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【作例60枚】自分好みを探す旅へ。オールドレンズ8種撮り比べ

フルサイズミラーレス機の普及に伴い、注目を集めているオールドレンズ。SNSやYouTubeなどでその独特な描写を目にし、気になっていた方も多いはず。60枚を超す美しい作例と共にその魅力を紹介します。

ONE SCENE編集部
作成: 2022-12-12 / 更新: 2023-01-29

個性が光る半世紀前のレンズを楽しむ

今回は、写真家のRioさんに使い方や選び方に加えて、愛用されているレンズ含め8種のオールドレンズを「玉ボケ」「フレア・ゴースト」「ボケの描写」などレンズの個性が表れやすいシチュエーションで撮り比べていただきました。

最後には、各レンズで撮影したRioさんのお気に入り写真も紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

教えてくれた方

Rio

Rio

2018年秋、夫の故郷である北海道へ移住。HP「ヒカリトオト」にて夫婦で撮り続けている写真と共に想いや暮らしを綴っています。

オールドレンズの魅力

「Lo-Fi / ローファイ」という言葉をご存知でしょうか。

Low-Fidelityの略で、録音環境が高音質でない要素を持っている、などという音楽用語です。少し古ぼけた、アナログな音楽を聴くと何だか懐かしく、優しい気持ちになったりしませんか?

フィルムカメラが主だった時代に使われていたレンズは、「オールドレンズ」と呼ばれ、現行のレンズの写りとは違った何とも優しく柔らかな描写を見せてくれます。経年劣化による解像度やコントラスト、彩度の弱さ。光によって現れる幻想的なフレアやゴースト… 高解像度で鮮やかに写る現行のレンズでは良しとされないであろうその表現こそがオールドレンズの魅力なのかもしれません。

何だか懐かしいような、淡く儚げな写りは「ローファイな写真」と呼ぶに相応しいのではないでしょうか。

片方の手でピントリングを回しながらじっくりとファインダーを覗き、好きだと感じたその瞬間にシャッターを押す、マニュアルフォーカスもオールドレンズならではの楽しみ。ピントを追い込み、息を止めてしまうほどにその被写体と向き合う時間。ピンボケになったとしても、その写りさえ何だか良いな…と思えてしまうのです。

オールドレンズは作られた年代や国、使われてきた環境によって写りが異なります。ゆえに同じレンズでも人の性格のように個性があります。自分の手元に巡ってきたレンズは、これまでどんな瞬間を切り取ってきたのかと思いを馳せる…

そんな奥深さを持つレンズで写した写真は、きっとより深く愛でることのできる1枚となるのではないでしょうか。

オールドレンズの使い方

マウントアダプター

カメラとレンズの装着部の規格のことをマウントと呼びます。このマウントは各カメラメーカー毎、同一メーカーでもセンサーサイズによって異なる場合があり、マウントが異なるカメラとレンズは連結することができません。

そこでマウントアダプターというアダプターをボディとレンズの間に装着することで、互換性のないカメラとレンズを使用できるようになります。

マウントアダプター
マウントアダプター
マウントアダプターを介してオールドレンズを装着
マウントアダプターを介してオールドレンズを装着

CONTAX Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.4 をSONYα7ⅱに装着する際に使用しているマウントアダプター「K&F Concept KF-CYE.P」。ヤシカ・コンタックスマウントのレンズをソニーEマウントに変換することができます。レンズとカメラに装着すると上の写真のようになります。

レンズとマウントアダプターについては、こちらの記事にて詳しく説明されています。

マニュアルフォーカス

オールドレンズはオートフォーカスが普及する前のフィルムカメラ時代のものが多く、基本的にピント合わせがマニュアルフォーカスの操作になります。

オートフォーカスはカメラが自動でピントを合わせてくれますが、マニュアルフォーカスはピントリングを回してピントを合わせます。操作が増えて大変なのでは?と思ってしまうかもしれません。

しかし、オートフォーカスでカメラがピントを探しても、なかなか意図したところに合わない場合がありますが、マニュアルフォーカスなら自分が意図したところに合わせることができるのです。その他にも、マニュアルフォーカスだからこそのメリットがあるので、慣れた頃にはオートフォーカスより使いやすいかも!なんて思えてしまうかもしれません。

ここぞという時はピント拡大機能やピントの合っている範囲を強調表示してくれる、ピーキング表示機能を活用してピントを合わせやすくしましょう。

オールドレンズの選び方

さて、後ほどオールドレンズそれぞれの描写の違いをご説明するのですが、好みの描写でレンズを選ぶ以外に、お持ちのカメラのセンサーサイズによって選ぶことも考えてみましょう。

センサーサイズとはフィルムカメラの【フィルム】にあたる部分です。このセンサーサイズが異なると、レンズを付けた時の画角(写る範囲)も変わってきます。センサーサイズ毎の画角の違いは以下のようになります。

  • フルサイズ:そのまま
  • APS-C:約1.5倍
  • マイクロフォーサーズ:約2倍

例えば、焦点距離50mmのレンズの場合は

  • フルサイズ:50mm
  • APS-C:約75mm
  • マイクロフォーサーズ:約100mm

というように、APS-C機やマイクロフォーサーズ機に装着した場合は中望遠程度の画角に、35mmのレンズを装着した場合は標準レンズの画角になるということですね。

オールドレンズの多くは35mm判フィルムカメラ用のもので、フルサイズ機に付けるとオールドレンズそのものの画角で撮ることができます。広角レンズそのものを楽しむのでしたらフルサイズ機を選びたいですね。

欲しいと思ったオールドレンズが、お持ちのカメラではどのような画角になるのかを事前にチェックしてみましょう。

オールドレンズ撮り比べ

今回は自宅にあったオールドレンズ8本についてご紹介していきたいと思います。

各レンズの説明

Super-Takumar

Super-Takumarシリーズは、1960年代に旭光学がフィルムカメラPENTAXの交換レンズとして製造していました。放射性物質を含有するトリウムが使われたレンズはアトムレンズと呼ばれ、Super-Takumarのレンズも製造された時期によってはアトムレンズのものがあります。放射線の影響で経年劣化により黄変し、写りも暖色系になるのが特徴です。

Super-Takumar 50mm F1.4

1.4の明るさと滑かなボケが美しいレンズ。1964年に発売されたフィルムカメラAsahi Pentax SP用の標準レンズです。

Super-Takumar 55mm F1.8

Super-Takumarシリーズの中でも流通量が多いメジャーレンズ。安価で手に取りやすく、オールドレンズの魅力の一つでもあるゴーストが現れやすく、オールドレンズを始める人が最初に選ぶ選択肢の中の1本とも言えるのではないでしょうか。

Super-Takumar 55mm F2

55mm F1.8の鏡胴をそのまま使った廉価版。流通量は少ない。前期型は絞りリングのF値と銘板の開放F値が黄色い文字で、通称黄文字タクマーと呼ばれています。

Helios 44-2 58mm F2

独特なボケの描写と安価であることから、Super-Takumar と並んでオールドレンズ初心者から人気のある旧ソ連製のレンズ。ぐるぐるボケが特徴のレンズとして知られています。柔らかで透明感のある描写は、ポートレートにも向いています。

Carl Zeiss planar T* 50mm F1.4

カールツァイスは世界的に有名なドイツのメーカー。プラナーは「標準レンズの帝王」というキャッチコピーで発売されたコンタックスのフィルムカメラ用のレンズ。高性能の代名詞ともなったこのレンズにはカールツァイスが誇るT*(ティースター)コーティングが施されています。どのレンズで撮影したのか分からなくなることがあるのですが、深みのあるキリッとした描写は、このレンズで撮影した写真だと分かるほどです。

Olympus G.ZUIKO AUTO-S 50mm F1.4

Olympusのフィルム一眼レフカメラ「OM」用の標準レンズの一つ。ボケは硬めですが、開放時のふわっとした描写はF1.4ならではの描写。ピントの合った部分は芯がありスッキリとした印象に。解像度の高いレンズと言われており、絞っていくとコントラストも高くなっていきます。

NIkon AI Nikkor 45mm F2.8P

2001年、NikonのフィルムカメラFM3Aの発売と同時期に発売されたテッサータイプの標準レンズ。マウント部からレンズの先端までの厚さが17mmのパンケーキレンズは、小型で軽量。7枚羽根の円形絞りを採用している為、開放から少し絞っても円に近い玉ボケを維持します。外観はレンズフードがフジツボ型であったり、金属製の鏡胴であったりと特徴的。

Nikon AI Nikkor 50mm F1.4 S

1981年に発売され、2020年に生産完了したことから新品のものが最近まで手に入りやすかったということになります。開放付近での柔らかな光と絞った時の芯のある写り…。軽量・コンパクトながらオールマイティといって良いほどの描写力です。

玉ボケの形の比較

玉ボケは開放では円形になりますが、少し絞ると絞り羽根の枚数の角のある玉ボケになります。例えば、羽根が6枚なら6角形の玉ボケになります。1つのレンズで最小F値とF2.8程度に絞って撮影した作例もありますので比較してみてください。

Super-Takumar 50mm F1.4

Super-Takumar 55mm F1.8

Super-Takumar 55mm F2

Helios 44-2 58mm F2

Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.4

Olympus ZUIKO AUTO-S 50mm F1.4

NIkon AI Nikkor 45mm F2.8P

Nikon AI Nikkor 50mm F1.4 S

フレア・ゴーストの比較

フレアとゴーストは逆光または反逆光で撮影した際に、いずれも強い光がレンズ内で反射して発生します。

フレアは写真の一部や全体が白っぽくなりコントラストが下がります。ゴーストは光が帯状に現れる現象です。

フレアとゴーストの現れ方はレンズによって異なり、同じレンズでも個体差があります。現代のレンズとコーティングが違う為、オールドレンズはフレアやゴーストが発生しやすく、光を操って撮影するのも楽しみの1つだと思います。

Super-Takumar 50mm F1.4

Super-Takumar 55mm F1.8

Super-Takumar 55mm F2

Helios 44-2 58mm F2

Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.4

Olympus ZUIKO AUTO-S 50mm F1.4

NIkon AI Nikkor 45mm F2.8P

Nikon AI Nikkor 50mm F1.4 S

撮り比べてみると、現れ方は実に様々でした。私がオールドレンズを始めた頃は輪っかのようなゴーストに憧れてTakumarを選びました。柔らかな描写になるけれどフレアとゴーストがほとんど発生しないレンズ、虹色の帯が大胆に現れるレンズ…それぞれの表現を活かして楽しみたいですね。

ボケのうるささ

背景のボケの量や滲みや質感も様々です。

Super-Takumar 50mm F1.4

Super-Takumar 55mm F1.8

Super-Takumar 55mm F2

Helios 44-2 58mm F2

Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.4

Olympus ZUIKO AUTO-S 50mm F1.4

NIkon AI Nikkor 45mm F2.8P

Nikon AI Nikkor 50mm F1.4 S

特にHeliosは、条件によっては被写体を中心に渦巻きのような通称「ぐるぐるボケ」が出るので、これを目的に購入される方も多いようです。

ある程度絞る+風景・遠景

F8程度に絞った風景を撮影しました。この場合は写りにあまり差がないようです。

Super-Takumar 50mm F1.4

Super-Takumar 55mm F1.8

Super-Takumar 55mm F2

Helios 44-2 58mm F2

Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.4

Olympus ZUIKO AUTO-S 50mm F1.4

NIkon AI Nikkor 45mm F2.8P

Nikon AI Nikkor 50mm F1.4 S

私のお気に入り

私が普段愛用しているレンズ、Super-Takumar 55mm F1.8、Helios 44-2 58mm F2、Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.4の写真は、これまで撮り溜めてきたお気に入りの中から選んでみました。

その他のレンズは我が家のカメラ棚にあったのですが、私はほぼ使用したことがなく… 今回使用してみて、それぞれの良さや性格のようなものを発見することができました。

Super-Takumar 50mm F1.4

Super-Takumar 55mm F1.8

Super-Takumar 55mm F2

Helios 44-2 58mm F2

Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.4

Olympus ZUIKO AUTO-S 50mm F1.4

NIkon AI Nikkor 45mm F2.8P

Nikon AI Nikkor 50mm F1.4 S

まとめ

淡く柔らかで、儚い記憶の中のような表情を見せたかと思えば、ある時には、深く凛とした表情を見せるオールドレンズ。安価なものがあることも魅力の1つとされていますが、魅力を知っていくうちに、自分の好みの写りを求め探してしまうかもしれません。

巡り逢ったレンズを付けてファインダーを覗けば、 きっとまだ見たことのないような景色が次々と広がるはずです。

Rio

Rio

2018年秋、夫の故郷である北海道へ移住。HP「ヒカリトオト」にて夫婦で撮り続けている写真と共に想いや暮らしを綴っています。

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