SIGMA 16-300mm F3.5-6.7 DC OS｜Contemporary [ライカL用]

APS-C機の可能性を広げてくれるオールマイティレンズ

かつてに比べて価格が安価になり、選択できる機種も多くなったことでフルサイズセンサー搭載機が主流となっても、カジュアルにカメラを楽しみたい層には重要な選択肢となっているAPS-C機。そして、限られた予算の中でカメラ一台、レンズ一本であらゆる撮影に挑める“便利ズーム”の存在も見逃すことができません。

ただ、便利ズームはカバーできるレンジが広いぶん描写性能が凡庸であったり、近接撮影性能があまりなくて、それまでスマートフォンで撮影していたようなことができなくて結局使わなくなるなんてデメリットもしばしばあったりもします。

16-300mm F3.5-6.7 DC OS｜Contemporary は、35mm判換算24-450mmという他にはない広大な画角をカバーするだけでなく、SIGMAレンズらしい高精細な描写性能も持ち合わせています。14群20枚というレンズ構成のうち、FLDガラス1枚、SLDガラス4枚、非球面レンズ4枚と半分近くに特殊レンズを使用するという豪華設計。便利ズームでは甘くなりやすい望遠端の写りもしっかりカバーされています。同じくウィークポイントになりがちなフレアや逆光耐性も高く、撮影環境に影響を受けにくいのも特徴です。

テレ端450mmという望遠性能だけでなく、近接撮影性能に優れているのも特筆ポイント。全域で比較的寄ることができるのですが、70mmではハーフマクロまで拡大することが可能。設定されている焦点距離以上にカバー力のあるレンズといえます。

カバーの広さを安定させるべく、レンズ内手ぶれ補正も搭載されているという手厚さ。ワイド端で6段、テレ端で4.5段の補正性能があるので、手持ちのまま全焦点距離での撮影を楽しむことができます。

ハンドリングの良いレンズ仕様

ハーフマクロから450mm相当までカバーするレンズでありながら、全長123.4mm（収納時）、重さも約615gと比較的コンパクトにまとめられており、常用レンズとして使用するにも充分なボリュームといえます。

ズームすると鏡筒が伸びてしまうのは高倍率ズームレンズとして致し方ない部分ですが、レンズ自体があまり重くないのと、伸びた状態も考慮した重量バランスがとられているため、トップヘビーな感覚はかなり抑えられています。

手ぶれ補正に加えて、防塵防滴性能、撥水防汚コートも施されているので、環境に左右されることなく様々な撮影に挑むことができます。フィルター径は67mmと程よいサイズなので、フィルターワークも取り入れやすいでしょう。

ユーザーレビュー

■ ポジティブレビュー

• 高品質で所有したときの満足度は高い
• この倍率で他の高倍率ズームレンズと同等のサイズ感。細身なぶん携帯性は高い
• AF動作が早く、望遠端での動作も良好
• 逆光、フレア、ゴーストへの耐性は非常に高く、コントラストの効いた写真が撮りやすい

SIGMAレンズらしい質感の良い仕上がりと描写力の高さに良い評価が集まっています。特に逆行などの耐性に優れていることへの評価が高く、描写性能の良さにも直結しています。

■ ネガティブレビュー

• ボタンが少し突き出ているので、バッグからの出し入れで誤操作が起こりやすい
• ボケ味には期待できない
• クローズアップは便利だが、被写体が影になりやすい
• 望遠端の描写はやっぱり少し甘め

特殊レンズを使用していることや高倍率がボケ味に多少影響している模様。望遠端の描写の甘さが指摘されていますが、中央の描写は優れ、被写体との距離でも結果は異なるようです。

まとめ

広角〜超望遠域、そしてマクロ撮影まで楽しめるオールインワンな1本といった16-300mm F3.5-6.7 DC OS｜Contemporary。常用レンズとして使用するのはもちろん、汎用性と携帯性から旅行のお供として買い足して損はないレンズといえるでしょう。