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写真とは、その瞬間に形を与えること。 そこに流れていた時間の記憶をそのまま残していく
SNSを中心に日常の写真を発信されているsaisekaiさん。saisekaiさんの撮るミニマルで余白のある写真を眺めていると、写真には撮る人の感性や美意識がそのまま表れることを強く感じます。そんなsaisekaiさんがどんな瞬間に魅力を感じシャッターを切っているのかを知りたくて、お話を伺いました。
著者: saisekai | 作成日: 2022/11/21 | 更新日: 2023/01/29
― はじめにsaisekaiさんが写真を始めたきっかけや、写真にのめり込んでいった経緯について教えてください。
社会人になり、初めてのボーナスでSONYのα6000を買ったことが写真を始めたきっかけです。
学生の頃からスマホで撮った写真をInstagramに投稿したりしていたのですが、徐々にスマホで撮る写真に物足りなさを感じ、せっかくだから写真を趣味にしてみようと思いカメラを買いました。
カメラを買った当時はシャッタースピードもISOもろくに理解しておらず、派手に白飛びした写真やピンボケが酷い写真を量産していました。それでも、不思議と写真を撮るのが楽しくてたまりませんでした。気付けば自分の理想の写真を追求したいと思うようになり、自然と撮る頻度や枚数も増えて今に至るという感じです。
― 写真には撮る人の感性や美意識がそのまま表現されますが、saisekaiさんの写真を眺めていると、そのことを強く意識させられます。ありふれた景色のはずなのにまるでsaisekaiさんに流れている時間が異なるようにすら感じます。saisekaiさんは、どんな瞬間に魅力を感じ、写真を通じてどんなことを表現されていらっしゃいますか。
暮らしの中で目にする様々な瞬間に魅力を感じますが、その中でもよく「光が綺麗だな」と思うことが多いです。例えば、通勤時間に差す朝日とか、電車の窓から入る陽の光とか、水面に反射してキラキラ輝いている光とか、そういう瞬間を見つけると綺麗だと感じます。
写真を撮るという行為は、目で見たその瞬間に形を与える行為だと思っています。自分が綺麗だと感じたものの多くはいずれなくなったり、変化してしまうものですが、写真にすることでそれらを形に残すことができます。
残すという行為を表現と呼べるのかは分かりませんが、自分の感覚としては、綺麗だと思い目を向けた瞬間を、できるだけそのままの姿やそのとき感じた雰囲気のまま残せないだろうかと思いながら写真を撮っています。
― 先ほどの質問とやや重複するのですが、saisekaiさんのインスピレーションの源泉について教えてください。また、写真家でも写真家でなくても影響を受けた方はいらっしゃいますか。
良いと感じた瞬間に遭遇すれば、手元にカメラがあってもなくても、反射的に写真を撮りたいと思います。良いと感じるのと撮りたいと思う気持ちがほぼ同時に来る感じです。
写真を撮り続けていたら、いつの間にかそう思うことが癖になった気がします。
写真にはあまり関係がないかもしれませんが、自分の感性は少なからず音楽の影響を受けていると思います。
特に影響を受けたと感じるアーティストはBUMP OF CHICKENです。「COSMONAUT」というアルバムがあるのですが、そこに収録された楽曲を聞いていた日々は今でも自分の大切な記憶の一部になっています。
― 続いて写真表現について教えてください。saisekaiさんは時折フィルムのような粒子感やフィルターを使われることもありますが、撮影時の設定やレタッチ等においてどんなことを意識されていらっしゃいますか。
綺麗だと感じた瞬間を撮る感覚は、撮るというよりも目の瞬きに近いと思っています。
瞬きをした瞬間がそのまま写真になればいいのですが、カメラという機器を使う手前そうはいかないので、写真を撮ってレタッチするという一連の作業の中で、できるだけ目で見たときの姿や雰囲気に近づけることを意識しています。
また、目で見た場面は次の瞬間から記憶になり、時間が経つにつれて少しずつ滲んでいく感じがします。はっきり見たはずなのに、後から思い出してみると少しぼんやりしていて、曖昧になってしまったあの感じです。
1年ほど前からフィルムカメラを使うようになったのですが、初めて現像した写真の雰囲気が時間の経過と共に少し曖昧になった記憶と重なり、とても良いと感じたことがありました。それがきっかけでフィルムの質感を取り入れようと思い、レタッチの時には明瞭度を落としたり、粒子を加えたりすることが増えました。
― saisekaiさんがメインで使っているカメラ・レンズについて、それぞれの機材を選ばれた経緯や用途、お気に入りの点について教えてください。
現在は主にFUJIFILMのX-T4を使用しています。FUJIFILMの穏やかな発色と豊富なフィルムシミュレーションに惹かれ、2年ほど前に購入しました。
レンズはボディと合わせて購入したXF35mmF1.4 Rを使うことが多いです。このレンズは2012年発売のレンズですが、価格が手頃だったのと現在でも描写に対する評価が高かったので購入を決めました。
自分の撮影スタイルは目で見た瞬間をできるだけそのまま切り取るというものなので、広角や望遠よりも人の視野に違い画角で撮影できるレンズを使うとしっくりきます。ちなみに、ズームレンズを使うこともあるのですが、撮影時にズームリングを操作するのが煩わしく感じることもあり、気付けば単焦点レンズばかり使うようになっていました。
― 最後に、saisekaiさんのベストショットと、次に狙っているカメラやレンズ、今後の抱負があれば教えてください。
友達とした旅行の最終日、朝ホテルを出発するときに撮った部屋の写真です。前の晩、みんなでお酒を飲みながらいろんな話をした余韻が残っていて、名残惜しい気持ちでシャッターを切ったことを覚えています。
自分の中ではこの写真が旅行の大切なワンシーンを捉えたように感じて、ここ最近で一番のベストショットだと思いました。ちなみに、この旅行で撮った写真をフォトアルバムにまとめて後日友達に配ったらとても喜んでもらえました。写真を撮っていて良かったと心の底から思った瞬間でした。
次に狙っているカメラはGFX 50S IIです。ラージフォーマットの描写と写真の雰囲気に憧れているので、いつか手にしてみたいと思っています。
抱負というほどのものではないかもしれませんが、これからも自分の撮りたい写真を追求し続けていきたいと思います。
著者
1993年岐阜県生まれ、名古屋市在住。趣味で休日に写真を撮るサラリーマン。2020年夏頃からTwitterにて写真の投稿を始める。2022年11月、初のフォトブック「新世界」を発刊。
saisekaiさんの使用カメラ
saisekaiさんの使用レンズ