併用すれば、あらゆる機能を素早く呼び出すことができます。メインダイヤルの形状も見直し、操作性の向上も図るなど、細かなアップデートも見逃せません。

そしてお家芸である手ぶれ補正は、5軸7.0段→5軸8.5段へとパワーアップ。そしてこれは超望遠域における光学IS連携においても同じ性能を発揮するので、三脚の出番をさらに減らすことに成功しています。

製品	OM SYSTEM OM-1 Mark II	OM SYSTEM OM-1
価格	新品: 265,793円 中古: 313,960円	新品: 149,080円 中古: 123,800円
センサーサイズ	マイクロフォーサーズ（17.4 mm × 13.0 mm）	マイクロフォーサーズ（17.4 mm × 13.0 mm）
有効画素数	2,037万画素	2,037万画素
連続撮影速度	最高約120.0コマ/秒	最高約120.0コマ/秒
4K対応	○	○
手ブレ補正機構	○	○
防塵・防滴	○	○
撮影可能枚数（ファインダー）	500枚	520枚
重量	511g	511g
発売日	2024/02/23	2022/03/18

表は左右にスクロールできます

システムをさらにコンパクトにできるコンピュテーショナル フォトグラフィ機能

MFT規格の強みといえば、APS-Cやフルサイズ規格と比べて本体やレンズのボリュームが小さく、撮影システムをコンパクトにできることですが、それだけにとどまらず、カメラに搭載された絵作り機能（コンピュテーショナル フォトグラフィ）で周辺機器も減らし、さらなるコンパクト化を目指せるところもポイントでしょう。

OM-1 Mark II初搭載となるライブGNDは、空に露出を合わせるとその下の景色が真っ暗になるような明暗差の大きいシーンでもきれいな画作りができる、ハーフNDを使ったときのような撮影を可能にするもの。その仕上がり具合もすぐさま手元で調整できるので、現場で絵作りを突き詰めたい方には非常に便利な機能といえます。

ライブND機能もND128まで対応。強力な手ぶれ補正と合わせて、日中のスローシャッターを、三脚やNDフィルター、出目金レンズの場合には特殊なアタッチメントを用いることなく、カメラとレンズだけで行うことができます。

ユーザーレビュー

■ ポジティブレビュー

• 質感が良く、高級感のある仕上がり
• グリップ感の良さは他社の機種には代え難いポイント
• JPEG撮影さのノイズ処理がとても優秀で、高感度撮影でも安心できる
• ライブGNDの仕上がりが優秀
• AFの改善は顕著

新機能のライブGNDを楽しんでいるユーザーが多く、仕上がりも良いとの声。AFはシビアな野鳥撮りの人からも概ね改善点が感じられるものになっているようです。ハードウェアの部分では変更点がほとんどないので前機種同様に高評価。

■ ネガティブレビュー

• 本体前面の「II」の刻印がいまいち
• G9IIと同じ2500万画素に合わせてほしかった
• ゴミ箱をメニューにすることしかできないし、メニューボタンのカスタムはできない

画素数の部分だけを見ればライバル機種のG9IIに劣ってみえますが、裏面照射積層型であることを考慮すると差異はほぼ無いと言っていいでしょう。メニューボタンについては今後のアップデートに期待したいところです。

まとめ

MFT規格の最大の強みは、コンパクトにまとめられたカメラとレンズだけでいろんな撮影に挑戦できるところ。出会ったシーンをこう撮りたいというビジョンに対して、機材が足りないからという理由で妥協しなくても済むんです。これはほかの規格では真似できないところではないでしょうか。その際たる機種がOM-1 Mark II。この機種とともに、本格的な撮影を手軽に楽しんみてはいかがでしょうか。