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何気ない中途半端な一瞬を。 自分にしか撮れないストーリーのある写真を求めて
大学生活のかたわら、女性ポートレートを中心に撮影を行う、みなみさん。いわゆる決め写真ではない、日常のふとした瞬間を切り取る写真の数々には、その時の感情すら想い起すような力を感じます。何気ない一瞬にその時のストーリーをも盛り込んでしまうような写真に込められた想いや、それを表現するためのこだわりを伺いました。
著者: みなみ | 作成日: 2020/01/18 | 更新日: 2023/01/28
― はじめにみなみさんが写真を始めたきっかけや、写真にのめり込んでいったきっかけについて教えてください。
大学入学早々に入部した部活を大学1年の冬に退部し、何か新しいことをはじめてみたいと友人に相談したところ「カメラをはじめてみないか」と誘われたことがカメラをはじめたきっかけでした。
当時購入したカメラはEOS M3というミラーレスカメラで、タッチ操作で簡単にピントの調整が可能でした。今まで操作したことのあるカメラは家族兼用のコンパクトデジタルカメラやスマートフォン程度で、マニュアル操作について何も知らなかったので友人にF値、ISO感度、シャッター速度のマニュアル操作を教わりながら使っていました。
ある程度操作に慣れたその年の夏に大学外で開催されている短期インターンシッププログラムである「島キャン」に参加しました。鹿児島県と沖縄県の間にある離島の沖永良部島に2週間滞在しながらインターンを行うプログラム内容でした。離島の綺麗な海や本土とは違った食べ物、景色を写真に撮るのが楽しかったことと、同じインターン先で2週間の生活を共にした他大学の大学生がカメラ好きだったこともあり、2週間の生活の中で感化されカメラにのめり込んでいきました。
― 女性のポートレート写真が多いですが、ポートレート写真に感じる魅力や面白さをどう感じていらっしゃいますか?
どのジャンルの写真でも言えることですが、同じモデルの方を同じ場所で撮影してもポージングや服、時間の指定、小道具などの違いにより写真の雰囲気がガラッと変わることだと思います。たくさんある組み合わせの中から自分の好きな雰囲気を見つけることが面白いですし、風景写真やスナップ写真よりも個性が現れやすく、写真から感じ取れるストーリー性も多いのではないかと思っています。
また、撮影した写真を喜んでいただけると「少しは人の役に立つことができたのかな?」と撮影させていただいた僕も嬉しい気持ちになれるところが魅力だと感じていますし、僕の場合は彼女がメインのモデルであるので写真を振り返った時に思い出が蘇ってくることが何よりも嬉しく写真を撮っていて良かったと思える瞬間です。
― すごく自然で豊かな表情を引き出していらっしゃいますが、ポートレート写真の表現やモデルさんとのやり取りで意識されていることはありますか?また影響を受けた方はいますでしょうか?
撮影しているモデルの方は基本的に現在お付き合いをさせていただいている彼女なので僕の場合は特殊かもしれません。今まで数えきれないくらい彼女を撮影させてもらいましたが、撮影する時間までにできるだけ多くコミュニケーションをとりながら一緒に居て「楽しい」とか「落ち着く」とか打ち解けているかどうかで表情が全然違うということは感じていました。
彼女の以外の方を撮影させていただいた時も、目的地到着後すぐに撮影はせず、少し会話をすることで「打ち解けてきたかな?」と感じてから撮影させていただきました。また、現地集合ではなく最寄り駅集合することで、現地まで歩きながら会話をしてコミュニケーションをとることを大切にしていました。
また、あまりで実行できているのか自信はありませんが、お付き合いさせていただいているからこそ撮れる彼女の一瞬を撮れるように心がけています。ポートレート写真においては高橋伸哉さん(@s.1972)の影響を受け「いつか伸哉さんのような素敵なストーリー性のあるポートレート写真が撮れるようになれたら幸せだな」と日々思いながら精進しています。
写真のレタッチに関しましてもLightroomでの現像を前提にしているので必ずRAWでの撮影とセンサーサイズがAPSCセンサーなのであまり黒つぶれや白とびをしないように気を付けています。色味は完全に僕の好みであるシャドウに青がのり、肌の色はできるだけ健康的にかつ綺麗に見えるように少し肌の部分だけレタッチで露光量を上げています。また、円形フィルターを組み合わせながら写真の明るい部分と暗い部分のメリハリのついた立体感のあるような写りになるように努力しています。
― 以前はCanonのEOS 6Dを使っていらっしゃっていて、現在はFUJIFILMのX-T3をメインで使っていらっしゃいますが、特にX-T3に感じる魅力や、みなみ様の作風との相性のようなものについて教えてください。
X-T3の魅力はボディデザインとAF性能だと感じています。フィルムカメラのようなクラシカルなデザインで市街地や屋内アミューズメント施設など場所を選ばずにどこでも溶け込むことができ周囲の人間に警戒されることもありません。
EOS 6Dを使用している時はいかにもカメラマンらしいボディデザインだったこともあり、東京でスナップを撮影している時や公園などでポートレートを撮影していると周囲にいる観光客の方などから怪しまれるような目で見られることもありました。
また、威圧感のない大きさとデザインなのでポートレート撮影において以前よりも自然な表情や動きを引き出しやすくなりました。そして、自然な表情や動きを撮りやすくなったことのもう1つの理由としてAF性能が大きく関わっていると感じています。購入当初も不満のないAF性能でしたが、フォームウェア3.0へのアップデートによりさらに瞳AFと顔認識の精度が向上しました。それにより振り向いた瞬間や何気ない動作の一瞬を切り取るポートレートが今まで以上に容易に撮れるようになりました。
それ以外にもジョイスティック操作やタッチパネル操作がしにくい壁際での撮影、濡れた路面で体を伏せることのできない状況でのローアングル撮影、ライブビュー画面を確認しにくく脚立もないような状況でのハイアングル撮影など様々な状況下でも瞳AF任せで撮影できるAF性能が魅力だと感じています。
― フジノンレンズのXF23mm F1.4RとXF56mm F1.2Rをメインで使っていらっしゃるかと思いますが、この2本のレンズはどのように使い分けていますか?
これ以上後ろに下がることができず、かつ背景を広く入れたいときはXF23mm F1.4Rを使っています。後ろに下がることができる状況であれば、背景を広く入れたい場合でもXF56mm F1.2Rを使います。中望遠レンズ独特の一部を切り取ったような適度に圧縮効果のついた写りが好きなので、EOS 6Dの時から換算85mmの焦点距離を多用していました。
また、どちらのレンズも夕日を隅にフレームインした時に綺麗なオレンジ色のフレアが発生しやすい特徴があり、フレアを意図的に発生させることで写真の雰囲気が一気にノスタルジックでエモい雰囲気に変わり、このフレアを味わえるだけでも富士フィルムを使っていて良かったと感じています。
― 最後に、みなみさんのベストショットと、次に狙っているカメラやレンズ、今後の抱負があれば教えてください。
今までのベストショットは桜と彼女のシルエット写真です。 決して狙ったわけではなく、たまたま桜を見に行った帰りに夕日と立地の条件がマッチして撮影することができました。彼女と桜のシルエット部分も綺麗でお気に入りですが、背景のうっすらと町の鉄塔や電柱も綺麗に描写されていてノスタルジックな雰囲気を醸し出している部分が1番気に入っています。
現在、X-T3とXF23mm F1.4R、XF56mm F1.2Rの機材で不満なく撮影できていますが、旅行用や風景撮影用にXF10-24mmF4 R OISを使いたいと狙っています。室内から風景まで迫力のある写真が撮れるのではないかと期待しています。また、ちょっとしたお散歩用にX100Fがあれば便利だと思う時があるので小さいカメラがないか探しているところです。
今後はまったりと飽きずにカメラを続けて、自分にしか絶対に撮れない真似したくても真似できない写真が撮れるようになれば良いなと思っています。また、「何気ない中途半端な一瞬」をテーマにカメラを続けていきたいです。
著者
みなみ
1997年、栃木県生まれ。大学4年 2017年から趣味でカメラをはじめました。 FUJIFILM X-T3とNikon F3を愛用しています。
みなみさんの使用カメラ
みなみさんの使用レンズ