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INDUSTAR-61L/Z 50mm F2.8
M42マウント
オールドレンズが持つ様々な魅力の一つに、現代のレンズが「欠点」として排除してきた部分を「利点」として取り込み、新たな表現として楽しむ使い方が挙げられると思われます。オールドレンズ にはHelios 44-2の「ぐるぐるボケ」やSuper-Takumarの「フレア&ゴースト」、Jupiter-9の「柔らかいボケ」等の独特な特徴をもつものが存在しますが、今回は、M42マウントのソ連(ロシア)レンズであるIndustar-61L/Z 50mm/f2.8を取り上げ、その構造に由来する特徴的な「ボケ味」の魅力と、レンズの描写性能について見ていきたいと思います。
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独特の「星ボケ」が楽しめるオールドレンズ
1. 星ボケ?
皆さんは、レンズの「ボケ味」を表現する言葉として、Jupiter-9の「柔らかいボケ」や、Helios 44-2の「ぐるぐるボケ」と聞いて、どのような「ボケ味」をイメージされるでしょうか?
「柔らかいボケ」は、背景が光と一体となって、まるでとろけるようなボケ味を、「ぐるぐるボケ」なら、被写体を取り巻く渦巻のようなボケ味をイメージされたかと思います。では、「星ボケとは」と問われた場合、一体どのようなボケ味をイメージされますか?
「柔らかいボケがとろけるようなボケで、ぐるぐるボケが渦巻なら、星ボケは星形のボケ…? でも、星形のボケって…」。Industar-61L/Zをご存知無い方が「星ボケ」と聞くと、大抵このような反応を示されるのでは無いでしょうか。
Industar-61L/Zの最大の特徴である「星ボケ」。言葉で説明するよりも、作例をご覧になられた方が、ご納得いただけると思います。
如何でしょうか。見事な「星形」のボケがご確認いただけたかと存じます。
「特殊効果フィルターを使ったり、フォトレタッチソフトで加工しているんじゃ無いの?」と思われるかも知れませんが、一定の条件さえ満たせば、Industar-61L/Zはカメラとレンズだけで、このような星ボケを表現出来るレンズなのです。
ここからは、Industar-61L/Zの描写性能や、星ボケの条件、購入検討時の注意事項等を順にご紹介致します。
2.実は、テッサー型のIndustar-61L/Z
Industar-61L/Zのレンズ構成は3群4枚、絞りはレンズ構成の中央部にあたる二枚目と三枚目の間に配置されています。
3群4枚、絞りはレンズ構成の真ん中と聞くと、何処かで聞いた事がある配置ですよね。そうなんです、Industar-61L/Zは、あのカール・ツァイスの銘レンズ「テッサー」と同様のレンズ構成となっています。
また、Industar-61L/Zは最短撮影距離が30cmとなっており、現代の等倍マクロほどでは有りませんが、マクロレンズという側面も持ち合わせています。
「テッサー型にハズレ無し」と言うと、やや過大かも知れませんが、描写性能という点に関してIndustar-61L/Zは、テッサー型譲りのしっかりとした性能を持ち合わせた上、マクロレンズ的な「寄り」にも対応出来る、便利で優秀な一本とも言えるでしょう。
3.星形絞りの「Industar-61L/Z」
Industar-61L/Z最大の特徴である「星ボケ」は、その独特な絞り羽根の形状に由来します。
Industar-61L/Zの絞り羽根の枚数は6枚となっており、絞りを絞っていくと六角形の形状を保つように絞り穴が狭まります。しかし、絞り値がF5.6~F8の場合、その六角形の各辺がレンズを通る光軸に向かって膨らむような形状となり、「六芒星」のような形状の絞り穴となります。Industar-61L/Zの独特な「星ボケ」は、六芒星状の絞り穴の状態で、点光源を焦点範囲外に捉える事により、絞り穴の形状のボケが画面の中に描き出される事により発生する仕組みとなっています。
4.星ボケの条件
以上の事から、星ボケが描き出される条件としては
- 絞り値をF5.6~F8とする
- 点光源(または、点光源が反射しているもの)を焦点範囲外に収める
とする事が言えますが、加えて最重要なポイントとして
- 星ボケの出るIndustar-61L/Zを使う
という事を挙げておきたいと思います。
しかし、このように述べると「あれっ?Industar-61L/Zって星ボケが出るって話じゃ無かったの?」と思われるかも知れませんが、これにはIndustar-61L/Zに関する、少々厄介な事情が原因です。この「事情」については、次に述べる購入検討時の注意事項として、解説したいと思います。
5.「少々厄介な事情」とは? Industar-61L/Z 購入検討時の注意事項
5-a.インダスター61
ネット上で「インダスター61」とだけ検索すると、多くの作例と共に、レンズ筐体の画像も表示されるでしょう。この中には黒い鏡筒で茶筒型のレンズに混じって、銀色の鏡筒のレンズも表示されたのでは無いでしょうか。また、黒い茶筒型の鏡筒でも、レンズの根元に切り替えスイッチのような部品が付いた「インダスター61」の画像も見つかると思います。
実は、これらのレンズは全て「Industar-61」であり、それぞれ「Industar-61M」や「Industar-61L」等の名称を持つモデルとなっています。さらに検索を続けると、焦点距離が「52mm」「53mm」「55mm」となっているいかにもレンジファインダー用といった外観の「インダスター61」も散見されるでしょう。Industar-61にはM42マウントを始め、FEDやL39マウントなど、様々なバリエーションが存在します。
これらのIndustar-61シリーズのレンズの中で、「星ボケ」が現れるのは「Industar-61L/Z」であり、残念ながら他のIndustar-61の絞り羽根の形状では、星ボケを楽しむ事は出来ないのです。
少し、ややこしくなりましたが、ここでIndustar-61L/Zの外見の特徴を整理しておきたいと思います。
- 鏡筒:黒一色の茶筒型で、表記されるレンズ長は59mm
- 焦点距離とF値表示:50/2.8
- レンズ銘表記:Industar-61L/Z(-MC) Индустар-61Л/З(-MC)※ (-MC)はマルチコーティングを示す表記
- その他のポイント:ピントリングの∞表記の右側に「M 0.3」の表記がある
5-b.Industar-61L/Zの個体差
これまでの条件で、「インダスター61」から「Industar-61L/Z」に絞り込む事が出来ましたが、実は「Industar-61L/Z」の中にも星ボケが出る個体と、出ない個体が存在する事が確認されています。ネット上ではシリアルナンバーを手掛かりとした製造年による分類や、外見デザインの微細な違いによる分類も試みられている様子ですが、残念ながら確実性の高い考証は見つかっていない模様です。
これらの不確かな点については、製造段階での一時的な仕様変更に加え、後年に於いての修理やメンテナンス時に、星ボケの出ない絞り羽根に交換された個体が中古市場に流通している事が原因と考えられています。
以上を踏まえると、星ボケの出るIndustar-61L/Zを選ぶ確実な方法と言えるのは「F5.6時の絞り羽根の形状を確認する」以外には無いと言うのが現状でしょう。
絞り形状の確認となると、店頭で現物を手に取れるような状況以外では、やや難しいかも知れませんが、Industar-61L/Zの場合、この星ボケを期待するユーザーが大多数という事情を鑑み、良心的なショップやオークション出品者は、商品説明文に「星形絞り」等のキーワードを添えると同時に、F5.6での絞り穴の画像も提供されているケースが多い様子です。
一見での情報が提供されていない場合でも、購入検討者からの質問に答える形で納得出来る情報が提供されるならば、安心して購入出来る相手と言えるでしょう。
逆に、絞り形状の質問や、確認の為の画像提供に応じてもらえない場合等は、残念ながら星ボケが出ない個体の売り抜けを目論んでいる可能性も考えられますので、充分な注意が必要です。
このあたりをもって「少々厄介な事情」としましたが、場合によっては「少々」どころか、「かなり」厄介な事情と言えるかも知れませんね。しかし、時間をかけてじっくりと条件を吟味すれば、必ず星ボケのレンズを手にしていただくことは可能です。
Industar-61L/Zに限らず、時間をかけて納得できる個体を探すというのもオールドレンズの楽しみ方の一つなので、焦らず慌てず、でもチャンスは逃さない意気込みで、しっかりとアンテナを張って、情報を集めて「その時」を待ってみるのも意外と楽しいものですよ。
また、ドイツやウクライナとの繋がりを持ち、ソビエトレンズに精通されているStardustさんから星ボケの出るレンズの見分け方を教えていただきましたので、紹介します。
教えてくれた方
industar61 L/Z について
industarとは「工業製品」という意味です。ソビエト時代の国家事業、国営企業により作られたレンズのうちの一つで、industarと名前のついたものは複数存在します。
industar 61 L/Z は現ロシアのモスクワにあるLZOS(リトカリノ光学硝子工場)の製造
industar61 L/D、industar10、industar26mは現ウクライナのハルキウにあるFED(フェリックス・ジェルジンスキー記念工場)の製造
industar50-2、industar22は現ロシアのモスクワにあるKMZ(クラスノゴルスク機械工場)の製造です。
数あるindustarのうち、星ボケが発生するのはLZOSで製造されたレンズのみになります。(industar61 L/Z、MC Volna-9、CマウントのVEGA-7Eの3種は絞り羽根が同型のため星ボケができます)
星ボケが出るか出ないかは製造番号から概ね見分ける事ができます。ソビエトレンズは大体製造番号の頭2桁が製造年になっており、industar 61 L/Zの場合は70番台が1970年〜の前期型(単層コーティングレンズ)、80番台が1980年〜の後期型(マルチコーティングレンズ)になります。
注意すべきは70〜73年製造の個体で、こちらは絞り羽根の形状が違い、6角になるので星ボケにはなりません。74年以降のものであれば確実に星になります。
外装のフォントの違いは絞り羽根の構造と直接の関係はありません。また、指標のデザインの違いは、前期型と後期型の区別にしかなりません。
前期型というだけで星ボケが出ない…と思われて敬遠されますが、それは違います。
見分け方とすれば、レンズ名盤の製造番号の頭2桁が74以降であること、f5.6の画像があれば星型になっていること、です。80番台以降であれば、確実に星ボケになります。
たかがインダスター、されどインダスター
知れば知るほど深い沼…まだまだ一般的に知られていない話もあります。星ボケレンズについてのご質問はいつでもどうぞ。
6.中古市場
特徴である星ボケが魅力的なレンズとして評価が高まっていると同時に、中古市場での相場も上昇している模様です。オークションでは10,000円前後からの出品も見られますが、入札に応じて20,000円以内の価格に落ち着くようです。カメラ店での底値は15,000円程から見受けられますが、コンディションの評価や売り渡し前の整備の有無に応じて、20,000円を超える値付けも少なくありません。
やや乱暴な判断となりますが、10,000円以下の商品はIndustar-61L/Z以外のモデルや、Industar-61L/Zでも星ボケの出ない個体と考えても良いでしょう。
Industar-61L/ZはM42マウントなので、SONY、Canon、Nikon等のデジタルカメラで使用する場合は、マウントアダプターを介して使用する形となります。ご自身のカメラに合ったアダプターをお持ちでない方は、アダプターの購入に伴う予算の確保も忘れずに行いましょう。
作例紹介
ユーザーレビュー
フレアやゴーストをイメージ通りに出現させるのは難しいかも知れませんが、星ボケは条件さえ満たせば、ほぼ予想通りに現れてくれる為、イルミネーション撮影を手掛かりとして、星ボケを楽しまれている方が多い模様です。
しかし、条件を満たした光源が全て星形に表現される事で写真全体がごちゃごちゃしたイメージになってしまうという意見も見られました。この辺りについては「腕の見せ所」とも言える部分が大きいのですが、確かに、厳粛なイメージを狙ったシーンと星ボケのキラキラしたイメージは相容れませんよね。星ボケ狙い以外での撮影では、絞り値の確認や、条件を満たしてしまう光源が画面の中に収まっていないか、若干の注意が必要かも知れません。
まとめ
過去にはその特徴である「星ボケ」が欠点とされ、低い評価を受けた時代も有ったレンズでしたが、近年では星ボケをこのレンズ独特の「表現」と見直され、Industar-61L/Zの評価は高まっていると言えるでしょう。
Industar-61L/Zは、テッサー型の標準マクロとして考えれば期待以上の写りで応えてくれるレンズなのは間違い有りません。同時に、画面の隅々まで注意力を注ぐ事を求められるレンズとも言えるでしょう。写りはしっかりしているのに、画面の隅まで気を配る事を求められるレンズ…考えようによっては、写真の「腕」を上げてくれるレンズって、このようなレンズなのかも知れませんね。
価格情報
オールドレンズ > 標準
INDUSTAR-61L/Z 50mm F2.8
新品: 17,690円 / 中古: 15,790円
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製品情報
カテゴリ | オールドレンズ |
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メーカー | その他 |
タイプ | 標準 |
マウント | M42マウント |