SIGMA fp

SIGMA fp

フルサイズミラーレスが各社、次々と発表されている昨今のカメラ業界ですが、なぜ誰もこのことに大きな声をあげないのでしょうか。「ミラーレスなのに、全然小さくない」。もちろん、一眼レフに比べれば一回り小さくなりましたが、カメラサイズに対する恩恵を感じている人は多くないでしょう。そんな声を知ってか知らずか、2019年にSIGMAが発売したのが世界最小フルサイズ、fpです。

ミラーレス一眼 / SIGMA / ハイアマチュア
新品:
173,760円〜(164)
中古:
167,800円〜(101)

ソフトとハードが融合したカメラ


SIGMA fp / 45mm F2.8 DG DN Contemporary
出典:flickr(@Anton Strogonoff)

SIGMA fp / 45mm F2.8 DG DN Contemporary
出典:flickr(@Skaja Lee)

SIGMA fp / 45mm F2.8 DG DN Contemporary
出典:flickr(@Anton Strogonoff)

SIGMA fpは2019年発売時点で世界最小・最軽量のフルサイズカメラですが、おそらくこの先も最小・最軽量ではないでしょうか

SIGMAといえば社外レンズメーカーとして有名で、近年ではコスト的なメリットだけでなく画質でも純正レンズに迫る性能として注目されています。

レンズメーカーとして有名ですが、実はカメラメーカーとしてもフィルム時代からデジタル時代、さらにミラーレスと一眼カメラを生産しつづけています。2016年にはSIGMA fpの前進ともいえるような極小APS-C機であるsd Quattroを発売しています。

SIGMA fpには、大げさに言うとフルサイズセンサーと背面液晶とシャッターボタンしかなく、余った隙間にバッテリーと基盤があります。EVFはおろか、ホットシューすらありません。

SIGMA fpのfpとはfortissimo(強く)&pianissimo(ソフトに)

フルサイズセンサーという強力な撮影ツールをカメラマンの使い方に合わせて柔軟に対応できるのがSIGMA fpの特徴です。EVFで撮影したければ、EVFを装着すればよく、外部ストロボを使いたいのであればホットシューを装着すればよいのです。

撮影に必要最低限な機能のみを搭載した超コンパクトなボディに無限の拡張性をもたせたカメラがSIGMA fpです。

年々、多機能になっていく一眼カメラですが、SIGMA fpは逆に本体をシンプルにすることで様々な撮影に対応できる柔軟性をもたせています。

SIGMA fpにはメカシャッターすらありません。電子シャッターでしか撮影できないので、激しい動きモノを撮影するときはローリングシャッター現象には注意が必要です。

しかし、メカシャッターがないことでシャッター寿命を気にする必要もなく、信頼性も向上します。信頼性の面でいえば防塵防滴になっているので、過酷な環境でも使うことができます。大げさではなく、まさにポケットに入れられる大きさのフルサイズカメラなので常に持ち歩くことが可能です。


自由自在な使い方は唯一無二


フルサイズとしては圧倒的にコンパクトなSIGMA fpですが、APS-Cに目を向けるとCanon EOS M5やM6など似たようなサイズ感のミラーレスは存在します。

しかし、Canon EOS M5やM6などではなく、SIGMA fpを選ぶ理由は単にフルサイズというだけではなく、先程書いたように高い拡張性が唯一無二だからです。

SIGMAはfpの撮影スタイルとして7つの拡張例をHPで公開しています。少し前にリモートワークの普及でWebカメラが品薄となり話題になりましたが、fpは他の一眼カメラと違い、Webカメラとして利用できます。

CanonやSONYの一眼もWebカメラとして利用できますが、専用のソフトが必要ですが、SIGMA fpであればUSBで接続するだけで他のWebカメラ同様に使うことができます

それにカメラ自体の大きさがコンパクトなので、大きな三脚でカメラを固定しなくとも、デスクのスペースをさほど必要なく使えます。

ただし、ボディ内手ブレ補正はないので、手持ちで使う場合は注意が必要です。もちろんレンズに手ブレ補正があればそれが機能しますが、動画撮影をするときは、三脚固定かジンバルで撮影した方が良い画が撮れます。

しかし、ボディがコンパクトなのでジンバルでの撮影も他の一眼よりも手軽です。また、シネマカメラの様に本格的な動画カメラのようなスタイルに拡張することもできます。

まさに写真から動画まで自在に撮影スタイルを変化させることができます。

SIGMA fp / 45mm F2.8 DG DN Contemporary
出典:flickr(@Adam Singer)
階調の豊かさはさすがフルサイズセンサーです

SIGMA fp / 45mm F2.8 DG DN Contemporary
出典:flickr(@Anton Strogonoff)
様々なカラーモード設定があり、個性的な色使いで表現することもできます

SIGMA fp
出典:flickr(@Anton Strogonoff)
ISO3200でもノイズ感はほとんどなく、白黒にしてもスッキリとした写真になります

SIGMA fp / 45mm F2.8 DG DN Contemporary
出典:flickr(@Jun Seita)
45mmのキットレンズは街角スナップから接写まで幅広く使うことができます

SIGMA fp / 45mm F2.8 DG DN Contemporary
出典:flickr(@Adam Singer)
常に持ち歩けるカメラだからこそ何気ない景色を素敵な写真に昇華できます

SIGMA fp / 45mm F2.8 DG DN Contemporary
出典:flickr(@Adam Singer)
アスペクト比の設定自由度が高く、こういう写真も撮影できます


思わずマニアックな要求もしたくなるカメラ


SIGMAカメラと言えばフォビオンセンサーを思い浮かべる人も多いでしょう。しかし、SIGMA fpではSONY製のベイヤータイプの裏面照射型CMOSセンサーが使われています。

SIGMAは2020年にフォビオンタイプのフルサイズカメラを発表予定でしたが、イメージセンサーの開発に問題が発生していて発表は延期されています。fpにフォビオンセンサーが使われていたら…とも考えたくなりますが、技術的に高いハードルがある様です。

もう一つマニアックなリクエストがあるとすれば放熱ではないでしょうか。SIGMA fpは近年のミラーレスの多くが抱える熱問題も放熱構造を見直すことで改善していると謳われていますが、残念ながらそれでも十分ではありません。

SIGMA fpをプロが動画撮影で酷使した場合は他のミラーレス同様にやはり熱が問題となります。シネマカメラと違い、ファンによる冷却システムをもたない一眼カメラでは長時間の動画撮影ではどうしても熱が問題となります。

SIGMA fpはコンパクトなボディにアルミヒートシンクを適切に配置することでかなり排熱性が良くなってはいますが、せっかくならヒートシンクを拡張出来るような機能も欲しかったところです。

思わずこういったマニアックなリクエストもしてしまいたくなるほど、SIGMA fpは個性的で将来性を感じさせるカメラです。


まずはSIGMA 45mm F2.8 DG DNから


SIGMAはLeicaやPanasonicとLマウントアライアンスでレンズマウントを共通化しています。

ちょっと注意しておきたいのはLeicaのオールドレンズも同様にLマウントなどと呼ばれますが、性格にはL39と呼ばれるマウントなので、Lマウントに装着するにはアダプターが必要です。もちろんマウントアダプターを使えばL39のLeicaオールドレンズは問題なく使うことができます。

fpも当然Lマウントとなっていますが、いきなりオールドレンズ専用機とする人は少ないでしょう。

fpはキットレンズとしてSIGMA 45mm F2.8 DG DNが設定されています。45mm F2.8 DG DNはコンパクトな単焦点なので、fpを素の状態で持ち運ぶときにバランスの良いレンズとなっています。

まずはこのレンズを装着してfpを常に持ち歩いて楽しみたいですね。

もちろん、異彩を放つfpですが一眼カメラなので他のレンズも選択できます。fp発売時点でSIGMAのLマウントは14種類ですが、マウントアダプターであるMC-21を使えばレフ機用レンズも使えるので、43種類が使えます。

一応、MC-21は公式にはSIGMA SAマウントレンズを変換するものと、SIGMA製EFマウントレンズを変換するものとなっていますが、SIGMA製EFマウントレンズが使えるということは、CanonのEFマウントレンズも使えます。

SIGMA製以外のEFマウントレンズは動作保証外ですが、レビューでは特にCanonのEFレンズが使えないというものはありません。Canonレフ機ユーザーにとってはかなり使いやすいカメラと言えます。

Canon、Nikon、SONY以外の一眼カメラはレンズの選択肢が少ないイメージがありますが、SIGMA fpはLマウント用レンズに加えて、アダプターを使うことでEFレンズやオールドレンズなど選択肢はかなり広いカメラとなっています。


ネット上のユーザーレビュー


■ ポジティブレビュー

  • 使いこなす楽しみがあるカメラ
  • 階調豊かでISO6400までは問題なく使える
  • 他のカメラとは違うスッキリした魅力的なデザイン
  • 個人差はあると思われるがホールド感は悪くない
  • ヒートシンクは効果的で、熱ノイズはかなり少ない

まず、見た目のスッキリしたデザインに魅了されて購入したユーザーの声が多くみられました。


■ ネガティブレビュー

  • 全ての操作でワンテンポ遅れるような操作性
  • AFはやはりSONYやCanonに遠く及ばない
  • Webカメラとして使うときにオーディオの遅延がある
  • USBで給電できないのは残念
  • 電池は予備が3、4個必要なくらい

動画機としての機能性はあまり評判が良くなく、SIGMAが想定するような拡張機能を活かしたシネマカメラとしての仕様にはハードルが高そうです。


まとめ


本来カメラは、フィルムの収納スペースとファインダーのミラーやペンタプリズムなどの収納スペースという設計上の成約がありました。デジタル一眼になったことでフィルムの収納は不要となりました。ミラーレスが登場したことでファインダーも不要となりました。

SIGMA fpは不要なものは全て取り払い、拡張機能を充実させることで本体を究極までコンパクトに設計した、カメラの新たな未来を示してくれるようなカメラです。

ちょっとした撮影なら、素のままコンパクトに、ストロボが必要ならホットシューを外付けで、屋外撮影ならファインダーをつけて、など撮影に応じて自在に拡張できることで「自分にピッタリのカメラを作る」という未来が見えてきます。
レンズマウント
レンズマウントその他
撮像素子
センサーサイズフルサイズ(35.9×23.9mm)
有効画素数2,460万画素
ダスト低減機能-
映像エンジン
画像記録
記録媒体

SDカード、SDHCカード、SDXCカード、外部SSD(USB3.0接続)

スロット数

シングルスロット

記録画素数

画像ファイル

JPEG/RAW

動画
4K対応
記録サイズ

記録形式

CinemaDNG/MOV

ライブビュー
フォーカスコントラスト検出方式、 シングルAF、 コンティニュアスAF(動体予測機能付)
シャッター
シャッター速度1/8000~30秒
連続撮影速度最高約18.0コマ/秒
露出制御
測光方式/測光分割数評価測光、 スポット測光、 中央部重点平均測光に切り替え可
ISO感度100〜25,600
AF
測距点最大49点
ファインダー
視野率
倍率
ストロボ
内蔵ストロボ-
液晶モニター
サイズ3.15インチ 210万ドット
可動式-
I/F
インターフェース

USB3.1 Gen1 Type-C、HDMIマイクロ

無線LAN
Wi-Fi機能-
ネットワーク
NFC-
Bluetooth-
防塵・防滴
防塵・防滴
手ブレ
手ブレ補正機構-
GPS
GPS-
電源
撮影可能枚数(ファインダー)

撮影可能枚数(ライブビュー)

約280枚(23℃時、CIPA 試験基準による)

動画撮影可能時間

約70分

USB充電
使用電池専用リチウム電池(Li-ionバッテリーパック BP-51)
サイズ・重量
サイズ112.6x69.9x45.3mm
重量370g
発売日
発売日2019年10月25日