製品解説
スペック
SONYとAPS-C
SONY α6400 / E 35mm F1.8 OSS
SONY α6400 / E 18-135mm F3.5-5.6 OSS
SONY α6400 / E 18-135mm F3.5-5.6 OSS
SONYの一眼カメラにおける主力はなんといってもα7シリーズ。多くのレフ機ユーザーのミラーレス化を促したα7III、プロも使うα7RIII、超高画素機となったα7RIVと、充実のラインナップです。一方、いまいち盛り上がりを見せていないのがAPS-Cのα6000シリーズ。
一眼カメラが一番売れる価格帯は10万円前後といわれていて、この価格帯はまさにAPS-Cカメラが主となるため、SONYが更にカメラシェアを広げるには、APS-Cラインナップの充実は避けて通れないでしょう。実際、一眼カメラの絶対王者CanonはAPS-Cラインナップを充実させることで、ミラーレス化で大きくカメラ業界編成がなされている中でも、その地位を揺るぎないものとしています。
しかし、一眼カメラ市場全体としてはスマートフォンカメラに押され気味で、特にその大きな煽りを受けているのがAPS-Cエントリークラス。そのためSONYは、純然たる入門者向け一眼カメラのエントリークラスAPS-Cではなく、高付加価値APS-Cでのシェア拡大を狙っており、その先鋒がフルサイズミラーレスに引けを取らない高機能を備えたα6400です。
ミラーレスの真価はボディの見えない部分に
α6400は2019年2月に発売されましたが、その後10月にα6100、11月にα6600が続けて発売されました。α6600がバッテリーサイズの分、若干大きくなっていますが、その他の見た目はほぼ同じです。写真機としての性能も、2420万という画素数、11コマ/秒の連写速度、瞳AFなどのAF性能、ISO感度に大きな差はありません。
では、どこに差があるのかというと、ボディの中に隠されたハードウェアです。
まず注目したい大きな違いは、α6600とその先代となるα6500にだけ、ボディ内手ブレ補正が搭載されているということ。α6400、6100にはボディ内手ブレ補正が搭載されていないので、レンズ内手ブレ補正を搭載したレンズが必要となります。
SONYのAPS-C専用レンズは手ブレ補正が内蔵されているものが多く、問題ありませんが、フルサイズ用レンズも使うという場合は注意が必要です。
その他の大きな違いといえば、α6600と6400はボディにマグネシウム合金が使われており、防塵防滴に配慮した設計になっているということ。アクティブな撮影をする場合は、α6600や6400の方が有利となります。これら以外にもファインダーやモニターの解像度など、ボディの見えない部分、いわゆるハードウェアに大きな差が見られます。
ボディ剛性やファインダー・モニターの解像度などは上位機種になるほど良くなっていきますが、瞳AFなどソフトウェアの機能面に関しては、発売時点で非搭載でも、ソフトウェアアップデートで次々追加されていきます。もちろん、機種によってアップデートの時期に差はありますが、これらの点は同一世代のα6000シリーズを比較する上で気にする必要はなさそうです。
一世代前の上位機種、α6500との比較は
さて、同一世代のα6000シリーズであれば、ハードウェアの機能性とコストを比較して選べば良いのですが、一世代前の上位機種であるα6500との比較はどうでしょう。
製品 | SONY α6400(ILCE-6400) | SONY α6500(ILCE-6500) |
---|---|---|
価格 | 新品:110,000円〜 中古:98,000円〜 | 新品:147,475円〜 中古:79,800円〜 |
センサーサイズ | APS-C(23.5×15.6mm) | APS-Cサイズ(23.5 x 15.6mm) |
有効画素数 | 2,420万画素 | 2,420万画素 |
連続撮影速度 | 最高約11.0コマ/秒 | 最高約11.0コマ/秒 |
4K対応 | ○ | ○ |
手ブレ補正 | - | ○ |
防塵・防滴 | ○ | ○ |
撮影可能枚数 | 360枚 | 310枚 |
重量 | 359g | 410g |
発売年月 | 2019年02月 | 2016年12月 |
価格的には、後継機が発売されたことによるα6500の値下がりもあり、ほぼ同一価格帯となっています。しかし、画像処理エンジンの世代が違うので、画質やAF、ISO感度など、撮影に関する部分では最新のα6400の方が上回っています。
一方、α6500は上位機種ということで、ボディ内手ブレ補正搭載という優位性が。α6600とα6400にはバッテリー容量というかなり重要な違いがあることに対して、α6500は6400と同じバッテリーなので、比較ポイントは”撮影性能”か”ボディ内手ブレ補正”か、ということになります。
APS-Cレンズを使うだけであれば手ブレ補正を気にする必要はないので、現状他社レンズを持っていたりフルサイズレンズも使う場合はα6500、初めての一眼カメラであればα6400、といった感じで選べば問題ないでしょう。
SONY α6400 / E 55-210mm F4.5-6.3 OSS
ガラスに反射した景色という難しい被写体にも、しっかりとピントが合っています。
SONY α6400 / E 50mm F1.8 OSS
APS-Cでも開放F1.8なら被写界深度も浅く、シャープな描写となります。
SONY α6400 / E 18-135mm F3.5-5.6 OSS
コンパクトなミラーレス一眼はどこにでも持ち歩けるので、シャッターチャンスを逃しません。
動画機としての可能性を秘めるα6400
α6400にはAPS-C写真機として申し分ない機能性がありますが、動画機としての可能性も大いに感じさせます。
そもそもデジタル一眼での動画撮影は、シャッター幕を開けた状態、イメージセンサーに常に光を当てた状態で撮影する必要があり、レフ機のファインダーは使えません。そのため、ミラーレスもレフ機も、動画撮影においての使い勝手は同じといえます。そして、一眼動画撮影がメインなら光学ファインダーは不要なので、α6400のようなコンパクト機にメリットが出てきます。
α6400は動画撮影時も”リアルタイムトラッキング”という機能によって、動く被写体に対するAF追従性能が高くなりますが、その他にも動画撮影向きとされる機能があります。
まずは、180度展開のチルト液晶。コンパクトなカメラの場合、バリアングルよりもチルト液晶が採用されることが多くなりますが、チルト液晶は自撮りには向いていないというデメリットがあります。しかし、α6400のチルト液晶は180度展開できるため、もちろん一部はボディに隠れてしまいますが、自撮りに使うことも可能です。
更に、USB給電ができるという点も動画撮影時の強い味方に。長時間の動画撮影ではバッテリー残量が気になるところですが、電源が確保できていればUSBで給電しながら撮影できるので、バッテリー残量を気にする必要はありません。
ここまではα6100にも搭載されている機能ですが、α6400ではS-Logを使った動画撮影も可能で、カラーグレーディングでイメージ通りの色調整をしたり、ダイナミックレンジをより深くすることもできます。これは映画撮影などに使われる方法で、映像カメラのシェアが高いSONYならではの技術といえるでしょう。
このように、実は動画撮影向きのデジタル一眼、α6400。家族撮影などで写真だけでなく動画も、と考えるなら最適なカメラの1つといえます。
おすすめレンズ「E 18-135mm F3.5-5.6 OSS」
α6400のようにシンプルなカメラを持ち歩くのであれば、レンズもあれこれ持ち歩くよりシンプルに1本で済ませたくなりますね。そんなニーズに応えてくれるレンズが「E 18-135mm F3.5-5.6 OSS」です。
18-135mmという焦点距離はAPS-Cのレンズにて、もはや定番となってきました。いわゆる旅レンズというジャンルのレンズで、これ一本だけで旅に出ても、広角から望遠までそつなくこなせるという便利ズームレンズです。もちろん、キットレンズとして購入可能。α6400の場合は「高倍率ズームレンズキット」でボディと合わせて購入することができます。
SONY α6400 / E 18-135mm F3.5-5.6 OSS
テレ端が135mmのレンズで撮影したとは思えない風景写真です。
ユーザーレビュー
■ ポジティブレビュー
- シンプルでスッキリなデザインに好感が持てる
- α6300と比べるとかなりAFが良くなり、様々なシーンで信頼してAFが使える
- 全体的にフラットなデザインなので、バッグにすっぽり入る
- 小指は余るがホールド感は悪くない
- リアルタイムトラッキングAFは、動く被写体の撮影でかなりの恩恵がある
ミラーレスのメリットを十分に引き出した大きさと機能性に高評価が集まっています。
■ ネガティブレビュー
■ ネガティブレビュー
- 動画撮影時に熱暴走します
- ローリングシャッターが目立つので手持ちはきつい
- やはりSONYの一眼はホワイトバランスにズレを感じる
- 操作ダイヤルがもう1つ欲しくなる操作性
- EVFがいまいち進化しておらず、相変わらずカクカク感がある
やはりSONYのミラーレスにはα7のような他社を圧倒する性能を求めてしまい、その期待感が細かい部分の完成度不足に対するネガティブレビューに繋がっているようです。
まとめ
久々に登場したSONYのAPS-C「α6400」には、フルサイズミラーレスで培った、動物にまで対応する瞳AFや、リアルタイムトラッキングなどの技術がふんだんに盛り込まれています。外見には一世代前のα6000シリーズから大きな進化は見られませんが、性能はISO感度やAF速度などが大きく進化し、ハード面でもEVFの解像度やバッテリーの持ちなどが進化しています。
SONYのミラーレス、特にα6000シリーズは、世代間やグレード毎に見た目ではわからない性能の違いがあるので、購入時にはそういった面に目を向ける必要があるでしょう。
レンズマウント | |
---|---|
レンズマウント | SONY Eマウント |
撮像素子 | |
センサーサイズ | APS-C(23.5×15.6mm) |
有効画素数 | 2,420万画素 |
ダスト低減機能 | ○ |
映像エンジン | BIONZ X |
画像記録 | |
記録媒体 | SDカード
|
スロット数 | シングルスロット |
記録画素数 | Lサイズ: 6000 x 4000(24M)
|
画像ファイル | JPEG/RAW |
動画 | |
4K対応 | ○ |
記録サイズ | XAVC S 4K(3840 x 2160):30p
|
記録形式 | XAVC S/AVCHD規格 Ver.2.0準拠 |
ライブビュー | |
フォーカス | ファストハイブリッドAF(位相差検出方式/コントラスト検出方式) |
シャッター | |
シャッター速度 | 1/4000~30秒 |
連続撮影速度 | 最高約11.0コマ/秒 |
露出制御 | |
測光方式/測光分割数 | 1200分割ライブビュー分析測光 |
ISO感度 | 100〜32,000 |
AF | |
測距点 | 最大425点 |
ファインダー | |
視野率 | 100% |
倍率 | 約1.07倍 |
ストロボ | |
内蔵ストロボ | ○ |
液晶モニター | |
サイズ | 3.2インチ 92万ドット |
可動式 | 180度チルト可動式液晶 |
I/F | |
インターフェース | マイクロUSB、HDMIマイクロ |
無線LAN | |
Wi-Fi機能 | ○ |
ネットワーク | |
NFC | ○ |
Bluetooth | ○ |
防塵・防滴 | |
防塵・防滴 | ○ |
手ブレ | |
手ブレ補正機構 | - |
GPS | |
GPS | - |
電源 | |
撮影可能枚数(ファインダー) | 360枚 |
撮影可能枚数(ライブビュー) | 410枚 |
動画撮影可能時間 | ファインダー使用時:約70分
|
USB充電 | ○ |
使用電池 | リチャージャブルバッテリーパック NP-FW50 |
サイズ・重量 | |
サイズ | 120.0(幅) x 66.9(高さ) x 59.7 (奥行き)mm |
重量 | 359g |
発売日 | |
発売日 | 2019年02月22日 |
価格情報2022.06.30 更新
製品情報
- カテゴリ
- ミラーレス一眼
- メーカー
- SONY
- タイプ
- エントリーモデル
- マウント
- SONY Eマウント
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価格 | 新品:110,000円〜 中古:98,000円〜 | 新品:79,926円〜 中古:79,800円〜 | 新品:101,218円〜 中古:71,800円〜 | 新品:59,590円〜 中古:36,900円〜 |
センサーサイズ | APS-C(23.5×15.6mm) | APS-Cサイズ(23.5 x 15.6mm) | APS-Cサイズ(23.5 x 15.6mm) | APS-Cサイズ(23.5 x 15.6mm) |
有効画素数 | 2,420万画素 | 2,420万画素 | 2,420万画素 | 2,430万画素 |
連続撮影速度 | 最高約11.0コマ/秒 | 最高約11.0コマ/秒 | 最高約11.0コマ/秒 | 最高約11.0コマ/秒 |
4K対応 | ○ | ○ | ○ | - |
手ブレ補正 | - | - | - | - |
撮影可能枚数 | 360枚 | 440 | 380枚 | 310枚 |
重量 | 359g | 299g | 352g | 285g |
発売年月 | 2019年02月 | 2021年09月 | 2019年10月 | 2014年03月 |
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価格 | 新品:110,000円〜 中古:98,000円〜 | 新品:75,000円〜 中古:99,800円〜 | 新品:98,010円〜 中古:94,600円〜 | 新品:86,498円〜 中古:67,968円〜 | 新品:74,999円〜 中古:67,800円〜 | 新品:73,999円〜 中古:64,660円〜 | 新品:75,210円〜 中古:55,800円〜 |
センサーサイズ | APS-C(23.5×15.6mm) | APS-C(23.5mm×15.7mm) | APS-C(23.5mm×15.6mm) | APS-C(22.3×14.8mm) | APS-C(22.3×14.9mm) | マイクロフォーサーズ(17.4 mm × 13.0 mm) | APS-C(23.5mm×15.6mm) |
有効画素数 | 2,420万画素 | 2,424万画素 | 2,610万画素 | 3,250万画素 | 2,410万画素 | 2,030万画素 | 2,430万画素 |
連続撮影速度 | 最高約11.0コマ/秒 | 最高約8.0コマ/秒 | 最高約30.0コマ/秒 | 最高約14.0コマ/秒 | 最高約10.0コマ/秒 | 最高約15.0コマ/秒 | 最高約14.0コマ/秒 |
4K対応 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
手ブレ補正 | - | - | - | - | ○ | ○ | - |
撮影可能枚数 | 360枚 | 450枚 | 430枚 | 常温(23℃)約305枚 | 常温(+23℃)約250枚/低温(0℃)約230枚 | 360枚 | 350枚 |
重量 | 359g | 321g | 315g | 361g | 351g | 335g | 287g |
発売年月 | 2019年02月 | 2020年03月 | 2021年02月 | 2019年09月 | 2020年11月 | 2020年09月 | 2017年09月 |