製品解説
スペック情報
20年弱製造され続けた、フルマニュアル機の定番中の定番
機械式シャッターを搭載し、小型化を図ったシリーズの第一弾として1977年に登場したNikon FM。その後継機種として1980年に登場したNikonFM2は、当時最高速度であった1/2000秒のシャッター速度の壁を打ち破る1/4000秒を実現した機種として登場して、世の度肝を抜きました。
カメラ史に残る一台となったFM2。FM2が誕生した1980年代は、フルマニュアルの機械式への信頼がまだまだ根強い中、利便性の高い電子式へとシフトした時期でした。FM2の後継機であるFM3Aが発売された2001年にはかなりのユーザーが電子式へシフトしていたこともあり、FM2が最も長い期間ユーザーに愛されたフルマニュアル機となっています。そのため、市場の流通量も多く、手に入りやすいカメラになっています。
Nikon FM2 / AI Nikkor 50mm f/1.4S
出典:flickr(@Sai Mr.)
1.FM2からNew FM2、そしてNew FM2/Tへ
FM2は1982年3月に発売され、2年後の1984年3月に一部改良されたNew FM2が発売されました。その後1993年に、New FM2の上部と底部にチタン合金が使用され、より軽量で衝撃・腐食に強いボディのNew FM2/Tが発売されました。1994年には、台湾でNew FM2/Tの限定モデル300台が発売されました。New FM2は丈夫であり描写力も安定していたことからプロアマ共に人気が高く、前述の通り2001年までの17年に渡ってのロングセラーとなりました。
2.基本的な使い方
最初に、FM2/New FM2写真を撮る機構そのものは全て機械式なので、電池が切れてもシャッターは下りるので撮影は可能ですが、露出計を使うためにボディの底部にSR44またはLR44の電池を2つ入れましょう。
次にフィルムを装填したら、露出表示を元にシャッタースピードや絞りを調節したら、被写体にピントを合わせます。後はシャッターを切り、巻き上げレバーを引いてフィルムを巻き上げましょう。フィルムの最後まで撮り終えたら、ボディ底部のボタンを押し、フィルムを完全に巻き戻してボディから取り出しましょう。
デジタルカメラに慣れている方は、最初は戸惑うかもしれませんが、一つ一つゆっくり設定して撮影を繰り返していきましょう。やっているうちに、自分の好みの設定などが出てくると思います。
3.中古市場
FM2に比べて、New FM2の方が製造期間が長かったので、市場に多く流通しています。ボディはブラックとシルバーがありますが、価格差はあまりありません。また、New FM2の製造前期と後期で一部素材が改良されていますが、こちらも価格差はありません。
カメラの状態によって価格が大きく変動するため、オンラインショップでは大体25,000円から60,000円弱の価格帯で取り引きされています。ボディのみの販売が多いので、レンズは別で入手しましょう。
おすすめの対応レンズ
FM2/New FM2は、どちらもFマウントのレンズのほとんどが使用できます。しかし、Fマウントのレンズでも露出情報をボディとレンズでやり取りするための機構があるものと無いものがあり、FM2/New FM2はその機構があるレンズにのみ対応しています。なので、名前に「Ai」もしくは「Ai-s」と記されたレンズを選べばまず間違いはありません。
その中でもおすすめのレンズは、Nikkor Ai 50mm f/1.4Sです。癖のない写りでありながらオールドレンズらしい柔らかな表現が楽しめます。現行販売もされているモデルなので、新品も手に入ります。
Nikon FM2/New FM2を楽しむシチュエーション
ボディだけであれば540gと軽いので、小型の標準レンズなどを装着してカバンの中に忍ばせ、スマホで写真を撮るように軽い気持ちでシャッターを押してみてほしいカメラです。
マニュアルのフィルムカメラというと、少し構えて写真を撮る方が多いかと思いますが、ピントさえ合わせて気軽にシャッターを押しましょう。出来上がった写真を見て、絞りやシャッタースピードなどの設定を改良していけばいいのです。
マニュアルのフィルムカメラというと、少し構えて写真を撮る方が多いかと思いますが、ピントさえ合わせて気軽にシャッターを押しましょう。出来上がった写真を見て、絞りやシャッタースピードなどの設定を改良していけばいいのです。
どんどん写真を撮って経験を重ねることで、フィルム写真の楽しさを実感していくことができます。
気だるげな表情が何とも言えない作品。被写体の周りが上手く白飛びしているので、表情にぐっと引き寄せられます。
多重露光撮影も可能なFM2らしい一枚。巻き上げレバーに付けられた小さなレバーを手前に引きながら巻き上げると、フィルムが送られずにシャッターが切れるようになります。
マニュアル操作に慣れれば、夜景も花火もきれいに撮影することができます。
フィルム写真らしいノスタルジックな作品。何気ない日常の空気感も切り取られています。
ネット上のユーザーレビュー
軽くて丈夫なカメラとして、日常的なスナップから自転車旅など過酷な移動を要する撮影にまで幅広く使われているようです。全てがマニュアルなので、カメラの基礎から学べ、尚且つもう少し背景をぼかしたいなどの微妙な表現にも答えてくれる名機として、カメラ初心者だけでなくプロも愛用している方が多かったです。
まとめ
一眼レフフィルムカメラの中で最もメジャーなNikon FM2/New FM2。機械式なので電池が要らず、大切に使えば一生の相棒になるカメラです。全てがマニュアル操作なので、カメラを学ぶ教材としても注目され、写真学校などで使用されていました。
Nikonらしい堅牢な造りと確かな描写力が人気で、カメラ初心者からプロにまで愛される名機です。カメラや写真をもっと知っていきたい、自分の思い通りの表現をしたいという方におすすめのカメラです。
Nikonらしい堅牢な造りと確かな描写力が人気で、カメラ初心者からプロにまで愛される名機です。カメラや写真をもっと知っていきたい、自分の思い通りの表現をしたいという方におすすめのカメラです。
ぜひ、Nikon FM2/New FM2と共に、カメラの奥深さを探求してみてはいかがでしょうか。
レンズマウント | |
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型式 | 機械式35mmフィルム一眼レフカメラ |
レンズマウント | Nikon Fマウント |
ファインダー | |
視野率 | 93% |
倍率 | 約0.86倍 |
ミラー | |
露出制御 | |
測光方式 | 中央部重点測光 |
測光範囲 | EV1〜18(ISO100、F1.4) |
露出モード/撮影モード | |
ISO感度 | 12〜6400 |
多重露光 | ○ |
シャッター | |
シャッター速度 | 1/4000〜1秒 |
巻き上げ・連写速度 | |
レリーズ機能 | |
セルフタイマー | ○ |
AF | |
AF方式 | |
測距点 | |
電源 | |
使用電池 | SR44x2個またはLR44x2個、またはCR1/3Nx1個 |
サイズ・重量 | |
サイズ | 約142.5×90×60mm |
重量 | 540g |
発売日 | |
発売日 | 1984年03月01日 |
製品情報
- カテゴリ
- フィルム一眼レフ
- メーカー
- Nikon
- タイプ
- MF機(機械式シャッター)
- マウント
- Nikon Fマウント