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自分の心の動くままに。 移りゆく娘の表情や佇まいを美しく残していきたい
フィルム写真を中心に娘さんとの日々を残されているLYRIPAPAさん。LYRIPAPAさんの写真を眺めていると、日々成長する娘さんの今を一枚一枚大切に残されようとする想いがひしひしと伝わってきます。そんなLYRIPAPAさんがどんな思いで写真に向き合いシャッターを切っているのかを知りたくて、お話を伺いました。
著者: LYRIPAPA | 作成日: 2021/02/16 | 更新日: 2023/01/28
― はじめにLYRIPAPAさんが写真を始めたきっかけや、写真にのめり込んでいった経緯について教えてください。
写真を日常的に撮り始めるようになったのは娘が生まれてからです。それまでも仕事で一眼レフを使っていましたが、我が子の成長をしっかりと記録していこうと意気込んで自分用の一眼レフを買い、とにかく娘の顔ばかりたくさん撮っていました。
娘が3歳の頃から、私は仕事の関係で遠く離れた2拠点での生活を始めたため、家族と過ごせるのは週末だけになりました。その頃からでしょうか、ちょっとした寂しさ紛れに娘や姪っ子の写真をSNSにあげる習慣がつきました。
そして、もっといい感じで撮りたいなと単焦点レンズを買ったことが、写真にのめり込むきっかけだったように思います。背景がぼけて娘たちのかわいさが浮き上がるような仕上がりに魅せられたのでしょう。その時しかない表情や佇まいを美しくきれいに撮りたいという気持ちが沸き上がり、そこからカメラを手にする頻度は急上昇しました。その後も猫たちを飼い始めたことで被写体が増え、さらには身近にある花から出かけた先の風景まで、心が動いたものをカメラできれいに切り取ることが楽しくなっていきました。
― LYRIPAPAさんの写真からは、娘さんとの日常や日々成長する娘さんの今を大切に残していこうという思いを強く感じます。また、成長に応じて可愛らしさが溢れる写真から、少しずつ凛とした美しさを持つ写真に変わってきているように感じます。LYRIPAPAさんはどんな思いで、どんな瞬間を残されようとしてシャッターを切っていらっしゃいますか。
そのような視点で写真をみて頂けてとても嬉しく、ありがたいです。先ほども言いましたように娘の表情や佇まいを美しくきれいに残したいという想いが以前からあります。日常であったり出かけ先だったり、私が撮りたいと思ったその時の感情のままに、時には無理を言いながらもその姿を切り取ってきました。こんな父のわがままぶりは限りなく迷惑に近いありがた迷惑でしょう。でも写真好きな父が撮れないのはちょっとかわいそうかなと思っている節もあり、大きくなった今でも撮らせてくれます(嬉泣)。いつも感謝しきれません。
成長につれて凛とした印象に写真が変わってきているのは、娘自身がそういう雰囲気を自然に出すようになったからでしょうか。私の好みでそういう写真を投稿しているのもあるかもしれません。一昨年に娘と猫をテーマにした小さな写真展を開いたのですが、その時以来、撮られる時の娘の意識が少し変わってきた気もします。理解したのかもしれません、薄くはにかんだり儚い雰囲気を出したりする方が自分らしいのかなと。でも実際のところは、つまらなくて無表情にしているだけなのかもしれませんが(苦笑)。
― 先ほどの質問とやや重複するのですが、その時の風景や光も含めて一緒に残されようという意思を感じます。周りの風景などの構図に対してのこだわりや意識されていることについて教えてください。
撮りたいと思う場面にきれいな風景、良い光があるときは、それを最大限に取り入れて印象的な写真にできればと思っています。ですが、特にこだわりや意識を常に持っているわけではなく、その場で沸いたイメージや直感に頼った画作りをしているというのが正直なところです。角度や構図を変えたり縦位置にしたり、光や風景が被写体へ情緒的に絡むように細かく自分が動いたりもしますが、正直娘や猫たちはこちらの意のままではいられないので、こだわりすぎずにシャッターを切ってその時々の瞬間を逃さないようにしています。
― LYRIPAPAさんはデジタルとフィルム、両方を使っていらっしゃいますが、それぞれどのように使い分けていらっしゃいますか。また、デジタルが主流の時代において手間のかかるフィルムをあえて使われる理由についても教えてください。
私はデジタルもフィルムも両方とも撮りたい欲張り派なのですが、最近はフィルムを使う頻度が多くなっています。娘や猫の雰囲気を表現するにはフィルムの質感や柔らかさの方がしっくりくるかなというのが理由ですが、もう一つの理由は、手間かなと思います。
個人的には、デジタルの場合、撮るときは快適なのですが撮った後にはどうしても手間がかってしまいます。サクサクとたくさん撮った中からのセレクトにまず時間がかかり、RAW現像では自分のイメージに向かう途中で色々と凝ってしまうので、気付いたら何時間もということが多く、忙しい時にはなかなかその時間が確保できないというのがあります。
一方のフィルムも確かにおっしゃる通りで手間がかかるのですが、デジタルと違い、撮った後がラボさん任せで気楽です。写真の出来上がりをワクワク待つ時間を経ることで、上手く撮れた写真を見た時の感激がひときわ大きくなる感じがします。最近値上がりが続くフィルムをなるべく安いお店で仕入れ、巻き上げに失敗しないように気を付けてカメラに装填し、露出を慎重に合わせ、枚数制限があるので一枚一枚大事に撮って、ラボさんに好みの仕上がりでオーダーして…と数々の気遣いや手間があります。でも返ってきた写真を見るとこれらの手間さえも愛おしく感じ、その時の空気や声などがより鮮明に思い出される写真になっているような気がします。コストはかかるのですがそれに見合う以上の体験が得られているので、フィルムライフ最高じゃないかと自己満足に浸っています。
それでも、時間の余裕がある時はやはりデジタルを手に取りますし、写真のRAW現像やレタッチも楽しんでいます。また、夜や暗い室内での撮影、花火や動きの瞬間を切り取りたい時などはフィルムよりも圧倒的に撮りやすいデジタルを使っています。
― 続いて色合いについて教えてください。LYRIPAPAさんの写真は青色や緑色、また光の捉え方が印象的で、どこか記憶の中の光景が色濃く残ったような感覚を覚えます。色合いなどの写真表現において心がけていることについて教えてください。また、お気に入りのフィルムがあれば教えてください。
フィルムの場合、色合いを含めて、コントラストや彩度などほとんどラボさんにお任せしているのですが、使うフィルムそれぞれに特性があるので、それを生かすようにお願いすることがあります。特にFujifilmのPro400Hは、初めて使った時に味わった優しい青の色味が心に刺さったので、この特性が生きるように依頼したりしています。
また、デジタルのRAW現像時にもPRO400H仕様のプリセットをベースにしたり、色かぶりに気を付けて寒色寄りにしたりすることが多いので、色合いとしては青や緑の印象が強いのかもしれません。(そんなお気に入りのPRO400Hは残念なことに先日生産終了のお知らせがあり、ほんとに涙が出ました。)
他にも気に入っているフィルムはたくさんあります。Kodak Portra400はしっとりきれいな色乗りや透明感のある質感が素敵なので今までで一番よく使っているフィルムです。他にも独特なノスタルジック感のある描写が素敵なCinestill50D・800Tや、手頃な価格でコントラストがしっかりのLomography CN400・800など、どんな光の下で撮ってどんな仕上がりの写真にしたいかによって使い分けをし、撮影を楽しんでいます。
― LYRIPAPAさんがメインで使っているカメラ・レンズについて教えてください。それぞれに辿り着いた経緯や、それぞれのカメラ・レンズのお気に入りの点について教えてください。
デジタルではSONY α7RⅢにSonnar T* FE 55mm F1.8やDistagon T* FE 35mm F1.4の単焦点レンズをつけて撮ることが多いです。さっとファインダーを覗いた時に、今まで肉眼で見ていた景色と同じような視界が得られるこの辺りの焦点距離が居心地いいです。あとはカメラに限らずですが昔からSONY信者なので(笑)、写真にのめり込んでフルサイズが欲しくなった時からSONYのα7シリーズとEマウントレンズを使っています。繊細できれいな描写が得られますし、オールドレンズとの相性も良いので気に入っています。
35㎜フィルムカメラは最初に買ったNikon FE2をはじめ、Nikon FM3A、Pentax LXの3台を、装填するフィルムの種類を変えて使い分けしています。全部マニュアルフォーカスのカメラなのですが、35㎜の場合は露出を計る手間をなくしてなるべく機敏良く撮りたいので、露出計内蔵の絞り優先AEができるものにしています。
あとはSNSでよく見かける素敵なフィルム写真の多くはだいたいブローニーフィルムのものだったりしたので、それに憧れて中判フィルムカメラのHB500CM+Planar 80mm F2.8とPENTAX67+SMC Takumar 6×7 105mm F2.4も使っています。手振れやピントに気を付けて露出も適正にすれば、びっくりするような美しくて柔らかい仕上がりになるので、ここぞという時には欠かせないカメラになっています。
― 最後に、LYRIPAPAさんのベストショットと、次に狙っているカメラやレンズ、今後の抱負があれば教えてください。
いかにも親バカな写真を選んでしまったのですが、娘に限らずなんとなく横顔の写真に惹かれます。カメラをあまり意識せずにいられるからかもしれないですが、横顔にはその時の素の表情や普段感じる様子とは別の一面が表れるような気がしています。この写真はまだ小さかった娘にさくらんぼと一緒に撮らせてねと、何気なく声をかけて撮ったものです。幼い横顔の中にも大人びた可憐さと優しさが感じられて、今も見てもドキッとしてしまう一枚です。ピントは娘の目ではなくさくらんぼにいってしまっているのですが、そのぶん柔らかな視線が表現されているように思えて気に入っています。
次のカメラは、デジタルでは色味の評判がいいFujifilmのカメラがずっと気になっています。お試しでどなたか1か月くらい貸してくれないでしょうか??またフィルムでは、憧れのLeica M4やM6を手に入れて日常スナップを撮ってみたいと思っています。
そして、抱負というほどのものはないのですが、今後も写真を楽しむ生活が送れたらいいなという希望はあります。娘が今のようにカメラの前に立ってくれなくなる時はもう明日にも訪れるかもしれませんが、それでも自分の心の動くままにいろいろな写真を撮っていられたら幸せです。
著者
LYRIPAPA
横浜生まれ。現在は東京と山形の往復生活をしている一児の父。写真のほか、色々なエンタメやアートに触れるのが趣味。三匹の飼い猫にはやや避けられ気味。2019年10月に東京の成城学園前でフィルム写真による写真展「リリネコ」を開催。
LYRIPAPA
横浜生まれ。現在は東京と山形の往復生活をしている一児の父。写真のほか、色々なエンタメやアートに触れるのが趣味。三匹の飼い猫にはやや避けられ気味。2019年10月に東京の成城学園前でフィルム写真による写真展「リリネコ」を開催。
LYRIPAPAさんの使用カメラ
LYRIPAPAさんの使用レンズ