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RICOH GR DIGITAL III

RICOH GR DIGITAL III

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RICOH GR DIGITAL IIIは、有効約1,000万画素の1/1.7型CCDと35mm判換算28mm相当・F1.9の単焦点GR LENSを搭載したコンパクトデジタルカメラです。前モデルGR DIGITAL IIの28mm F2.4からレンズを新設計してF1.9へ明るくするとともに、フルプレス スナップやシャッタースピード優先AEを搭載。ズームで画角を変えるのではなく、28mmというひとつの画角で素早く撮ることを重視したGR DIGITALシリーズの3代目です。

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著者: ONE SCENE 編集部

28mm単焦点をF1.9まで明るくした3代目GR DIGITAL

RICOH GR DIGITAL IIIは、2009年に発売されたGR DIGITALシリーズの3代目です。有効約1,000万画素の1/1.7型CCDと、35mm判換算28mm相当となる6.0mm F1.9の単焦点GR LENSを搭載しています。

このカメラを特徴づけているのは、画素数よりもレンズです。前モデルGR DIGITAL IIも35mm判換算28mm相当の単焦点でしたが、開放F値はF2.4。GR DIGITAL IIIではレンズを新設計し、画角を28mmのまま維持しながら開放F1.9まで明るくしました。

光学ズームはありません。広角にも望遠にも動かせない代わりに、28mmというひとつの画角と明るい単焦点レンズを小さなボディに組み合わせる。この割り切りがGR DIGITAL IIIの基本設計です。

F1.9は、ズームの代わりにレンズへ与えられた性能

GR DIGITAL IIIのレンズは6群8枚構成で、非球面レンズを2面2枚使用しています。最短撮影距離は通常撮影で約30cm、マクロではレンズ先端から約1cm。開放F値はF1.9です。

F1.9という明るさは、光量が少ない場面でシャッタースピードやISO感度の選択肢を広げます。GR DIGITAL IIIには光学式・撮像素子シフト式の手ブレ補正機構がないため、レンズそのものを明るくすることには撮影上の意味があります。

ただし、F1.9だから大きなボケを得やすいカメラだと単純に考えるのは適切ではありません。撮像素子は1/1.7型で、レンズも実焦点距離6.0mmです。F1.9の価値は、フルサイズ機の大口径レンズのような浅い被写界深度だけで考えるより、コンパクトな28mm単焦点機でより多くの光を取り込めることにあります。

そして後継のGR DIGITAL IVにも28mm相当F1.9という基本的なレンズ仕様は引き継がれました。GR DIGITAL IIIで行われたレンズの刷新が、この世代だけの一時的な変更ではなかったことも分かります。

シャッターを押し切れば、そのまま撮れる「フルプレス スナップ」

GR DIGITAL IIIの性格をレンズ以上によく表しているのが、「フルプレス スナップ」です。

通常はシャッターボタンを半押ししてAFを合わせ、その後に全押しして撮影します。フルプレス スナップでは、シャッターボタンを一気に押し込んだ場合、あらかじめ設定した距離で撮影できます。

つまり、カメラがピントを合わせるのを待つのではなく、撮影者が決めた距離へフォーカスを固定して、そのままシャッターを切ることができます。AFの高速化だけではなく、「AFそのものを待たずに撮る」という選択肢を用意しているわけです。

28mmという広角、スナップフォーカス、フルプレス スナップは相性のよい組み合わせです。画角と撮影距離をある程度決め、自分から被写体との距離を調整して撮る。GR DIGITAL IIIは、ズームで構図を整えてから撮るコンパクトカメラとは異なる撮り方を前提にしています。

小さくても、露出はカメラ任せにしなくていい

撮影モードにはプログラムシフトAE、絞り優先AE、シャッタースピード優先AE、マニュアル露出を備えています。ISO感度はISO 64、100、200、400、800、1600から設定できます。

GR DIGITAL IIIではシリーズで新たにシャッタースピード優先AEが加わりました。コンパクトカメラでありながら、絞りだけでなくシャッタースピードを撮影者側から決めて撮影できます。

RAW記録にも対応し、ファイル形式にはDNGを採用。JPEGだけで完結させるのではなく、撮影後の現像まで含めて写真を作ることもできます。

さらに電子水準器、AE/AFターゲット移動、Fnボタン、マイセッティングなど、撮影者が操作方法を組み立てるための機能も備えています。GR DIGITAL IIIは「小さいから操作を簡略化したカメラ」というより、一眼カメラで自分で設定を決めて撮る感覚を小型ボディへ持ち込んだ製品と見る方が、その設計を理解しやすいでしょう。

約188gのボディに28mmを固定する意味

本体のみの質量は約188g。外形寸法は108.6×59.8×25.5mmです。

このサイズで28mm相当の単焦点という構成には、明確なトレードオフがあります。ズームレンズのようにその場から画角を変えることはできません。遠くの被写体を大きく写したければ、自分が近づける状況でない限り対応できないカメラです。

一方で、焦点距離が変わらないため、使い続けるほど28mmでどこまで写るのかを予測しやすくなります。カメラを構える前から画角を意識し、自分が動いて被写体との距離を決める撮り方には、この制約そのものが操作の単純さにつながります。

GR DIGITAL IIIが向いているのは、1台で広角から望遠まで対応したい人というより、28mmという画角をひとつの撮影道具として使いたい人です。

GR DIGITAL IIから変わったのは、画素数ではなく撮るための仕組み

GR DIGITAL IIとIIIを比べると、画素数にはほとんど変化がありません。GR DIGITAL IIは有効約1,001万画素、GR DIGITAL IIIは有効約1,000万画素です。

一方、レンズは28mm相当F2.4から28mm相当F1.9へ変更。レンズ構成も5群6枚から6群8枚となり、撮像素子は1/1.75型から1/1.7型へ、画像処理エンジンはGR ENGINE IIからGR ENGINE IIIへ進化しました。マクロ時の最短撮影距離も約1.5cmから約1cmになっています。

さらにフルプレス スナップやシャッタースピード優先AEが加わりました。

この違いを見ると、GR DIGITAL IIIの世代交代は「1,000万画素を何万画素へ増やしたか」という進化ではなかったことが分かります。28mm単焦点というGR DIGITALの基本を変えず、レンズの明るさと撮影時のレスポンス、撮影者が介入できる操作系を磨いたモデルです。

手ブレ補正が必要ならGR DIGITAL IVとの違いは大きい

後継のGR DIGITAL IVも、有効約1,000万画素の1/1.7型CCDと28mm相当F1.9の単焦点レンズを採用しています。つまり、レンズとセンサーの基本的な数字だけを見るとGR DIGITAL IIIとの違いは大きくありません。

しかし、GR DIGITAL IVではシリーズで初めて撮像素子シフト方式の手ブレ補正を搭載。AFも外部AFセンサーを組み合わせたハイブリッドAFへ進化し、液晶モニターも約123万ドットになりました。

ここは中古でGR DIGITAL IIIを選ぶうえで重要です。GR DIGITAL IIIには手ブレ補正がなく、AFもCCD方式です。暗い場面でF1.9を利用できても、被写体が静止しているからといって手ブレを補正してくれるわけではありません。

同じ28mm F1.9のGR DIGITALを選ぶ場合でも、手ブレ補正やAF性能まで重視するならGR DIGITAL IVも比較対象になります。

「GR III」とは別のカメラ

中古で探すときに、もうひとつ注意したいのが製品名です。

GR DIGITAL IIIと、2019年に登場したRICOH GR IIIは別の製品です。GR DIGITAL IIIは1/1.7型CCDを搭載した2009年のモデルで、製品名にも「DIGITAL」が入ります。

後のGRシリーズでは撮像素子がAPS-Cサイズへ大型化されており、同じ「GR」「III」という名称が含まれていても、世代もカメラの構成も大きく異なります。

中古品を検索したり、バッテリーやアクセサリーを選んだりするときは、「GR DIGITAL III」まで含めて製品を確認することが重要です。

28mmで撮ることを楽しむための小さな撮影道具

GR DIGITAL IIIを選ぶ理由は、古いCCDカメラだからというだけではありません。1/1.7型CCDやISO 1600までという仕様には明確な世代差があり、手ブレ補正もWi-Fiもありません。

それでも、約188gのボディに28mm相当F1.9の単焦点レンズを搭載し、RAW、マニュアル露出、電子水準器、スナップフォーカス、フルプレス スナップまで備えるという構成には、このカメラ固有のまとまりがあります。

ズームで画角を選ぶのではなく28mmを使い、自分で距離と露出を決め、必要ならAFを待たずにシャッターを切る。GR DIGITAL IIIは、多機能さで撮影範囲を広げるというより、ひとつの画角で撮影者が素早く判断するために作られたコンパクトカメラです。

著者

ONE SCENE 編集部

ONE SCENE 編集部

カメラ・レンズの魅力や特徴を掘り下げ、スペックだけでは見えない個性や市場での評価まで丁寧に読み解くONE SCENE編集部。あなたに合った一台選びをお手伝いします。

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カテゴリコンパクトデジタルカメラ
メーカーRICOH
タイプハイエンド
マウントその他

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