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【作例つき】最初の一本ならコレ!おすすめのオールドレンズ5選

コントラストや彩度が低く柔らかな描写に、フレアやゴースト、周辺減光が出やすいなど、一見欠点とも思える特徴が逆に良い味を出し、雰囲気ある写真にしてくれる「オールドレンズ」。ミラーレス一眼やデジタル一眼など現在のカメラにも使用できるということもあり、いま注目を集めているオールドレンズの魅力に迫ります。

ONE SCENE編集部
created: 2020.08.06 / update: 2020.09.13

オールドレンズの魅力と人気の背景 


「オールドレンズ」はその名の通り、昔のフィルムカメラで使われていたレンズ。価格は比較的お手頃ですが、現代のレンズと比べると性能が低いためマニュアルフォーカスのものが多く、また、大体のレンズはコントラストや彩度が低い柔らかな描写をします。

Super-Takumar 55mm F1.8
出典:flickr(@Richard Powell)

このレンズの何よりの魅力は、特徴的なボケ、そしてフレアやゴースト・周辺減光が出やすいなど、一見欠点とも思える特徴が逆に味のある写真を生み出してくれるところ。

SONY α65 / Super-Takumar 50mm F1.4
出典:flickr(@M's photography)

ミラーレス一眼やデジタル一眼レフにも装着することができ、昨今のフィルムカメラ人気も相まって、いま注目を集めています。


フレア&ゴーストも表現方法に


先述したように、「フレア」や「ゴースト」が出やすいオールドレンズ。現代のレンズでは欠点ともいわれがちなフレアとゴーストですが、時にはそれが武器となることもあります。

フレア…強い光にレンズを向けると画像の一部が白っぽくなり、シャープさがない写真になる現象

Super-Takumar 50mm F1.4
出典:flickr(@Yūgen)

画像の一部が白っぽくなることで、カッチリしがちな海辺の写真も柔らかな雰囲気に。

ゴースト…逆光時レンズ内に強い光が入ることで、光が絞りの形や楕円などとして写る現象。レンズコーディングの色によって色が変わります。

SONY α65 / Super-Takumar 50mm F1.4
出典:flickr(@M's photography)

虹色のゴーストによって神秘的な雰囲気の写真となっています。
 
また、「ぐるぐるボケ」という渦巻き状に歪曲するボケに憧れてオールドレンズを始める人も多く、ぐるぐるボケを楽しめる「Helios(ヘリオス)」は、オールドレンズファンから高い支持を得ています。

Nikon D40X / Helios 40-2 85mm f1.5
出典:flickr(@Emile B)


ミラーレス一眼やデジタル一眼で使用するには?


カメラのマウント前面からイメージセンサーまでの部分を「フランジバック」といいますが、その長さはマウント規格ごとに規定されており、正確でない場合は無限遠が出ません。 ※無限遠…それ以降はピント調節が不要となる距離
 
そのため、[装着したいオールドレンズのマウント規格に定められたフランジバック]より[カメラ本体のフランジバック]が短い場合は、その差を埋める「マウントアダプター」をレンズとカメラの間に介する必要があります。
 
尚、ミラーレス一眼の場合はミラーがないためフランジバックが短いのですが、デジタル一眼の場合はミラーがあるためフランジバックが長く、短いフランジバックをマウントアダプターで長くすることはできても、短くはできないということで、必然的にミラーレス機の方が装着できるレンズが多くなっています。

まずは自分の愛用しているカメラと相談しながら、オールドレンズ選びをしてみてくださいね。


最初の一本に。おすすめのオールドレンズ


Super Takumar 55mm F1.8

オールドレンズの代表格「スーパータクマー55mm F1.8」は、販売当時「PENTAX SP」が流行していたこともあり、かなりの数が市場に出回っており価格もリーズナブル。

条件によってはとても上質な描写をしてくれるレンズで、『生産本数が少なければ争奪戦が起きていたのではないか』と言う人もいるくらいの逸品です。絞り解放時は甘く、絞り込めば緻密。また逆光時は柔らかな描写で、豪快なフレアが楽しめるのが何よりの魅力。マウントは名玉も多い「M42」で、現代のカメラに装着するにはマウントアダプターが必要です。

身体への影響はないレベルといわれていますが、”アトム(放射線)レンズ”のため、気になる方は要検討でしょう(保管の際は身体から50cm離した方が良いなど諸説あります)。

Pentax K-7 / Super-Takumar 55mm F1.8
出典:flickr(@Hiroyuki Takeda)

SONY NEX-5R / Super-Takumar 55mm F1.8
出典:flickr(@oonnuuoo)

SONY NEX-5R / Super-Takumar 55mm F1.8
出典:flickr(@oonnuuoo)


Helios 44-2 58mmF2

「ヘリオス-44」シリーズは、”BIOTAR(ビオター) 58mm F2”のレンズ構成を受け継いだオールドレンズ。ビオターは名玉”Planar(プラナー)”に相当するレンズですが、このヘリオスはプラナーに比べ安価で手に入れることができます。

このレンズの醍醐味は、なんといってもぐるぐるボケ。絞りを開放し、被写体は近距離に、背景には木漏れ日や点光源などを入れることで、ぐるぐるボケが発生しやすくなります。

色味は淡く、順光ではきっちり解像、逆光では甘い描写に。尚、このレンズのマウントもM42で、現代のカメラに装着するにはマウントアダプターが必要となります。

Nikon D800 / Helios 44-2 58mmF2
出典:flickr(@Mian)

Canon EOS Kiss X50 / Helios 44-2 58mmF2
出典:flickr(@Arapaoa Moffat)

Canon EOS Kiss X7 / Helios 44-2 58mm F2
出典:flickr(@MJ Klaver)


Nikon AI Nikkor 50mm f/1.4S

「AIニッコール50mm f/1.4S」は1981年に発売されたオールドレンズですが、今でも販売されています。

色乗りはややあっさり。絞り開放では輪郭の周りがうっすら滲み、絞り込めばシャープながらも柔らかさのある描写をしてくれます。このレンズの醍醐味味わえるのはF1.4〜2.8にかけてですが、F4〜F5.6あたりも最新レンズにも引けを取らない描写で、遠景も綺麗に切り取ってくれるという心強さ。

尚、このレンズのマウントは「ニコンF」で、ミラーレス一眼にはマウントアダプターが必要となりますが、AI形式のレンズのため、Nikonのデジタル一眼であればマウントアダプター無しで装着できるようです。

Nikon FM2 / AI Nikkor 50mm f/1.4S
出典:flickr(@Toomore Chiang)

Nikon FM2 / AI Nikkor 50mm f/1.4S
出典:flickr(@Toomore Chiang)

Nikon FM3A / AI Nikkor 50mm f/1.4S
出典:flickr(@kenou-daisuki)


OLYMPUS F.ZUIKO AUTO-S 50mmF1.8

こちらのレンズは先にご紹介したレンズ達とは打って変わって、高コントラストで解像度が高く、あまり癖のない、オールドレンズらしからぬレンズです。

絞り開放での色再現性も高く、フレアは少なめ。絞り込んでも立体感や透明感があり、絞り値による描写の変化は少ないでしょう。フィルムカメラではそれぞれのフィルムの特徴を出してくれるこのレンズですが、軽量小型なので、同じくコンパクトなミラーレス一眼との組み合わせがおすすめです。

マウントは「オリンパスOM」で、オリンパスのミラーレス一眼”PEN”や”OM-D”向けには純正アダプターがありますが、マイクロフォーサーズの場合は焦点距離が2倍となってしまうのでご注意を。

OLYMPUS OM-1 / F.ZUIKO AUTO-S 50mmF1.8
出典:flickr(@yamauchi)

OLYMPUS OM-1 / F.ZUIKO AUTO-S 50mmF1.8
出典:flickr(@yamauchi)

OLYMPUS OM-1 / F.ZUIKO AUTO-S 50mmF1.8
出典:flickr(@yamauchi)


Carl Zeiss Planar T* 50mmF1.4

標準レンズの帝王とも呼ばれる「プラナーT* 50mmF1.4」。価格は他のオールドレンズよりも頭ひとつ出ているのですが、発色・階調共に素晴らしく、未だに魅了される人が多いレンズです。

とろけるようなボケや美しいフレアなどから、空気を写すレンズとも呼ばれています。落ち着きのあるコントラストに、光がある場所ではシャープになり過ぎない解像感で、デジタルで撮影しフィルム写真のように仕上げたい際の手助けともなってくれるでしょう。尚、型によっては手裏剣のような形の玉ボケや六角形の玉ボケが楽しめるようです。

マウントは「ヤシカ/コンタックス」。ミラーレスで使うのはもちろん、マウントアダプターを使用すればCanon のEOSシリーズなどにも装着できるようです。

SONY α7 / Carl Zeiss Planar T* 50mmF1.4
出典:flickr(@M's photography)

SONY α7 / Carl Zeiss Planar T* 50mmF1.4
出典:flickr(@M's photography)

SONY α7 / Carl Zeiss Planar T* 50mmF1.4
出典:flickr(@M's photography)


おわりに


ひとつひとつ、とても個性の強いオールドレンズ。今回ご紹介したレンズ達は全てマニュアルフォーカスのため、今まではオートフォーカスのレンズで撮影してきたという人は慣れるまで時間がかかるかもしれません。

しかし、MFでの撮影に慣れてくればその魅力を存分に味わうことができ、ちょっとした外出の際でもカメラとレンズを連れて行きたくなってしまうぐらい、虜になってしまうことでしょう。

まずは気になったオールドレンズが自分のカメラに装着できるかどうか、マウントアダプターはあるか、また、カメラに装着したら焦点距離はどうなるかなどをしっかりと確認し、オールドレンズの世界への一歩を踏み入れてみてくださいね。