フルサイズ一眼レフというのは、アマチュアカメラマンにとって憧れであり、また到達点でもありますが、そんなフルサイズ一眼レフを手が届きやすく、初心者でも扱いやすくしたカメラがEOS 6D Mark IIです。6D Mark IIはフルサイズ入門機として魅力的な機能が満載となっています。
デジタル一眼レフ / Canon / ミドル
新品:
15,200円〜(370)
中古:
109,800円〜(163)
製品解説
スペック情報
Canonらしい万人向けフルサイズ
Canon EOS 6Dシリーズは、フルサイズ一眼レフ入門モデルとしてラインナップされていますが、Canonといえば初心者向け・ライトユーザー向け一眼レフとしてEOS Kissシリーズが有名です。EOS Kissシリーズは、初心者でも手軽にデジタル一眼らしい美しい写真を撮れるということで、エントリー機として絶大な人気を誇っています。
EOS Kissシリーズがデジタル一眼に触れるきっかけを作ってくれるカメラである一方、EOS 6Dシリーズはフルサイズ一眼に触れるきっかけを作ってくれるカメラといえます。
6D Mark IIは従来機の6Dと比べると、外見はバリアングル液晶以外変更なし、操作系にも大きな変更点はありません。画素数も2020万画素から2620万画素と、わずかにアップしただけとなっています。
しかし、AF測距点は大幅に増え45点となっており、5D Mark IVには及ばないものの、AFエリア内であれば、ほぼ自由に測距点を選んで撮影することができます。
また、6Dは連写速度が4.5コマ/秒しかなく、測距点も少ないことから、動きモノ撮影の難易度が高くなっていましたが、6D Mark IIは連写速度が6.5コマ/秒にアップしたことで、動きモノをかなり追えるようになりました。画素数・連写コマ速では、上位機種である5D Mark IVに迫る性能となっています。
ISO感度は常用で最高40000と、5D Mark IVを上回っているので、発売から時間が経ち旧世代感の強くなってきた5D Mark IVと比較すると、フルサイズエントリー機として価格が抑えられている6D Mark IIは、非常にコストパフォーマンスの高いフルサイズ一眼となっています。
もちろん、プロが使うことを前提とした1Dx Mark IIや5D Mark IVのように、超高速連写や超高画質といった尖った性能はありませんが、6D Mark IIはレンズの歪みや収差をカメラ内で補正するレンズ光学補正や、雰囲気優先か白優先かを選べるホワイトバランスなどが撮影者を強力サポートしてくれるので、フルサイズカメラで撮影する上での様々なシーンにおいて不便さを感じない、万能性があるカメラといえるでしょう。
Canon EOS 6D Mark II / EF70-200mm F2.8L USM
Canon EOS 6D Mark II / EF70-200mm F4L USM
Canon EOSシリーズ相関図(2020年10月時点)
一眼レフにマグネシウム合金は不要か
6D Mark IIが5D Mark IVに迫る性能でありながら、大幅にコストカットされている理由の1つに、ボディが樹脂製であるという理由があります。また、4K動画への対応が難しい理由も、樹脂製ボディが遠因になっていると考えられます。
マグネシウム合金は耐衝撃性と軽量化を両立できるボディ素材ですが、原料や製造コストが高くなります。しかし、樹脂製にすれば、耐衝撃性はマグネシウム合金に劣りますが、軽量性は高く成形も容易で、製造コストを抑えることができます。6D Mark IIはその樹脂製ボディの接合部分をシーリングすることで防塵防滴に配慮した設計となっており、それによって低コストでCanonフルサイズ一眼レフ史上最軽量ボディを達成しました。
しかし、樹脂製は排熱性が低いというデメリットがあり、熱伝導性が高いマグネシウム合金と比較すると、シーリングをした樹脂製ボディは熱が籠もりやすくなっています。6D Mark IIは、1Dx Mark IIのDIGIC6+よりも新しいDIGIC7という映像エンジンを搭載していますが、1Dx Mark IIが4K60pでの撮影が可能なのに対して、6D Mark IIはフルHDまでしか動画撮影できないということは、この排熱性の悪さなども一因となっている可能性が考えられます。ミラーレス化などで軽量化が進むデジタル一眼、今後は排熱性にどう配慮していくかということも課題となりそうですね。
EOS Rは価格的には5D相当、RPが6D相当となっており、今更レフ機でフルサイズデビューしなくてもRPで良いのではないかという意見も出てくることでしょう。しかし、Canonのフルサイズミラーレス機はSONYやNikonとは違い、ボディ内手ブレ補正を搭載しておらず、デュアルピクセルAFで追従した際の連写速度も今ひとつとなっています。この辺は今後どの様に進化するかが不透明で、更にRPのバッテリーはCanonデジタル一眼でよく使われるLP-E6ではなく、80Dや7D Mark II、5D系などとのバッテリー互換性がないというデメリットも。6D Mark IIであれば80Dなどと同じバッテリーなので、サブ機としても使いやすくなります。
デジタル一眼が将来的にミラーレスへ完全移行していくことは間違いないので、RPでフルサイズミラーレスに先行投資しても良いですが、フルサイズミラーレス移行の時期を見定めるため、EOS 6D Mark IIでRP後継機発売まで静観するという選択肢も検討する価値があるのではないでしょうか。
しかし6D Mark IIには、フルサイズを買ってもレンズがないということがないように、ぴったりのキットレンズが設定されています。それがEF24-105mm f/3.5-5.6 IS STM。広角から中望遠域をf/3.5-5.6という開放F値でカバーすることで、フルサイズならではの広角撮影やボケ描写を楽しむことができます。