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自分にしか撮れない写真を目指して。 家族との愛おしくチャーミングな毎日を拾い集めていく
家族との日常を多様な視点で残されているErikoさん。Erikoさんの撮るユーモアに溢れ、思わずクスッとしてしまう写真の数々は、眺めているとエネルギーをもらえるように感じます。そんなErikoさんがどんな瞬間に惹かれ、どう写真に向き合っているのかを知りたくてお話を伺いました。
著者: Eriko.S | 作成日: 2021/08/30 | 更新日: 2023/01/28
― はじめにErikoさんが写真を始めたきっかけや、写真にのめり込んでいった経緯について教えてください。
写真を始めたきっかけは育休の暇つぶしです。出産までは結構忙しく働いていたので急に何もしなくていいとなると、かなりの手持ち無沙汰でした。とはいえ赤ちゃんのお世話はあるわけで。田舎住まいで出かける場所といえばスーパーだけ、会う人といえば家族のみ、そして宇宙人レベルに訳のわからない赤子。最高潮にストレスでした。逃げたい!仕事している方が大分楽でした。
そもそも赤ちゃんという生き物が未知すぎて恐怖しかなく、妊娠発覚の時点で結構落ち込んだのです。そんな時に出たったのがジョンソン祥子さんの”Maru in Michigan “。柴犬マルと息子くんの一茶くんの日々を綴ったブログなのですが柴犬好きにはたまらない可愛さがあるのです。「そうだ、息子がこうなったら上手く愛せるかもしれない、少し育児楽しめるかもしれない」と思いInstagramに写真を載せるようになりました。
当時はフィーチャーという制度が始まった(?)頃で「おお!せっかく撮るならフィーチャーされてみたい」と思い真面目に勉強し始めた頃にうっかり見てしまったのが、相武えつ子さんのお写真です。なんと美しい写真を撮る人がいたものか!!!とすごい衝撃でした。
子供はコントロール不可能な生き物=完璧に美しい写真を撮るのは不可能と思っていたので度肝を抜かれました。相武さんの写真講座に即応募し、まんまとどっぷり深みにハマり今に至ります。すっかり四六時中写真のことを考える脳みそになってしましました。相武さんにしてやられました。
― Erikoさんの写真を眺めていると、Erikoさんが何気ない毎日の一瞬一瞬を大切に残そうとされているように感じます。どんな瞬間に引かれ、どんな思いでシャッターを切っていらっしゃいますか。また、写真家でも写真家でなくても影響を受けた方はいらっしゃいますか。
まずそんな風に思っていただいていることが嬉し恥ずかしです。どうもありがとうございます。
私が惹かれる瞬間は2種類あります。
一つ目はただただ「可愛いね」とか「馬鹿なことするね」とか思った時。本当に単純に「好き」と思った瞬間です。この「好き」が曲者で言語化するととても難しい。未だに正確な言葉を当てられていないのですが、ざっくりと言葉にするなら私は「チャーミングな人」に惹かれる気がします。ただただ可愛いのもチャーミング、かっちり決めているのに変なところだけ抜けているのもチャーミング。
私の撮影対象は基本家族ですが、身近で見慣れているからこそその人のチャーミングポイントが把握できている。非常にありがたいことに何気ない毎日にチャーミングがたくさん落ちているイメージです。なので「残す」というよりは「もったいないから拾う」の感覚で集めています。基本的に捨てられない人です。
二つ目は特に息子に関してですが「少年ジャンプを感じた時」です。写真を撮っていて思うことは、男子は女の子には勝てないということです。同じ場所で・構図で・服で写真を撮ったとしても大抵女子には勝てない。どうやったって男子の見栄えは今ひとつ。風に靡く髪もスカートも写真表現ですごい武器だと思います。
では男子は女子に劣るのか?男子の魅力とは何なのか?と思って出した結論は「少年誌」でした。男子の魅力は少年誌に集約されると思います。底がない馬鹿馬鹿しさも、気持ちに素直にあゆみを勧める冒険も男子ならでは。少年誌に魅了される人が多いのは馬鹿正直に夢を追う少年と彼が見ている世界に魅せられているからに他なりません。もちろんリアルに少年漫画のような冒険をしていることはないでしょう。それでも夢みがちな息子を見た時、あの世界は確かに彼に内在していると感じています。
ならばそれを撮りたい。息子が主役の漫画があるなら、それはどんな漫画かな・どんな扉絵になるかなと思って撮っています。可能なら鳥山明先生が書くような漫画であってほしい…実際はどうしようもないギャグ系だと思います。
影響を受けたのは前述の通りジョンソン祥子さん、相武えつ子さんですが、加えて90・2000年代少年ジャンプにも多大な影響を受けています。絵作りという以前に価値観からしてジャンプに育てていただいています。どの漫画家さんというよりあの頃読んでいた全体のイメージが無意識にインプットされていると思います。
井上雄彦先生(SLAM DUNK)の描く引きの構図・真っ直ぐ前見て努力する男子像には誰しもぐっときたことがあるでしょう。一方で、うすた京介先生(すごいよ!マサルさん)のカオスぶりもそうでいて実はコミックスの表紙がえらくかっこいいのも大好きです。この類の話は止まらないのでここら辺で自粛します。
― 先ほどの質問とやや重複しますが、Erikoさんの写真は思わずクスッとするシーンが多く、Erikoさんの人柄やご家族との自然な距離感がそのまま表れているように感じます。写真を撮る際、構えて撮りがちな方が多い中、こういった瞬間を見落とさないようどんなことを心がけていらっしゃいますか。
ありがとうございます。本当に身に余る言葉をいただいてムズムズします。
私自身も撮りこぼしている瞬間はたくさんあってその度に「あああ、、今カメラがあったらよかったのに」と後悔します。なので、改めて言うまでもない話なのですがカメラは常に手の届くところに置くが1番確実な対策かと思います。
それと本当に残したい時は、構図は考えません。背景の雑多具合も無視します。撮りたいものが写っていれば構図も雑多具合も見えないというか気にならなくなると思います。実際見ている時は主役にしか注意向いてないし、背景の情報なんて脳みそに届いてない。主役が強ければ強いほどそうです。同時に強ければ強いほど見逃したくない。
客観的に見て美しくないかもしれないけどそれで良いんです。人のために撮っているわけじゃないから自己満足で良いのです。
影響された人の話に戻るのですが、コハラタケルさんを敬愛して止みません。撮影風景を拝見させていただいたことがあるのですが、息をするように、撮ることが生理現象の一部みたいに撮られるのです。「そんなバシャバシャと何も考えてないで撮っているでしょう?」と思ったら素晴らしく計算されたお写真で!同じ景色を見ていたはずなのにコハラさんにはこう見えているのかと思い驚愕しました。
もちろんベースに才能があることは言うまでも無いのですが、“息をするように撮る“に至るまでは、ものすごい膨大な数を撮ってらっしゃるのだと思います。場数を経験しているからどんな時にどうしたらいいか考えるより先に体が動く=瞬間的に撮れるんじゃないかと。なので来たるべき瞬間に備えてとにかく撮る、上手く撮ろうとか思うのも大事だけど、とにかく撮る姿勢を身につけたいと考えています。
― 続いて、色合いなどの写真表現について教えてください。Erikoさんの写真は濃厚な色彩とどこかノスタルジックな雰囲気が印象的で、特に赤色と青色が印象的です。Erikoさんの好みの色合いや、それを表現するために撮影時の設定や現像の際に心がけていることについて教えてください。
赤と青、両方とも大切にしている色なので嬉しいです。どうもありがとうございます。
色彩はCanonに助けられているところが大きいです。カメラを買うとき「Canon赤の呪い」の話を目にしたのですが、私はむしろ赤の恩恵に預かっているような気がします。毒々しい赤もレトロな赤も美しく写してくれます。
青に関してはカラーミキサーを多用して一番好きな具合に仕上げます。夕方は藍に近い青、日中はくすんだ水色と季節や時間で好きな青が変わるので青の編集は一番楽しいです。
現像の時に心がけるのは照明ですね。ヒュッゲな暮らしに憧れてオレンジ色の間接照明にしたら夜にやったレタッチが朝になって見るとどうも何か違う。一番気持ちのいい色で仕上げたいので夜おこなったレタッチは朝の自然光で見直し、昼の室内で見直しと何回か咀嚼し直して完成させるようにいています。
― Erikoさんがメインで使っているカメラ・レンズについて、それぞれの機材を選ばれた経緯や用途、お気に入りの点について教えてください。
ボディはCanon EOS RP,レンズはRF35mm F1.8 MACRO IS STMを愛用しています。
「相武えつ子さんのような写真を撮りたい」と思ったのでそれを叶わせるにはどうしたら良いか。機材が同じなら条件は同じ、という単純な理由でこの組み合わせに落ち着きました(実際は相武さんはEOS Rなのでちょっと違うのですが)。
もし機材が違かったら、上手く撮れないのは機材のせいにしてしまうと思うんです。同じなのに撮れないのはなぜか、自分の腕がないからだ、と問題をシンプルにして考えられるしある意味で腕以外の逃げ場をなくせるので ストイックに技術向上と向き合えます。
お気に入りは軽いところ!軽さは正義だと思います。気軽に持ち出せないことには撮る機会すらなくなってしまう。引きの写真が苦手だったのですが、50mmから35mmにしただけで引きに見えるのでとても助かっています。
― 最後に、Erikoのベストショットと、次に狙っているカメラやレンズ、今後の抱負があれば教えてください。
ベストショットの所以は狙って撮った一枚じゃないこと、瞬発力の一枚であることです。
本当はごくごく毎日繰り返されている景色だと思うんですが、このクシャッとした髪も顔も仕草もなかなか写真に残すのは毎日張り込みしてないと逃してしまうと思うのです。「私が毎日娘と一緒にいたから撮れた」という育休の集大成のような思い出の一枚です。
次に狙っているカメラはFUJIです。Canonの鮮やかな色はもちろん好きなのですが、Fujiの彩度の低い色が最高に渋くて好きです。息子がどんどん男子っぽくなる中、男子っぽい色ってFUJIじゃないかなと思っています。
今後の抱負は自分にしか撮れない写真を撮ることです。写真が上手な人はたくさんいらっしゃってどうやっても美しさで敵う敵わないという以前に同じ土俵にさえ立てていないと思います。それなら美しい写真より自分にしか撮れない写真を、それはどんな特徴の写真なのかを見極めて今後も日々を撮り続けていきたいです。
著者
Eriko.S
宮城県生まれ宮城県育ち。5歳男子と2歳女児の母。 写真の他には映画サントラと森見登美彦の小説が大好きで映画音楽×森見調の文章×自分の写真で構成した「どうでもいい話をしよう」(Instagramストーリーズ)の更新が今一番楽しいです。一切有益な情報のないどうでもいい話ですが、無駄なことに労力を払えることに人間の面白さを感じています。 美味しい五目焼きそば屋さんの開拓をライフワークとしています。今の所の不動の1位は大慶飯店です。
Eriko.S
宮城県生まれ宮城県育ち。5歳男子と2歳女児の母。 写真の他には映画サントラと森見登美彦の小説が大好きで映画音楽×森見調の文章×自分の写真で構成した「どうでもいい話をしよう」(Instagramストーリーズ)の更新が今一番楽しいです。一切有益な情報のないどうでもいい話ですが、無駄なことに労力を払えることに人間の面白さを感じています。 美味しい五目焼きそば屋さんの開拓をライフワークとしています。今の所の不動の1位は大慶飯店です。
Eriko.Sさんの使用カメラ
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Canon EOS RPEriko.Sさんの使用レンズ