Leica D-LUX8

Leicaの意匠が色濃くなった、シリーズ最新機種

Leica名義のコンパクトデジタルカメラといえば、基本的にはPanasonic製の機種がベースとなっており、前モデルであるD-LUX7もベースはLUMIX DC-LX100M2。Leicaを象徴する赤バッジを掲げてはいるものの、インターフェースがPanasonicのそれなので、性能はさておき、Leica独自のXシリーズやQシリーズのような、ライカたらしめる雰囲気はあまり感じられませんでした。

そんな中、およそ6年ぶりとなる新機種D-LUX8は、これまでとは打って変わってのLeica路線。丸みの強まったフォルムとダイヤモンドパターンのレザー外装は、M型ライカや同じコンデジのQシリーズを彷彿。機能性を持たせたボタン配置を辞めて、シンプルなインターフェースになっているのもLeicaらしさを強調しています。メニュー画面もSLシリーズやQシリーズと同じなので、より手軽なLeicaコンデジを扱いたいと買い求めた方にもおすすめです。

ボタンがシンプルになったことによる操作性は気になるところですが、実際、細かい設定のもとに撮影を行う一眼レフやミラーレス一眼においても、ほとんど触ることのないボタンは存在します。手軽な撮影がメインのコンデジであればなおさらで、ボディも小さいため、ボタンが多くても操作しきないことがしばしば。そういった面では、Leicaの最低限のボタン数に、長押し操作と背面液晶のタッチ操作でカバーする方式は直感的な操作に繋がり、コンデジには理にかなったインターフェースと言えそうです。

コンデジとしてちょうどいい王道規格

スペック上の数字だけでいえば前身のD-LUX７と同じなのですが、4/3型センサーはコンデジとしては大きめですし、有効画素数約1700万画素というのもセンサーサイズから考えると十分。センサー自体も高感度MOSからCMOSに変わっているので、D-LUX7とは異なる画作りが楽しめるでしょう。

サイズは、横幅こそフルサイズ規格のQ3と同じですが、高さと厚みはD-LUX8のほうがなく、特に、レンズの出っ張りが携帯性のネックとなっているQ3よりも常備しやすいカメラといえます。重量も約397で、Q3よりも1/3ほど軽量なので取り回しがしやすいです。

レンズの厚みがない沈胴式を採用していますが、往年の銘玉Elmar（エルマー）を彷彿させて好印象。焦点距離は35mm判換算で24-75mmというオーソドックスなもので使いやすく、f値もf1.7スタートと明るいので、大きめのセンサーと組み合わせてボケ味の効いた写真も楽しめます。マクロ機能付きで、最短3cmまで接近可能。コンデジらしいオールラウンドな1台にまとまっています。

ユーザーレビュー

■ ポジティブレビュー

• 想像よりも小さくて取り回しが良い
• Leicaを彷彿とさせる満足度の高いビジュアル
• 操作を迷わなくてすぐに使える
• 見劣りしない描写性能

携帯性の良さをピックアップする声が多数。Leicaらしい質感とビジュアルもそれに拍車を欠けます。光学の部分に大きな進化はありませんが、もともとポテンシャルの高いレンズなので十分満足度の高い撮影が楽しめるようです。

■ ネガティブレビュー

• レスポンスが少し遅め

全体的に挙動が若干遅めなようですが、速射性を重視する人でない限りはそこまでストレスはかからない模様。

まとめ

現在のコンデジシーンでは、X100VI、GRIII，Q3といった、本来であれば玄人好みする単焦点レンズを装備する機種のほうが選択肢が多く、もっと気軽で便利でなおかつ高性能といった、コンデジらしいオールラウンダーなカメラを求めている人には、D-LUX8の登場は朗報と言えるでしょう。決して安くはないですが、Q3に比べると約1/4の価格帯で手に入れられる破格のLeicaのカメラ。性能面のみならず、所有時の満足度も重要視している人は特におすすめです。