HOMEストーリー共に楽しむことを大切に。 その人と過ごした「ストーリー」を残していきたい

共に楽しむことを大切に。 その人と過ごした「ストーリー」を残していきたい

公務員として働くかたわら、趣味で始めた写真からポートレートの世界にのめり込んでいったFukashinさん。Fukashinさんの撮る写真を見ていると、まるで雑誌の1ページを見ているかのような感覚を覚えます。またどこかフィルムライクな描写にも惹かれます。そんなFukashinさんがどんな瞬間に心惹かれてシャッターを切っているのかを知りたくて、お話を伺いました。

Fukashin
created: 2020.06.21 / update: 2020.07.15
@fkshin0907より
出典:instagram

FUJIFILM X-T2 / XF35mmF1.4 R
出典:instagram

FUJIFILM X-T2 / NOKTON Classic 35mm F1.4 SC
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FUJIFILM X-T2 / NOKTON Classic 35mm F1.4 SC
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FUJIFILM X-T2 / XF35mmF1.4 R
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FUJIFILM X-T2 / XF35mmF1.4 R
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FUJIFILM X-T2 / XF23mmF1.4 R
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― はじめにFukashinさんが写真を始めたきっかけや、写真にのめり込んでいった経緯について教えてください。
 
元々は趣味が無く、大学時代は部活もサークルも入らず、何事にもやりがいを感じられない生活でした。大学も4年生になる頃、資格が欲しくて一年留年して授業を受けることを決めましたが、その留年の1年はなかなか退屈なもので、自分と同学年の仲の良い友人は既に卒業しており、友達もほとんどいない大学生活でした。
 
そこで1人でもできる趣味はないかと模索し始めて、たどり着いた答えが「写真」でした。カメラさえ持っていればいつでも作品が撮れる、その手軽さが大きかったです。今では写真を通じた友達も増えて充実しています。
 
元は内向的な人間でしたが、ポートレート撮影で初対面の方ともたくさん撮影をして、心が外を向くようにもなりました。そういう意味でもカメラを始めて良かったと思っています。

FUJIFILM X-T10 / XF35mmF1.4 R
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FUJIFILM X-T10
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FUJIFILM X-T10 / XF35mmF1.4 R
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― Fukashinさんの写真を見ていると、まるで雑誌の1ページを見ているような感覚を覚えます。Fukashinさんはどんな瞬間に魅力を感じ、写真に残そうとされていますか。また、写真家でも写真家でなくても影響を受けた方はいますでしょうか。
 
ありがとうございます。「雑誌の1ページ」と表現していただき嬉しく思います。写真に残す時には「決めの一枚」みたいな一枚の写真作品を撮るというよりは、写真集のように、その日撮った写真を10枚以上並べて、空気感を味わえるような残し方をしたいと思っています。
 
「この日はこんな時間の過ごし方をしていたのだなあ」と感じたり、ポートレート撮影であればその人の魅力、キャラクターの良さが伝わるような写真の流れを意識したりします。
 
以前は「一枚でストーリー性がある写真」を撮っていましたが、「作った感」が嫌で、実際にその人と過ごした「ストーリー」をたくさん残す、という意識でいます。写真家の保井崇志さん(@_tuck4)が運営していたRECOというサイトにモデルさんとの散策写真が「今日もX日和」というシリーズで載っているのですが、そこから影響を受けていることはあると思います。

FUJIFILM X100F
出典:instagram

FUJIFILM X100F
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FUJIFILM X-T2 / XF23mmF1.4 R
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FUJIFILM X-T2 / XF23mmF1.4 R
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FUJIFILM X-T2 / XF23mmF2 R WR
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FUJIFILM X-T2 / XF23mmF2 R WR
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― また、フィルムライクな質感に惹かれます。光を捉える力の強いフィルムの質感をデジタルで表現することは簡単ではないと思います。現像など表現においてどんなことを心がけていますか。
 
いい意味で「手を加えすぎない」ことを心がけています。
 
RAWファイルは色々いじれすぎてしまうのでシャドウも持ち上げようと思えばできますし、いくらでもやれます。最近はもうJPEGファイルをモバイルのVSCOというアプリでちょちょっといじっておしまいです。フィルム感を出したいときはさらに粒子感を加えますが、あえてそのくらいにしています。
 
ポートレートは肌の色味が肝心なので、オレンジやレッドの色相、彩度、輝度を場合によっては調整します。さらにフィルム感を出したい時はグリーンやブルーの色相を調整したり、トーンカーブ等で、シャドウ部にブルーを軽く乗せたりします。
 
あとは現像の問題ではないですが、フィルターを使って表現しています。ブラックミストというフィルターを使うと光が拡散してそれがフィルムの捉える光と似ていることがあります。あとはフィルターにワセリンを塗ってあえて曇らせることもしたことがあります。優秀なレンズはきれいに写りすぎてつまらないと思うこともたまにあり、あえてそういった方法で遊んでみたりすると意外と雰囲気が出ます。

FUJIFILM X-T2 / XF35mmF1.4 R
出典:instagram

FUJIFILM X-T2 / NOKTON Classic 35mm F1.4 SC
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FUJIFILM X-T2 / NOKTON Classic 35mm F1.4 SC
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FUJIFILM X-T2 / NOKTON Classic 35mm F1.4 SC
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FUJIFILM X-T2 / NOKTON Classic 35mm F1.4 SC
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FUJIFILM X-T2 / XF35mmF1.4 R
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― ポートレートにおいてイメージを写真として表現することは難しいことだと思います。スポット選びからその他諸々の準備や当日の撮影において、ポートレート撮影ではどんなことを心がけていますか。
 
ポートレートは本当に色々な要素を考えないといけません。まず人という被写体自体が、常に変化しているものですし、こちらの思った通りにいかないこともあるし、こちらが予想もしていなかったシーンが現れる時もあります。
 
そこが魅力で、想像以上のものが撮れた時は、自分はもちろんモデルさんもとても喜んでくれます。その瞬間を共有できることがすごく楽しいです。やっぱり相手があってのポートレートなので、自分の撮った写真をアイコンにしてくれていたりするのを見ると嬉しいです。
 
ポートレートを撮るときはやはり被写体さんとの関係づくりが基礎になると思います。私がどんな人なのか、安心してもらえるように、インスタのストーリーは頻繁に更新をしたり、自分の顔もある程度は公開しています。
 
あとは撮影の意図やイメージはできるだけ詳しく伝え、被写体さんからもやりたいイメージなどを言ってもらいます。言葉だと伝わらないこともあるのでイメージ写真は多く用意しておき、事前に見せたりしています。
 
私は心配性なのでロケハンもすることが多いです。その場所ではどんな時間帯にどんな光が入ってくるか調べます。自分を被写体にしてセルフショットで撮ったりして確かめることもあります。
 
部屋で撮影する場合小物も大事です。日常のストーリーを撮りたいので、枕や布団、洗濯バサミなどの日用品をレンタルルームに運び入れて撮影したこともあります。
 
しかしどんな計画をしていても良くも悪くも想定と違うことがあるものです。一通りの計画はしていきますが、あまりガチガチに計画通りにするわけでも無く、モデルさんといかに楽しい時間を過ごすかを一番考えます。夏に川で撮影した時は自分も川に飛びこんで笑い転げながら撮影しましたし、結局楽しい時間を過ごせば良い写真が撮れます。
 
だから自分はあまり細かくポーズも指示しません。そのせいでポージングとか構図とか、ピントとか全てが完璧でなくどこか足りないアンバランスな写真になることも多々ありますが、それが自分のポイントで、良い意味でどこか物足りない写真を目指してもいます。この辺は自分の感覚ですが。

FUJIFILM X-T2 / XF23mmF1.4 R
出典:instagram

FUJIFILM X-T2 / XF23mmF1.4 R
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FUJIFILM X-T2 / XF23mmF1.4 R
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FUJIFILM X-T2 / XF23mmF1.4 R
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FUJIFILM X-T2 / XF35mmF1.4 R
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FUJIFILM X-T2 / XF35mmF1.4 R
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― メインで使っているカメラ・レンズについて教えてください。それぞれのカメラ・レンズを選んだ決め手や、それぞれの魅力・お気に入りの点について教えてください。
 
メインで使っているカメラは富士フイルムのX-T2、レンズはXF23mmF1.4 Rです。写真にのめり込むきっかけになった写真家の保井崇志さんが富士フイルムのユーザーだったことが影響しています。クラシカルなフォルムや、絶妙な色味のフィルムシミュレーションは富士フイルムならではだと思いました。
 
特にクラシッククロームの渋い色味が気に入っています。XF23mm f1.4Rは換算で35mmです。ポートレートを撮る上で被写体との距離感がポイントで、50mmだと少し離れなければなりませんが、隣で歩きながらの距離感で撮れたり、適度に遠近感がついたりするところが35mmの面白いところです。寄って距離感の近さも強調できますし、引いて風景ポートレートのような使い方もできます。f1.4のボケ味と、逆光時のふわっとした光の捉え方も気に入っています。

FUJIFILM X-T2 / XF23mmF1.4 R
出典:instagram

FUJIFILM X-T2 / XF23mmF1.4 R
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FUJIFILM X-T2 / XF23mmF1.4 R
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FUJIFILM X-T2 / XF23mmF1.4 R
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FUJIFILM X-T2 / XF23mmF1.4 R
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FUJIFILM X-T2 / XF23mmF1.4 R
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FUJIFILM X-T2 / XF23mmF1.4 R
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FUJIFILM X-T2 / XF23mmF1.4 R
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― 最後に、Fukashinさんのベストショットと、次に狙っているカメラやレンズ、今後の抱負があれば教えてください。
 
今の機材に不満はありませんが、気軽に持ち出せるサイズ感のX100Vは気になります。レンズが以前のX100シリーズから一新されたということやクラシックネガのフィルムシミュレーションが注目ポイントです。
 
ベストショットは一枚に選びきることが難しかったですが、写真としての出来栄えの良し悪しは抜きにして、最近撮った、思い出に残るものを。

FUJIFILM X100F
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この日は新潟県村上市の笹川流れへのドライブでした。美しい海と岩場ですが、人が誰1人いない中レジャーシートを敷いて日没まで楽しい時間を過ごしました。夕日が美しい光景で忘れられません。写真の出来栄えとしては、ピントも合ってないので微妙なのですが、そんなところは最近どうでも良くなってきています。やっぱりその写真を見て楽しい時間を人と共有できたと思い出せることが一番の財産です。