HOMEストーリー大好きなひとたちの何気ない日常を。 誰かの記憶の中のシーンのような写真を撮りたくて

大好きなひとたちの何気ない日常を。 誰かの記憶の中のシーンのような写真を撮りたくて

IT企業でWebエンジニアとして働きながら、週末には「写ルンです」やフィルムカメラを中心に身近な人たちを撮るui.___さん。一見、日常のたわいも無い瞬間を切り取ったように見える写真数々には、どこか懐かしいという言葉だけでは説明できない強い意思が潜んでいるように感じます。写真の裏側に潜む何かを探りに、ui.___さんの写真との出合いと写真に込める想いを伺ってきました。

ui.____
created: 2020.01.19 / update: 2020.09.13
@ui.____より
出典:2instagram

富士フイルム 写ルンです
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Nikon F-601QD
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富士フイルム 写ルンです
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OLYMPUS PEN-F
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― ui.___さんのインスタグラム投稿を遡ると、必ずしもフィルムばかりではありませんが、写真を撮り始めたのはいつ頃からだったのでしょうか?
 
大学3年生の時、所属していたテニスサークルの合宿で写真係になったことがきっかけでした。その時購入したカメラは、オリンパスのミラーレス一眼。カメラのことは全然分からなかったので、レンズはキットレンズで設定ももっぱらオート設定でした。
 
写真を撮ることよりも編集が楽しくて。当時インスタグラムが流行り始めていたので、最初はインスタのフィルター機能を使って編集していました。少しずつ他の加工アプリなんかも使ったり。
 
撮影した写真を編集して友達に送ったら、facebookのプロフィール画像にしてくれたりすることが嬉しくて、そんな経験を繰り返しているうちに、少しずつ写真の世界にのめり込んでいった気がします。

当時のオリンパスのミラーレス一眼カメラ



― 友人のライブ活動の写真も多いですよね。
 
自分にやりたいことがないことに強いコンプレックスを感じていて、同期の佐藤栞菜は強い意志を持って生きていることにとても魅力を感じていました。そんな中で、自分もなにかに一生懸命になりたいという気持ちと、彼女の歌をみんなに聞いてもらうためになにか力になれないかと考えている中で、同期の栞菜に「写真」を撮るのはどう?と言われたことがきっかけです。
 
でも、オリンパスのミラーレス一眼カメラでは限界があって。ライブハウスは暗いし、動きが速くて。。そのタイミングで初めてカメラについて勉強をし始めて、当時辿りついたのがCANONのEOS 70Dでした。今は、EOS 6D Mark IIとEF 24mm-70mm F2.8L II USMを使っています。

Canon EOS 6D Mark II / EF 24-70mm F2.8L II USM
出典:instagram

Canon EOS 6D Mark II / EF 24-70mm F2.8L II USM
出典:instagram

Canon EOS 6D Mark II / EF 24-70mm F2.8L II USM
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― ライブ以外の写真はフィルムがほとんどだと思うのですが、フィルムの世界に入っていたきっかけは何だったのでしょうか?
 
SWITCHという番組の奥山由之さんと松坂桃李さんの対談の回を見て、次のセリフがすごく衝撃的だった且つすっと入ってきました。

「カメラ好きじゃないんです。できれば持っていたくない。最終的に目がカメラだったら最高。使い捨てカメラは瞬発性がすごくある。」
 
デジタルカメラを使っていく中で、「ミスなく撮ろう」とカメラの設定をして、ファインダー越しに被写体や光を見て、出来上がりをモニターで確認する。この流れに少し寂しさを感じていました。なんだか、被写体を放ってしまっているような。しかも撮影していた時間が自分の記憶に残らないんですよねぇ。思い出せない。カメラとの対話みたいで。あまりカメラで撮影するということを意識しすぎず、その場その時間を私自身も登場人物として楽しんで幸せを噛み締めて、その中で「あっ」と思った愛おしい瞬間を、一瞬を匂いや温度と共に逃さず残したい。フィルムカメラは自分の写真観にあっている気がしました。そこからフィルムで写真を撮り始めるようになりました。その後奥山さんについて調べたりトークセッションに行ったり、写真展に行ったり・・・すっかり彼のファンになってしまいました。
 
奥山由之(おくやま よしゆき、1991年1月23日 -):
10代で映画をつくり、大学在学中に写真集を刊行してデビュー。以降、精力的に写真集、展示会にて作品を発表。また、ファッション、エディトリアル、広告など各分野にて独創的で斬新な作品を発表し、TVCMやMVのディレクションまでをも手がける。
引用:写真を読む夜(山内宏泰)


― フィルムとデジタルはどのように使い分けていますか?
 
プライベートはフィルム、ライブはデジタルという風に使い分けているのですが、フィルムにしてもデジタルにしても、共通しているのは「大切な人の何気ない日常を撮りたい」という想いで、誰かの記憶の中にあるシーンのような写真を撮りたいと思っています。

富士フイルム 写ルンです


Nikon F-601QD
出典:instagram

Nikon F-601QD
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フィルムは「写ルンです」やオリパンスPEN-Fを使っています。どちらもコンパクトなカメラで相手に圧迫感を与えないところが好きです。その方が相手との距離がさらに縮まる気がして。
 
特に「写ルンです」は、自分の表情が相手に見えるので、カメラを向けられることが苦手な人でも良い表情が撮れる気がします。「写ルンです」を2台用意して、相手に1台渡すなんてことも効果的です(笑)。


― それは面白いアイデアですね。ぜひ真似させてください笑。最後に、ui.___さんのベストショットと、次に狙っているカメラやレンズ、今後の抱負があれば教えてください。
 
「写ルンです」で初めて撮ったこの写真が私のベストショットです。

富士フイルム 写ルンです
出典:instagram

雨の中夜の下北沢で撮りました。写真を撮ろう、という意識はほとんどなく、楽しくワイワイしていたときにノリと流れでシャッターを切っていて。デジタルじゃないので出来上がりもその場ではわからず、ちゃんと写っているかさえも分からないままに。でもだからこそ、ありのままのリアルな日常の画が切り取れたんだなぁと感じました。
 
欲しいカメラは、CONTAX T2。これも奥山由之さんが愛用していると知って、Instagramで作例を見たのがきっかけです。とにかく厚みのある記憶のような表現が好きで、あとカメラの見た目も好みです。
 
私にとって、「写真を撮る」という行動は、心が動いたシーンや大好きな人など、愛を感じられるモノや風景に対して残したい!という衝動のようなものです。私の写真を見てくださっている方々からよく「愛/情熱を感じる」「芯がある」と最高に嬉しいコメントをよくいただきます。これからも、もっと色んな愛する対象に出会って、見つけて、わたしの感性を通して残していきたいと思います。