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SONY α7 III(ILCE-7M3)
SONY Eマウント
2018/03/23発売
ついに、というか、ようやくミラーレス完全移行の時代がやってきました。その扉を開いたのがSONY α7Ⅲです。α7Ⅲはなぜ、新時代への扉を開くことができたのか、1世代前のα7IIや従来のミラーレス機と比較しながら解説します。
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著者: enoF
メイン機の仲間入りを果たしたα7 III
今までのミラーレス機は主に、写真を特別な趣味としていないライトユーザーが使ったり、レフ機をメインに写真を撮る人のサブ機として使われてきました。
光学ファインダーがないため、ミラーやペンタプリズムなどの精密部品を省略でき、コンパクトに、そして価格も抑えることができたからです。一方で、性能的には全てにおいてレフ機から一歩遅れていたので、写真を趣味とする人のメイン機としては使えませんでした。
そんな状況を一変させたのがSONY α7 IIIです。
今や他社も追随してきましたが、SONYはフルサイズミラーレスをいち早く市場に投入してきました。ミラーレスといえば、APS-Cやマイクロフォーサーズなどの小さなイメージセンサーを使ってコンパクトに作られてきましたが、α7シリーズはイメージセンサーをフルサイズにすることで、レフ機のプロモデルと同等の画質にすることが可能となっています。
そしてSONYはミラーレス機に開発を集中させることで、ミラーレスの弱点とされるAF速度やEVFの画質などを改善し、SONYフルサイズミラーレスの3世代目としてα7Ⅲを発売。さらに瞳AFやピーキング、高速連写、ボディ内手振れ補正など、ミラーレスの優位性を生かした機能で、α7 IIIはメイン機の選択肢に仲間入りしました。
では、α7 IIIはSONY第3世代フルサイズミラーレスとして、具体的にどのような進化を遂げたのでしょうか。α7 IIと比較して見ていきましょう。
裏面照射型CMOSの量産に成功したSONY
一番の注目ポイントは裏面照射型CMOSの搭載です。CMOSは画質を左右するカメラの最重要部品ですが、SONYは世界初、裏面照射型CMOSの量産に成功し、α7Ⅲに搭載しました。
裏面照射型CMOSは、従来、イメージセンサーの光を感知する受光ダイオードの上面の層に配置されていた配線を、裏面に持ってくることで受光ダイオードに当たる光の量を多くしたCMOSです。精密な製造工程を要するので、今までは量産が不可能とされてきましたが、イメージセンサーの開発もしているSONYの強みを生かし、量産を可能にしました。
Nikon Zシリーズにも裏面照射型CMOSが搭載されていますが、Nikonはイメージセンサーの開発を自社で行っていないので、公表はないものの、SONY製のセンサーだとされています。Canonは裏面照射型のデュアルピクセルCMOSの特許を取得していますが、EOS RやRPには搭載されていません。
α7 IIと比較すると、解像度は大差ありませんが、CMOSの変更によってダイナミックレンジや画質に大きな差が出ています。
製品 | ||
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価格 | 新品: 223,000円 中古: 131,800円 | 新品: 128,000円 中古: 56,980円 |
センサーサイズ | フルサイズ(35.6×23.8mm) | フルサイズ(35.8×23.9mm) |
有効画素数 | 2,420万画素 | 2,430万画素 |
連続撮影速度 | 最高約10.0コマ/秒 | 最高約5.0コマ/秒 |
手ブレ補正機構 | ○ | ○ |
防塵・防滴 | ○ | ○ |
撮影可能枚数(ファインダー) | 610枚 | 270枚 |
重量 | 565g | 556g |
発売日 | 2018/03/23 | 2014/12/05 |
他社を大きく引き離す連写性能
他にも、連写性能がα7 IIの倍となる10コマ/秒となり、プロがスポーツ撮影に使っても十分な速度となりました。そして、サイレントシャッターでの連写もできることから、音が出せない環境でもシャッター音を気にすることなく連写可能となりました。この連写性能はフルサイズミラーレス機において、Canon、Nikonを大きく引き離している点で、AF・AE追従時の連写ではSONYが他社を圧倒しています。
SONYはα7 III以前にα9という高速連写機を発売しており、α9はプロを満足させる連写機として、20コマ/秒での連写が可能となっています。しかし、世代的にいうとα9はα7Ⅲよりも一世代古く、カテゴリー的には上位モデルでも、スペック的には連写コマ数以外大差ありません。
製品 | ||
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価格 | 新品: 223,000円 中古: 131,800円 | 新品: 254,800円 中古: 156,800円 |
センサーサイズ | フルサイズ(35.6×23.8mm) | フルサイズ(35.6×23.8mm) |
有効画素数 | 2,420万画素 | 2,420万画素 |
連続撮影速度 | 最高約10.0コマ/秒 | 最高約20.0コマ/秒 |
4K対応 | ○ | ○ |
手ブレ補正機構 | ○ | ○ |
防塵・防滴 | ○ | ○ |
撮影可能枚数(ファインダー) | 610枚 | 480枚 |
重量 | 565g | 588g |
発売日 | 2018/03/23 | 2017/05/26 |
プロも安心のデュアルスロット
デュアルスロットに対応したことも注目したいポイントです。メモリーカードが2枚挿せることでバックアップが可能となり、プロでも安心して使えるようになりました。
さらに背面にマルチセレクターを配置するなど、UI面でも大きく進化しており、他社のレフ機から移行したときの操作の違和感を最小限に抑えています。
レンズでも注目を集めるα7 III
α7 IIIの魅力は性能だけではありません。SONYはレンズマウント情報を公開することで、他社メーカーのEマウントレンズ開発参入を促しました。その成果として、SIGMAはEFマウントレンズとEマウントカメラのアダプターを開発・販売し、Canonユーザーはレンズ資産を手放すことなく、SONYへの移行が可能となりました。
SIGMAのマウントアダプターはSIGMA EFレンズとの互換のみ補償していますが、実際はCanonレンズでもTAMRONレンズでも使用することができます。
おすすめはGマスターレンズ
しかし、α7 IIIにおすすめのレンズは他社レンズではなく純正レンズです。ようやくEマウントレンズのラインナップが充実してきたSONY。純正レンズの選択肢もかなり増えました。
特にGマスターレンズは評価が高く、神レンズと呼ばれるものもあります。Gレンズはミノルタ時代から受け継がれてきた高性能レンズの称号ですが、SONYはGマスターという新たなハイエンドカテゴリを作りました。
そのGマスターの中でも特におすすめしたいのが「SEL85F14GM FE 85mm F1.4 GM」。
85㎜でF1.4だと被写界深度がかなり浅くなるため、背景を大きくぼかして被写体を際立たせるポートレートなどには最適のレンズといえます。超高度非球面XAレンズという高精度で研磨されたレンズは、シャープな描写と円形絞りによる美しいボケを生み出し、まさにGマスターの称号にふさわしいレンズとなっています。
オールドレンズも装着可能
ミラーレス機はフランジバックが短いことで、レフ機では装着不可能だったレンジファインダー用レンズも、アダプターを介して装着できるようになりました。α7 IIIは高画質、ボディ内手振れ補正、ピーキング表示など、オールドレンズを楽しむポイントを完璧に網羅していることから、オールドレンズファンにも注目されています。
Super Takumarのようなオールドレンズのド定番といわれるようなレンズから、HELIOSのような「ぐるぐるボケ」という特徴あるボケ味のレンズまで、さまざまなレンズで撮影を楽しむことができますね。
オールドレンズならではのボケ描写が主役を引き立てています。
α7RとHeliosの組み合わせ。Heliosならではのグルグルボケが個性的な写真を演出。
外観紹介
愛用者のコメント
藤村 駿介
1996年、兵庫県生まれ。アカウントプランナー兼フォトグラファー。現在はWebメディア会社で働きながら、CURBONで写真教室を行ったり、フリーのフォトグラファーとして活動をしている。コロナ前は写真をしている人たちが繋がりあえる場作りとして、ミートイベントなどを多数開催。
メインで使っているカメラはSONY α7 lllです。
初めて買ったカメラがCanon のKiss x7なのですが選んだ理由が軽いからだったんです。そこからフルサイズに移行しようと思った際に(そのころはCanon,Nikonはミラーレス出してない時代)Canonの5D, 6DにするかSONYのミラーレスにするかで悩みました。
Canonの写りはとても好きでしたが、僕自身当時バックパッカーで海外に行くことが多かったので軽さであったり、今後ミラーレスが主流になってくることを想定してSONYのミラーレスにすることにしました。そして当初最新だったα7 lllを購入することになりました。
気に入っている点としては圧倒的にAF速度が速いことやフォーカスの正確さが気に入っています。モデルさんと歩きながら撮ることが結構あるのでリアルタイムAFによって決定的な瞬間を逃さない点などが気に入っています。
MASAKI
1986年岡山県生まれ。平日は会社員をしながら週末に友人と写真を撮りに出かけています。座右の銘は初心忘れるべからず。少しずれてしまうかもしれませんが、いつになっても初めてカメラを買った時、シャッターを切った時のワクワクした純粋な気持ちを忘れずに。これからも写真を楽しみたいです。
α7 IIIは発売されてすぐ購入したのですが、価格と性能のバランスが良く、当時は今ほどミラーレスカメラの選択肢も無かったように思います。マウントアダプターが豊富にあるのでマウント違いの手持ちのレンズを引き続き使い続ける事ができるのもポイントだと思います。
ユーザーレビュー
■ ポジティブレビュー
- 何でもこなせるオールマイティーカメラ。
- 顔認識や瞳AFでポートレートに自信が持てる。
- フルサイズとして、レフ機も含めて圧倒的なコスパ。
- 持ち歩きしやすいサイズで、いろいろな撮影ができる楽しいカメラ。
- RAWのレタッチ耐性が高く、撮影後でもかなりレタッチして雰囲気を変えられる。
ミラーレス機の特徴的な機能をほとんど網羅しているフルサイズ機ということで、様々な撮影に対応できるユーティリティ性に評価が集まっています。多くのユーザーがレフ機からミラーレスへの移行を進めるきっかけの1台になっている様です。
■ ネガティブレビュー
- グリップのホールド感が悪く、カメラが安定しない。
- 液晶のチラツキが他社と比較しても、どうしても気になる。
- 画質、特にJPEGが他社と比較すると1段劣るように感じる。
- 操作系がゴチャゴチャされていて使いにくい。
- 純正現像ソフトがあまりに使えない。
販売台数が多いので、マイナスレビューも多く見られます。その多くは操作系などの細部に対してのもの。機能面では充実しているので、SONYはミラーレスというよりもカメラとしての成熟が課題になっているようです。
まとめ
α7 IIIでフルサイズミラーレスに移行した場合、もちろん操作の慣れなどは必要ですが、レンズは今まで使っていたものをマウントアダプターを介して装着できますし、AF速度もレフ機と変わらず瞳AFなどがプラス、画質も従来以上、高速連写ということで、なんの問題もなく使えることでしょう。
フルサイズミラーレスの流れに乗り遅れたくない人は、α7 IIIへの迅速な移行を検討してみてはいかがでしょうか。
著者
enoF
大学在学中より、編集プロダクションに所属し、様々な雑誌の発行に携わる。 その後、フリーランスとなり、カメラやレンズ関連の記事をはじめ、パソコンやIT関連機器など様々なガジェットに関する記事を執筆するライターに。現在はWeb記事を中心として執筆活動中。
価格情報
ミラーレス一眼 > ハイアマチュア
SONY α7 III(ILCE-7M3)
新品: 231,999円 / 中古: 131,800円
新品: 224,000円 / 中古: 132,510円
新品: 223,000円 / 中古: 134,580円
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製品情報
カテゴリ | ミラーレス一眼 |
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メーカー | SONY |
タイプ | ハイアマチュアモデル |
マウント | SONY Eマウント |
関連製品
製品 | SONY α7 III(ILCE-7M3) (本製品) | |||||
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価格 | 新品: 223,000円 中古: 131,800円 | 新品: 183,384円 中古: 109,800円 | 新品: 488,000円 中古: 349,700円 | 新品: 260,136円 中古: 227,630円 | 新品: 235,000円 中古: 143,360円 | 新品: 165,000円 中古: 90,000円 |
センサーサイズ | フルサイズ(35.6×23.8mm) | フルサイズ(35.6×23.8mm) | フルサイズ(35.7×23.8mm) | フルサイズ(35.9×23.9mm) | フルサイズ(35.9×24.0mm) | 35mmフルサイズ(35.9×24.0mm) |
有効画素数 | 2,420万画素 | 1,220万画素 | 6,100万画素 | 3,300万画素 | 4,240万画素 | 4,240万画素 |
連続撮影速度 | 最高約10.0コマ/秒 | 最高約5.0コマ/秒 | 最高約10.0コマ/秒 | 最高約10.0コマ/秒 | 最高約10.0コマ/秒 | 最高約5.0コマ/秒 |
4K対応 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
手ブレ補正機構 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
防塵・防滴 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
撮影可能枚数(ファインダー) | 610枚 | 310枚 | 440枚 | 530枚 | 530枚 | 290 |
重量 | 565g | 584g | 638g | 429g | 572g | 582g |
発売日 | 2018/03/23 | 2015/10/16 | 2022/11/25 | 2023/10/13 | 2017/11/25 | 2015/08/07 |