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”部屋に飾りたくなる写真”をテーマに。 撮るものに向き合い、日常の中の美しさを切り取っていく
日々の暮らしの中の風景を多様な視点で切り取っているキタオリさん。キタオリさんの写真を眺めていると、どこか海外のアートブックを見ているようで、日常に潜む美しさに気づかされます。そんなキタオリさんがどんな瞬間に魅力を感じシャッターを切っているのかを知りたくて、お話を伺いました。
著者: キタオリ ユウキ | 作成日: 2021/03/04 | 更新日: 2023/01/28
― はじめにキタオリさんが写真を始めたきっかけや、写真にのめり込んでいった経緯について教えてください。
小学生ぐらいの頃から家にあったコンデジで、飼っていた犬やかぶとむし、庭の草などを撮っていたのを覚えていて、今考えるとそれがきっかけにあたるかもしれません。父親がカメラを持っていたので、それも勝手に借りて遊びで撮っていました。しばらくしてカメラ熱も冷めそこから大学に入るまでは写真とは無縁でした。大学に入ってなにか始めたいと思い立ち、実家に眠っていたカメラを持ち出しました。
のめり込むきっかけは、大学一年生のときでした。音楽サークルに入っていたのですが、そこでライブ写真を撮る係になります。カメラを持っていたからという理由からなのですが、そこでカメラの操作のすべてを独学で覚えてから、写真が楽しくて仕方がなくなりました。そこからはもう止まりません(笑)。建築を学んでいるので建築を撮りに出かけたり、友達のポートレートを撮らせてもらったりしながら、写真にのめり込んでいきました。
― キタオリさんの写真を眺めていると、どこか海外のアートブックを見ているようで、日常に潜む美しさに気づかされます。キタオリさんの感性や視点、美意識がそのまま反映されていると思うのですが、キタオリさんはどんな瞬間や景色に魅力を感じてシャッターを切っていらっしゃいますか。また、写真家でも写真家でなくても影響を受けた方はいますか。
自分がいいと思った瞬間をそのまま撮るように意識しています。日常にはそこら中にきれいな景色があるのに、スマホを見ていると気づかない。そんなことがもったいないと思い、常にきょろきょろしながら歩いては立ち止まり、シャッターを切っています。いわゆる映えスポットのような絶景も好きですが、身近なものを撮ることの方が楽しいし魅力を感じます。
影響を受けた写真家は瀧本幹也さんです。LAND SPACEという写真集を見たときは夢中になって何時間も眺めていました。さらにさかのぼって考えると、影響を受けた体験として幼い頃から両親がいろいろなところへ連れて行ってくれたことがあると思います。そのおかげでその場所や雰囲気の読み方がわかり、そこの良さに気づきやすくなりました。場所に”人見知り”しなくなったと言いますか。
― スナップ写真は表現の幅が広いからこそ難しく、また直感的な要素が強いと思います。キタオリさんはスナップ写真に置いて、どんなことを心がけていらっしゃいますか。
先ほども少し触れましたが、日常の中の美しさを切り取ることを心がけています。また変に変わった撮り方はせず、撮るものにしっかりと向き合い、一枚一枚丁寧にシャッターを切るようにしています。
僕の写真のテーマのひとつに”部屋に飾りたくなる写真”というのがあるのですが、見てくださる方が毎日でも見ていられて生活に溶け込んでいくような写真を目指しています。
― キタオリさんの写真は、濃厚で豊かな階調がとても印象的です。撮影時の設定や現像時など、写真表現において心がけていることについて教えてください。
撮影時の設定については、特に変わったことはしておらず適切な明るさで撮るようにしています。僕はアンダーよりの写真が好きなのでそういう場所をよく撮っており、その場合はフレームの中で自分が一番見せたい場所に露出を合わせています。
現像時においても、なるべく自然な編集を心がけており、シャドウを極端に持ち上げたり、色味を不自然に変えたりすることはしないです。また階調表現は特に気を使っていて、なだらかにすべての色がつながるようにトーンカーブやHSL、ときには輝度マスクなどを使って細かく調整をしています。
― キタオリさんはデジタルもフィルムも使っていらっしゃいますが、特にデジタルではFUJIFILMのカメラ・レンズを愛用されていると思います。FUJIFILMのどんなところに魅力を感じ選ばれましたか。
まずなんと言ってもカメラの見た目です。これがカメラ選びで一番大事だと思っています。毎日持ち歩きたくなるカメラですし、今もたまに机に置いては眺めています(笑)。次に、ダイヤルなどの操作性です。FUJIFILMのカメラは直感的な操作ができるので、一瞬のシャッターチャンスも逃しません。それが僕の撮影スタイルにマッチしていました。
― キタオリさんがメインで使っているカメラ・レンズについて教えてください。それぞれに辿り着いた経緯や、それぞれのカメラ・レンズのお気に入りの点について教えてください。
メインで使っているカメラはX-Pro2です。最初は他社の一眼レフを使っていたのですが、大きくかさばるので持ち出すのが億劫になっていました。そこでミラーレスカメラをネットやカメラ屋で探していたところ、今も愛用しているX-Pro2に出会いました。正直一目惚れでした(笑)。現在はX-T3も使っていて、撮影に合わせて持ち替えながら併用しています。
レンズはXF35mmF1.4 RとAI Micro-Nikkor 55mm f/2.8Sを主に使用しています。XF35mmF1.4はFUJIFILMに変えてすぐに買ったレンズで、しっとりとした描写といい、サイズといい、全てが自分に合っていました。手放せないレンズです。
Nikkor55mmは最近手に入れたレンズなのですがとにかく描写が繊細で、質感を大事したい撮影のスタイルとも相まって現在の主力レンズになっています。
― 最後に、キタオリさんのベストショットと、次に狙っているカメラやレンズ、今後の抱負があれば教えてください。
ベストショットはこちらです。
日が沈んできた鳥取砂丘での一枚なのですが、砂丘を歩く二人のシルエットが素敵で思わずシャッターを切りました。二人の足元から登るような雲の質感、シルエットと大地の大きさの対比が地球の偉大さを感じられるようで、気に入っています。
実はこれを撮る日の数日前にだいぶ落ち込む出来事があったのですが、鳥取砂丘に訪れ、自然の壮大さを感じ、「いつまでも引きずってないで切り替えよう、なるようにしかならない」と、気持ちが晴れたのを覚えています。
狙っているカメラはFUJIFILM GFXシリーズです。中判ならではの描写や質感が気になっています。一枚一枚を丁寧に撮るにはもってこいではないかと思っています。また、今使っているカメラへの不満をあげるならダイナミックレンジの狭さがあるのですが、中判を使うことでそれを解消できるのではと期待しています。
そして今年度、はじめて個展を開催しようと思っています。これまでの写真人生の集大成を見せたいです。詳細は随時告知していくのでお楽しみに。
著者
キタオリ ユウキ
1997年生まれ、兵庫県神戸市在住。趣味で写真を撮っています。音楽と建築が好きです。愛用カメラはFUJIFILM X-Pro2。
キタオリ ユウキさんの使用カメラ
キタオリ ユウキさんの使用レンズ