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変化してゆく人や景色やモノを。 掛け替えのない日常の瞬間を記録に残していく
フォトグラファーとして活躍し、現在はご家族の仕事の関係で中国で生活を送るHakoさん。刻々と変化する日常の風景や、日々成長する家族との生活を優しくも繊細に美しく切り取った写真の数々は、何気無い日常こそ美しく掛け替えのないものなのであることを改めて感じさせてくれます。またどこかフィルム写真のような色彩にもHakoさんの美意識を感じます。そんなHakoさんに写真との向かい方や、写真の込める想いを伺いました。
著者: Hako | 作成日: 2020/01/22 | 更新日: 2023/01/28
― はじめに、Hakoさんが写真を始めたきっかけや、写真にのめり込んでいったきっかけについて教えてください。
高校生のときカメラ好きな祖父からカメラを譲り受けたのが写真を始めるきっかけとなりました。また、その頃から写真を見るのも好きで素敵な写真集を本屋で見つけては購入していました。学生の頃はレトロで独特な雰囲気を醸し出すロシアで生まれたアナログカメラ「ロモLC-A」で日常を切り取るのが楽しくて、肌身離さず持ち歩いてはロモの世界観にハマっていました。
大学では音楽を専門に学んでいましたが、自己表現の手段として音楽よりも写真の方が向いていると気がつき、カメラの道へ進みたいと思うようになりました。
― 少し変な表現になってしまいますが、Hakoさんの写真からは、家族を見守る優しさに加えて、フランスのアンティーク食器のような繊細で凛とした空気を感じます。Hakoさんが愛おしい・美しいと感じる瞬間が詰まっていると思うのですが、どんな瞬間にシャッターを切られていますか?また、写真家でも写真家以外でも影響を受けた方はいらっしゃいますか?
ほぼインスピレーションです。「この瞬間を残したい!」その気持ちがわき上がったときにシャッターを切ります。私たち家族は、現在日本を離れ中国で暮らしているので、ここでの生活の様子や家族の時間を記録しておきたいという気持ちが強いのかもしれません。また同時に、この地球上で愛おしく掛け替えのない変化してゆく人や景色やモノに心動かされた瞬間にシャッターを切っています。
影響を受けた方は、「中川正子」さん、「本城直季」さんです。
写真家でもあり一児の母でもある中川正子さんの写し出す世界観やライフスタイルは、私に色々な影響を与えてくださいました。どこにいようと状況が変わっても好きな写真を続けていけると背中を押してもらえた気がします。
本城直季さんは、風景をミニチュア・ジオラマ風に独自の視点と感性で空間を切り取る写真家さんで、十数年前に初めて彼の作品に出会ったときはとても衝撃的で感動したのを覚えています。
― また、Hakoさんの写真は光と影の表現が印象的で、どこかフィルムのような雰囲気も感じます。色合いなどの表現において、工夫されていることやこだわりはありますか?
ここ数年間は、ずっとデジタルカメラで撮影を行っていますが、元々はフィルム写真の方が好きだったので、フィルムが醸し出す味わい深い風合いや色合いをデジタルで表現したいとLightroomを使い日々試行錯誤しています。
光は、希望、未来、温もり、優しさなど様々な表情を写真に与えてくれます。つい見逃してしまいそうな日々の生活の中に隠れている光を探すかのようにいつもシャッターを切っています。
― Hakoさんのインスタグラムを拝見していると、空の写真が多く印象的です。季節毎、日毎、時間毎に色々な空の表情を捉えてこられてきたと思います。好きな空の表情があれば教えてください。
空の写真が多いのは、現在見晴らしのよいマンションに住んでいて、日々の生活の中で何気なく空を近くに感じるからです。特に、夕暮れ時の秒刻みに幻想的な表情へ変化していく過程が好きです。空をキャンパスに見立てると自然が織りなす壮大で自由なアートは飽きることなく、変わりゆく様々な表情に心奪われるのです。
― インスタグラムの写真から垣間見れる洗練されたライフスタイルも魅力的です。雑貨・食器など身の回りのもので、こだわりや好きなテイストがあれば教えてください。
両親が趣味で陶芸をしていたこともあり食器が好きです。海外生活になっても母の作った器や好きな作家さんの器&カップなど思い入れのある食器を日本から持ってきて愛用しています。また、現在住んでいるお部屋は家具付きなので自分好みにするのはなかなか難しいく、日本から持ち込んだアンティーク飾り棚、籠、花瓶、クッションカバーなどで自分好みの空間を作っています。
ゆったり落ち着ける風通しの良い空間が好きなので、キャンドルやアロマオイルなど癒し系のモノを飾ったり観葉植物で空間を楽しんでいます。写真は自分のその時の心を表します。だからこそいつもクリアな自分でいたい。そんな思いから、お部屋でアロマを焚いて好きな音楽(BGM)をかけてヨガや瞑想したり自分と向き合える空間作りを大切にしています。
― Hakoさんは、現在は中国にお住まいでいらっしゃいますが、中国の良さや日本を離れて気付かれた日本の美しさなど、何か感じられたことがあれば教えてください。
日本を離れると、それぞれの国を客観的に見られるようになりました。中国人は、周りの目を気にすることなく自分の気持ちに正直に日々の生活を楽しんでいるような気がします。子供やお年寄りにも優しく寛容で地下鉄などで席を譲り合う光景はよく目にします。一方、「エッ!」と驚くような出来事も日常多々ありますが、それでも何とかなっているので、これもありなんだと思って(笑) リアルに物事を測るものさしの違いを実感します。
こちらで生活していく中で日本の美しさを再確認したのは、澄んだ青空や夜空です。空気も透き通っていて美味しいし、全身で思いっきり深呼吸できることに喜びを感じます。日本へ帰る度に島国ならではの美しさを随所に感じます。中国も最近は空気が良い日も増えてきました。とは言え、日々の暮らしの中でpm2.5の影響はやはり大きくマスクが手放せない日もあります。だからこそ、青空や夕暮れが美しい日は嬉しくてテンションが上がります。
― Hakoさんはデジタルをメインにお使いでいらっしゃると思いますが、メインでお使いのカメラやレンズについて教えてください。そのカメラ・レンズに至った経緯や、メインで使っているカメラ・レンズの魅力についても教えてください。
現在メインで使用しているカメラは「Canon EOS 5D Mark Ⅳ」、レンズはCanonTS-E90mm(f2.8)です。たまにEF50mm(f1.8)、EF17-35mm(f2.8L)の広角レンズに変えてみたり、身軽に出かけたいときはRICOHのGRを持ち歩いたりしています。
フィルム時代からずっと一眼レフはCanonを愛用していたので、デジタルに変わっても仕事やプライベートでずっとCanonのカメラにお世話になっています。お気に入りのレンズはTS-E90mm、ティルトとシフトのアオリ機能を搭載したMFレンズです。そのレンズは確か13年前、本城直季さんが撮影するようなジオラマ風な写真(ミニチュア写真)が撮りたくて、そのために節約してお金を貯め自分へのご褒美として購入したのを覚えています。今ではすっかりコンデジのエフェクトなどで「ミニチュア」モードがついていますが、このレンズならではの魅力はジオラマ風だけにとどまらずティルトとシフトをうまく組み合わせることで様々な撮影に活躍してくれるレンズです。また、ティルトとシフト機能を使うと露出誤差が生じるので使いやすいレンズとは言い難いですが、一方で化学反応のような絶妙な雰囲気も醸し出してくれるレンズです。
― 最後に、Hakoさんのベストショットと、次に狙っているカメラやレンズ、今後の抱負があれば教えてください。
ベストショットは、2月にマレーシアのランカウイ島へ行ったときのワンシーンです。夕暮れどきホテルのビーチでディナータイムを楽しんでいたとき、たまたま隣席の親子が、お料理の待ち時間に波打ち際で黄昏れていた様子です。それはまるで時が止まったような夢を見ているような不思議な光景で、遠くに見える2台のヨットも同じ親子のように上手く溶け込んでいて、私も吸い込まれるようにシャッターを切っていました。日常に起こる偶然という奇跡を映し出せたときの感動が蘇る一枚です。
次に狙っているカメラやレンズはまだ決まっていませんが、娘と一緒に楽しめそうなオールドレンズを購入してみたいです。
著者
Hako
1975年、広島生まれ。フリーランスフォトグラファー。 音大在学中に写真の魅力と出会う。卒業後、フォトスタジオに所属。2004年に結婚。その後はフリーランスフォトグラファーとして雑誌、ブライダル、CDジャケット等多ジャンルで活動。娘が誕生するまで広島、大阪、徳島などで定期的に写真展を開催。現在は、夫の仕事の都合で中国在住。今一番お気に入りのカメラはCanon EOS5D Mark Ⅳ。
Hako
1975年、広島生まれ。フリーランスフォトグラファー。 音大在学中に写真の魅力と出会う。卒業後、フォトスタジオに所属。2004年に結婚。その後はフリーランスフォトグラファーとして雑誌、ブライダル、CDジャケット等多ジャンルで活動。娘が誕生するまで広島、大阪、徳島などで定期的に写真展を開催。現在は、夫の仕事の都合で中国在住。今一番お気に入りのカメラはCanon EOS5D Mark Ⅳ。
Hakoさんの使用カメラ