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まるで人間の心のよう。 まだ気づいていない何かを、花に教えてもらいながら
身近な花の姿を美しく幻想的な姿に収め発信されているnaco..さん。naco..さんの撮る花の写真はまるで水彩画のように美しく、見る人を魅了します。そんなnaco..さんがどんな想いで花に向き合っているのかを知りたくて、お話を伺いました。
著者: naco.. | 作成日: 2023/06/04
― はじめにnaco..さんが写真を始めたきっかけや、写真にのめり込んでいった経緯について教えてください。
子供が生まれてから一眼レフで撮影された素敵な写真に出逢いました。ボケている写真がとても魅力的で興味を持ち息子が一歳の誕生日を迎えた後、Canon EOS Kiss Xを買ったのがきっかけです。
その頃は横浜に住んでいたこともあり、息子を連れて横浜の風景と一緒に撮っていました。夕暮れ時に撮りたくて自転車でその時間にみなとみらいによく通っていました。小学校へ上がると、習い事や友達と遊ぶ機会が増え、段々写真を撮る為に息子と出掛ける機会が減り、iPhoneでも綺麗に撮れることもあって暫く一眼レフを使って撮る事もやめてしまいました。
写真から遠ざかってしまった頃、文鳥を飼う事になり、はじめはiPhoneで撮っていたのですが、綺麗に撮りたい気持ちからまた一眼レフで撮り始めました。
その頃やっていたLatte cameraというアプリで凄く素敵なお花の写真を見て、私も撮ってみたいなと言う気持ちが湧いて初めてひとりで近くのガーデンへ撮りに行ってから、だんだんお花を撮る事に夢中になっていきました。
ランキング形式のもので初めて一位になった時は凄く嬉しかったです!
― まるで水彩画のような優しい写真に魅了される方が多いと思います。写真を通じて、naco..さんの感性や美意識がそのまま表現されているのだと思いますが、naco..さんはどんな瞬間や表現に魅力を感じ、写真に残されていますか。また、写真家でも写真家でなくても影響を受けた方はいますか。
私にとって花は儚げな印象があり、枯れるまでの時間は限られていて刹那の輝きを写真で残すことに魅力を感じています。
ボケ写真が撮りたくてカメラを始めた事もあり、今でもその気持ちは変わりません。ボケにも色々な表現はありますが、望遠レンズやマクロレンズで撮った時、背景が色として出てくる世界が特に美しいなと感じています。私はカメラとレンズを通して色を混ぜ合わせるようなイメージで撮っているので水彩画のようなと言われるとなんだかとっても嬉しいです。
影響を受けたのはお花の写真を撮るきっかけになったSNSで見つけた方です。余白を凄く魅力的に表現されていて秋桜の写真が魅力的で今でも頭の中から離れない写真があります。
― naco..さんの引き出しの多さに驚かされます。花の状態や天候など、その時々の花の姿に真剣に向き合ってこそだと思います。花の魅力を引き出すにあたって、どんなことを心がけていますか。
私は好きな撮り方があります。それが個性なのかも知れませんが、時々同じような写真を撮ってしまうなと悩む事があります。そんな時、違った視点から撮ってみようと天気予報が雨となればわざわざ出かけて行くというような事をします。
すると、その時にしか出逢えない素敵な世界がそこにはあり、それを知るからまた大変だけど出かけてみようとなります。
雨は嫌われてしまいがちですが自然からみればとても大切な要素でもあります。どんな時もただ黙って咲いている花ですが、時々人間のようにも見えてきます。
花の正面から撮るのは勿論、哀愁漂う後ろ姿や横顔、俯き恥ずかしそうだったり、雫を蓄えて今にも泣いてしまいそうな様子。空に向かって逞しく咲く姿。
お花畑で沢山の花がそれぞれに一斉に咲いている。晴れの日も曇りの日も雨の日も風の日も…。
まるで人間の心みたいに。もしかしたら自分の心と重ね合わせているのかも知れません。花が教えてくれるまだ気づいていない何かをいつも探し向き合っていきたいと思っています。
― 続いて、色合いや光の捉え方などの写真表現について教えてください。柔らかく優しい背景に浮かび上がる花や、背景との調和が美しく、まるで絵画を観るように写真の世界に引き込まれます。naco..さんのイメージを表現するにあたって、撮影時の設定や現像時などどんなことを心がけていますか。
私は少し青みがあるような写真が好みなので、カメラのWB補正設定で少しB方向にしています。また花の写真は必ず緑が入るので、青や緑が綺麗に出て光が拡散されるようなフィルターをレンズに付けて撮っています。少し幻想的な写真になる手助けにもなっています。
また花の写真にボケを取り入れることで、夢と現実の間や、記憶の中にある景色を表現できると考えています。特に前ボケはその曖昧な世界観を表現するのにぴったりだと思っていてF値を低くして撮る事が多いです。
優しく柔らかなイメージの中に、何処か芯を感じることのできる写真を目指しているので、現像の時その辺りを気にして仕上げます。
光についてはふんわりして透過して見える逆光が一番好きです。光の感じはその場で一番いいなと思う場所を探すようにしています。強い影がでない曇りの日の優しい光は、お花をどの方向からも撮れるので気に入っています。
また、色は三色程のバランスになるようになるべく心がけています。カラフルになりすぎている時や色が強すぎる時は何かひとつの色の彩度を落としてバランスがとれるように心がけています。私はシンプルな色につい撮りがちなので、逆に現像時に色を足すような事もあります。
― 続いて、naco..さんがメインで使っているカメラ・レンズについて、それぞれの機材を選ばれた経緯や用途、お気に入りの点について教えてください。
今使っているカメラはSONY α7Cです。
このカメラを購入する時、動画をやってみたくて選びました。なるべく軽いジンバルに乗せたかったので、カメラ重量の問題や、アイピースカップがジンバルに干渉しない、バリアングルになるというのをクリアしたカメラがその時はα7C一択だったからです。結局重いのが原因で、現在はiPhoneと手持ちで動画は撮っています(汗)また、私が選んだシルバーはクラシカルで可愛い見た目が気に入っています!
レンズはSONY FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIをメインに使っていて、広角側のSONY FE 24mm F1.4 GMは花風景や室内用に。
最近、ずっとメインで使っていたSONY FE 135mm F1.8 GMを、望遠レンズを買ってから使わなくなってしまった為手放し、SONY FE 90mm F2.8 Macro G OSSを仲間入りさせました。
時々光を表現できるフレアやゴーストの出る、オールドレンズで撮る事もあります。私はピントの芯が比較的出る事からMINOLTA MC ROKKOR-PF 55mm f1.7やSuper-Takumar 50mm F1.4 を持っています。
― 最後に、naco..さんのベストショットと、次に狙っているカメラやレンズ、今後の抱負があれば教えてください。
ベストショット…難しいですね。いちばん悩んだ質問です。自信を持ってこれですって言える写真がないかも知れません。この先、生きているうちにそんな写真が撮れるのかも分かりません。だからこそずっと撮り続けるのかなと思います。
偶然が生まれる時が面白いのかなということでこの写真を選びました。
この日は桜吹雪を撮りたいという気持ちで撮りに出かけました。零れ桜が映える背景を見つけると風が吹くまで待っていました。優しい風が吹いては、また風が静まりで、中々思うようにはなりません。
移動しながら桜を撮っていると風が吹いて花吹雪になっていたので急いで元の場所に戻り撮った一枚です。
桜を撮っていて花吹雪が舞う瞬間はつい歓声を上げてしまう位に喜びが溢れだします。そんな時写真をやっていてよかったなと心から思います。
私が気になっているカメラはSONY α7R Vです。高画素機でお花畑のある風景を撮ってみたいという憧れからです。花畑に咲いている全てのお花が繊細に写るように撮ってみたいです。また高画素機だと横写真を縦写真にしたり、クロップできるのもとっても魅力的です。
被写体認識が強いのでお花と生き物も撮りやすくなるのかな。チルトとバリアングルが合体したマルチアングル式。これが素晴らしい!
私は映像を少し撮ります。映像だと光の表現が写真よりもできると感じているので好きです。
SNS写真は0.何秒とか、とても早いスピードで消費されて行ってしまいます。撮り手の心なんて無視して。それでも流れてしまう映像よりも写真の方が一枚の絵としてのインパクトはあると思っています。
私は通り過ぎた目の端に記憶に残るような、そんな写真を今は撮っていきたいと思います。
著者
naco..
茨城県出身、東京都在住。8年前から花の写真を撮り始める。休日は関東近辺の花畑に行き花の記憶を写真に残しています。メインで使用しているカメラはSONY α7C
naco..さんの使用カメラ
naco..さんの使用レンズ