製品解説
スペック情報
隠れLレンズとも呼ばれる20年近いロングセラーレンズ
EF85mm F1.8 USMは2002年に発売開始されて以来、5万円を切る手頃な価格で入手できる高画質な単焦点レンズとして、発売から20年近く経つ今現在も多くのキャノンユーザーに愛用されているレンズです。重量僅か425gという軽量でコンパクトなレンズなので持ち運びやすく、カメラバックの片隅に常に入れて持ち運んでも苦にならない手軽さが魅力です。
開放(F1.8)からピントの合った箇所は非常に高い解像度が得られます。
ただし開放では被写界深度が浅いので注意が必要です。手ぶれ補正機能を搭載していないので、開放での手持ち撮影はさらに難しいというのが正直なところです。しかし、F2.5以上に絞ると写真全面にわたり非常にクリアでシャープな描画が得られ、Lレンズに匹敵するほどの描写力を発揮します。
レンズの性能について
AF性能について
USM(超音波モーター:Ultrasonic Motor)を搭載しており、AF性能も非常に優秀です。狙った箇所に素早くピントを合わせるスピード感と、ピントの精度も高くストレス無く撮影を楽しめます。
AF性能が良いのであまり使う頻度は高くありませんが、フルタイムMFにも対応しています。AFでフォーカスしたあとに、ピントリングを操作することでピント位置を微調整することが可能です。
AF性能が良いのであまり使う頻度は高くありませんが、フルタイムMFにも対応しています。AFでフォーカスしたあとに、ピントリングを操作することでピント位置を微調整することが可能です。
ボケ味について
ボケについては、美しいボケで定評のある銘玉「タム9(TAMRON SP AF90mm F/2.8 Di MACRO 1:1)」には比べると若干見劣りするものの、 絞り羽根は8枚で構成されており、ほぼ正円に近い美しいボケを楽しむ事ができます。
Canon EOS 5D Mark II / EF85mm F1.8 USM
出典:flickr(@Atsushi Ozawa)
初心者からミドルユーザーの単焦点入門レンズとして最適な一本
コストパフォーマンスの良さから、一眼レフカメラを使い始めて間もない初心者が初めて購入する単焦点レンズとして、数あるキャノンの単焦点レンズの中でも一番オススメしたい一本です。軽量・コンパクトな設計なのでエントリーモデルからハイアマチュアモデルまで、どんな一眼レフカメラに装着しても非常に使いやすいです。
本レンズをおすすめする理由
F85mm F1.8 USMが「隠れLレンズ」と言われるほどの描写力が最大の理由です。Lレンズはキャノンが誇る最高級レンズシリーズで、多くプロカメラマンが使用しているレンズです。価格も10万円以上で販売されているものがほとんどであり、初心者やアマチュアにはなかなか手の出しずらい価格となっています。そんなLレンズに匹敵するほどの描写力を気軽に楽しめるのがF85mm F1.8 USMです。
様々な撮影シーンで使いやすい85mmの焦点距離と画角
キャノンの単焦点レンズには焦点距離が14~35mmの広角から、80~135mmの中望遠、200mmを来れる望遠と様々な焦点距離のラインナップがあります。撮影シーンにもよりますが、撮影していると「50mmでは画角が広すぎる」、「100mmでは画角が狭すぎる」といったケースがよくあります。このようなケースでいちいちレンズを交換するのも効率的でなく面倒で機動力に欠けます。
そこで活躍するのが85mmという丁度良い焦点距離を持ったこのレンズです。カメラマンが被写体にほんの数m近寄るか離れるかするだけで、50~100数mmの焦点距離の画角をほぼカバーできるのがカメラマンにとって最大の利点となります。
このレンズ1本あれば、街中でのスナップ、室内(スタジオ)、モデルポートレートなどの撮影においては、数ある焦点距離のレンズの中でも非常に使いやすい画角が得られるのがこのF85mm F1.8 USMです。
特にポートレートで強みを発揮
焦点距離50mmのレンズでバストアップで撮ろうとすれば、かなり被写体に近寄らなければならなくなります。撮影慣れしたモデルの場合は、カメラマンが近寄っても自然な表情とポーズを難なくこなしますが、経験の浅いモデルや初めてモデルをする人を相手に撮影する場合、カメラマンが近寄りすぎると緊張で顔がこわばり、モデルのもつ自然で魅力的な姿を捉えるのが難しくなります。
その点、この85mmのレンズでは、モデルと丁度良い距離感を保ちながら撮影が可能になり、撮る側と撮られる側が気持ちよく撮影できる環境が得られます。
APS-C機での使用は?
APS-Cで使用する場合は1.6倍の焦点距離で136mmとなます。このレンズをAPS-Cで使用するシーンとしてオススメなのがスポーツシーンの撮影です。特に毎秒8コマの連写性能を持つ EOS 7D との組合せは、動きの激しいスポーツの決定的瞬間を逃さずに捉えることができる最良の組合せです。スポーツシーン以外に、ペットや子供の撮影など、動きが不規則でな被写体を撮るのに適しています。
これら動きの激しいシーンを撮影する際のAFモードは「AIサーボAF」を使用しますが、USM(超音波モーター:Ultrasonic Motor)によるスムーズに素早く被写体にピントを合わせることができる性能があるからこそ実現できる撮影です。
併せて検討したいモデル
・Canon Lレンズシリーズ「 EF85mm F1.4L IS USM」
Canonの同じ85mmの焦点距離のレンズで、プロ仕様の高級Lレンズシリーズに「EF85mm F1.4L IS USM」があります。すべての機能において一段上を行く性能ですが、大きな違いは絞りがF1.4でさらに暗所での撮影を容易にできることと、何より「手ぶれ補正機構」が搭載されていること。
これにより得られる手持ち撮影での安心感で生産性が格段にアップします。販売価格は新品で14万円程度と高額ですので予算と相談が必要になります。
Canonの同じ85mmの焦点距離のレンズで、プロ仕様の高級Lレンズシリーズに「EF85mm F1.4L IS USM」があります。すべての機能において一段上を行く性能ですが、大きな違いは絞りがF1.4でさらに暗所での撮影を容易にできることと、何より「手ぶれ補正機構」が搭載されていること。
これにより得られる手持ち撮影での安心感で生産性が格段にアップします。販売価格は新品で14万円程度と高額ですので予算と相談が必要になります。
まとめ
発売から20年近くたった今でも多くのユーザーに愛される「EF85mm F1.8 USM」。隠れLレンズとまで評され、特にポートレート撮影において強みを発揮します。特にキットレンズからステップアップしてより大きなボケ感や解像感を体験されたい方におすすめです。
基本仕様 | |
---|---|
対応マウント | Canon EFマウント |
フォーカス | AF/MF |
フルサイズ対応 | ○ |
APS-C専用 | - |
レンズ構成 | 7群9枚 |
絞り羽根枚数 | 8枚 |
焦点距離 | |
最短撮影距離 | 85.0cm |
最大撮影倍率 | 0.13倍 |
開放F値 | F1.8〜22.0 |
画角 | 28.3度 |
手ブレ補正機構 | - |
防塵 | - |
防滴 | - |
サイズ・重量 | |
最大径×長さ | 75x71.5mm |
重量 | 425g |
フィルター径 | 58mm |
発売日 | |
発売日 | 2002年08月08日 |
製品情報
- カテゴリ
- 単焦点レンズ
- メーカー
- Canon
- タイプ
- 中望遠
- マウント
- Canon EFマウント