FUJIFILM XF16-80mmF4 R OIS WR

Xシリーズきってのオールラウンダーズームレンズ

35mm換算で24〜122mm相当という5倍ズーム仕様で、全域F4という明るさを実現している、“小三元レンズ”の一角であるXF16-80mmF4 R OIS WR。

小三元レンズといえば、ほどほどの明るさと高倍率という便利さがゆえに、秀でた部分の少ない凡庸な印象があるかもしれません。ただし、ミラーレス時代における小三元レンズは、大三元レンズに充分対向できる特徴を持ち合わせているものがほとんど。特にXシリーズには、XF18-55mmF2.8-4 R LM OISという、安価で軽量コンパクトなのに描写が良くF2.8が使えるという銘キットレンズが存在するので、より力の入ったレンズ仕様にまとまっています。

高倍率でF4通しでレンズ内手ぶれ補正が搭載されているにもかかわらず、軽量コンパクト。 XF18-55mmF2.8-4 R LM OISの全長70.4mm・約310gにはさすがに及びませんが、それでも88.9mm・約440gというボリューム感は、持ち合わせている仕様を考えるとかなり健闘した数字といえます。少しのボリュームアップでXF18-55mmF2.8-4 R LM OISよりも少し広く遠くが撮れるのであれば、検討する余地があるのではないでしょうか。

こうした高倍率ズームの場合、近接撮影がウィークポイントだったりしますが、XF16-80mmF4 R OIS WRは別。全域最短35cm、最大倍率0.25倍を実現しています。広角マクロのような使い方は少々厳しいものの、背景をしっかり溶かして被写体を浮き立たせる望遠マクロ的な写真には充分なスペック。最大6.0段という強力なレンズ内手ぶれ補正付きなので、手持ち撮影でもブレをしっかり抑えて手軽に撮ることが可能です。

レンズには非球面レンズを4枚、うち、一枚に特殊なED非球面レンズを採用するなどして描写性能を保証。外的な要因の収差だけでなく、手ぶれ補正による収差の変動も抑制しています。

アウトドアな使い方にもマッチした優れた機動性と耐久性

防塵・防滴・耐低温構造を採用しているため、同仕様の本体と組み合わせれば、屋外でもガンガン使用可能。レンズの軽量に成功しているため、ハイエンド機のX-T5と組み合わせても1kgを下回る重量に収まるので、登山などのヘビーなアクティビティのお供にしても充分適しています。広角、望遠、近接とあらゆる画角で自然の育みを切り取ってみてはいかがでしょうか。

もちろん、もっとライトなお出かけ用や、旅行用レンズとしても重宝します。ボディ内手ぶれ補正のないエントリー機や少し前の機種と組み合わせても、レンズ内手ぶれ補正のお陰で、出先での写真の打率もかなり向上するでしょう。

作例紹介

カメラとのバランス感

XF16-80mmF4 R OIS WRはX-T4のキットレンズに採用されていることもあり、バランス感は申し分ありません。カメラ・レンズ合算で1kg程度でフルサイズ換算24-122mmをカバーできるというのは実に魅力的です。

ユーザーレビュー

■ ポジティブレビュー

• 手ブレ補正と防塵防滴はあって損がない
• 実直な描写力で使いやすい
• 近接性能の良さはとても重宝する
• カバー範囲が広くてシンプルに使いやすい

広角〜望遠、近接まで網羅した使い勝手の良さと及第点な移りで、便利ズームを欲して買った人は総じて高評価な印象。

■ ネガティブレビュー

• 高画素機の解像感をなかなか引き出せない
• 大きくぼかすのが難しい
• フィルター径が大きい

描写性能に対する評価が分かれていますが、修理に出したら良くなったみたいな意見もあったので、違和感を感じたらメーカーに問い合わせてみましょう。

まとめ

オールラウンダーな性能で、最初のレンズとしても最適なXF16-80mmF4 R OIS WR。最新機種ではなく、X-T3のようなボディ内手ぶれ補正非搭載のハイエンド機と組み合わせて、費用を抑えつつも安心できるシステムを組みたいときにもオススメなレンズです。