HOMEストーリーいつか大切な人と見返せるように。 “何気ない”を写真というカタチに残していく

いつか大切な人と見返せるように。 “何気ない”を写真というカタチに残していく

看護師として働くかたわら、何気無い日常の風景をデジタル/フィルムを通じて写真に残されているkazumaさん。kazumaさんの優しい人柄がそのまま表れる写真は、見ている側にまで穏やかで優しい気持ちが伝わってくるように感じます。そんなkazumaさんが、どんな瞬間に魅力を感じ、どんな想いでシャッターを切っているのかを知りたくて、お話を伺いました。

kazuma
created: 2020.05.22 / update: 2020.07.15
@kazuma27902665より
出典:instagram

PENTAX 67 / SMC PENTAX67 105mmF2.4
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Nikon F3 / AI Nikkor 50mm f/1.4S
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PENTAX 67 / SMC PENTAX67 105mmF2.4
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PENTAX 67 / SMC PENTAX67 105mmF2.4
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PENTAX 67II / SMC PENTAX67 105mmF2.4
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― はじめにkazumaさんが写真を始めたきっかけや、写真にのめり込んでいった経緯について教えてください。
 
初めて、カメラを購入したのは高校1年生の時でした。
 
購入したのは、PENTAXの小さなミラーレスカメラ。不満なく毎日楽しく使っていたんですが、親戚の人が持っていた一眼レフに触れてから、「ファインダーを覗いて写真を撮りたい。」と思うようになり、Nikonの一眼レフD5300に乗り換えました。乗り換えた後は、オールドレンズを中心に写真を撮り始めました。
 
写真にのめり込んだのは、このカメラの購入とオールドレンズの使用からです。その後、祖父の自宅からフィルムカメラのOLYMPUS PEN EE-2を発見。デジタルとの併用で、遊び半分で使用していましたが、現像するまで結果がわからないドキドキ感やフィルム独特の優しい雰囲気・色合いに惚れ、同時にフィルムにものめり込んでいきました。

Nikon D5300 / Super Takumar 55mmF1.8
出典:instagram

Nikon D5300 / Super Takumar 55mmF1.8
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Nikon D5300 / Super Takumar 55mmF1.8
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― 澄んだ光に心地よい色合いに、笑顔。kazumaさんの写真を見ていると、こちら側にも清々しく幸せな気持ちが伝わってきます。どんな瞬間にどんなことを感じてシャッターを切っていらっしゃいますか?
 
僕は、「あっ、何か良い。」や「面白い。」といったように自分の気持ちが動いた時、感動した時にシャッターを切ってます。
 
写真を始めてから、雲の形とか木漏れ日、道端に咲いている花など、今まで何とも思わなかった瞬間に目が止まるようになりました。目が止まる=心が動いた瞬間かなとも思っています。
 
これは、スナップ写真だけではなく、人をとる時にも同じような気持ちで撮ってます。なので、よく周りの人から「何でそんなん撮ってるの?」「その写真必要?」と言われてしまいますが、自分の気持ちに素直にシャッターを切っていきたいですね。

PENTAX 67II / SMC PENTAX67 105mmF2.4
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PENTAX 67 / SMC PENTAX67 105mmF2.4
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PENTAX 67 / SMC PENTAX67 105mmF2.4
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PENTAX 67 / SMC PENTAX67 105mmF2.4
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Nikon FE2 / AI Nikkor 35mm f/1.4S
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PENTAX 67 / SMC PENTAX67 105mmF2.4
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― kazumaさんの何気ない日常風景の写真もとても好きです。日常が素晴らしい景色に溢れていることに気づかされます。何気無い日常をこんな風に残せたらと思う方は多いと思います。先ほどの質問とも重なるのですが、スナップ写真を撮る際に心がけていることを教えてください。
 
何気ない日常=自然体だと思います。なので、ありのままを切り撮ることを意識しています。
 
撮るためにわざわざ部屋を掃除したり、おめかししたりしてしまうとそれは自然体ではなく、作り込まれた作品になってしまいます。また、シャッターを押すときも自分も被写体も自然体がいいので、指示とかはほとんど出したりせずパパッと撮るようにしています。そうすることで、その場の雰囲気や温度、匂いといった写真には写らない部分も写真に閉じ込められるのではないかと思います。
 
また、何気無い日常は、毎日当たり前に自分たちの側にあるから中々気づかないですが、特別であり、自分の中の心地いい瞬間(場所)とも思います。そんな特別であり、心地いい瞬間(場所)を当たり前と思わず、これからもずっと続いて欲しいと思いながら写真を撮っています。
 
そして、何気無い日常を写真という「カタチ」で残すことで、数年後・数十年後に大切な人と共に、見返せたらなと思います。

PENTAX 67 / SMC PENTAX67 105mmF2.4
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PENTAX 67II / SMC PENTAX67 105mmF2.4
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PENTAX 67II / SMC PENTAX67 105mmF2.4
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PENTAX 67II / SMC PENTAX67 105mmF2.4
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Nikon F3 / AI Nikkor 50mm f/1.4S
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PENTAX 67II / SMC PENTAX67 105mmF2.4
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― 続いて色合いについて教えてください。フィルムはラボさんに依頼されていらっしゃいますが、オーダー時に指定されていることはありますか?また、デジタル写真にもフィルムの質感を感じます。フィルムは光を捉える力が強いので、デジタルで再現するのは難しいと思いますが、現像に際して心がけていることや工夫していることはありますか?
 
フィルムの現像は、京都府の「Photolabo hibi」さんと山口県の「山本写真機店」さんの2ヶ所のラボに依頼しています。オーダー指定は、撮った写真によっていろいろ変わりますが、基本的にはラボのお任せでオーダーをしています。
 
デジタル写真は、フィルム写真の雰囲気や質感を再現しようと編集しているので、フィルムの質感を感じてもらえてとても嬉しいです。写真の編集は、PCでLightroomを使用して編集しています。完全な独学なので、感覚で編集しています(笑)。
 
現像では、写真が不自然にならないように心がけていて、特に、空の色や人の肌は注意して編集をしています。また、フィルム独特の質感を再現するために、わざと粒子を乗せています。
 
僕は、「Theデジタル写真」というパキッとした写真が好みではないため、透明感や優しい雰囲気などを出せるように試行錯誤しています。中々、思うように編集するのは難しいですが、自分の好みの色に仕上げていけるのは、デジタル写真ならではの楽しみであり、個性を出せる部分の一つだと思います。

PENTAX 67 / SMC PENTAX67 105mmF2.4
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PENTAX 67II / SMC PENTAX67 105mmF2.4
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Nikon FE2 / AI Nikkor 35mm f/1.4S
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FUJIFILM X-Pro3 / AI Nikkor 35mm f1.4/S
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FUJIFILM X-Pro3 / XF23mmF2 R WR
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FUJIFILM X-Pro3 / XF35mmF1.4 R
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― 機材について教えてください。フィルムカメラからデジタルカメラまで幅広く使っていらっしゃいますが、使い分けや今のカメラ・レンズに至るまでの経緯について教えてください。
 
デジタルカメラは、FUJIFILM X-Pro3をメイン機で使用しています。レンズは、XF35mm F1.4 RとXF23mmF2 R WRの2本を使用中です。
 
以前は、SONY α7IIIにSEL50F14Zを付けて使用していました。AFの速さ、フルサイズならではの画質の良さ、ボケ感、レンズもさすがのPlanarで、写りも最高でした。しかし、重たすぎて持ち運びがしんどい点が不満でした。そして、段々と持ち出すのが億劫になり、旅行や撮影日などにしか使用しなくなってしまいました。
 
「もっと手軽に撮りたい」「ふらっと持ち出したい」と思っていたところで、X-Pro3に出会いました。しかし。価格が20万円超え、フルサイズからAPS-Cへの乗り換え(フルサイズ=良い写真というわけではないですが)など色々考え、購入にはかなり迷いました。
 
買い換えて言えることは、「買ってよかった」です。決して、SONYのカメラが悪いわけではありませんが、X-Pro3は今の自分の撮影スタイルにとてもマッチしており、何より軽いのが魅力的で、写真を撮ることが楽しくて仕方ないです。また、隠しモニターや素通しファインダー、フィルムシミュレーションなど、どこかフィルムカメラを感じることのできる仕様も気に入っている点です。 旅行やちょっとしたお出かけなど、色々な場面で連れ出しています。

FUJIFILM X-Pro3 / XF35mmF1.4 R
出典:instagram

FUJIFILM X-Pro3 / XF23mmF2 R WR
出典:instagram

FUJIFILM X-Pro3 / XF23mmF2 R WR
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フィルムカメラは、PENTAX 67II / CONTAX T2を使用しています。
 
PENTAX 67IIは、好きな写真を撮る方が使用されており、存在を知りました。初めて購入したのは、後期型のPENTAX67(絞り優先非搭載)で、大学2年生の時。使用レンズはSMC PENTAX67 105mmF2.4の一本のみです。初めての中判カメラの圧倒的な描写を見たときは、感動しまくりでした。一気にPENTAX 67の虜になってしまいました。
 
その後、どうしても絞り優先機能が搭載されたPENTAX 67IIが欲しくて欲しくて、社会人になっての初任給でやっとの思いで買い換えました。手元に届いたときは、あまりの嬉しさに泣いてしました(笑)。それぐらい思入れのある大好きなカメラです。
 
かなり大きく重量級のカメラなので、ふらっと持ち出すのはかなり勇気が必要です。(笑)その、重さや大きさも好きなところの一つですが... そのため、ふらっと散歩などに持ち出すことは少ないですが、大事な撮影や旅行などには必ず連れていく一台です。最高の写真を残してくれます。
 
CONTAXT2は、ちょっとした時にふらっと持ち出せるコンパクトフィルムカメラが欲しく探していた時に見つけた一台です。色々探していると、コンパクトフィルムカメラもかなりの種類があり値段もピンキリでした。当時、学生でお金もなかったですが、T2の見た目、写りに惚れてしまい購入。しかし、まさかのAF初期不良がありピントの中抜けを量産。泣きそうになりながら、CONTAXカメラの修理で有名な諏訪カメラサービスに修理を依頼したのも今では、良い思い出です。
 
ポケットに入るサイズなので、日常使い〜旅行など幅広く使っている一台です。日付を印字して撮れるので、特に日常写真を撮る時に使っています。

PENTAX 67II / SMC PENTAX67 105mmF2.4
出典:instagram

PENTAX 67II / SMC PENTAX67 105mmF2.4
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CONTAX T2
出典:instagram

CONTAX T2
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― デジタルはFUJIFILM X-Pro3、フィルムはPENTAX 67II、CONTAX T2をメインで使っていらっしゃいますが、それぞれの好きな点・魅力について教えてください。
 
[FUJIFILM X-Pro3]
まずは、見た目が大好きです。スタイリッシュな外観に高強度のチタンボディ。最高です。僕は、さらに高強度な「DR(デュラテクト)」を選択しました。また、ボディ素材にチタンを採用した理由として、「長く愛好してもらうため。」というFUJIFILM社の考えも好きです。
 
コンパクトであり、連れ出しやすい点も好きです。一日持っていても苦にならず、撮るいう行為にすごく溶け込んでくれるなと感じます。また、富士フィルムの色の再現もとても好きですね。
 
PCでLightroomを使用して編集していますが、自分の好きな色に仕上げやすく感じます。センサーはAPS-Cですが、出来上がる絵には満足しています。
 
X-Pro3から、新たに搭載された「Hidden LCD」(背面モニターを内側に格納するスタイル)も魅力の一つと思います。今までの自分の撮影スタイルを振り返ってみると「撮ったらすぐにモニター確認」といった感じでした。しかし、モニターがすぐに見えないことで、より「写真を撮る行為」に集中できます。X-Pro3は、フィルムカメラを感じさせるカメラなので、使っていて本当に楽しく「写真を撮る」ことがより好きになりました。「X-Pro3は、進化でもなく退化でもなく原点回帰です。」と、開発担当の上野さんも仰っていましたが、まさにその通りだと思います。他のカメラと比べると、かなり尖っており、不便だと感じる方もおられるとは思いますが、自分は大好きなカメラであり、おすすめしたい一台です。

FUJIFILM X-Pro3の外観
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[PENTAX 67II]
中判カメラ・67サイズならではの圧倒的な立体感・描写が魅力です。ファインダー越しに見える世界にすらうっとりしてしまいます。PENTAX67は、その化物級の大きさから通称バケペンと呼ばれていますが、そのサイズ感が僕は大好きです。あのメカメカしい外観や木製グリップ、クイックフォーカスリングなど自分が使いやすいようにドレスアップできる点も魅力ですね。
 
撮れる写真は、たった10枚のみ。フィルム代や現像代を入れると、ワンシャッター約300円もかかってしまいます。10枚という限られた枚数やコストを考えると、今でもシャッターを切るのは緊張します。この、緊張感も魅力の一つだと思います。今後も、長く使っていきたい一台です。

PENTAX 67IIの外観
出典:instagram

[CONTAX T2]
見た目のかっこよさ、コンパクトさ、写りなど好きなところが沢山あります。T2のレンズは、Carl Zeiss Sonnar 38mm f2.8。現像が返ってくるたびに思いますが、コンパクトフィルムカメラとは思えないほどよく写ります。コンパクトで、ポケットに入る大きさであるため、いつでも持ち運べ、AFもあるため「あっ!良い!!」と思った時にすぐに撮れます。
 
機動性が高い点も魅力的です。また、日付や時間などを写真に印字できるのもとても魅力的ですね。(データバックが必要)日付が印字された写真を見返して、「クリスマスの日の写真だ!」とか「この日喧嘩したよね。」と一緒に振り返ったりと、思い出がグッと深くなります。これからも、大切な日々をT2で撮っていけたらなと思います。

CONTAX T2の外観
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― 最後に、kazumaさんのベストショットと、次に狙っているカメラやレンズ、今後の抱負があれば教えてください。
 
ベストショットいうより、思入れのある好きな写真を選びました。

Autoboy S2
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ピントも合っておらず、フラッシュも焚いてしまった写真ですがお気に入りの写真ですね。
写真にも印字されていますが、撮影したのはクリスマスの12月25日。エスカレータの鏡にたまたま二人が映り、普段撮る側の僕も彼女と一緒に写真に入れる記念と思い一枚撮りました。
 
室内のため暗くフラッシュは強制的に発光してしまい、ピントも合っていませんが、それでも分かる彼女の満面の笑顔。また、彼女との関係性が分かる二人の距離感。なんでもない一枚ですが、お気に入りの一枚です。
 
次に狙っているカメラは、MAMIYA7IIとHASSELBLAD500C/Mです。狙っているというより、使ってみたいカメラですね。特に、HASSELBLADは6×6の比率であり、ウエストレベルファインダーでもあるため、今までとは少し違う視点で写真を撮れるのではないかというのも使ってみたい理由です。二台ともかなりの高額なので、触れることができるのはかなり先になりそうですが...笑
 
今後も、写真は大好きなので撮り続けていくと思います。いつになるか分かりませんが、自分が撮った写真を一つの「カタチ」として残すことのできる、写真集を作りたいですね。また、長い間、写真を撮ってきましたが、家族全員で写った集合写真をまだ一枚も撮ったことがありません。父は単身赴任であり、自分も職場の関係で実家を離れて一人暮らしをしているため、家族が離れ離れの状況ですが、みんなが集まれる時に、三脚を立てて自分のカメラで集合写真を撮るのが目標です。これからも、自分の「好きな写真」を大切にしつつ、楽しんでいきたいと思います。