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「観察と発見」こそが創造のプロセス。 人知を超えた何かを感じ、写し撮っていく
会社員として働く傍ら、週末には山や自然の中で感性に向き合い、美しい風景を探求されているsaitoさん。saitoさんの写真は風景が主題でありながら、何か生命のような息遣いを感じます。そんなsaitoさんが自身の感性にどう向き合い写真を撮っているのかを知りたくて、お話を伺いました。
著者: yoshitaka saito | 作成日: 2024/03/22
― はじめにsaitoさんが写真を始めたきっかけや、写真にのめり込んでいった経緯について教えてください。
小さいころから絵を描いたり工作をしたりするのが好きな子供で、その流れで、中学生くらいの頃から写真もやってみたいと思うようになりました。
大学生になり、建築系の大学に入学したのですが、建築系の大学って作品撮ったり街並み撮ったりするので、カメラ必須なんですね。でカメラ購入の言い訳ができたので、思い切って一眼レフを購入した流れです。
そして、現実の大学生活から逃れるように遠くの山へ行って撮影しているうちに、自然風景にハマっていきました。
― saitoさんの撮る写真は風景が主題でありながら、さまざまな表情を見せる生き物のようで、saitoさんの美しさや表情を見出し表現する感性に圧倒させられます。saitoさんは風景のどんな瞬間に魅力を感じ、写真に残されていますか。
何か「生命力」のようなものを写し取りたいという気持ちはあります。小さいころからクリスチャンの家庭に育ち、日常的に「神」とか「見えないもの」とか、そういった存在が自分の中にあったんですね。人も自然も、人知を超えた「何か」によって生かされているという世界観もここで育まれました。だから、そういった存在を知りたいとか、近づきたい、みたいな欲求があると思うんです。
よく私の写真を見た方が、「きれい」や「美しい」以外に、「怖い」、「妖しい」という感想を持ちます。これは、未知の何か生命のような存在を、無意識のうちに写し撮ろうとした結果、「生き物のよう」として感じていただけているのかもしれないです。そうだとしたら、少しは意図の伝わる写真が撮れているっていうことで、うれしいですね。そんな写真を撮りたいわけなので、撮影は主に朝ですね。朝の時間って、なんとなく生命が宿るような印象を受けますよね。
― 先ほどの質問とやや重複するのですが、saitoさんの写真は、繊細で陰影が美しく神々しさを感じます。撮影時や現像時など風景が見せる美しさを引き出すために、工夫されていることや心がけていることがあれば教えてください。
撮影時は、シンプルに、とにかく光の情報量豊富な写真を撮る、ということを心がけています。具体的には、白飛び黒つぶれをできるだけ抑えたアンダー目な写真を撮り、後から明暗を調整できるようにしています。
また、風景の魅力が現れるのは一瞬だと思っているので、魅力的な光を見つけたら、とにかく枚数を撮るように心がけています。だから、ほぼAモードです。よほど暗くなければ三脚も使わずに手持ちで、いろいろなアングルと画角を試しています。
そして、私にとって結構大事なのが、撮った写真のセレクトです。何千枚と撮影した写真の中に、何か魅力的なものが写っていないか、じっくりとすべての写真を見返してチェックしています。「観察と発見」ですね。現場での撮影でもそうですが、この観察と発見の過程が、創造のプロセスそのものだと思っているので、じっくりと時間をかけています。
レタッチでは、光あるいは闇(影)の魅力を際立たせるよう意識してレタッチしています。具体的には、グラデーションを滑らかに調整することが多いです。これで光と闇の存在感が増すような気がしています。
― 妥協せずに追求するからこそ撮れる写真ばかりだと思います。また限られた条件下でしか見られない光景も多いと思います。それだけに過酷な経験もされてきたと思いますが、特に印象深いエピソードがあれば教えてください。
恐怖との戦いが一番過酷ですね。誰もいない夜の山を、長いときは8時間くらいかけてヘッデン頼りに山頂まで登ります。あの角曲がって熊がいたらどうしようとか、こんなところで尿管結石になったらどうしようとか(笑)。すごく感覚過敏にもなります。疲労と寒さで女性の声が頭の中で聞こえてきたときは、ほんとに怖かったです。
でも、そのあとで待っている朝日の気持ちよさがあるから、やってしまうんです(笑)。あの恐怖心はどこ行ったっていうくらい、周囲の雰囲気も、自分の気持ちも一変します。太陽の力は偉大ですね。
― 続いて、saitoさんがメインで使っているカメラ・レンズについて、それぞれの機材を選ばれた経緯や用途、お気に入りの点について教えてください。
SONY
現在メインで使用しているカメラは、SONYのα7Ⅲです。SONY製のカメラに初めて手を出したのは、およそ10年前になります。当時、ミラーレスカメラの先駆けとなったNEX-5が発表されたとき、そのデザインにただただ衝撃を受けたんです。大きなレンズを備えつつ、本体は小型で洗練されていて、まさに私が理想としていたデザインそのものでした。その瞬間、「これからのカメラはこれしかない」と直感しましたね。そして迷うことなくSONYへの乗り換えを決断しました。要するに、シンプルにデザインが気に入ったんです(笑)。
α7Ⅲ
α7Ⅲは今のメイン機ですが、耐寒性能、堅牢性、画質、機動力、どれをとっても不満はないです。一般に、堅牢性や耐寒性に関してソニーは苦手とされていますが、深夜、厳冬の山にもっていっても、沢登りで水しぶきに打たれても、まったく不具合はありません。
FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
風景の撮影では、美しい光が近くにあることもあれば、遠くにあることもあります。だから望遠がないと、そもそも撮りたいものが撮れないんです。望遠域は画質的に難しい画角ですが、このレンズはとにかく目が覚めるような画質の良さです。あと白いボディのカッコよさ。でかくて重いですが、登山にもつい持って行ってしまうレンズです。山でこれ構えてたらカッコよくないですか?いや、変態に見えますかね?
TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD
高山への登山や、一泊の登山など、荷物を軽くしたいときはこのレンズです。画質も十分で、この小ささで望遠200mmまで撮影できるため、個人的に一番使用頻度の高いレンズです。
TAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXD
望遠側の撮影が多いので、使う機会は少ないですが、このレンズは必ず持っていきます。f2.8なので星も撮れるし、点光源の描写もよいです。広角側17mmは個人的に十分で、沢や樹林帯など広角側を使いたいときに重宝しています。
― 最後に、saitoさんのベストショットと、次に狙っているカメラやレンズ、今後の抱負があれば教えてください。
純粋な自然の風景ではないと思いますが、このショットを選んでみました。夜間、整備しているスキー場の夜景が雲海に浮かんでいる写真です。ナイトハイク中、何気なく撮影した一枚でしたが、後からじわじわと、この写真の奇跡性と面白さに気づきました。自然と人工物の面白い組み合わせの瞬間をとらえることができたと思います。
狙っているレンズは、タムロンの17-50,50-400の2本ですね。2本で17-400までの画角をカバーできる点が魅力だと思います。
今後は風景だけではなく、日常スナップとかも撮っていきたいと思っています。いろんな表現や手法にチャレンジして、視野を広げていきたいです。
著者
yoshitaka saito
1988年群馬生まれ、群馬在住。趣味で写真を撮っている事務職サラリーマン。趣味は、写真とピアノと登山。自分なりの表現や美を探求することに生きがいを感じています。
yoshitaka saito
1988年群馬生まれ、群馬在住。趣味で写真を撮っている事務職サラリーマン。趣味は、写真とピアノと登山。自分なりの表現や美を探求することに生きがいを感じています。
yoshitaka saitoさんの使用カメラ
yoshitaka saitoさんの使用レンズ