物語を感じる一枚を撮りたくて。 美しいと感じた瞬間を封じこめるように残していく

― はじめに由さんが写真を始めたきっかけや、写真にのめり込んでいった経緯について教えてください。

大学生4年生のときに、初めて一眼レフを購入しました。しかし、当時はほとんど写真を撮る機会もなく、旅行の時に持って行く程度でした。

社会人になってしばらくして、instagramが流行り始め、被写体として声をかけてもらう機会がありました。そこで撮っていただいた写真がとってもきれいで嬉しくて、私もこんな写真が撮りたいなと思うようになったのがきっかけです。

そこからは、instagramで知り合った友人たちと撮影が楽しく、どんどん写真にのめりこんでいきました。

― 美しく幻想的な由さんの感性に魅了される方が多いと思います。由さんの写真は淡く穏やかさの中にも、光の捉え方やフォーカスの当て方など、一枚一枚の写真に由さんの意志を強く感じます。由さんはどんな瞬間に魅了され、どんな想いで写真に残されていますか。

ありがとうございます。物語を感じる写真が撮りたいなと思っています。

モデルさんのきれいな角度やパーツを探すことが好きで、撮影のときはモデルさんの周りをうろちょろしています。

自分がきれいだなと思った瞬間が封じこめるように、写真を残していきたいです。

― ロケーションや女性の表情・髪型・衣装、小道具や光の入り方など、どの写真も由さんの美意識が追求されているように感じます。由さんが感じる「美しさ」が凝縮されていると思いますが、由さんの創造力の源泉について教えてください。また、写真家でも写真家でなくても影響を受けた方はいらっしゃいますか。

創造力の源泉…難しいですが、大学生の時に建築とデザインの勉強をしていたので、そこでの経験が少しは活かされているのかなと思います（活かされてるといいな…）。後は映画や、Pinterestで海外の方の写真をよく見たりしています。

影響を受けた方というか、憧れの方は、fujii_yuiさん、濱田英明さん、岩倉しおりさん、sunao_556さん、hiro_photographさんです。Instagramで写真を撮っている方は、すごく素敵でいつも楽しみです。

― 現像するまで仕上がりが分からないフィルム写真において、ピンポイントなフォーカスや光の捉え方など、自分のイメージ通りの写真を撮ることはとても難しいことだと思います。由さんはイメージ通りの写真を追求するにあたってどんなことを心がけていらっしゃいますか。また、よろしければ愛用されているフィルムや現像時に心がけていることについても教えてください。

そうですね。わからないので、失敗も多いです。露出も感覚で撮っているので、たまに明るすぎたり、暗かったり…。ピントもばっちりじゃないこともよくあります。ですが、それもフィルムで撮る写真らしくて好きです。

それと逆で、自分の思った以上に撮れていたりすることもあります。中判で愛用しているフィルムは、PRO400H、35㎜で愛用しているフィルムは、業務用100です。現像はいつもエビスカメラさんに、おまかせでお願いしています。

― 手間やお金のかかるフィルム写真ですが、フィルムにはフィルムにしか表現できない魅力があると思います。由さんは、フィルムのどんなところに魅力を感じていらっしゃいますか。

現像が上がるまでのわくわくする時間や、きれいに撮れているときの満足感です。また、ファインダーを覗いたときの高揚感も魅力です。

いつも、フィルムを郵送して現像していただいているのですが、現像が返ってきた日は会社からすぐに帰りたくなります。

― 由さんがメインで使っているカメラ・レンズについて教えてください。それぞれに辿り着いた経緯や、それぞれのカメラ・レンズのお気に入りの点について教えてください。

・PENTAX 67 / SMC TAKUMAR 6x7 105mmF2.4

本当に重いカメラです。しかも10枚しか撮れません…。でも、それ以上に光の表現力と描写力は変えがたいものがあります。

・Rolleiflex SL66 / Carl Zeiss Planar T* 80mm F2.8

光がとっても柔らかく写せるところと多重露光が可能なところ。もっとうまく使いこなせたら…と日々思っています。

両方ともInstagramのタグ検索で参考にしたり、憧れの写真家さんの作例をみて購入しました。

― 最後に、由さんのベストショットと、次に狙っているカメラやレンズ、今後の抱負があれば教えてください。

◎ベストショット

撮影で海にいくのが好きなのですが、この写真は光がとてもきれいに描写されていてお気に入りです。

次に狙っているカメラは特にありませんが、あたらしく小さな家族が増えたので、きちんと残していきたいなと思っています。