積み重ねてきた美意識を写真にのせて。 美しいと感じるものを残していく

― はじめにHayashiさんが写真を始めたきっかけや、写真にのめり込んでいった経緯について教えてください。

大学時代の先輩に薦められたのがきっかけです。それから、出かけるときには必ずカメラを持ち歩き、友達や景色、ストリートスナップを中心に撮っていました。

また、そのタイミングでInstagramで写真を投稿し始め、自分の写真が多くの人に見られ、リアクションを頂いたのが楽しいと感じた大きなきっかけの一つです。

社会人になり、配属地が北海道になり、北海道に魅了され、撮るものが景色や日常に移り変わっていったことは、自分の中でも大きなターニングポイントです。

― 静かで凛として美しく心地よい写真を眺めていると、心が穏やかになると共に旅に出たくなります。Hayashiさんの美意識や感性が詰まっていると思うのですが、Hayashiさんはどういう光景、どういう瞬間に魅力を感じシャッターを切っていらっしゃいますか。

自分の見ているものの中にある美しいと感じるものです。非常に抽象的になってしまっていますが、美しいと感じるものは、その人が過ごしてきた時間、つまり体験がそのまま反映されると考えています。それが、写真の魅力のひとつと考えていますし、これからも色々なことを経験し、良い写真を撮っていきたいです。

― フィルムのような諧調豊かで、特に光をつかむような写真に憧れる方も多いと思います。撮影時や現像時において、どんなことを意識されていらっしゃいますか。

撮影時は、普段何気なく過ごしている中で 、いいと思う瞬間を撮るようにしています。目的なく歩いてを探すこともあります。現像時は、自分が見た光景の光と色をそのまま表現できるように心掛けています。最も多く調整するのはトーンカーブ、HSLです。

―Hayashiさんは、海外を含めさまざまな地の景色を写真に収めていらっしゃいますが、特に印象的だった場所や光景について教えてください。

フランスやアメリカを旅したこともあり、非常に魅力に感じましたが、最も印象的なの は北海道の美しい四季です。景色も食べ物も。とにかく広いので、自分の想像を超えるような光景ばかりです。北海道は冬が長いからか、春がきたときにそれを色濃く感じます。 道産子の方にとっては当たり前なのかもしれませんが。

― 続いて、Hayashiさんがメインで使っているカメラ・レンズについて、 それぞれの機材を選ばれた経緯や用途、お気に入りの点について教えてください。

メイン機は、FUJIFILMのGFX50SII、レンズはGF80mmf1.7です。それまではXT3とXF35mmf1.4でした。 中判の階調豊かな表現にずっと憧れていたのと、じっくり写真を撮りたいと感じたため、思いきって購入しました。GFXは階調表現が広がったことと、浮かび上がるようなボケが気に入っており、本当に購入してよかったと思っています。

― 最後に、Hayashiさんのベストショットと、次に狙っているカメラやレンズ、今後の抱負があれば教えてください。

春の函館の朝に撮った満開の桜です。花びら一枚一枚も美しいのですが、霞んだ日の朝の光が暖かく桜を包み込んでいてなお、人の生活も感じられるお気に入りの一枚です。