製品解説
スペック情報
レンジファインダーを彷彿とさせるデザインのα6000シリーズ
SONYのAPS-Cミラーレスであるα6000シリーズは、コンパクトボディでありながら、CanonのEOS Mシリーズのようなコンパクトミラーレスとは違い、電子ビューファインダー(EVF)もしっかりと搭載。
CanonにもEVFを搭載したモデルがありますが、一眼レフ同様、軍艦部に突出する形でEVFがあるので、バッグなどに収納するには一回り大きなスペースを必要とします。一方でα6000シリーズは、EVFが直方体の本体ボディ内に収まっているので、まるでフィルム時代のレンジファインダーカメラのようにコンパクトな外観となっています。
α6000シリーズはまさに”小さすぎるEVF搭載ミラーレス”なのですが、これに対してSONY幹部の面白いインタビューがありました。
「顧客のカメラサイズに対するニーズには2種類ある。携帯性を重要視するものと、ホールド感などから大きめなカメラを望むもの。SONYはホールド感やバランスを考慮しつつも、携帯性を重要視してボディサイズを決めている。大きめなカメラを望むのならSONYの哲学には合わないので、他社のカメラを買えば良い。」
要するに、コンパクトなカメラを望むならSONY、ホールド感などを第一に考えるなら他社へどうぞということです。SONYはミラーレスカメラのリーディングカンパニーとして、小型ミラーレス一眼でカメラユーザーの裾野を広げることを念頭に置いており、その哲学が体現されたカメラの1つがα6000シリーズといえます。
α6000シリーズは購入前に注意
SONY初のミラーレス一眼であるαNEXシリーズを引き継ぐ形で、2013年にα3000、2014年にα5000シリーズ、そしてα6000が発売されました。これらはSONYのAPS-Cミラーレス一眼シリーズなのですが、既におわかりの通り、型番がわかりにくくなっています。
フルサイズミラーレスはα9シリーズ、α7シリーズとわかりやすいのですが、APS-Cはどれがエントリー機でどれがミドルスペックなのかがわかりにくく、かなりの初見いじめではないでしょうか。型番がわかりにくいといえばNikonもなかなかのものですが、SONYのAPS-Cミラーレスはその上をいきます。
性能とは関係ないので問題ないといえばそれまでですが、α6000シリーズはどれも見た目がそっくりなので、型番によるスペックの違いを理解して購入する必要があります。
まずは2019年現行機のα6000シリーズを整理してみましょう。
それぞれをクラス分けすると、α6600、6500がAPS-C最上位シリーズ、α6400がミドルスペック、α6100がエントリー機となります。スペックを比較してみると、α6600、6500にはボディ内手ブレ補正が搭載されていることが他機との大きな違い、α6100はアンチダスト機能などを省くことで低コスト化されており、その他にもファインダー解像度などでコスト差がつけられています。
サブ機に最適なα6500
α6000シリーズ最新のα6600、α6400、α6100が発表されたことで、α6500は一世代前のAPS-Cミラーレス最上位に。
そのためα6500は、α6400と同じ価格帯で販売されるようになりました。スペック的には2420万という画素数をはじめ大きな差はなく、似たようなスペックの数値が並びますが、最新の画像処理エンジンを搭載している分、AFなどでは若干α6400の方がハイスペックとなっています。
しかし前述の通り、両者にはボディ内手ブレ補正の有無という大きな違いが。α6000シリーズはAPS-Cセンサーサイズですが、フルサイズミラーレスのα9やα7シリーズと同じEマウントを採用しています。つまり、フルサイズ用のレンズをそのまま装着することが可能なのです。
しかし、SONYのフルサイズミラーレスにはボディ内手ブレ補正が搭載されているので、全てのレンズに手ブレ補正が搭載されているわけではありません。EマウントのAPS-C専用レンズには手ブレ補正が搭載されているので問題ありませんが、フルサイズ用レンズも使いたい場合は、α6400よりもボディ内手ブレ補正のあるα6500を選ぶのがベターです。
フルサイズカメラとの共用、サブ機としてAPS-Cミラーレスを選ぶのなら、最新のα6600でも良いですが、サブ機なので予算を抑えたいという場合はα6500を選ぶと良いでしょう。
おすすめレンズ「FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS」
先に述べたように、ボディ内手ブレ補正が搭載されているα6500。レンズ内手ブレ補正が不要なので、オールドレンズなども活用できますが、まずはSONY純正レンズを活用したいところです。
フルサイズレンズは大径で取り込む光の量も多く、APS-C専用レンズとは違った写りを楽しむことができます。まずは「FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS」のような標準域のレンズから活用してみると良いでしょう。
ネット上のユーザーレビュー
■ポジティブレビュー
- サイズ感や形状は結構好き
- フルサイズレンズと共通のマウントなのでサブ機に最適
- APS-Cということを考えれば全体的には妥当な性能
- 画質は先代のα6300だけでなく、初期のフルサイズミラーレスも完全に超えた印象
- レフ機に比べると携帯性は雲泥の差
ミラーレスの登場で一眼カメラの小型化が進んでいますが、EVFやボディ内手ブレ補正など、機能性十分なところが高評価となっています。
■ネガティブレビュー
- カメラとしての完成度が低い
- ゴミ取り機能はおまけ程度の性能と考えた方が良い
- APS-C専用レンズの場合は周辺減光や歪曲収差が目立つ
- 連写時はEVFのカクカクがひどくて被写体を追えない
- 動画撮影中に本体がかなり熱くなって心配
今までにないEVF搭載小型ミラーレス一眼ということで、機能性や精度などには改善の余地がありそうです。
まとめ
EVF搭載ミラーレスとして究極ともいえるコンパクトデザインのα6000シリーズ。外観はどれも同じように見えますが、α6600とα6500にはボディ内手ブレ補正が搭載されているという決定的な違いがあります。
α6500は後継機がなかなか発売されなかったことで、SONYのAPS-C最上位としての地位を守ってきましたが、α6600が発売されたことでミドルスペックのα6400と同価格帯に。フルサイズのサブ機としての使用を考えると、ボディ内手ブレ補正は是非とも欲しい機能なので、α6500は価格も合わせてとても魅力的な一台といえます。
レンズマウント | |
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レンズマウント | SONY Eマウント |
撮像素子 | |
センサーサイズ | APS-Cサイズ(23.5 x 15.6mm) |
有効画素数 | 2,420万画素 |
ダスト低減機能 | ○ |
映像エンジン | BIONZ X |
画像記録 | |
記録媒体 | SDHCカード
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スロット数 | シングルスロット |
記録画素数 | Lサイズ: 6000 x 4000(24M)
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画像ファイル | JPEG/RAW |
動画 | |
4K対応 | ○ |
記録サイズ | XAVC S 4K(3840 x 2160):30p
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記録形式 | XAVC S/AVCHD規格 Ver.2.0準拠、MP4 |
ライブビュー | |
フォーカス | ファストハイブリッドAF(位相差検出方式/コントラスト検出方式) |
シャッター | |
シャッター速度 | 1/4000~30秒 |
連続撮影速度 | 最高約11.0コマ/秒 |
露出制御 | |
測光方式/測光分割数 | 1200分割ライブビュー分析測光 |
ISO感度 | 100〜25,600 |
AF | |
測距点 | 最大425点 |
ファインダー | |
視野率 | 100% |
倍率 | 約1.07倍 |
ストロボ | |
内蔵ストロボ | ○ |
液晶モニター | |
サイズ | 3インチ 92.16万ドット |
可動式 | チルト可動式液晶 |
I/F | |
インターフェース | マイクロUSB2.0、HDMIマイクロ |
無線LAN | |
Wi-Fi機能 | ○ |
ネットワーク | |
NFC | ○ |
Bluetooth | ○ |
防塵・防滴 | |
防塵・防滴 | ○ |
手ブレ | |
手ブレ補正機構 | ○ |
GPS | |
GPS | - |
電源 | |
撮影可能枚数(ファインダー) | 310 |
撮影可能枚数(ライブビュー) | 350 |
動画撮影可能時間 | ファインダー使用時:約65分
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USB充電 | ○ |
使用電池 | リチャージャブルバッテリーパック NP-FW50 |
サイズ・重量 | |
サイズ | 120.0(幅)×66.9(高さ)×64.4(奥行き)mm |
重量 | 410g |
発売日 | |
発売日 | 2016年12月02日 |
製品情報
- カテゴリ
- ミラーレス一眼
- メーカー
- SONY
- タイプ
- ハイアマチュアモデル
- マウント
- SONY Eマウント