どこよりも高値に挑戦中!大手より20%高い製品多数大手より20%高い製品多数
定額買取
誰かの「今日の」ちょっとした支えに。 身近な風景の可愛いや面白いを切り取っていく
ウェディングフォトグラファーとして活動する中、日々の風景の中の「可愛い」や「面白い」景色を切り取り発信されているkiskさん。kiskさんの撮るミニマルで余白のある写真を眺めていると、どこか気持ちが落ち着くようで、空を見上げること・深呼吸することの大切さを教えてくれるように感じます。そんなkiskさんが写真に込める思いを知りたくてお話を伺いました。
著者: kisk | 作成日: 2023/10/06
― はじめにkiskさんが写真を始めたきっかけや、写真にのめり込んでいった経緯について教えてください。
進路に悩んでいた中学生の時に塾の先生が写真展のチケットをくれて写真展を見に行き写真家になりたいと思いました。
京都駅ビルで開催していたエリオット・アーウィットの写真展でした。初めて行く写真展で緊張していたのですが、子供がバスの後ろの窓に顔をくっ付けている作品を見てこの写真を撮った人はこの写真を撮るために、どんな顔・どんな状態で撮影とかしているのかな、きっと変顔とかしているんだろうな、と考えるとすごく楽しくなって、静かな写真展で一人笑っていました。常識的に静かにしないといけない場所で我慢ができなくなる程のパワーが写真にはあるのだと感じました。
写真にのめり込んだのは最近です。18歳で写真業界に入り今は結婚式の写真をメインに撮影していますが、2019年にLGBTのカップルの結婚式を撮影する機会があり、その時に一生写真で生活していこうと思いました。それなりに経験を積み夢であったプロカメラマンになり自信もありましたがその撮影では今まで自分が培ってきた経験が一切通用しない価値観をぶっ壊してくれる撮影でした。
僕の感じている当たり前は他の人からしたら当たり前ではなく、僕の普通は人からしたら普通ではない、そう感じると僕が好きで撮るミニマルな風景は、僕にとっては当たり前の風景でそういう一部を切り取る事ばかりを考えているのは普通ではなく新鮮に見える人もいるのかもと思うと凄く面白いと感じ、より写真が好きになりました。
― 多くの人が目にしているのに見ていない景色をkiskさんの感性・美意識を通じて形に残されていて、写真の奥深さ・面白さ・尊さを感じます。また、日々の生活と 写真とが強く結びついているようにも感じます。kiskさんにとって写真とはどんな存在で、どんな景色を残そうとされていますか。
写真は当たり前にある生活の一部という認識です。本当に撮らない日はないです。
その感覚も強いので、特別なものを撮りたくないという気持ちが強いです。おしゃれな場所に行きおしゃれな服装で撮る事もしないし絶景スポットに行かないし、生活圏内での写真がほとんどです。写真を最大限に楽しみたいという考えなので、その場所でしか撮れないなど何かに依存する写真はあまり得意ではないのかもしれません。
当たり前のことは奇跡の連続でその再確認、生きるのって尊いよね、というような大きな事を言いたいのではなく仕事で上司に怒られたり、友達と喧嘩して落ち込んいでる時とか、ちょっと見回せば綺麗な空に月があったり壁にかかる影の形がカッコ良かったり、何か元気をもらえる様な風景ってあると思っていて、僕自身そういう風景に救われてきたので、それを残したいのだと思います。
僕の知らない誰かの「今日の」ちょっとした支えになれれば幸せだと思っています。
― kiskさんの写真はいわゆる“ミニマルフォト”と呼ばれるものかと思います。きっと様々な試行錯誤を繰り返し、今のスタイルに至ったのだと思いますが、そこに至るまでの経緯やミニマルフォトの魅力について教えてください。また、写真家でも写真家でなくても影響を受けた方はいらっしゃいますか。
ミニマルに至る経緯ですが僕は実生活もミニマリストであり無駄な家具などはなく最小限の生活をしています、シンプルな物や余白のある物が昔から好きで極力情報量の少なく何を見せたいかを常に考えています、ですので好みに沿って撮影しているので割と自然に撮っていて、高校卒業した時にはすでにミニマルな写真を撮っていました。
魅力ですがミニマル=何かをポツンと写すというイメージを持たれている方が多いのですが、構図やポツンと撮る主題の位置、色味、タイミングなど実は画像加工をせずに撮る写真としては熱量の高い写真だと考えています。そんな風には見られないですが、そういう効率の悪い無駄に思われる部分がこだわりであり僕の最小限の中に無くてはならない要素です。
影響を受けた写真家はエリオットアーウィットさんと植田正治さんです。
― また、パステルがかった色合いが魅力的で、変な表現ですが写真でありながら愛嬌のようなものを感じます。撮影時の設定や現像時など、写真表現においてどんなことを心がけていますか。
色味に関しては心地いいかを意識していて彩度強くなりすぎない様にくらいです。正直な事を言うとミニマルの最終形態はモノクロだと考えているのでその表現方法はずっと模索しています。撮影時の設定はそこまで意識していないです。光が変わる、場所を移動する度に動きながら設定をカメラを見ずに設定して動く、というのが癖になっています。
― 続いて、kiskさんがメインで使っているカメラ・レンズについて、それぞれの機材を選ばれた経緯や用途、お気に入りの点について教えてください。
インスタに掲載している写真はほとんどCanon EOS 5D Mark Ⅳです。
ミニマルを撮る時は望遠を使う事が多いです。50㎜や35㎜と使う事もありますが背景処理として写って欲しくない部分も映ります、なのでしっかりトリミングするんですが、それなら85㎜や135㎜、70-200㎜を使う方が便利でした。
― 最後に、kiskさんのベストショットと、次に狙っているカメラやレンズ、今後の抱負があれば教えてください。
SIGMA fpと45mmを買いました。なので当分カメラは買えないかなと思っているのですが、もし買えるならフィルムでミニマルなポートレート撮影がしてみたいという意味で中判カメラが欲しいです。
ベストショットはこちらです。飛行機を待って撮影していました、ドンピシャのタイミングで鳥も飛んできて、構図や色が綺麗と言うのは前提として自分の予期せぬ複数の偶然が重なった写真が撮れたので二度と撮れないお気に入りの写真です。
今後の抱負ですが、8月に僕の所属するグループで展示をしました。今まで展示や写真集を作る事にあまり興味がなかったのですが、凄くいい経験になりました。来年くらいに個人での展示が出来たらいいなと考えています。
著者
1984年、大阪生まれ、wedding photographer。写真のある365日をテーマに身近な風景の中にある可愛いや面白いを切り取る。2021年GENIC 7月号「人を撮った写真」掲載 / 2022年エプソン×carbon #形に残した私の写真―フォトコンテスト最優秀賞 / 2022年L &MARK撮りたい世界が地元にある Akine coco×とtomosaki みんなが撮りたい地元フォトコンテスト入賞
kiskさんの使用カメラ
kiskさんの使用レンズ