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【作例つき】定番から個性派まで。おすすめフィルム15種類をご紹介

フィルムカメラで写真を撮りたいと思ったとき、多種多様なフィルムがある中でどのフィルムを使ったら良いのか迷う方も多いかと思います。しかし、フィルムのパッケージを眺めてみると数字がたくさん記載されており、パッと見ただけでは理解できない情報がたくさん。この記事ではそんなフィルムの選び方からおすすめのフィルムまで、作例を交えてご紹介していきます。

ONE SCENE編集部
created: 2020.08.03 / update: 2020.09.30

多種多様なフィルムの選び方


1. フィルムサイズ

フィルムを選ぶ際、まず確認したいのがフィルムサイズです。

35mm判一眼レフで撮影するならば、フィルムパッケージに「135フィルム」と表記されている”35mm判フィルム”を使用。中判カメラで撮影する場合は「120」「220」と表記されている”中判フィルム(ブローニーフィルム)”を使用します。
 
2. ネガとリバーサル

写真プリントを目的としたフィルムを”ネガフィルム”といい、その中でもカラープリントできるものは「カラーネガフィルム」、モノクロプリントできるものは「白黒フィルム」といわれます。

”リバーサルフィルム(=ポジフィルム)”は、陰画になるネガフィルムとは違い、陽画になるフィルム。フィルムパッケージには「カラーリバーサルフィルム」と表記されています。リバーサルフィルムついて詳しくは後述の【リバーサルフィルムについて】をご覧ください。
 
3. ISO感度

ISO感度は、低いほど粒子が細かく、色再現性も優秀。感度が高くなるにつれ粒状感が目立つようになり描画がザラついたり、色再現も忠実ではなくなってきます。

主な感度は下記の通り。

ISO100 … 明るい場所での撮影におすすめ。カラーネガフィルムならキメ細かい再現性が得られ、緻密かつ鮮明に撮影したいときにおすすめですが、シャッタースピードが遅くなってしまうため、手ブレに気を付ける必要があります。

ISO400 … 明るい場所から少し暗い場所での撮影におすすめ。明るいレンズなら暗所でも撮影しやすく、万能な感度といえます。

ISO800 … 暗い場所での撮影におすすめ。室内で動く被写体の撮影など、シャッタースピードを速めにキープしたい際にもおすすめです。描画のザラつきや色再現性は、カラーネガフィルムであればほとんど気になりません。


主要フィルムメーカーの特色


・富士フイルム
微粒子で優秀な再現性を持つ、高性能なフィルムが揃います。赤や青が強めに出るフィルムといわれています。

・コダック
人の肌を美しく再現するPORTRAシリーズが人気のコダック。全体的には黄色がかったあたたかみのある色味が出る傾向にあるといわれています。


富士フイルムのおすすめネガフィルム5選


・業務用100(記録用カラーフィルム100)

パッケージを二色刷りにし、販売価格を抑えた業務用フィルム。発色はフジカラー100と同じで、少しマゼンタ濁りをする傾向がありますが、それを抑えたプリントもおすすめです。グリーンの発色は富士フィルム独特の濃厚さで、黄緑っぽいグリーンを好まない人にもおすすめ。

FUJIFILM 業務用100
出典:flickr(@Sai Mr.)

FUJIFILM 業務用100
出典:flickr(@Sai Mr.)

FUJIFILM 業務用100
出典:flickr(@Sai Mr.)

FUJIFILM 業務用100
出典:flickr(@Sai Mr.)

FUJIFILM 業務用100
出典:flickr(@Sai Mr.)


・FUJICOLOR C200

富士フイルムの海外版フィルム。マゼンタ濁りが少し強めなので、それを活かして赤みのある写真にするのもおすすめですが、マゼンタを抜き、見た目に忠実な写真にした場合もわずかにマゼンタが残り、フィルムらしい描写を楽しめます

FUJICOLOR C200
出典:flickr(yamauchi)

FUJICOLOR C200
出典:flickr(yamauchi)

FUJICOLOR C200
出典:flickr(yamauchi)

FUJICOLOR C200
出典:flickr(Dane)

FUJICOLOR C200
出典:flickr(Chi Bellami)


・SUPERIA X-TRA400

ファミリー向けフィルムのため、見た目に忠実でありつつ、鮮やかに残したい青空などの写真も濃厚に撮れます。マゼンタが少し入っており、肌色が血色良く撮れるフィルムなので、人物写真におすすめ。メリハリもしっかりしています。

SUPERIA X-TRA400
出典:flickr(MIKI Yoshihito)

SUPERIA X-TRA400
出典:flickr(MIKI Yoshihito)

SUPERIA X-TRA400
出典:flickr(Hiroaki Sakuma)

SUPERIA X-TRA400
出典:flickr(Hiroaki Sakuma)

SUPERIA X-TRA400
出典:flickr(melquiades1898)


・SUPERIA PREMIUM400

富士フイルムのアマチュア向けフィルム。少し濁りがあり、写真全体がわずかにマゼンタ寄りとなる傾向があります。メリハリがあり、濃厚な写真が好みの方におすすめ

SUPERIA PREMIUM400
出典:flickr(halfrain)

SUPERIA PREMIUM400
出典:flickr(halfrain)

SUPERIA PREMIUM400
出典:flickr(halfrain)

SUPERIA PREMIUM400
出典:flickr(Haya_BS)

SUPERIA PREMIUM400
出典:flickr(Haya_BS)


・FUJICOLOR PRO400H

「第4の感色層」を備え、様々な光源下での忠実な色表現を実現している富士のプロ用フィルム。ナチュラルで落ち着きのある色彩が得られます。階調表現はやわらかで滑らか。人物写真もしっとりと落ち着いた肌の描写が望めます。

FUJICOLOR PRO400H
出典:flickr(halfrain)

FUJICOLOR PRO400H
出典:flickr(halfrain)

FUJICOLOR PRO400H
出典:flickr(halfrain)

FUJICOLOR PRO400H
出典:flickr(Jun Takeuchi)

FUJICOLOR PRO400H
出典:flickr(Toomore Chiang)


Kodakおすすめネガフィルム5選


・Ektar100

明るいところは透明感があり、色のあるところは色乗りの良い、こってりとした描写をしてくれるフィルムです。グリーンが黄緑っぽく出るコダックのフィルムでありながら、こちらは渋く出るため好みが分かれるかもしれません。原色を鮮やかに再現してくれので、花などを接写で撮影する際におすすめ。

Ektar100
出典:flickr(@Abby)

Ektar100
出典:flickr(@Colin Poellot)

Ektar100
出典:flickr(@fotoqrapher)

Ektar100
出典:flickr(@Alejandra Mar y Pino)


・PORTRA160

フィルムの代名詞的存在であり、価格も上昇しているため、憧れのフィルムとして君臨しているポートラシリーズ。

ISO160のこちらは青白い濁りが少しだけあり、ニッコールレンズなどのヌケが良いレンズで撮影すると濁りがちょうど良い塩梅になりますが、逆に癖の強いレンズで撮影すると濁りが強く残ってしまうので、使用しているカメラやレンズの特徴を考慮して使うかどうかを考えた方が良さそうです。おすすめ撮影シーンは夏の日中。

PORTRA160
出典:flickr(@Giulio Gigante)

PORTRA160
出典:flickr(@Giulio Gigante)

PORTRA160
出典:flickr(@Greg Heartsfield)

PORTRA160
出典:flickr(@masa_0202)

PORTRA160
出典:flickr(@SAGA Gemmasa_0202)


・ColorPlus200

低価格で買える入門フィルム。ISO200は室内や夕方でもギリギリ使うことができ、また晴天にも対応できるので使いやすい感度です。発色は見た目に忠実で大きな特徴がないため、プリント時に好みに合わせて仕上げると良いでしょう。

ColorPlus200
出典:flickr(@Akio Takemoto)

ColorPlus200
出典:flickr(@Matthew Paul Argall)

ColorPlus200
出典:flickr(@SAGA Gem)

ColorPlus200
出典:flickr(@Marko Halas)

ColorPlus200
出典:flickr(@Nick Page)


・PORTRA400

光の透明感が抜群なフィルム。透明感があっても濃度が低くなるわけではなく、さわやかなパステル調の色調で表現されます。人の肌をナチュラルで滑らかに表現してくれるためポートレート撮影が得意ですが、光源を問わず幅広い対応性能を兼ね揃えているため、風景写真にもおすすめです。

レンズの性能に左右されないバランスの良さがあり、どんなカメラを使おうとさわやかさを演出できるのも魅力。大切な撮影にはちょっと高価でも使いたい、間違いなくおすすめの最強フィルムです。

PORTRA400
出典:flickr(@Mike Steinhoff)

PORTRA400
出典:flickr(@ Sadettin Canbay)

PORTRA400
出典:flickr(@fluffisch)

PORTRA400
出典:flickr(@Dane)


・ULTRAMAX400

コダックを代表する海外版カラーネガフィルム。どんなカメラやレンズにも対応できるオールラウンダーです。クセは少なめですが、傾向としては赤茶系の発色で、夕日が差し込んでいるシーンで使用すると少しこってりとした印象に。

ULTRAMAX400
出典:flickr(@Sai Mr.)

ULTRAMAX400
出典:flickr(@yamauchi)

ULTRAMAX400
出典:flickr(@Nick Page)

ULTRAMAX400
出典:flickr(@damon!)

ULTRAMAX400
出典:flickr(@Matthew Paul Argall)


試してみたい個性派フィルムおすすめ3選


・Lomography COLOR NEGATIVE 100

高コントラストでビビットな発色が特徴的なロモグラフィーカラーのネガフィルムは、色彩豊富な風景や草花などを被写体にしたスナップ撮影におすすめ。

こちらは赤と黄色が強い系傾向にあり、普通に撮ってもどこかノスタルジックな色合いに。粒状感のあるフィルムですが、それが逆にフィルムらしいレトロな質感を出し、雰囲気のある写真にしてくれます。

Lomography COLOR NEGATIVE 100
出典:flickr(@Alex Defender)

Lomography COLOR NEGATIVE 100
出典:flickr(@Dmitry Kolesnikov)

Lomography COLOR NEGATIVE 100
出典:flickr(@masa_0202)

Lomography COLOR NEGATIVE 100
出典:flickr(@Chris Bee)

Lomography COLOR NEGATIVE 100
出典:flickr(@masa_0202)


・AGFA PHOTO vista plus 200 … 生産終了

アグファのカラーネガフィルムは鮮やかな発色が得られるため、色彩を強調したいときにおすすめです。トイカメラやオールドレンズで独特の色表現を楽しみたい場合にもぴったり

また、曇天など光線状況に恵まれないシーンでも、被写体の持つ色が豊かに表現されます。ISO200の発色はマゼンタが強い傾向。

AGFA PHOTO vista plus 200
出典:flickr(@Sai Mr.)

AGFA PHOTO vista plus 200
出典:flickr(@Sai Mr.)

AGFA PHOTO vista plus 200
出典:flickr(@José Carlos Casimiro)

AGFA PHOTO vista plus 200
出典:flickr(@Ivan Bandura)


・Lomography COLOR NEGATIVE 400

赤と黄色がかなり強めで、赤茶っぽい夕陽感が出るため、ISO100よりも更にレトロ感を出すことができるフィルムです。曇りの日などの撮影にもおすすめ。ちなみに、本当に夕陽が当たっている状態で使うと、写真全体がかなりの暖色系になります。粒状感の強さはISO100と同等。

Lomography COLOR NEGATIVE 400
出典:flickr(@Ben Seidelman)

Lomography COLOR NEGATIVE 400
出典:flickr(@yamauchi)

Lomography COLOR NEGATIVE 400
出典:flickr(@yamauchi)

Lomography COLOR NEGATIVE 400
出典:flickr(@yamauchi)


リバーサルフィルムについて


リバーサルフィルムはフィルムそのものに撮影した写真の正しい色が記録されており、色のズレを気にする必要がないため、雑誌や広告の写真に使われてきました。プリント時の色調整は微調整程度しかできないため、撮影時に全てを決めなければならない一発勝負的なフィルムといえます。感度はISO100がスタンダード。
 
 

主要リバーサルフィルム


・FUJICHROME PROVIA 100F

シャープネスが高く色再現も豊か、あらゆる被写体に対応できるオールマイティなフィルム。ナチュラルカラーとされますが、被写体の持つ色をしっかりと描写し、レンズの個性もしっかりと表す、使って楽しいフィルムです。

FUJICHROME PROVIA 100F
出典:flickr(@Haya_BS)

FUJICHROME PROVIA 100F
出典:flickr(@Paul Swee)

FUJICHROME PROVIA 100F
出典:flickr(@SAGA Gem)


・FUJICHROME Velvia 100

ベルビア50の超高彩度を更に進化させた超極彩度フィルム。赤や緑を強調した発色で、自然風景や花などのネイチャーフォトにおすすめです。シャープネスが極めて高く、プリントに適しています。

FUJICHROME Velvia 100
出典:flickr(@Osamu Kaneko)

FUJICHROME Velvia 100
出典:flickr(@LTJcake)

FUJICHROME Velvia 100
出典:flickr(@Nils Erik Mühlfried)


まとめ


フィルム写真は、使用するフィルムによって写真の印象が違ってくる上に、プリント時に色調節をして楽しむこともでき、ハマったら抜け出せないくらいのとても奥深い魅力があります。

最初は感度などの説明を見てもピンと来ず、ついつい敬遠してしまいがちですが、まずは撮りたいシーンに合わせた感度と好みの発色のフィルムを選んで撮影するということを積み重ねていけば、徐々にフィルムのことが理解できて楽しくなっていくはず。貴方もこれを機に奥深いフィルムの世界に浸ってみませんか。