製品解説
スペック情報
歴史を変えた電子制御式シャッター採用一眼レフ
1980年から20年という長期に渡って製造された、Nikon F3。カメラファンのみならず、プロからも人気の高い一台です。何故ここまで人気があるのか、詳しく紹介します。
1.初の電子制御式シャッター
完全機械式が主流であった当時、Nikonはフラッグシップ機としては、F3から電子制御式シャッターやAE(自動露出)などの一部電子化した事で、カメラ業界に衝撃を走らせました。
発売当時、プロ向けのモデルにAEを付ける必要があるのかとの声もあったそうですが、その使いやすさや電池切れの時の緊急時用に機械式シャッターも備えていた事から、人気を博した理由の一つとなりました。
2.豊富な派生モデル
Nikon F3はプロ向けに開発されたモデルだったので、業務に応じてF3HP、F3/T、F3AF、F3P、F3 Limited、F3Hと派生モデルが発売されました。
最初に発売された当時はアイファインダーが搭載されていましたが、その後眼鏡使用者向けに倍率を少し下げたF3HPが発売されました。その後、F3HPのボディをチタン製にして、強度を増しつつも軽量化したF3/T、オートフォーカスを実現したF3AFが製造されました。
そして、報道機関向けに防塵防滴仕様かつ要らない機能を省きホットシューを搭載したF3Pが製造され、このモデルの一般向けとしてF3 Limitedが発売されました。
また、96年に最高13コマ/秒の高速連写できるスポーツ向けのモデルF3Hが発売されました。Nikon F3からはボディーでの測光になったので、どのファインダーに替えてもTLL開放測光が使用できるようになった事も使いやすさに繋がりました。
3.メカニカルシャッター
一部電子化されてはいますが、基本的な使い方は他の機械式フィルムカメラと変わりありません。ですが、電子化されているので、電池を装填することを忘れないようにしましょう。一応電池が無かった時用に、レンズの横にあるレバーを引くことで1/60秒の単速のメカニカルシャッターが使えるようになるので、緊急時も安心です。
4.Nikonに初めての赤ライン
機能の高さもさることながら、Nikon F3はボディのデザイン性の高さも評価されてきました。デザインしたのは、イタリアのカーデザイナーのジウジアーロ。今やボディに赤いラインが入っている事がNikonの象徴のようになっていますが、Nikon F3でデザインされたのが始まりでした。
そして、Nikon F3はボディとモータードライブを切り離しても使えるようにした事で、状況に合わせて使いやすくしたことも大きな特徴です。
Nikon F3を楽しむシチュエーション
プロ向けに製造されたNikon F3ではありますが、自動露出など電子機構が採用されているため、初心者に優しいフィルム一眼カメラとなっています。
流通量が多かったことから中古での入手もしやすく、お値段も比較的安いので、これからフィルム一眼カメラに挑戦したいという方におすすめの一台です。
また、ファインダーも多く製造されているので、被写体に応じて組み合わせを替え、仕上がりの違いを比べるのもF3ならではの楽しみ方の一つです。
作例紹介
波の躍動感と旗のはためきもバシッと射止めていて、プロ向けに製造された無駄を省いたNikon F3ならではの1枚です。
ふわっと広がったスカートと周りの静寂さの対比が心をぐっと惹きつけます。プロからも人気が高いのはこういった瞬間を逃さず切り取れるからでしょう。
対応レンズ
1.マクロレンズ
ネットでも組み合わせが良いと評判が高い、マクロレンズの「Ai Micro-Nikkor 55mm f/2.8s」はNikon F3とぜひ組み合わせて使いたいレンズの一つです。
このレンズは数あるマクロレンズの中でも有名で、解像度の高さに定評があります。中古で1万円台から購入することができ、フィルム一眼レフを始めてみたいという方におすすめです。
2.単焦点レンズ
単焦点レンズでおすすめなのは、ボディとセット販売されていた「AI Nikkor 50mm f/1.4S」です。販売された数も多く、中古での入手のしやすさや価格の低さからまずはNikon F3を始めたいという方におすすめです。同時販売されたとあって相性も良いこのレンズ、Nikonならではの解像度の高さを備えており、シャープな写真が撮れます。
ネット上のレビュー
「Nikon史上初の視野率100%を実現した事により、覗いた時のイメージそのままの仕上がりになる」との声が多く、高い評価がつけられていました。また、その堅牢さから中古で購入しても不具合が少なく、綺麗な写真が撮れると評判でした。
まとめ
プロ向けに製造されたNikon F3でしたが、プロ以外のファンからも親しまれ、20年間という長期間に渡って製造されました。一部電子機構が採用されているので、カメラ初心者にも使いやすいフィルムカメラの一つです。
ぜひ、この機会にNikon F3を持ってフィルムカメラデビューをしてみてはいかがでしょうか。
レンズマウント | |
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型式 | 電子式35mmフィルム一眼レフカメラ |
レンズマウント | Nikon Fマウント |
ファインダー | |
視野率 | 100% |
倍率 | 約0.8倍 |
ミラー | |
露出制御 | |
測光方式 | 中央部重点測光 |
測光範囲 | EV1~18(ASA100、F1.4) |
露出モード/撮影モード | A(絞り優先オート)、マニュアル |
ISO感度 | 12〜6400 |
多重露光 | ○ |
シャッター | |
シャッター速度 | 1/2000〜8秒 |
巻き上げ・連写速度 | |
レリーズ機能 | |
セルフタイマー | ○ |
AF | |
AF方式 | |
測距点 | |
電源 | |
使用電池 | LR-44×2、またはSR-44×2、またはCR-1/3N×1 |
サイズ・重量 | |
サイズ | 148.5×96.5×65.5mm |
重量 | 715g |
発売日 | |
発売日 | 1980年03月01日 |
製品情報
- カテゴリ
- フィルム一眼レフ
- メーカー
- Nikon
- タイプ
- MF機(電子式シャッター)
- マウント
- Nikon Fマウント