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Leitz(Leica) Summicron-M f2.0/50mm

Leitz(Leica) Summicron-M f2.0/50mm

M型Leicaの標準レンズとして名高い「Leitz(Leica) Summicron-M f2.0/50mm」。その描写性能については様々な意見が存在しますが、初めてLeicaに向き合う方にとって、どの意見を参考にすべきなのか、大きな「悩みどころ」になってしまっている気がします。今回は、Summicronが持つ歴史を踏まえつつ、作例を交えながら、Summicronをもっと身近に感じてもらえるような形で紹介する事を試みました。Summicronは、気軽に試せるような価格とは言えませんが、ユーザー自身が自分に見合ったSummicronが見つかった場合、それは生涯に渡り使い続ける事が出来るポテンシャルを秘めているレンズです。今回は、幾多の人々を魅了したSummicronが、貴方にとっても格別の一本へ少しでも近づけるよう、その魅力を紐解いてみたいと思います。

オールドレンズ / LEICA / 標準

半世紀以上も幾多の人々を魅了し続けるズミクロン


Leica M6 / Summicron-M f2.0/50mm
出典:flickr(@ Mattia Marziali)

Leica M6 / Summicron-M f2.0/50mm
出典:flickr(@ ^ Missi ^)

Leica M6 / Summicron-M f2.0/50mm
出典:flickr(@ screaming_monkey)

Leica M6 / Summicron-M f2.0/50mm
出典:flickr(@ Claus Zürbig)


1.歴史

 
1-a.Summicron誕生前史
 
Summicronが登場する以前、ダブルガウス型Leitzの標準レンズラインアップには発売順に

  • Summer(ズマール) 5cmF2 (1933)
  • Leitz Xenon (ライツクセノン)5cmF1.5 (1936)
  • Summitar(ズミタール または ズミター) 5cmF2 (1939)
  • Summarit (ズマリット)5cmF1.5 (1949)
 
が存在していました。

この中でLeitz Xenonはシュナイダー社(Jos. Schneider Optische Werke Kreuznach GmbH & Co. KG)より供給を受け、Leitz純正レンズとして発売されたレンズで、Summarit 5cmはそのXenonの改良型とされています。これらのレンズ群に関しては、それぞれの「個性」が存在しますが、絞り込んでの使用時にはシャープな描写を示すものの、開放時でのボケ具合は“素直”では無く、ピントの山が非常にシビアな、所謂「クセ玉」と呼ばれるダブルガウス型特有の描写を示す傾向が強いレンズ群でした。

1-b.Summicronの登場
 
M型ライカとズミクロンの歴史


年代別ズミクロンのスペック


  • 第一世代(沈胴):初期ロットは有名な放射能ズミクロン。ほぼ、Lマウントで生産されたが、若干数Mマウントも存在する。
  • 第一世代(固定):沈胴式から固定鏡筒となり、操作性が向上した。距離表示がメートル表示のみの前期型と、メートル・フィート併記の後期型が存在する。
  • 第一世代(DR):固定鏡筒モデルにSDPOO(通称メガネ)を装着し、48cm~90cmの近接撮影を可能としたモデル。実焦点距離表示値”19”(51.9mm)のモデルも存在。
  • 第二世代:ウィルド社によるライツ買収の影響下で、生産はドイツからカナダへ移行。レンズ構成も簡略化された。
  • 第三世代:このモデル以降が「ニュージェネレーション」と呼ばれるタイプ。初期はカナダ製だが、ライカカメラAG.社の設立を経て再びドイツ生産へ。R用レンズとの区別の為、名称がSUMMICRON-Mとなる。
  • 第四世代:レンズ仕様は第三世代と同じだが、フードが組み込みとなる。Lマウントモデルも製作された。このモデルより6bitコードの採用が始まる。
  • APO:アポクロマート構造、フローティング機構、非球面レンズを採用。


このダブルガウス型の“クセ”の解消を模索していたLeitzですが、1940年代末頃にこのクセを解消する設計思想となる「空気レンズ」の概念が考案されます。
この概念は、ダブルガウス型の張り合わせ面で構成される“群”を分離する事で、収差を補正する余裕をレンズ構成内にもたらし、描写性能を改善するといった手法です。

しかし、一方では張り合わせ面を分離する事でレンズ内での乱反射を誘引し、画質の低下に繋がる要因にもなってしまうのですが、この点はコーティング技術の進歩によって、大きく解決に動きます。
 
この、「空気レンズ」の概念をSummitar 5cmF2に用い、描写性能の向上に成功したレンズとして1953年に誕生したのが「Leitz Summicron f2.0/50mm」です。ただし、1950年には「*Summitar 5cmF2」の銘でSummicron f2.0/50mmと同一の構造を持つレンズが発売されており、Summicron の起源をこの年以降とする意見も存在する事も記しておきます。
 
ここで、何故Summitarの鏡筒にSummicronを入れて発売したのかという疑問が浮かびますが、単に「Summitar銘鏡筒の消化」とするより、Summitar銘鏡筒にSummicronを入れ市場に流通させる事で、Summicronというレンズの反応をテストする目的だったと考えられます。

何故なら、旧鏡筒の消化の為だけならわざわざ「*」を入れる必要は無く、3年間もこのような状態を続ける理由を説明するには、大きな違和感を覚えるからです。
 
このような経緯で登場したSummicron f2.0/50mmですが、当初はLマウントの沈胴鏡筒として発売されました。初期ロットのSummicronには後に「アトムレンズ」と呼ばれる放射能ガラスが採用され、これに初期沈胴Summicronの描写特性の要因を求める声も若干ながら存在しますが、放射能ガラスの使用は程なくして見送られるようになりました。

これには、放射能ガラスの変色問題にLeitzが気付いたからと言われていますが、代替となる新素材を開発し、放射能ガラスの不使用後もSummicronのレンズ構成に大きな変化が無い点から考察すると、LeitzにとってSummicronの性能維持に他の素材でも間に合うのであれば、放射能ガラスの使用については、強い拘りは無かったと思われます。

沈胴ズミクロン+Leica Typ 262の外観
出典:flickr(@ Xavier León)

1-c.Leica M3の登場とSummicronの固定鏡筒化
 
Summicron f2.0/50mmが登場した翌年の1954年、Leitzは新しいレンジファインダー機シリーズとなるM型のフラッグシップモデル「Leica M3」を発表します。
後に、バルナック型と呼ばれる従来のレンジファインダーシリーズから一新されたMシリーズは市場にも大きく歓迎され、多くのLeica愛好家からは、1950年のLeica IIIf(バルナック型の最高傑作との評が高い)の登場時からM3を発表した1954年頃がLeitz(Leica)の絶頂期であると考えられています。
 
SummicronもそれまでのLマウントからM3の登場とともにMマウント化され、更に1956年には固定鏡筒型のSummicronが発売されます。同年には固定鏡筒型をベースに、近接撮影も可能としたDR Summicron f2.0/50mmもリリースされました。
 
沈胴鏡筒から固定鏡筒に変更された理由については、Summicronを沈胴鏡筒に納めるには無理が有ったとする意見が多く、レンズ構成も見直したとされていますが、基本的に大きな変化は伺えず、固定鏡筒型は沈胴鏡筒型からその内容をほぼ踏襲しているレンズしても差し支えは無いでしょう。
 
Summicronの世代的分類については、様々な意見が有り、沈胴型を初代、固定鏡筒から二代目とする意見も聞かれますが、一般的にはここまでの「沈胴型」「固定鏡筒型」「DR Summicron」をまとめて“第一世代”と呼ばれており、当解説もその分類を踏襲した形で進めたいと思います。

DR Summicron f2.0/50mm+Leica M3の外観。近接撮影ユニット(SDPOO)を取り外した状態。固定鏡筒の中から検査成績が良好な個体がDRとして出荷されたとの説が有るが、固定鏡筒モデル全体の生産数のうち、DRは約四割を占める。また、年によってはDRの出荷が多い場合が有り、確実な根拠に基づく情報かは、注意を要する。
出典:flickr(@ Ur Cameras)

1-d.Leitz苦難の時代と第二世代Summicron
 
名実ともに、レンジファインダーの頂点を極めたLeitzですが、やがてその品質の高さ故に、Leitz自身が苦しむ事態が訪れます。
 
この時代のカメラ業界についてのエピソードとして、“M3の完成度の高さに衝撃を受けた日本のカメラメーカーは、レンジファインダー機の発展をあきらめ、一眼レフの開発に舵を切った”等と語られますが、この話の真贋はさておき、時代は確実に一眼レフ全盛時代に突入していきました。
 
勿論、Leitzも単に手を拱いていた訳では無く、レンジファインダー機を一眼レフのように扱えるヴィゾフレックス(Visoflex)の強化や、Leitz初の一眼レフ「Leicaフレックス」の投入、また1972年には日本のカメラメーカーであるミノルタカメラとの協業といった形でより市場のニーズを汲み取った製品開発を目指しました。しかし、その戦略は遅きに失した感も否めず、目に見えて企業としての勢いが衰え、Leitz自身の開発力の低下を指摘する声が多く聞かれるようになりました。
 
そのような状況下の1969年、Summicron f2.0/50mmは後に第二世代と呼ばれる形態にモデルチェンジが行われます。
 
この時代のLeitzを反映するかのように、第二世代のSummicronは、レンズ構成が5群6枚の標準的なダブルガウス型構成となり、第一世代の空気レンズのような設計的野心は感じられず、鏡筒の形状も最初期には第一世代を踏襲したデザインだったのですが、短期間のうちに明らかにコストダウンを思わせる簡易なデザインに変更されています。

製造国もドイツからカナダへ移り、製造中の1974年にはLeitz自体がスイスの光学メーカー「ウィルド(Wild Heerbrugg AG.)社」に買収され、エルンスト・ライツ一世やオスカー・バルナックからの直接的な系譜を持つ独立資本によるErnst Leitz Wetzlar GmbH社は一旦幕を閉じる形となりました。

Summicron f2.0/50mm(第二世代)+ M4 MOTの外観。M4 MOTはM4にモータードライブの装着を可能としたモデル。
出典:flickr(@ Ur Cameras)

1-e.第三世代から現代のAPO Summicronの登場まで
 
ウィルド社の傘下に属する形となったLeitzの低迷は、今日からは信じられないような状態に陥ります。そもそもウィルド社がLeitzに触手を伸ばしたのはLeitzのカメラに興味が有ったからでは無く、Leitzの持つ光学技術やその特許が目的だった模様です。

このため、1978年に登場したM4-2は明確なコストダウン構造や初期不良が非常に多く、一時期は「何故、この状態のカメラが出荷されたのか理解出来ない」とまで言われました。
 
少し余談ですが、このM4-2は、現在の中古市場で流通するデッドストックや未使用品を除き、出荷時に初期不良があった個体だとしても、実際の撮影に使われた場合の経緯から、そのほとんどが改修済みであると考えられています。しかし、現在でも評価は他のM型に比べて低くなっており、ある意味では「純粋に撮る為の道具としてのLeica」を探しているユーザーにとっては得なM型Leicaとして認知されています。
 
話は逸れましたが、ウィルド社による買収から5年後の1979年、Summicronは第三世代と呼ばれるモデルが登場します。第二世代では5群6枚だったレンズ構成が4群6枚に改められ、一部の愛好家からは「ピントが来ない」とまで言われた第二世代よりもシャープネス性が向上したとされています。

ウィルド社傘下になってしばらくの間、「Leica製品は何処で造っているのか判らない」とまで酷評された時代でしたが、主にM型関連製品はカナダで、R型のボディ等はポルトガルの工場で組み立てをされていた模様です。
 
しかし、この第三世代Summicronが発売されていた1988年、ウィルド社からLeitzのカメラ製造部門が独立を果たし、Leica Camera AG.社が設立されました。
この「新生Leica社」が「Leitz」の商標をカメラに使う事は許されませんでしたが、ウィルド社の呪縛から解放され、ここにようやく安定してLeicaを製造出来る環境が整いました。

この流れの中で、第三世代Summicronもカナダ工場からLeica Camera AG.社に依るドイツ生産へと切り替わり、再び、Leicaがドイツへ戻った形となりました。

Summicron f2.0/50mm(第三世代)+ M6の外観。レンズ正面銘板に「LENS MADE IN CANADA」の文字。第二世代では被写界深度表示が「絞り値+垂直線」で表示されていたのが、第三世代では「絞り値+斜線」、第四世代では「絞り値+クランク型の線」で表示される。また、第二世代、第三世代では「先細り型」の鏡筒デザインだったが、第四世代では「フード組み込みの寸胴型」の鏡筒となる。
出典:flickr(@ Ur Cameras)

その後、1994年にはSummicronは第四世代に切り替わり、鏡筒デザインの変更以外では、マウント部への6bitコードの付加や、フード組み込みといった改良が施されます。

しかし、第三世代と第四世代ではレンズ構成自体に目立った変更は施されず、描写性能という点では特に大きな差異は無いと言われています。
 
話はやや前後しますが、第三世代以降のレンズはニュージェネレーションレンズと呼ばれ、Leicaらしさを取り戻した新しい時代のレンズ群と定義されています。

苦しい中でもLeicaの火を消すことなく耐え抜いた技術者や従業員の努力と、Leicaの復活を渇望する市場の声が、Leica Camera AG.社の設立といった形で結実した事は、奇跡的と言っても良いでしょう。その後、一時期はエルメス(Hermès)による資本支援、及び撤退といった苦しい時期も続きましたが、ウィルド時代のような不安定な状態には至りませんでした。
 
そして、2012年、Summicronはアポクロマート構成、非球面レンズ、フローティング機構の採用といった現代の技術の粋を結集した「APO Summicron」へと進化を果たします。但し、2020年時点でもLeicaレンズラインナップ群にはAPO Summicronと通常のSummicronは併売とされており、APO Summicronは新世代のSummicronでは無く、新機軸を採用したデジタル時代向けの新しいレンズと位置づけた方が良いかも知れません。

いつかは、Summicron f2.0/50mmも刷新される時が訪れるのでしょうが、現時点で二つのSummicronが併売されているLeicaの“展開”や、大口径のNoctilux(ノクティルックス)、 Summilux(ズミルックス)との関係性から考えると、いきなり50mmF2クラスをAPO Summicronに統一するといった可能性は少ないように思えます。

1-f .“歴史”の章を終えて
 
少し、急ぎ足でしたが、Summicronの誕生から現在まで、ざっとその歴史を追って見てきました。
 
Summicronというレンズは、Leitz及びLeica社の栄光の時代から、苦難の時代を経て、再興された現代まで、その時代毎に形を変えながらも、現代まで生き残ってきました。言い換えれば、Summicronは「Leica史の側面」を体現しているレンズであるとも呼べるでしょう。
 
Summicronで写真を撮る上で、その歴史を背負い込む必要は有りませんが、各世代の歴史を追い、その背景を考察する事で、各々のユーザー自身が求めるSummicronに少しでも近づけるように思えます。
 
あくまでも、一つの考え方ですが、Leitzが最も輝いていた時代を感じながら、当時のカメラマンがどのようにSummicronに向き合っていたのかを自身の作品に反映させたいのなら第一世代を、やや甘いという評をオールドレンズ的な描写と理解してSummicronの魅力を引き出すのなら第二世代を、いかにもLeicaらしいシャープさを追求するならニュージェネレーション世代以降のSummicronを…といった風に、自分に合ったSummicronに思いを馳せてみると、また違った魅力がSummicronと言うレンズから浮かび上がるのでは無いでしょうか。


2.作例

 
次に、Summicronの特徴的な描写性能を感じていただける作例を数点用意いたしました。特にSummicronを語る上で多く述べられている「シャープ」「コントラスト」「ボケ味」のキーワードをそれぞれに沿う形式で作例を並べ、順にご紹介したいと思います。また、キーワード形式での作例の後に「APO Summicron」の作例もピックアップ致しました。

2-a.《シャープ》

Leica M6 / Summicron-M f2.0/50mm
出典:flickr(@ spinhall)

Leica M6 / Summicron-M f2.0/50mm
出典:flickr(@ Claus Zürbig)

Leica M6 TTL / Summicron-M f2.0/50mm
出典:flickr(@ Claus Zürbig)

Leica M9 / Summicron-M f2.0/50mm
出典:flickr(@ Asapix)

2-b.《コントラスト》

Leica M3 / DR Summicron-M f2.0/50mm
出典:flickr(@ Takayuki Miki)

Leica M Monochrom / Summicron-M f2.0/50mm
出典:flickr(@ spinhall)

Leica M6 / Summicron-M f2.0/50mm
出典:flickr(@ ^ Missi ^)

Leica M6 / Summicron-M f2.0/50mm
出典:flickr(@ ^ Missi ^)

2-c.《ボケ味》

Leica M9 / Summicron-M f2.0/50mm
出典:flickr(@ Matthias Ripp)

Voigtlander Bessa / Summicron-M f2.0/50mm
出典:flickr(@ Savara)

Leica M6 / Summicron-M f2.0/50mm
出典:flickr(@ ^ Missi ^)

Leica M9 / Summicron-M f2.0/50mm
出典:flickr(@ nik gaffney)

2-d.《APO Summicron》

FUJIFILM GFX 50S / APO-Summicron-M 1:2/50 ASPH.
出典:flickr(@ Sanshiro KUBOTA)

Leica M10 Monochrom / APO-Summicron-M 1:2/50 ASPH.
出典:flickr(@ Sanshiro KUBOTA)


3.ネット上のユーザーの声

 
作例の章で取り上げたように、「シャープ」「コントラスト」「ボケ味」に関して満足する声が聞かれます。特に、「シャープ」と「コントラスト」の二点についてSummicronの実力を称賛する声が多く、「キリっと引き締まった写り」のイメージをSummicronに求めている方が多いように感じます。
 
過去には「ライカvsツァイス論争」のような議論も行われましたが、近年ではミラーレス機とマウントアダプターの普及によりユーザー数が増えた事で、“他のレンズと比較する”ような風潮から、“個々のレンズの魅力を探る”方向へと変化しているように思えます。

そのような環境の変化の中、SummicronはLeicaを代表するレンズの一つとして多くの方が様々な意見を様々な形で発信しており、多くの情報を集めやすいレンズの一つと言えるでしょう。
 

4.中古市場

 
まず、Summicronの中古市場に於ける価格の“相場観”を得る上で参考になると思われるのが、公式オンラインストアや大手量販店での販売価格では無いでしょうか。

勿論、新品というカテゴリーに属する商品となる為、現行Summicronの販売価格となりますが、2020年5月現在でLeica公式オンラインストアでは319,000円(税込)、ヨドバシカメラ通販サイト「ヨドバシドットコム」では319,000円(税込・5%ポイント)となっています。

Amazonでも複数の店舗から新品が出品されている模様ですが、ほぼ300,000円台の値付けが行われており、店舗によってはキャッシュレス還元(2020年5月現在)も行われるようですが、まずは現行ズミクロンの新品が300,000円という一つの「軸」が定まった形となります。

その上で、各世代Summicronの大体の中古市場相場としては

ズミクロンの中古相場


といった模様です。
 
あくまでも、判断の一例ですが、流通する中古Summicronの中では個体数が比較的多い第三~第四世代のレンズを検討している場合、やや相場が「高止まり」している感が強く、この辺りの金額ならば、思い切って新品の購入を検討する事も「有り」では無いでしょうか。

また、沈胴型から第二世代までの中古Summicronは、中長期的に観た場合、希望条件に合う流通数の減少が考えられますので、本当に迷いなく納得できる個体が見つかった場合には早めの購入をお勧めします。
 
但し、Leicaレンズの値付けに関しては、それぞれのコンディションは勿論、ショップによっては前所有者情報(使用頻度や条件、保管状況)等を参照した上で値付けが行われるケースや、場合によってはショップ自身の在庫品か、現所有者からの委託出品かでも価格に差が出るのが一般的です。
 
中古品としての流通数は多いので、目当てのSummicronを探す事には苦労しませんが、購入時には一定の予算ラインを決めた上で「いくらまでなら買う」「これ以上なら買わない」といった線引きも重要です。
 
Summicronに限らず、オールドレンズや海外レンズを購入する場合は、投機的な意味合いで価格が上がった下がったと考えるのでは無く、「自分の欲しいレンズ」が「自分が納得できる価格」で手に入るかどうかをしっかりと見定める事が重要です。流行や為替との兼ね合いで、数年前は嘘みたいな価格でも購入出来た海外レンズが何倍もの値段になる事や、無理して購入したレンズが数年後には大きく値が下がる事も充分に有り得る世界です。

それを承知の上で、無理をするのか、もしくはじっくりと次の出物を探すのか…難しい判断が必要ですが、まずはその点の見極めから始めてみては如何でしょうか。
 
あと、よく聞く失敗談…とまでは言えないのですが、予算を確保し、実店舗やネット上でショップを廻っていると、“本命”とは別に、魅力的な“対抗”のような品を見つけて、ついつい購入してしまい、予算が…といった事態にはくれぐれも気をつけて下さいね。


5.まとめ

 
Leitz(Leica)交換レンズ群の中で、開放F値が2のレンズに与えられる“Summicron”の名。写真やカメラが好きな者なら、例えLeicaに詳しく無くとも、一度はその名を聞いた事が有ると思います。
そんなSummicronはLeicaを体現する一本として、世代毎に形を変え、その時代の「Leicaらしさ」を描写の中に感じさせてくれるレンズとしてユーザーに支持され続けました。
 
今日では、デジタル時代にふさわしい「革新」を表したSummicronとして、APO Summicronの存在が特筆されますが、フィルム時代の「伝統」を語るSummicronはやはりSummicron f2.0/50mmに他ならないでしょう。
 
このような形で標準レンズのカテゴリーに二種類のSummicronをリリースするのは、一見すると、デジタルとフィルム両方への“予防線”を張ったようなアプローチにも感じますが、近年のLeicaの取り組みとして、デジタル時代を見据えた6bitコードの導入や、M型広角レンズの非球面化、大口径化に伴うラインナップの更新と並行して、フィルム時代往年の銘レンズThambar(タンバール)やSummaron(ズマロン)を復活させる戦略は、決して“予防線”といった受け身では無く、むしろフィルム時代の伝統をデジタルに積極的に反映しようとするLeicaならではのアプローチに思えてなりません。このような形でLeicaが自らの持つ「革新」と「伝統」が交差するポイントとしてAPO SummicronとSummicronというF2クラスの標準レンズを並べた事は、それぞれを両立させていくLeicaの強い決意のようなものを感じます。
 
果たして、この考えが正解なのか…、むしろそんな事は無いよ、と笑われるような空想ですが、少なくともLeicaにとってSummicron f2.0/50mmというレンズは非球面化や大口径化が進んでも、現時点でもラインアップに残しておくべき“意味を持つ”レンズなのは間違い無いと言えるでしょう。その“意味”とは何か、もし貴方にそんな疑問が浮かんだならば、思い切ってSummicron f2.0/50mmを試してみませんか。
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