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自分の感性・感覚に身を任せて。 偶然巡り合う目の前の光景を大切に残していく
会社員として働きながら、週末にはフィルムカメラを持って日常に潜む何気ない瞬間を写真に残されているponさん。ponさんの写真を眺めていると、見落としがちな日常の美しさ、そして写真の奥深さを感じます。そんなponさんがどんな瞬間に魅力を感じ写真に残されているのかを知りたくてお話を伺いしました。
著者: pon | 作成日: 2023/03/14
― はじめにponさんが写真を始めたきっかけや、写真にのめり込んでいった経緯について教えてください。
いまお付き合いをしている恋人との出会いがきっかけです。元々、Canonのエントリー機を持っていたのですが、購入したものの中々使いこなすことが出来ず、使用する頻度が少なくなっていました。
恋人もカメラを所有していて写真を撮ることが趣味でしたが、私と似た理由でカメラから疎遠になっていたようです。お互いカメラを持っていた為、写真を一緒に撮りに行ってみよう!という事で、再びカメラを持ち歩き、写真を撮りに行く様になった事が大きなきっかけです。
最初は褒めてもらいたくて(笑)、喜んでもらいたくて、有名な写真家さんのお写真を見よう見まねで、話題のロケーションを訪れ写真を撮り続けました。
ところが同じロケーションなのに、同じ様に写真が撮れなくて『写真家さんと私の写真は、何が違うのだろう?』と疑問を持ち始め、その疑問を解決すべく研究していくうちに、どんどん写真にのめり込んでいく様になりました。
今となっては、カメラと写真は私の生活に欠かせない大切なものになりました。
― ponさんの写真を眺めていると、誰かのためや人に見せるためではなく、どこかponさんの内面に向き合いながら撮られている印象を受けます。写真を撮る目的は人それぞれですが、ponさんはどんな瞬間に魅了され、どんな写真を残そうと考えていらっしゃいますか。
私は写真を撮る上で自分の感性と感覚を大切にしています。写真を撮り始めた頃はSNSに積極的に投稿していた事もあり、どうしてもいいねの数だったり他人からの評価を気にしてしまうことがありました。
他人からの評価を気にしながら写真を撮り続ける事は、とても苦しい事でした。自分が素敵だなと思って撮ったお気に入りの写真も、いいねの数が少ないと価値の無い写真のように感じてしまいます。
写真はマナーを守り周りに迷惑をかけなければ表現は自由ですし、どのような瞬間に魅力を感じるかは個々の感性によって変わると思います。だからこそ、写真表現は無数にあり、動画コンテンツの勢いのある昨今でも、多くの人を魅了するのだと思います。
少し脱線しましたが自分の感覚に身を任せて撮影をしていると、不思議な事に木漏れ日や、日常の中に潜む陰影などを写真に収める事が多いです。
目まぐるしく変化する毎日ですが、日々の生活に潜む何気ない瞬間・何気ない景色に、これからも注目して、私なりの表現で写真を残し続けられればなと思っています。
― ponさんの写真の中でも光と影、特に影の美しさを切り取ったスナップが印象的です。意識しなければ見落としてしまう美しさであり、改めて写真の面白さ・素晴らしさを感じます。ponさんが光や影に感じる魅力や、積極的に影を撮る理由を教えてください。
その様に言って頂けてとても嬉しいです!ありがとうございます。
写真を撮る上で、ロケーションに関わらず光と影はとても意識をしているので、曇りや雨の日にはあまり積極的に撮影をしていません。
影の魅力は、天候や時間帯季節によって、同じ場所でも表情が大きく変わる事だと思います。普段通い慣れている道も、訪れる時間を変えれば影の伸び方も大きく変わります。何ともなかった道も、私にとって素敵な景色に生まれ変わります。
ある程度予測できても、素敵な影に巡り合うためには、その場にたまたま居合わせる偶然性も必要だと考えています。だからこそ素敵な影に巡り合えた時には、大きな喜びを感じ、写真に残したいと強く思います。
有名なロケーション、所謂絶景を写真に収める事も楽しいのですが、私より素敵な写真を撮られる方は沢山いらっしゃいますので、私が積極的に撮る必要はないのかなと最近は思います。
スナップは撮影する人の感覚や目線などによって、同じ場所で撮っても全く違う写真になるので、その点も私がスナップ撮影に拘るポイントなのかもしれません。
― ponさんはフィルムカメラをメインで使用されていると思います。フィルムは手間もコストもかかり、ここ数年のフィルム代の高騰も重なり、少しずつ遠い存在になりつつあると思います。そんな中でもponさんはフィルムのどんなところに魅力を感じ、フィルムを選び続けていらっしゃいますか。
フィルム特有の暖かみのある写真、デジタルでは再現できない懐かしさを想起される写真が大好きだからです。高騰が続いておりお財布は常に余裕のない状況ですが、私の写真表現には欠かせない物、それがフィルムです。
レタッチが苦手という事もありますが、フィルムで撮った写真はいつどんな時も、肉眼で見た以上の素敵な景色になって、私の手元に戻ってきてくれます。
その度に平凡な日常も私の人生も、悪くないなと思わせてくれるのです。値段は関係なく、私の今までの、これからの人生にもなくてはならない物です。
また、Laboと一緒になって素敵な写真を作り上げていくような感覚もフィルムの醍醐味です。現像は戸越銀座のフォトカノン様にお願いしています。オーダーはお任せですが、常に好みの仕上がりにしてくださるので、感謝の気持ちでいっぱいです。
― ponさんがメインで使っているカメラ・レンズについて、それぞれの機材を選ばれた経緯や用途、お気に入りの点について教えてください。
1. CONTAX T2
メインで使用しているカメラです。元々フィルムカメラに求めていた事が、素敵な瞬間に出会った時に気軽にシャッターを切れる事(絞り優先で撮りたい時にすぐ撮れる)、撮りたい瞬間を逃さない、さっと取り出せる携帯性(ポケットに入るコンパクトさ)でした。
欲張りな私は、画質にも妥協したくないという事で辿り着いたのがCONTAX T2でした。価格は10万超え、しかも故障したらほぼ修理不可能ですので、購入するか沢山悩みましたが、今となっては欠かせない相棒です。肌身離さず持っています。
2. PENTAX 67 / SMC PENTAX67 90mm F2.8
好きな写真家さんが使っていた事も理由ですし、ONE SCENE様のストーリーインタビューに登場する素敵な写真家の皆様の写真を見て、中判ならではの美しい描写に憧れ、購入を決意しました。
レンズもフルサイズ換算で45mmと心地よい距離感で、開放で撮ることの少ない私にとってはF2.8で充分です。
スナップというよりもここぞという撮影で使用します。購入したばかりでまだ数本しか現像に出せていませんが、帰ってくる写真を見て、いつもその美しさに感動しています。これから先も、このカメラで沢山の思い出を残していきたいです。
― 最後に、ponさんのベストショットと、次に狙っているカメラやレンズ、今後の抱負があれば教えてください。
私のベストショットはこの写真です。
仕事での移動中に、たまたまとある駅のエレベーターホールに綺麗な光が差し込んでいました。意識しなければ見逃してしまう、何気ない光景であり、気付かないだけで、身の回りには沢山の素敵な景色が潜んでいるという事を体現出来た写真だと思っています。
手持ちの機材に満足しているので、直近で狙っている機材は特にありません。が、資金に余裕ができたらCONTAX Ariaを使ってみたいです。CONTAXブランドのカメラ、レンズが好きです。
これから先も自分のペースで写真を楽しんでいけたらなと思っています。また、今後はもう少し誰かのためにも写真を撮ってみたいです。家族、恋人、友達、私と関わってくれる人の為にも写真を撮って、喜んでもらうことが出来たならきっと、この上なく幸せだと思います。
最後にこの様な機会を設けてくださり、ここまでお読み頂き、ありがとうございました。皆様もより良い写真生活をお送りください。