製品解説
スペック情報
初代の欠点を払拭した傑作
Nikon F2の大きな特徴が「完全機械式カメラ」であるということ。完全機械式であるため、電池なしで使用できることに加え、電子回路が存在しないため頑丈な作りとなっています。
多少の雨や振動をものとものしない堅牢性、ブラックアウトの時間が極端に短いファインダーのなど、失敗が許されない報道やスポーツの撮影においてNikon F2は多くのカメラマンから信頼を得ました。
Nikon F2の外観
出典:flickr(@PV KS)
また、Nikon F2には露出計内蔵のフォトミックファインダーというものがあり、そちらを装着したものが「Nikon F2フォトミック」と呼ばれています。その他にも、フィルムの交換を迅速に行えるようにフィルム室の開閉が蝶番式になったり、シャッタースピードの最高速が1/1000から1/2000秒になったりと、様々な環境に対応できるカメラになっています。
さらに、Nikonカメラ全般に言えることですが質実剛健なボディのデザインも大きな魅力。後継機のNikon F3からはデザイナーがジョルジェット・ジウジアーロ氏へと代わり、丸みと流線型を基調としたデザインになりました。Nikon F2は直線を活かし余計な装飾を省いた、飽きのこないデザインとなっています。
Nikon F2 / AI Nikkor 50mm F1.4/S
出典:flickr(@spoilt.exile)
Nikon F2 / Nikkor 24mm f/2.8
出典:flickr(@spoilt.exile)
Nikon F2 / Nikkor 105mm f/2.5
出典:flickr(@spoilt.exile)
Nikon F2
出典:flickr(@Shoichi Masuhara)
充実のファインダーバリエーション
F2は、通常のアイレベルファインダー(Nikon F2)に加えて、「F2 フォトミック」「F2 フォトミックS」「F2 フォトミックSB」「F2 フォトミックA」「F2 フォトミックAS」の計5つのバリエーションが存在します。
フォトミックは前述通り露出計内蔵ファインダーを装着したモデル。フォトミックSは低照度に強いLED表示タイプ。フォトミックSBはフォトミックSを小型化したタイプ。フォトミックAとASは「Ai方式」に対応したタイプになっています。なお、ASはAの小型化タイプになります。
対応レンズ
Nikon F2はAi、非Aiともに「カニ爪」と呼ばれるパーツがあるFマウントレンズであれば装着することができます。ただし、前述の通りAi方式に対応するためには、フォトミックAファインダーもしくはフォトミックASファインダーを装着する必要があります。なお、現行のオートフォーカス用レンズは使用できませんので注意してください。
Nikon F2おすすめのレンズ
・AI Nikkor 50mm F1.4/S
NIKON F2におすすめしたいレンズは不変の定番、50mmF/1.4ではないでしょうか。絞り値によって描写が変わり、自らの足を動かして写真を撮る楽しさを教えてくれる「先生」のようなレンズです。オールドレンズと呼ばれる時代のレンズですが、現行機に劣らない解像度と描写力を備えています。
オートフォーカスの速さや圧倒的な画素数、なんて話題が尽きないデジタルカメラ全盛の現代。シャッタースピードと絞り値を決め、ゆっくりとヘリコイドを回してピントを合わせるフィルムカメラのスローな時間の流れを楽しむことができます。新品でも5万円前後、中古であれば2万円前後で購入できる価格帯も魅力。「まずはこの一本から」とおすすめできる、定番中の定番レンズです。
中古市場の流通状況や相場
NIKON F2は露出計を内蔵しないアイレベルファインダー、露出計内臓のフォトミックファインダーなど、装着するファインダーによって流通料や価格が異なります。中古市場の流通量は多く、限定モデルなどでない限り実店舗、ネットショッピングともに手に入りやすいと思われます。
中古価格は状態によって1万円〜5万円ほど。余裕を持って3万円前後と考えておくと良いかもしれません。ただし、フォトミックファインダーの露出計は一度手に取って動作チェックをしてからの購入をおすすめします。電池を入れても動作しない場合は露出計が狂っている可能性があります。古いカメラですので、信頼のおける中古ショップやオーバーホール済みの個体を購入すると安心ですね。
愛用者のコメント
ストーリー:「まずは自分が楽しむこと。 相手も自分も楽しみ、笑顔になる瞬間を撮りたくて」にてZ6の魅力について語っていただいたSUBARUさんのコメントをご紹介します。
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このカメラは機械式であり電池が無くても写真が撮れます。ピント、シャッター速度、絞りなど全てマニュアル操作で撮影する不便さはありますが、その操作ひとつひとつのおかげで写真に対する思いれが強まりますし「写真を撮ってる!」という感じがして写真を撮ることがたのしくなります。特にピントが合わせやすい広く明るいファインダーと、耳に心地よく響くシャッター音と、手に伝わるシャッターの振動がお気に入りです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。70年代を代表する機会式フィルムカメラ「NIKON F2」を紹介させて頂きました。誕生から約40年経った今なお色褪せない魅力を放ち、ファインダーを交換することで幅広いシーンに対応できる一台です。
報道、スポーツ、戦場など様々な歴史を切り取り、写真を撮る楽しさを教えてくれるこのカメラで、あなたもフィルムカメラデビューしてみませんか?
レンズマウント | |
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型式 | 機械式35mmフィルム一眼レフカメラ |
レンズマウント | Nikon Fマウント |
ファインダー | |
視野率 | 100% |
倍率 | 約0.8倍 |
ミラー | |
露出制御 | |
測光方式 | 中央部重点測光 |
測光範囲 | EV1〜17 |
露出モード/撮影モード | |
ISO感度 | 6〜6400 |
多重露光 | ○ |
シャッター | |
シャッター速度 | 1/2000〜1秒 |
巻き上げ・連写速度 | |
レリーズ機能 | |
セルフタイマー | - |
AF | |
AF方式 | |
測距点 | |
電源 | |
使用電池 | SR44x2 |
サイズ・重量 | |
サイズ | 152.5×98×56mm |
重量 | 720g |
発売日 | |
発売日 | 1971年09月01日 |
製品情報
- カテゴリ
- フィルム一眼レフ
- メーカー
- Nikon
- タイプ
- MF機(機械式シャッター)
- マウント
- Nikon Fマウント