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ずっと家族の追っかけを。 大切な家族の時間の中で、「あっ」と気持ちが動いた瞬間を写真に
家具職人として家具ブランド「ルークファニチャー」を営みながら、家族の追っかけとして、日々の家族との暮らしの中で家族の写真を撮り続けているishikawa.boyさん。フィルムカメラを中心に切り取られた写真の数々からは、和やかで優しい家族の空気が伝わってきて、思わず笑みがこぼれます。そんなishikawa.boyさんが一体どんな想いを写真に込めているのか、「ルークファニチャー」に込めた想いも含めて伺いました。
著者: ishikawa.boy | 作成日: 2020/01/23 | 更新日: 2023/01/28
― はじめにishikawa.boyさんが写真を始めたきっかけや、写真にのめり込んでいったきっかけについて教えてください。
きっかけは息子がお腹にいる時に、デジタル一眼レフカメラを購入したことです。そのカメラで、お腹が大きくなっていく様子や、息子の成長の記録を撮影していました。そんなとき、木工の師匠が使っていたライカ見せてくれて、少しずつフィルムカメラに興味を持つようになってきました。
実家に帰省した際、『フィルムカメラ持ってなかった?』と父に尋ねると、大切に保管されていた”Nikon F2”を取り出して『これをあげるよ。』と、快く譲ってくれて・・・!そこからさらにフィルムカメラの魅力にのめり込み、家族を追っかける日々がはじまりました。
― 家族の会話まで聞こえてきそうな、愛らしい写真の数々にほっこりします。その前後のストーリーまで伝わってくるような印象を受けるのですが、どんな瞬間にどんなことを意識してシャッターを切っていらっしゃいますか?また、影響を受けた方がいらっしゃれば教えてください。
シンプルに「あっ、愛おしい。」と思える瞬間にアンテナを張っていると思います。妻と子供達の会話のやりとりから生まれるふとした仕草や表情など、日々の生活の中で感じる「家族の行動や成長」のすべてが、僕にとっての「あっ、愛おしい。」です。
その中で、たまたまカメラが近くにあるときに「頼む、記録に残してくれ!」という気持ちをカメラに込めてシャッターを切ったりしています。そんな写真を5年後、10年後にも、みんなで囲んで思い出を語り合えたらいいなぁと思っています。
影響を受けた方は「上田義彦」さんで、「at home」という写真集を見てから、より一層自然な姿の家族写真に魅力を感じるようになりました。インスタグラムをはじめてからは、家族写真を撮影されている方々の写真に、デジタルやフィルムなど関係なく、今でもたくさんの影響を受けています。
しかし、原点はやはり「父」です。
今もそうですが、小さいころから何でも記録に残してくれるマメな人でした。
そんな姿をずっと見せてくれたから、自分に家族ができたときに「そんな父親になりたい。」と自然と思えたのだと思います。心から感謝しています。
― ishikawa.boyさんはフィルム中心に撮影をされていて、現像もご自身で行っていらっしゃいますが、フィルムのどんなところに魅力を感じますか?また、現像を自身で行う方は少ないと思いますが、ご自身で現像されている理由や現像・プリント時のこだわりがあれば教えてください。
モノクロフィルムを使っていた時は、自分で現像したりもしましたが、現在はカラーフィルムがメインなので、現像はラボさんにお願いしています。
色味などはラボさんにご相談させていただきながら、色々とやってみましたが、結局「自然な感じでお願いします。」というところで落ち着いています。子供がメインなので、最近は特に顔色に温かみが出るような色味を意識してお願いしています。
あと、僕が感じているフィルムの魅力は「枚数制限」です。家族の写真を撮ることができるのは、家族との時間があってこそ。
その自然な時の流れの中で、肩肘張らず、普通に楽しく撮れたらいいなと思っています。年賀状用の家族写真や、大切な記念写真など、写真を撮るために、家族の時間を使うときももちろんありますが、日頃は、家族との時間の中で、写真を撮る。という感じです。無制限に撮影できると、自分の性格上「もっといい写真を!」と求め過ぎてしまったり、「たくさん撮れるし!」とついつい甘えてしまい、大切な目的を忘れてしまうかもと思っています(笑)。
なので、自分が一番大切にしている”家族との時間”を「主役」のままに、思い出を残すことができるフィルムカメラの「枚数制限」にとても魅力を感じています。
出典: instagram
― ishikawa.boyさんは、家具ブランド「ルークファニチャー」を営んでいらっしゃいますが、インスタグラムに登場する、スツールや、木の小窓、息子さんの飾り棚、おもちゃのカメラなど、とてもセンスがありながら使い手に寄り添う優しさを感じます。きっと、その優しさはishikawa.boyさんの写真にも通じているのだと思いますが、ブランドに込めた想いや意識されていらっしゃることがあれば教えていただけますでしょうか。
ルークとはデンマークの言葉で「輪」を意味しています。
家に帰ってきて、家族とテーブルを囲って、たわいもない会話を楽しんで・・・。そんな「家と家族と生活を一本の線で繋ぐような道具を作りたい。」そして、そんな普通で特別な日々がずっと続きますように・・・。という想いも込められております。
私が考える主役の「家族との時間」や「笑顔」を、そっと支える名脇役のような家具を作ることができたらいいなと思っています。
家具と同じく、工房を立ち上げてからずっと「木の額縁」を製作し続けています。これは写真を撮って飾ることを大切にできたらいいなと思っているからです。
毎日当たり前のように一緒にいてくれる「家族」や「身近な大切な人」ほど、その存在の大きさ、大切さを忘れてしまいがちです。写真を飾るコトで、忙しい日々のふとした時に、思い出に目をとめて、心をリセットすることができたら、、、と思っています。
そんな額縁も家具と一緒で、写真とその思い出が主役です。額縁も名脇役として、素敵な思い出をサポートしてくれたらと願いを込めています。
― ishikawa.boyさんは、複数のフィルムカメラやレンズを使っていらっしゃいますが、どのように使い分けをされていますか?
今、メインとして使用しているのは「Leica M4」と「Nikon F2」です。
「M4」はスナップカメラとして出かける時は大抵肩にかかっていますし、家にいる時も大体近くに置いてあります。家族の自然な姿を撮影したいときは、シャッターが静かで、いい意味で存在感を感じさせない「M4」を使います。レンズはズミクロン50mmとズマロン35mm(f2.8)とエルマリート90mmを使っていますが、大体50mmか90mmのレンズを付けていて、フィルム一本に対して、途中でレンズを交換することはほとんどありません。ズマロン35mm(f2.8)は、お出かけするときや、モノクロフィルムの時によく使います。
しかしライカは “寄ること”が苦手なので、寄りの写真を撮りたい!という時や、大切な記念撮影、子供達のカメラ目線が欲しい時、あとは説明が難しいのですが、自分の気持ちの中で「当時の父の気持ちになりたいとき」などには、一眼レフの「Nikon F2」で撮影します。こちらは50mm(f1.4)の一本のみです。
描写と軽くて使い易いCONTAX 139QとPlanar50mmもときどき使用するのですが、僕の視力の変化により、ピントが合わせにくくなってしまい、今は妻が使ってくれています。
近々、スクリーンを交換してもらって、自分も使えるようにしたいと思っています。
一番初めに購入したデジタルカメラも大切に使っています。canon kiss x5は、SIGMAのレンズを付けて、今でも家具の撮影などお仕事用として使用しています。あとはFujifilm のX-T10。こちらは妻が主に使用しており、僕と同じような感覚で子供達の撮影をしています。
― フィルムカメラの中でも、ライカを特別なカメラと位置付けている方は多いと思います。ライカとの出合いや、ishikawa.boyさんにとってのライカの魅力を教えてください。
ライカとの出会いは家具職人の師匠がきっかけです。休憩時間になると、いつもライカを触っていて、本もたくさん貸してくれました。
そして、二人目を授かったときに「女の子だったらライカを買おう!」と心に決めていました(笑)。僕にとってのライカの魅力は、写真の主役が被写体であることを教えてくれることです。
静かなシャッターや、存在を感じさせないシンプルなボディ、寄れない構造(レンジファインダー)などなど、被写体が自然体で、そして心地よくなるような距離間で撮影できること。自然な家族の姿を残したい僕にとっては、目的にピッタリでとても魅力的な存在です。
そして「直して使い続けることができること」。
ライカやニコンF2に限らず、機械式カメラは、部品があれば、修理ができて、サービスが終了することもなく、永く使い続けることができます。
僕が「機械式のフィルムカメラ」をメインに使う理由は、僕の父が背中で伝えてくれたように、自分の子供達にも「モノを直しながら永く大事に使うことの大切さ」を伝えて、その気持ちをしっかり育んで欲しいと思っているからでもあります。その「モノを大切にする気持ち」は、家族や友人はもちろん、「人を大切に想う気持ち」にきっと繋がっていると信じているからです。
― 最後に、ishikawa.boyさんのベストショットと、次に狙っているカメラやレンズ、今後の抱負があれば教えてください。
ベストショットは「兄を見送る妹」です。
優しいお兄ちゃんとずっと一緒に過ごすことができた夏休みが、どれだけ楽しかったかを教えてくれたのが娘のこの表情でした。そんな寂しそうにする妹の顔を見て、どこか誇らしげに登校したお兄ちゃんの顔も思い出します。親として二人の感情の成長が見ることができた嬉しかった写真です。
この写真はNikon F2で撮影しています。朝起きて、はじめての夏休みを終えて登校準備をする息子と娘のやりとりを見ていたら、なんとなく父から譲ってもらったF2を手にしたくなったのを覚えています。
これ以上カメラを購入することは考えておりませんが、レンズはこれからの娘のイベントのために「エルマリート135mm」 が欲しいなと思っています。息子の運動会でエルマリート90mmを使用していたのですが、あの表情をもっとアップで撮りたかった・・・という時があったので(笑)。
今後の抱負は、このカメラたちをずっと大切に使い続けて、ずっと家族の追っかけをすることです。そして、大切な節目で父が僕にカメラを譲ってくれたように、僕もいつか子供達の大切な節目に、このカメラたちを譲ることを夢見ています。
著者
ishikawa.boy
1980年、宮城県生まれ、家具職人。 2012年、家族が増えたコトをきっかけに写真を撮るようになる。 2013年、ルークファニチャーとして工房を立ち上げる。 2017年、二人目が女の子と分かり、意を決してライカを購入。 〜2019年、愛機のNikon F2とLeica M4で家族の追っかけを楽しく継続中。
ishikawa.boy
1980年、宮城県生まれ、家具職人。 2012年、家族が増えたコトをきっかけに写真を撮るようになる。 2013年、ルークファニチャーとして工房を立ち上げる。 2017年、二人目が女の子と分かり、意を決してライカを購入。 〜2019年、愛機のNikon F2とLeica M4で家族の追っかけを楽しく継続中。
ishikawa.boyさんの使用カメラ
メイン
LEICA M4ishikawa.boyさんの使用レンズ