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光や音までが伝わるように。 心の琴線に触れた瞬間を、フィルムの「穏やかさ」を通じて

レースのカーテン越しに美しくゆらぐ光や、雑誌の中の一枚のようなカフェの写真、まるで北欧の景色を見ているかのような印象を受ける風景など、穏やかで美しいフィルム写真を公開するRioさん。季節ごとに変わる日の高さまでも感じるRioさんの写真からは、Rioさんが光に向き合っていることが伝わってきます。また美しく切り取られた数々の写真を眺めていると、写真には撮る人の感性がそのまま詰まっているということを改めて感じます。そんなRioさんの感性や美意識の源泉や、写真に込める想いを知りたくてお話を伺いました。

著者: Rio | 作成日: 2020/01/23 | 更新日: 2023/01/28

@hikari_toneより
@hikari_toneより出典: instagram
Nikon FE2 / Nikon AI Nikkor 50mm F1.4/S
Nikon FE2 / Nikon AI Nikkor 50mm F1.4/S出典: instagram
Nikon FE2 / Nikon AI Nikkor 50mm F1.4/S
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Nikon FE2 / Nikon AI Nikkor 50mm F1.4/S
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Nikon FE2 / Nikon AI Nikkor 50mm F1.4/S
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Nikon FE2 / Nikon AI Nikkor 50mm F1.4/S
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はじめに、Rioさんが写真を始めたきっかけや、写真にのめり込んでいった経緯について教えてください。

今の私にたどり着いた原点は一冊の雑誌、「雑貨カタログ」(主婦の友社)でした。2011年に休刊となってしまったこの雑誌との出会いは20代の頃でした。ページを開いた瞬間飛び込んできた写真たちにハッとして新しい世界が広がったようにときめいたことを覚えています。

そこに載っていたスタイリングや物撮りの写真をきっかけに雑貨スタイリングのスクールへ通い、その後雑貨店やインテリア、アパレルの販売職に就きます。何よりもディスプレイすることが楽しくて。それが後に撮影に影響することになるのですが…。

雑貨屋巡りを兼ねて京都旅行へ行くようになり、コンパクトデジタルカメラで景色の写真を撮ることが面白くなっていた矢先、とあるカメラ店のフォトコンテストで佳作ではありますが選んでいただいたことで、風景写真や物撮り・スタイリングを撮る、いわゆる「テーブルフォト」をもっと素敵に撮るには一眼レフカメラというものが必要だと知りました。

Nikon FE2 / Nikon AI Nikkor 50mm F1.4/S
Nikon FE2 / Nikon AI Nikkor 50mm F1.4/S出典: instagram
Nikon FE2 / Nikon AI Nikkor 50mm F1.4/S
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Nikon FE2 / Nikon AI Nikkor 50mm F1.4/S
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しかし、カメラに関して無知だったため、何を購入したら良いのか分からずカメラ雑誌を眺めながら数年悩むことになります。そんな時にカメラが趣味の夫と出会い、相談しながら購入したミラーレス一眼カメラで新たなカメラライフが始まりました。

また、Instagramでフィルムカメラを使って撮った写真が自然と目に留まるようになり、私も始めてみたいなぁ…なんて薄っすらと思い始めたその時、運が良いことにフィルムカメラが我が家にあったのです!

夫は綺麗で状態の良いカメラを何台か所有していたので、夫が大切にしていたカメラをどうしても使いたいとお願いして使わせてもらえることになり、しばらく使っていなかった夫自身も、再びフィルムカメラを使い始めるきっかけとなりました。

Nikon FE2 / Nikon AI Nikkor 50mm F1.4/S
Nikon FE2 / Nikon AI Nikkor 50mm F1.4/S出典: instagram
SONY α7 II / Super-Takumar 55mm F1.8
SONY α7 II / Super-Takumar 55mm F1.8出典: instagram
Nikon FE2 / Nikon AI Nikkor 50mm F1.4/S
Nikon FE2 / Nikon AI Nikkor 50mm F1.4/S出典: instagram
SONY α7 II / Super-Takumar 55mm F1.8
SONY α7 II / Super-Takumar 55mm F1.8出典: instagram

Rioさんの写真は、日常の風景を撮りながらもどこか遠い記憶の中の一瞬のような印象を受けます。視点や余白の取り方などにRioさんの感性や美意識が詰まっていると思うのですが、どんな瞬間にシャッターを切っていらっしゃいますか?また、写真家でも写真家でなくても影響を受けた方はいらっしゃいますか?

写真を撮ることは私にとって趣味であり、日常を記録に残す目的でもあります。特別に用意したシーンではなく、ありのままのシーン。なので、”遠い記憶の中の一瞬のような…”と写真を見て感じていただけていることは大変嬉しいです。写真を見て振り返った時間が懐かしく、愛おしく思える…そんな写真が撮れていたなら本望です。

移ろいゆく季節や時間、空気の冷たさや暖かさ、その日その時、その一瞬が後に残るように…。その気持ちがファインダーを覗くと一層強まってくるのです。ワクワク・ドキドキときめいた瞬間にシャッターを切るのは誰しもがそうだと思いますし、私も同じです。

けれどそれだけではない、目にふと映ったありのままの光景が、穏やかなものだったり、ほわりと温かいような気持ちになったりと、そっと心の琴線に触れたときにカメラを構えます。

余白はあまり気にしていないかもしれません。被写体と背景の景色や、ファインダーギリギリの上下左右はよく見るようにしています。中心は勿論なのですけど、私にとっての大事な部分は、結構隅の方にある雲のカタチだったり影だったりします。ファインダー内の上下左右を眺めて微妙な部分まで入っているかを確認しています。

ここ数年読んでいるライフスタイル情報誌があります。物作りをして積み重ねてきた方々の姿や作品、アトリエや住まい、その土地の風景の写真がとても好きで、私が撮りたい雰囲気にピタリときているような気がしています。

こっくりとしたどこか懐かしい優しい色合い、光の描写や構図、もの作りをして積み重ねてきた方々の自然でいて温かな姿、作品が生み出される自然に囲まれた日本各地の風景…。シンプルでいて豊かな気持ちで暮らす様子が書かれた文章、ページを開くと飛び込んでくる素敵な写真(とそのレイアウトも!)にいつも惹きつけられます。20代の頃からライフスタイル情報誌やライフスタイル提案本、暮らしにまつわるエッセイ本が好きでよく読んでいました。

商品紹介を兼ねた写真が沢山載っている冊子なども、お店に置いてあるといただいては部屋に飾ったりして。当時は自分の生活に取り入れたいという思いもありましたが、仕事の知識を増やす為もあり、器や雑貨の写真と共に生活の知恵やライフスタイルが載っているものを選んでいました。特に根本きこさんや堀井和子さんのエッセイや、読み物の様で写真が沢山載っている料理の本も好きでしたね。

手に取ってからもう15年以上経つものもある、その雑誌や本たちは今引っ張り出してきて眺めても写真や内容に時代を感じさせない。むしろ今の私の好きなものと変わらなくて、そしてそこに書かれている季節や物への思い、暮らしの考え方もずっと大切にしたいな…と感じていることばかりです。

先ほど述べた一冊の雑誌は、私が若い頃から親しんできたこういった本から繋がってきていると思いますし、季節や生活を楽しみながら日常を写真で記録に残したいという今の私の気持ちや撮り方に影響していると感じています。(この文章を書きながら、働いていた頃を思い出して、改めて現在とリンクしているのだと思えたことが嬉しいです!)

Nikon FE2 / Nikon AI Nikkor 50mm F1.4/S
Nikon FE2 / Nikon AI Nikkor 50mm F1.4/S出典: instagram
Nikon FE2 / Nikon AI Nikkor 50mm F1.4/S
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出典: instagram

Nikon FE2 / Nikon AI Nikkor 50mm F1.4/S
Nikon FE2 / Nikon AI Nikkor 50mm F1.4/S出典: instagram

また、Rioさんの写真は光が印象です。木漏れ日や夕日が作る美しい景色や、対象物がありながらもまるで光が主役のような写真など。きっとフィルムで写真を撮られている理由やinstagramのアカウント名「hikari_tone」にも光に対するこだわりが詰まっているのではと思うのですが、光が主役だったり、あくまで主役を引き立てる存在であったりと、シチュエーション毎にどのように光を捉えていらっしゃるか教えてください。

光はとても大切にしています。大切ですし、光が好き。

それと同じくらい影が好きです。風に揺れる木漏れ日や、カーテンの影がゆらゆらと動いているのを見ると何とも言えない気持ちになり、ずっと眺めていたくなります。私にとって光=影です。まず写真というものは光がないことには写らない…という原点からしても本当に尊い存在でありますし。

実は、一番光と影を意識するのは部屋撮りです。

窓から射す日の光は強くなったり弱くなったり、影が消えてしまったりと、とてももどかしい存在なので、良い影ができるまで1時間以上シャッターが切れないこともあります。時間が経過するにつれ影のできる位置が変わってしまうので、若干ハラハラしながら…。

木漏れ日の綺麗な昼間はやはり落ちてくる光と影が地面や壁、人物に様々なカタチをして映し出されるのがとても魅力的です。肉眼ではなかなか見ることのできない、レンズを通して現れる”玉ボケ”にも、つい夢中になります。

水辺にキラキラと漂う光や植物に反射する光、夕暮れに灯りだす街の光…。絞り方やレンズの向け方で、玉ボケの大きさや被写体との重なり方が変わり面白い写真が撮れたりします。夕暮れに撮るポートレートは逆光が好きです。被写体の向こうから射す夕日はとても柔らかく、またフレアも現れて幻想的に感じます。

アカウント名のhikari_toneは 最初に思い浮かんだのが ’ヒカリトオト’ という言葉で、私のいる場所・見た景色が光に加え音までもが微かにでも伝わるような写真が撮れたら… という気持ちがありました。

そのうち「トーン」という言葉が頭を過りまして。「音」よりももう少し写真に近いような、「色調・音調」という意味合いが私の表現したいものにぴったりであり、”ヒカリトオト”に響きが何となく似ていたので。…そんな写真撮れているかな、私(笑)

Nikon FE2 / Nikon AI Nikkor 50mm F1.4/S
Nikon FE2 / Nikon AI Nikkor 50mm F1.4/S出典: instagram
Nikon FE2 / Nikon AI Nikkor 50mm F1.4/S
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SONY α7 II / Super-Takumar 55mm F1.8
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Rioさんの写真からはどこか海外のような印象を受けます。フィンランドで撮っていますと言われても信じてしまいそうなくらいです笑。現在は北海道にお住まいですが、写真を撮るという観点でもそうでなくてもRioさんが感じる北海道の魅力について教えてください。

フィンランド!嬉しいです!私が暮らしている地域は、北海道内でも比較的積雪が少なく年間の気温差も少ないのですが、それでも神奈川から引っ越してきた私にとって初めての冬は、広大な雪景色にとても感動しました。北海道暮らしは今年で二年目。2018年の秋に越してきたので四季を味わったことになります。二十四節気や七十二候の美しい表現が好きなので、四季を暦通りにはっきりと、より濃く感じられることが幸せなことだと思いました。

夏の暑い時期はあっという間に過ぎて、お盆の頃には涼しい風が吹き始め、9月はカラリとした過ごしやすい日が続きます。10月には朝晩の気温が下がり、吐く息も白く見えるようになり初霜の便りが届く。

深く暖かい色に染まった風景が秋晴れの空の下に広がり、11月には初雪。少し寂しげな灰色の空と色褪せた木々に薄っすらと雪化粧した山の景色が、冬の到来を感じさせます。初めての冬は空の変化が面白くて夢中になって窓の外をずっと眺めていました。雪の予報が出ていても、1日中ずっと雪が降るわけではないのです。吹雪いて辺り一面暗くなったと思ったら、雲の隙間からパーっと日が射して青空が広がり太陽の光に照らされながら雪が降ったり弱くなったり。するとまた数分後には暗くなって吹雪き始める…。

イギリスは1日に四季があると言いますが、そのくらいコロコロ変わる気がして、もしかしたら似ているのではないかなと思っています(笑)晴れた空にキラキラと小雪が舞う姿、摺りガラス越しにふわふわと舞う雪の姿、葉がすっかり落ちた枝に積もる雪は餅花のように美しくて可愛くて…部屋の窓から見ているだけでも雪国の映画のワンシーンを観ているような気分になりました。Instagramにも数枚写真を載せていますが、凍った湖面の上を歩いている写真はお気に入りです!

私の実家は神奈川でも山と川に囲まれた凄く長閑な地域にあるので、いま住んでいる場所に大きな違和感を感じてはいません。北海道の冬は長いと言われますが、3月も終わりに近づき日陰の雪も解け始める頃には、足元に山野草が顔を出していることに気づきます。他の地域では桜の開花で賑わう春先、ここでは雪深かった冬の後に咲く華奢でいて存在感のある草花に春を十分に感じることができるのです。幼いころから母の影響で野の草花が大好きだったのでこういったことが嬉しいですね。

空が広いことと青いことも誰しもが北海道に来て感じる魅力だと思います。

故郷神奈川の空も勿論綺麗で好きです。でも、空の色は見る場所、広がる風景によって濃さや色、透明感が違いますよね。特に晴れた日は雪の眩しい白さと空の青色のコントラストが本当に綺麗です。恐らく街のほとんどがすぐ近くに大自然に囲まれる場所にあって、写真を撮るには最高の場所。そこで静かにゆっくりと撮影できることは嬉しい特権だと思っています。

そして何より人の温かさ!

家族以外誰も知っている人のいない場所に引っ越してきた私が、新しい生活を楽しめているのはカメラや写真を通じて知り合い、仲良くしてくださっている方々のお陰です。いつも快く素敵な場所へ連れて行っていただいて、撮影やお喋りを楽しんで…こんな風に温かく受け入れていただけていることに、いくら感謝しても感謝しきれないです。

Nikon FE2 / Nikon AI Nikkor 50mm F1.4/S
Nikon FE2 / Nikon AI Nikkor 50mm F1.4/S出典: instagram
Nikon FE2 / Nikon AI Nikkor 50mm F1.4/S
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FUJIFILM NATURA CLASSICA
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Nikon FE2 / Nikon AI Nikkor 50mm F1.4/S
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Nikon FE2 / Nikon AI Nikkor 50mm F1.4/S
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Rioさんはフィルムカメラをメインに使っていらっしゃいますが、淡く澄んだ空気の中にどこか情緒的な印象を受けます。フィルムの選定や、現像、プリントにおいてこだわっている点があれば教えてください。また、デジタルで表現できないフィルムの魅力についても教えてください。

フィルムの選定も現像もそこまでこだわりはないです。だからと言って’どうでも良い’というわけではありません(笑)それだけ気軽に楽しんでいるということで…。

その日の天気と撮影場所によって、ISO感度のちょうど良いフィルムを選ぶくらいでしょうか。家には常に数種類のフィルムがストックしてあるので、あとは気分で選びます。どのフィルムを選んだとしでも、どの仕上がりも全て好き。

「ああ、こんな風に写るんだ…」と発見するのも楽しいので色々使います。それでもこれまで一番使用したのは、フジフイルムの業務用フィルム(ISO100)だと思います。偏りがなくて自然体。化粧っ気のない…というのでしょうか。それでも透き通るような色合いと反射する光の柔らかさ。低価格でいていつも安心できるこのフィルムは本当に頼もしいです。

フィルムカメラで写真を撮り始めてから約2年経ちますが、これまで郵送で各地の写真店に現像を依頼してきました。戻ってきた写真たちはフィルム選定同様にどの仕上がりも素敵に見えて…。毎回どちらに依頼したら良いか特定できずにいたのですが、北海道で暮らすことになり近くにフィルムを扱うお店がないかと調べていたところ昭和も半ば前に創業した写真店を見つけまして。一度出してみたところ、何ともしっくりといく仕上がりで戻ってきたのです。私たち夫婦の年齢に合うどこか落ち着いたほっとするものがありました。

HPはあるけれど、SNS上で発信することもないし知られてもいない、それでも地域では有名な「街の写真屋さん」。そんなところがきっと先入観なくありのままに仕上げてくださっているような気がして、ここ最近はすっかりお世話になっています。

オーダーシートも無いですが私の場合は日常をそのままに記録したいので「こんなテイストに」とか色合いをオーダーして変える必要がなく、以前からほぼお任せの仕上がりで依頼していたため、困ることもありません。

フィルムはランニングコストがかかる分、我が家では郵送料や手数料の面で引っかかっている部分がずっとあったのでクリアになったことと、現像を依頼した当日中に仕上がるスピーディーさもありがたいです。何にどこまでこだわるかや、生活スタイルは人によって違ってきますよね。周りのフィルムカメラ仲間やSNSを見ているとみなさん信頼できる現像所があって、そういう関係というのはとても貴重だと思います。

デジタルカメラを始めた頃は鮮やかでハッキリとした写真や、ハイキーでエアリーな写真が好きで撮っていました。そのうち少しずつ好きなテイストに変化が出てきて、目に留まる写真もフィルムカメラで撮ったものが多くなってきたことに気づいたのです。

そうした経緯を経て、メインで使うほどになったフィルムの魅力は何といってもフィルム写真の持つ「穏やかさ」です。独特の質感と柔らかで優しい描写。潤いのある光と影。

写真を見ていると、じんわりと伝わってくるものがあって、とても穏やかな気持ちになるのです。そして凛としたシャープさもあってその中に「繊細さ」があります。それはデジタルが表現する緻密さとまた異なります。フィルム独特の滑らかで柔らかな質感が、その繊細さと絶妙に掛け合わさったところが「丁度良い」心地よさという気がします。

フィルムは光のグラデーションも影の濃淡も美しく表現してくれます。

ラティチュードが広い分、光と影を見たままにきめ細かく捉えてくれるのだと思います。逆光や反逆光で撮ったものは現像から戻ってくると、より一層美しい光を放っていて驚くこともあります。デジタルとは違って調整した露出や絞りを予想はできても現像するまできちんと分かりません。

予想もしていなかった色や風合い、光と影の描写が相まってその時の記憶と共に残してくれます。それがどこか情緒的に感じさせるのでしょうね。デジタル写真をフィルムライクに変えるのを好む方も多く、それだけ惹きつける何かがあるのだと思います。

Nikon FE2 / Nikon AI Nikkor 50mm F1.4/S
Nikon FE2 / Nikon AI Nikkor 50mm F1.4/S出典: instagram
Canon Autoboy TELE6
Canon Autoboy TELE6出典: instagram
Nikon FE2 / Nikon AI Nikkor 50mm F1.4/S
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Nikon FE2 / Nikon AI Nikkor 50mm F1.4/S
Nikon FE2 / Nikon AI Nikkor 50mm F1.4/S出典: instagram

Rioさんがメインで使っているカメラとレンズを教えてください。様々なカメラやレンズを経て現在の機種に至ったのではないかと思いますが、それぞれに至った経緯や魅力についても教えてください。

家にあるフィルムカメラを使いたいと言ったとき、一番始めやすいカメラだと言って渡されたのがNikon FE2でした。絞り優先AEと、見やすい追針式露出計が備わっていることが初心者の私には優しく、2年間頼りっぱなしです。多重露光もできるので楽しいです!

レンズはAi Nikkor 50mm f/1.4Sが付いていたのでそのまま使っているのですが、解放F値は1.4なので、明るいですし、背景を好みにボカすことができるので気に入っています。景色やテーブルフォト、ポートレートにも、50mmや55mmの標準レンズが使いやすいのは、人の視野角と近い分、ふと目に映った風景を撮るのにぴったりだからかもしれません。

デジタルではマクロや望遠ズームも持っていましたが、ほとんど出番がなくなり売ってしまいました。特に私がマクロで写すと、どれも同じような写真に見えてしまって(笑)

その他、まだ販売されていた当時に購入したナチュラクラシカや、実家にあったオリンパスのコンパクトフィルムカメラも小さくて持ち運びに便利なのでよく使います。

露出も絞りもシャッタースピードも変えられず全てカメラ任せ、単純なのにとても優秀な写りで間違いないと思っています。

最後に、Rioさんのベストショットと、次に狙っているカメラやレンズ、今後の抱負があれば教えてください。

ベストショットはこちらの2枚です。FUJIFILM NATURA CLASSICAとNikon FE2とで撮影しています。

FUJIFILM NATURA CLASSICA
FUJIFILM NATURA CLASSICA出典: instagram

雪の積もった年末の昼前後、北海道生活の鍵ともなったカフェに訪れた時の写真です。仄暗く暖色系の灯りが心地よい店内に、山側の窓から射しこむ光の広がり方と、床に落ちる木漏れ日と影。

雪が反射して外から入る光は一層明るく、木の温もりのある店内を優しく包む。小さな電球が照らすドライフラワー。天井から床までのトーンのグラデーション。

一年の締めくくりに…といつもの席で美味しいお料理をいただいて、オーナーさんとお喋りをしながらのんびりと過ごした時間が蘇ってきます。

Nikon FE2 / Nikon AI Nikkor 50mm F1.4/S
Nikon FE2 / Nikon AI Nikkor 50mm F1.4/S出典: instagram

独身時代は毎年母と京都旅行をしていました。 そう遠くない将来… できれば1年以内には北海道へ移住したいからもう一度京都へ出かけよう、と母を誘って1泊で旅をした時のこと。

喧騒から離れた場所にある寺社の手水舎に紫陽花と梔子と青もみじが浮かべられ、静かな初夏の候を感じました。薄日が射す程度の曇り空の日でしたが境内に咲き始めた紫陽花と新緑はとても爽やかで、この写真の様に少し青みがかった景色が私の記憶の中に広がっています。

水面に映るリフレクション、綺麗な青色をした紫陽花の花びらは水の中で玉ボケと溶け合うよう…。顔を出した花が水を纏いきらりと艶めく姿。実際目にしたものも勿論美しく丁寧に時間をかけて写したのですが、フィルム写真にしたからこその表現力だと思います。

欲しいカメラはコロコロと変わるのですが、結局どれも良くて困ってしまいます(笑)

中判はハッセルブラッドがあるので、二眼レフにも興味があります。そのほかMINOLTAやCONTAXなど、まだ持っていないメーカーのカメラ…というように、コレクター目線で考えたりもしています。

抱負とは言わないと思いますが、これまでと変わらずスタイルもテイストも、私らしさを大切にしていきたいと思っています。暮らしの一部分に写真を撮るという行為があって、気楽にゆっくり楽しみながら。

北海道には行ってみたい場所が沢山あります。住むようになって、ますますこの自然に惹かれて…。これからもっともっと、色んな景色と出会いたいですし、写真を撮りたいです。そして上手く撮れるようになったら小さな写真展を開いてみたい!

著者

Rio

Rio

2018年秋、夫の故郷である北海道へ移住。HP「ヒカリトオト」にて夫婦で撮り続けている写真と共に想いや暮らしを綴っています。

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