HOMEストーリー写真は自分を表現するツール。 「ファインダー越しの別世界」を見て、残し、届けていく

写真は自分を表現するツール。 「ファインダー越しの別世界」を見て、残し、届けていく

会社員として働く傍ら、四国を中心に美しい景色や一瞬の自然現象が生み出す幻想的な光景を切り取り、共有されているアキラさん。アキラさんの写真を眺めていると、自然の美しさや壮大さを感じるだけではなく、「撮る」前行程や後行程含めて写真の素晴らしさや意義を改めて感じます。そんなアキラさんがどんな瞬間に魅力を感じ残されようとしているのかを知りたくて、お話を伺いました。

アキラ
created: 2021.07.28 / update: 2021.07.28
@akira_1972_より
出典:instagram

SONY α7R III / SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN|Art
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SONY α7R III / SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN|Art
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SONY α7R III / SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN|Art
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SONY α7R III / FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
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SIGMA α7R III / SAMYANG AF14mm F2.8 FE
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― はじめにアキラさんが写真を始めたきっかけや、写真にのめり込んでいった経緯について教えてください。 
 
SNSを閲覧していたとき、ある写真サイトの画面に掲載された風景写真を見て感動しました。こんな写真撮れるはずはないけど、自分なりに撮ってみようと思い、スマホ片手に近くの風景や花を撮り、インスタグラムを通じて投稿するようになりました。
 
そんな中でいろんな写真や人との出会いがあり、当時のスマホカメラではボケや長秒など実現できない技法や写真をたくさん知り、一眼カメラの購入を決意しました。
 
しかし、F値やISOなど光学に対して全く無知だったため、撮りながらいろいろ学び、最初にSNSで見た写真が撮れるかもと思い始めました。
 
もちろん並行してほかの方々の写真もたくさん拝見する中で、自分なりの構図やシチュエーションを追究するようになり、気づけばどっぷり世界にハマり、撮れないから撮れるかもに心境も変化しました。
 
 
― アキラさんの写真を眺めていると、撮るまでの過程や撮った後に共有することを含めて、写真は本当に素晴らしいものだなと改めて感じます。こういう時期だからこそ、一層そのように感じます。きっとアキラさんにとっても前後の過程があってこその写真だと思うのですが、アキラさんにとって写真とはどんな存在で、どんな風に向き合っていらっしゃいますか。
 
まだ写真を初めて5年ぐらいですが、イメージ通りに撮れた時は嬉しいですし、不特定多数の方に見てもらいたい。せっかく見てもらうならそこに行ってみたい、実際に見てみたいなど何かを良い意味で感じてもらえる写真を投稿したい。そのうえでご縁があれば行動や感情を共有したい。というのがSNSに投稿するベースとなっています。
 
ゆえにそれを見たり読んだ人が不快にならない。むしろ楽しい気持ちになれることが前提にあります。
 
私にとって写真を撮ることは、ファインダー越しに別世界を見る。それで仕事のこととかストレスをすべて忘れられる癒しの時間です。写真を見ることは瞬間の癒しであり、自分の写真力を高める。自身のイメージを作るための勉強の場とも思っています。総合的に写真とは自分を表現するツールです。

SONY α7R III / FE 70-200mm F4 G OSS
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SONY α7R III / SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN|Art
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SONY α7R III / FE 70-200mm F4 G OSS
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SONY α7R III / Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS
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SONY α7R III / SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN|Art
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SONY α7R III / Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS
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― 構図、天候、時間帯、またシャッタースピードなど、イメージ通りに風景を切り取ることはとても難しいことだと思います。事前のイメージの作り方や、当日その場での撮影において心掛けていることについて教えてください。     
 
事前のイメージとして、初めて行く場所に関しては、事前にWebでその場所の写真を複数見るようにしています。真似るわけではないですが、イメージは作りやすくなります。また上記によって天候条件などどんな感じがしっくりくるかも考えます。
 
当日は、常に予測は立てていてもイメージ通りの条件になる事は少ないため、その環境でどうやって結果(納得の1枚)を出すかを考えます。それがまた楽しいです。そのほか、立入禁止場所に入らないなどのマナーを大切にし、他の撮影者が居たら必ず挨拶するように心がけています。せっかく素敵な状況に立ち会えたのに気分を害しては台無しになりますから。

SONY α7R III / FE 70-200mm F4 G OSS
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SONY α7R III / SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN|Art
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SONY α7R III / SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN|Art
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SONY α7II / Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS
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SONY α7R III / FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
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― アキラさんの切り取る景色は、粘り強くじっくりと向き合うからこそ出合える景色だと思います。それだけに、過酷だったり苦労されたことも多いと思います。特に大変だったエピソードや感動した瞬間について教えてください。    
 
数行く場所に関して、自分の構図は見つけていますが、あと一つこの条件(雲海や霧、虹などの自然現象)があればなあと常に思います。それだけに気象条件を精査して何度も通うことです。もちろんそんなに甘い世界ではないので成果なしで帰ることもよくあります。ただ本当の空振りはつらいので、ここへいくならこのスケジュールで、ここに何時、あそこに何時とスケジュールを立て、完全な空振りとならないように保険を掛けることは多々あります。
 
比較的雲海だけとか、単体の気象条件であれば経験することで外すことも少なくなりましたが、雲海と霧氷、この高さに雲海がほしいなど複合条件だとなかなか難しいです。
 
また新しい景色を求めて少ない情報で山の中に入ったり、姫蛍を開拓するために真っ暗な中、一人でロケーション探しするなど苦労も多いですが、理想の場所を見つけたときの感動はひとしおです。
 
感動した瞬間としては、私はよく山の景色(特に朝陽雲海や、天の川雲海)を撮りにいきますが、ご存じの通り山の天候は変わりやすく、視界が数m程度になってしまうことはざらにあります。その日も山頂から紅葉と雲海と朝陽のコラボを撮るために夜中から登山していました。季節ものだけにチャンスは少ないため、霧で視界数m、小雨交じりの中、天気予報での回復を信じて登り続けました。
 
無事山頂に到着するも、視界は数mのまま何も見えない状態でしたが、朝陽まではだめでも待とうと我慢していました。
 
日の出前、絶望的な霧が一瞬にして晴れ、目の前にその時の理想としていた景色(真っ赤な紅葉、赤く染まった朝焼けの雲海)が現れた時など、絶望からの大逆転は最高に感動します。
 
それ以外では、ダルマ夕陽が撮りたくて、車で1時間以上かけて通いましたが、見えない下の雲に邪魔されて0勝13敗を記録しました。笑
 
14回目に見えた感動は今でも忘れません。

SONY α7R III / FE 50mm F1.8
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SONY α7R III / Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS
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SONY α7II / Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS
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SONY α7R III / SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN|Art
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SONY α7R III / Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS
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SONY α7R III / FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
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― 四国、中でも愛媛を中心に撮影されていらっしゃいますが、特に県外の方々に向けて四国や愛媛の魅力について教えてください。また、お気に入りやおすすめのスポットがあれば併せて教えてください。     
 
四国は、海、山と自然が豊かで、雲海やダルマ夕陽などの自然現象も多いです。また奇跡的な地形、気候条件で世界にここだけに発生する「肱川あらし」は圧巻の一言です。
 
また島国のため、撮影場所は人も少ないことが多く、撮影者同士がつがつしないでゆっくり絶景と向き合えることが魅力です。
 
個人的にお気に入りの場所は、家から比較的近いUFOラインを通る石鎚山系です。春は残雪やつつじ、夏は星空や涼を満喫、秋は紅葉に雲海、冬は霧氷や雪景色と四季を通して楽しめる上、そこに様々な奇跡的気象条件が入るので飽きることがないです。

SONY α7II/ Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS
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SONY α7R III / SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN|Art
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SONY α7R III / Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS
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SONY α7R III / Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS
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SONY α7R III / FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
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― アキラさんがメインで使っているカメラ・レンズについて、それぞれの機材を選ばれた経緯や用途、お気に入りの点について教えてください。
 
初めての一眼カメラは無知の状態で安さとかっこよさからOLYNPUSのEM-10のダブルレンズキットを購入しました。それからマクロレンズや望遠レンズの存在を知りいろいろ購入しましたが、より高いグレードが欲しくなり、1年経たずしてキャノンの70Dに変えました。まだまだ無知な状態でしたが、フルサイズという存在を知り、レンズをそろえていた関係で、キャノンのフルサイズを検討しましたが、よくしてもらっていたカメラショップ店長のおすすめのソニーα7iiにまた1年ほどで乗り換えました。その後、上位後継機のα7Riiiで現在落ち着いています。
 
αシリーズは当初レンズがほぼ純正のみで安価なサードパーティーレンズがなく、レンズラインナップが少ないことが欠点と考えていましたが、色乗りの好み、当時ピント合わせを液晶のズームで正確にできること、設定の撮影結果をファインダーで撮影前に見えること、5軸手振れ補正のすごさ、軽量であること、アダプターを使用すれば現状のキャノンのレンズも使用できるなどが加点となりレンズラインナップの減点を大きく上回った上、時代はミラーレスになると予想してアルファシリーズにしました。
 
そして今使用しているα7Riiiは、これまでの機能に加えて画素数4240万画素の美しさ、瞳AFの凄さ、高感度ISOでのノイズの少なさが気に入っている機種です。
 
レンズに関しては、当時はレンズ種も少なかったことからF4メイン(小三元)でそろえていましたが、だんだん明るいレンズの魅力にハマり、レンズも揃ってきたことから現状のレンズラインナップになりました。
 
レンズメーカーの使い分けですが、優先順は、明るい(開放値が低い)、軽い、安価を優先してそろえています。(こずかい制で、予算に限度があるため)
それぞれの特徴として、
 
SONY FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS SEL100400GM
 
少々高いが軽量で中~長距離と幅広い距離に使用できる。描写性はGMシリーズだけあって非の打ちどころなし。
 
TAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VXD (Model A056)
 
ナナニッパに比べて、距離は20mm減となるが、F2.8でこの軽さは、山など歩いて移動することが多いため重宝している。その割に安価である。ただ、タムロンの特徴として描写が柔らかく、風景というかポートレートや花など柔らかい写真を撮りたい人向けであり、個人的には以前使用していた
 
SONY FE 70-200mm F4 G OSS SEL70200Gの方がF4とはいえ、描写やAFの速さなどトータル的な性能は好みであった。もちろんそれ以上を求めるのであれば、重たくともFE 70-200mm F2.8 GM OSS SEL70200GMを購入すべき。使用したことがあるが、描写力は個人的に神だと思う。

SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN|Art
 
サードパーティーレンズとしては、最も買ってよかったと思える一本。レンズが重たくて、系が82mmと大きいことを除けば、安くて、純正に劣らないシグマらしいカリッとした写りでありながら適度な柔らかさを持つ。
 
SONY Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS SEL1635Z
 
αシリーズに乗り換えた際、最初に揃えたレンズの1本。軽さ、描写力、AFの速さなど満足できる。また周辺減光や広角特有の歪曲率も許容の範囲。中古市場も結構あふれているので、比較的安価で手に入れられる。
 
SAMYANG AF14mm F2.8 FE
 
メインとして星撮りに購入した超広角レンズ。前身レンズの14mm F2.8 ED AS IF UMCの価格に比べて倍以上するが、歪曲率、周辺減光の醜さが大幅に改善されている。
 
最初は16-35mm F2.8 の購入を検討していたが、天の川とリフレクションなど16mmで収められなかった記憶が大きいため、16-35mmは残して、こちらを購入した。ただ出目金レンズの為、フィルターが使用できない。
 
SONY FE 50mm F1.8 SEL50F18F
 
αシリーズ購入時に同時購入したいわゆる撒き餌レンズ。安価でF1.8と明るく描写力もそれなりにあり、現在もポートレートやホタル撮影に使用している。ただAFのスピードは多少ストレスを感じる。迷うことも多々あり。MF中心で撮るのであれば、問題ないと思う。

SONY α7R III / FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
出典:instagram

SONY α7R III / FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
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SONY α7R III / TAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VXD
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SONY α7R III / TAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VXD
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SONY α7R III / SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN|Art
出典:instagram

SONY α7R III / SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN|Art
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SIGMA α7R III / SAMYANG AF14mm F2.8 FE
出典:instagram

SONY α7R III / SAMYANG AF14mm F2.8 FE
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SONY α7R III / Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS
出典:instagram

SONY α7R III / Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS
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SONY α7R III / FE 50mm F1.8
出典:instagram

SONY α7R III / FE 50mm F1.8
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― 最後に、アキラさんのベストショットと、次に狙っているカメラやレンズ、今後の抱負があれば教えてください。
 
高知県中土佐町久礼のダルマ朝陽と毛嵐(2019.1撮影)

SONY α7R III / FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
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もともと煙好きな私にとって、毛嵐は冬に必ず撮りたい情景。ここは、久礼川から流れ出る寒水が太平洋の暖流と交わった時にできる毛嵐。
 
ただし、冬場毎日出るわけでなくここまで濃い毛嵐は厳しい条件が必要。また、毛嵐が朝焼けに染まるのは短時間の出来事。そこにもう一つ厳しい条件のダルマ朝陽が加わった当時個人的に奇跡の1枚。また、その情景のスケールを表す目安として小さく人が入っているのもお気に入りの部分です。
 
今後(予算の関係で笑)特に狙っているカメラやレンズはないですが、予算が許すのであれば、カメラはα1 ILCE-1、レンズは星撮影用にFE 14mm F1.8 GM SEL14F18GMが欲しいです。あと、カメラに含まれるかわかりませんが、ドローンの空撮もやってみたいと思っています。