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「あ、いいな」と思った瞬間を。 ちいさな手紙を綴るように丁寧に残していきたい
中判フィルムカメラを中心に、神戸で身近な風景やお友達との日常を写真に残す、ゆゆさん。柔らかく光を捉え、優しく透き通るような写真を眺めていると、まるで波音を聞いているように心が穏やかになるような気がするから不思議です。ポラロイドカメラから始まり、中判フィルムカメラにたどり着くまでの経緯や、ゆゆさんの写真に対するこだわりを伺いました。
著者: ゆゆ | 作成日: 2020/01/18 | 更新日: 2023/01/29
― はじめにゆゆさんが写真を始めたきっかけや、写真にのめり込んでいったきっかけについて教えてください。
きっかけは10年以上前、とあるブロガーさんがPolaroid SLR680で撮った写真を載せてらしたのをたまたま拝見したことでした。なんて素敵な写真なんだろう!と感動して何のカメラを使っているのか教えていただき、すぐに私もSLR680を購入し撮り始めました。
ただ、当時はSNSもなく、どこかにお花を撮りに行ったりするなんて概念はなかったので生まれ育った小さな町を散歩しながら風景や季節の花々を撮ったり、家の中でお気に入りの雑貨を撮るのも好きだったのでひたすらパシャパシャして。
ふと思いついて、曾祖母のお誕生日に、家族や親戚に「ハッピーバースデー」と一文字ずつ書いたお手製のプラカードのようなものを持ってもらって1人ずつ撮って、それを冊子にしてプレゼントしたこともありました。フィルム代は高かったし、焼き増しもできないけれど、とにかく楽しかったです。
残念ながらフィルムが生産中止となり、その後長い間フィルムカメラからは遠ざかってしまいましたが…再びフィルムカメラを手にしたとき、違和感なく入り込めたのはこの時があったからだなあと思います。
― ゆゆさんの写真からは、とても穏やかで優しい時間を感じます。どんなシーンや・どんなことを感じた瞬間にシャッターを切っていらっしゃいますか?
ありがとうございます。「あ、いいな」と思った瞬間にシャッターを切っているだけなのですが、その「あ、いいな」は構図がいいとか光がいいとかそういうことではなく、帰り道でふと目にとまった季節の花だったり、お友達と過ごす楽しい時間だったり…。
わたしの日々の中にある何気ない、けれど愛おしい瞬間を、その時々に感じた気持ちを、写真に残したいなと思いながら撮っています。インスタグラムのアカウントも、そんな思いを込めて“mydear films”と名付けました。
― 写真の色合いについて教えてください。ゆゆさんの写真からは、淡いとはまた違う、透き通るような透明感を感じます。私もフィルム写真が好きでよく取るのですが、こんな風にその瞬間の空気を捉えることはなかなかできないことだと思います。写真の色合いや透明感を表現するために心がけていることや工夫されていることはありますか?また、影響を受けた方はいらっしゃいますでしょうか?
写真を撮るときはほぼ直感なので(笑)色合いに関してはラボさんのお力が大きいと思います。今はフォトカノンさんにお願いしているのですが「明るく、すっきり、優しい」こんなざっくりしたオーダーなのにいつも素敵に仕上げてくださって…本当にありがたいなあと思います。
あと35mmの方はフィルムを白が綺麗に出るVenus800、120mmは繊細な描写のportra400を使っています。加工はしたくないので、色味を変えたいなと思ったときはラボさんへのオーダー内容を変えたりフィルムを変えたりしています。
影響を受けた方はいないかなあ。強いて言えば、当時(今も)好きでよく読んでいたカメラ日和やLoveカメラ、ku:nel、天然生活などの雑誌から知らず知らずのうちに影響を受けていたような気がします。
― ゆゆさんは中判カメラ(Bronica S2)と35mmフィルムカメラであるContax Ariaをメインで使っていらっしゃると思いますが、そこに辿り着くまでの経緯や、その魅力を教えてください。
Polaroid SLR680のフィルムが生産中止になって撮れなくなって数年後、ふとしたことがきっかけでフィルムカメラを始めよう!と思ったときに、カメラの雑誌に載っていた作例を見て惹かれたのがContax Ariaでした。フルマニュアルは自信がなかったので絞り優先モードやオートモードなどがあったのも決め手だったように思います。
Bronica S2は、元々は妹が使っていて。私はROLLEIFLEX SL66を持っていたのですが妹がBronica S2を譲ってくれることになり、描写は違えど操作性などがよく似ていたのでどちらかに絞ろうと思って最終的にBronica S2に決めました。ちなみに、ROLLEIFLEX SL66は、今はインスタグラムで知り合ったお友達が大切に使ってくれていて、会うたび旧友に再会したような懐かしくて嬉しい気持ちになります。
― フィルムカメラには、古道具のような愛らしさもあって、きっとフィルムカメラの古道具のような佇まいもお好きなのかなと思うのですが、写り以外も含めて、ゆゆさんの感じるフィルムカメラの魅力について教えてください。
フィルムカメラの魅力は何といっても、その時の空気まで映しとってくれるような、記憶にそっと触れるようなやわらかさだと思いますが、見た目もきゅんとくるものが多くって。
もともとアナログなもの、古いものが大好きなので腕時計もアンティークショップで出会った手巻きだったり、扇風機も羽根に色が付いていてパチンパチンとボタンを押すタイプのものを探したり…現行品にはないデザインと、ひと手間かかる操作性がフィルムカメラも同じだなあと思います。
また、フィルムカメラはデジタルに比べると手間も時間もお金もかかりますが、不便だということはそれだけ意識をするし、考えるし、大切にするということ。そして、そのぶんだけ愛しくなる。便利さはとてもありがたいですが、わたしはそれを大切にしていきたいなあと思っています。
― 最後に、ゆゆさんのベストショットと、次に狙っているカメラやレンズ、今後の抱負があれば教えてください。
写真に残せてよかったなあ、と思うのはこの1枚。何年も前、お友達のおうちにお邪魔したときに撮らせてもらった、お友達と今は虹の橋を渡ったワンちゃんの写真なのですが、わたしにとって宝物のような、かけがえのないベストショットです。
わたしにとってカメラは趣味でしかありませんが、こんなにも日々に寄り添ってくれる趣味はなかなかないんじゃないかなと思います。今、わたしの手元にいてくれるカメラたちとこれからもずっと、おばあちゃんになっても撮りつづけていられたらいいなあ。それがわたしの抱負です。
著者
神戸生まれ。 趣味でのんびりと写真を撮っています。 ちいさな手紙を綴るように、愛おしい日々のかけらを残していけたら。
ゆゆさんの使用カメラ
ゆゆさんの使用レンズ