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RICOH GR DIGITAL

RICOH GR DIGITAL

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2005/10/21発売

RICOH GR DIGITALは、有効約813万画素の1/1.8型CCDと35mm判換算28mm相当・F2.4の単焦点GR LENSを搭載し、2005年に登場した初代デジタルGRです。フィルム時代のGRが重視してきた28mm単焦点、高画質と携帯性、撮影者が自分で設定を操れる操作性をデジタルへ受け継ぎ、その後のGR DIGITALシリーズにつながる基本形を作りました。

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著者: ONE SCENE 編集部

フィルムGRの思想を、デジタルで作り直した最初のGR

RICOH GR DIGITALは、2005年に発売されたGRシリーズ初のデジタルカメラです。有効約813万画素の1/1.8型CCDと、35mm判換算28mm相当となる5.9mm F2.4の単焦点GR LENSを搭載しています。

GRの歴史は、1996年に発売されたフィルムカメラ「GR1」から始まります。GR1は28mm F2.8の単焦点レンズを小型ボディに組み合わせ、撮影者が意図を反映できる絞り優先AEなども備えたカメラでした。その後GR1s、GR21、GR1vへとシリーズが展開されます。

その考え方をデジタルカメラとして再構成したのがGR DIGITALです。フィルムからCCDへ変わっても、便利なズームレンズへ移行するのではなく、28mm単焦点を選択。ボディも厚さ約25mm、質量約170gという小型軽量な設計にまとめられました。

その後のGRはセンサーサイズもレンズも大きく変化していきます。しかし「小さなボディに広角単焦点レンズを組み合わせ、いつでも持ち歩いて撮る」という基本は残りました。GR DIGITALは、デジタル時代のGRがどこから始まったのかを最も直接的に示す一台です。

デジタルになっても、レンズは28mm単焦点

GR DIGITALのレンズは5群6枚構成の5.9mm F2.4。35mm判換算では28mm相当です。特殊低分散レンズ1枚とガラスモールド非球面レンズ2枚を使用し、7枚羽根の絞りを採用しています。

光学ズームは搭載していません。28mmというひとつの画角を基本に、撮影者自身が動いて被写体との距離を決めます。

これはフィルムGRから受け継がれた重要な考え方です。GR1も28mm単焦点でしたが、GR DIGITALではデジタルカメラ用として新たに5.9mm F2.4のGR LENSを開発しています。

さらに、通常撮影ではレンズ先端から約30cm、マクロでは約1.5cmまで近づくことができます。広角で周囲の空間を取り込むだけでなく、自分から被写体へ近づいて画面を作ることもできるレンズです。

1/1.8型CCDと、初代GR ENGINE

撮像素子には有効約813万画素の1/1.8型原色CCDを搭載しています。最大記録サイズは3,264×2,448ピクセルで、ISO感度はISO 64〜1600に対応します。

画像処理エンジンには、このモデルのために開発された「GR ENGINE」を採用しました。後継のGR DIGITAL IIではGR ENGINE II、IIIではGR ENGINE IIIへと進化していくため、ここがGR ENGINEの出発点でもあります。

JPEGだけでなくDNG形式のRAW記録にも対応しています。RAWではJPEGのFine画像も同時記録される仕様です。

ただし、RAW撮影には世代相応の制約があります。ISO 1600はRAWでは使用できず、連写やオートブラケットなど一部の機能も利用できません。現行機と同じ感覚でRAWを扱えるわけではない点は、古いGR DIGITALを選ぶ際に確認しておきたいところです。

小さなボディでも、露出は自分で決められる

GR DIGITALにはプログラムシフト、絞り優先、マニュアル露出が用意されています。

ボディには前面と背面の2つのダイヤルを備え、マニュアル露出では前面側で絞り、背面側でシャッタースピードを操作できます。小型のコンパクトカメラだからといって、撮影設定までカメラ任せにする設計ではありません。

フォーカスもAFだけでなく、マニュアルフォーカス、スナップ、∞を選択できます。スナップではあらかじめ決められた距離へピントを合わせ、AFを使わずに撮影することができます。

後のGR DIGITAL IIIで登場するフルプレススナップのような機能はまだありません。それでも初代の時点から、AFだけに頼らず距離を決めて撮るという選択肢が用意されていました。

28mm単焦点を搭載するだけでなく、その画角を撮影者自身がコントロールして使うための操作系まで用意する。この部分も、後のGRへつながっていきます。

2.5型液晶だけでなく、外部ファインダーでも撮れる

背面には2.5型・約21万画素の液晶モニターを搭載しています。撮影時にはヒストグラムやグリッドガイドも表示でき、構図や露出を確認しながら撮影できます。

一方、ボディ上部にはホットシューを備え、別売の外部光学ファインダー「GV-1」にも対応しています。GV-1には28mm相当と21mm相当のフレームが用意されていました。

外部ファインダーを使う場合には液晶表示を消して撮影することもできます。機能拡張ファームウェアでは、液晶を消した状態でもダイヤル操作時だけ設定情報を数秒間表示する機能が追加されました。

背面液晶だけで完結させるのではなく、必要なら光学ファインダーを付け、自分に合った撮影方法を選ぶ。デジタルカメラでありながら、撮影道具として組み立てられる余地を残していたのも初代GR DIGITALの特徴です。

発売後もファームウェアでカメラを育てた

初代GR DIGITALをシリーズの出発点として見るうえで、もうひとつ重要なのが機能拡張ファームウェアです。

リコーはGR DIGITAL発売後もファームウェアによって機能を追加し続けました。外部ファインダー使用時に便利な表示機能、フラッシュ調光補正、テレコンバージョンレンズへの対応など、発売時にはなかった機能も追加されています。

これは単に不具合を修正するためのアップデートとは少し意味が異なります。リコー自身も現在のGRシリーズ史で、GR DIGITALについて「機能拡張ファームウェアにより、発売後もユーザーとともに進化するスタイルを確立した」と振り返っています。

後のGRでも、発売後のファームウェアによって撮影機能やカスタマイズ性を拡張する考え方は続いています。GR DIGITALは、ハードウェアだけでなく「買った後もカメラを育てる」というGRシリーズの文化を作ったモデルでもあります。

GR DIGITAL IIで変わったのは、28mmそのものではない

2007年に登場した後継のGR DIGITAL IIも、28mm相当F2.4の単焦点レンズを搭載しています。初代からIIへの進化では、GRの中心となる画角やレンズの明るさを大きく変更しませんでした。

一方、撮像素子は初代の有効約813万画素・1/1.8型CCDから、有効約1,001万画素・1/1.75型CCDへ変更。画像処理エンジンもGR ENGINE IIへ進化しました。

さらにIIでは、電子水準器、1:1フォーマット、ユーザー設定をモードダイヤルから呼び出せるマイセッティングなどが追加されています。

つまり初代GR DIGITALでまず確立されたのは、28mm単焦点、小型ボディ、RAW、撮影者が設定を操れる操作系といったデジタルGRの土台でした。IIではその土台を残しながら、撮影者がより使い込める方向へ機能を発展させています。

現行GRとは大きく違う。それでも基本思想は見つけられる

GR DIGITALを後のGRと比べれば、スペックには大きな隔たりがあります。

センサーは1/1.8型CCDで有効約813万画素。手ブレ補正やWi-Fi、Bluetoothはなく、背面モニターも2.5型約21万画素です。SDHCカードにも対応せず、公式対応するSDカードは最大1GBまでとなっています。

一方で、28mm単焦点、約25mmの薄いボディ、DNG RAW、絞り優先やマニュアル露出、スナップフォーカス、外部ファインダーへの対応など、この時点ですでに後のGRへつながる要素が数多く存在します。

特に重要なのは、それらが単独のスペックとして存在するのではなく、「持ち歩ける小さなカメラを、撮影者自身の意思で素早く使う」というひとつの方向を向いていることです。

デジタルGRの原点を選ぶ

GR DIGITALを中古で選ぶとき、現行のGRと性能を競わせる必要はありません。センサーサイズ、画素数、高感度性能、AF、手ブレ補正などを基準にすれば、20年以上の世代差があります。

このカメラに残っているのは、デジタルGRが最初に何を大切にしたのかという基本形です。

28mm相当F2.4の単焦点レンズ、有効約813万画素のCCD、厚さ約25mm・約170gのボディ。そして絞り優先やマニュアル露出、スナップフォーカス、DNG RAW、外部ファインダーまで用意する構成。

さらに発売後もファームウェアで機能を増やし、ひとつのカメラを長く使いながら成熟させるという考え方も、この初代から始まりました。

フィルムGRから受け継いだ「小さなボディに広角単焦点」という構成をデジタルへ移し、その後のGR DIGITAL II、III、IV、そしてAPS-C世代のGRへつながる出発点を作る。RICOH GR DIGITALは、初代デジタルGRだから古いのではなく、GRがデジタルになったときに何を残したのかが分かる一台です。

著者

ONE SCENE 編集部

ONE SCENE 編集部

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カテゴリコンパクトデジタルカメラ
メーカーRICOH
タイプハイエンド
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