製品解説
スペック
Canonの強みを生かした高画素機
CanonとNikonには互いに様々な優劣がありますが、Nikonに対するCanonの1番の強みとなっているのが、CMOSの自社開発ではないでしょうか。デジタルカメラの要ともいえるパーツ、それがCMOSイメージセンサーですが、NikonはSONYなどに外注していることに対しCanonは自社開発しており、それによってCanonはカメラに合わせたCMOS開発というものが可能になります。
もちろんこのことにはデメリットもあり、開発リソースの多くをCMOSにかけるため、コストアップしてしまうという点なのですが、資本力のあるCanonならではの強みともいえます。
そんなCanonが強みを生かして作ったのが、発売時点で一眼レフ最高の5060万画素となったEOS 5Ds。当時のNikon最高画素数がD810の3635万画素であったことを考えると、大幅なスペックアップといえますね。
Canonにしては珍しく、簡単には使えないカメラ
「高画素機は良い写真が撮れる」というのはその通りなのですが、「誰が撮っても良い写真が撮れる」というわけではありません。デジタル一眼レフはEOS Kissシリーズに代表されるように、カメラ初心者が撮影しても、スマートフォンやコンパクトデジタルカメラでは表現できない素敵な写真を撮ることができます。
これはEOS Kissに限らず、他のEOS 80D、6Dなどのオート設定でも同様に、一眼レフらしい写真を撮ることができ、EOS 5D Mark IVでも、初心者が全ての機能を使いこなすことはできないかもしれませんが、絞り優先などで撮影すればそれなりの写真になります。
特にCanonはNikonと比較すると、「誰でも良い写真が撮れる一眼レフ」というカメラ作りのコンセプトをラインナップに強く感じます。
しかし5Dsの場合、そうはいきません。5060万画素という高画素機となると手ブレにかなりシビアなので、2000万画素ぐらいでは見逃されてしまうような微妙なブレでも、5060万画素はそのブレまでも描き出してしまうのです。
なので、5Dsで撮影する場合は、しっかりとカメラを固定できるような撮影姿勢をとるか、三脚を据える必要があります。カメラ初心者が何も考えずに5Dsで手持ち撮影をすると、画素数が半分程度の5D Mark IVよりも解像感の低い写真、いわゆる眠たい写真となってしまうこともあります。
また、連写速度も5コマ/秒しかなく、動体撮影では連写で追うよりも瞬間を狙ってワンショットで撮影する必要があります。さらに5Dsは高画素機故に、1バッテリーの撮影可能枚数やメディアへの記録可能枚数も5D Mark IVより少なく、撮影時はこういった点も考慮する必要があります。
5D Mark IVがアマチュアからプロまで、静物から動体まで、幅広く対応できる汎用性を持っているのに対して、5Dsはかなりピーキーなカメラといえますね。
使い手のスキルを要求する5Dsは、手軽に良い写真が撮れるCanonの中でも特異なカメラですが、そうは言ってもやはりCanon。高画素機のデメリットである手ブレは、NikonのD800系高画素機と比較すると、レビューを見た限りではかなり抑えられている様です。
高画素機にするか迷っている人ならば、高画素機ならではのデメリットを考慮する必要がありますが、高画素機が必要な人にとっては選択肢が限られているので、Canonユーザーであれば5Dsは唯一ともいえる選択肢となります。
なので、5Dsで撮影する場合は、しっかりとカメラを固定できるような撮影姿勢をとるか、三脚を据える必要があります。カメラ初心者が何も考えずに5Dsで手持ち撮影をすると、画素数が半分程度の5D Mark IVよりも解像感の低い写真、いわゆる眠たい写真となってしまうこともあります。
また、連写速度も5コマ/秒しかなく、動体撮影では連写で追うよりも瞬間を狙ってワンショットで撮影する必要があります。さらに5Dsは高画素機故に、1バッテリーの撮影可能枚数やメディアへの記録可能枚数も5D Mark IVより少なく、撮影時はこういった点も考慮する必要があります。
5D Mark IVがアマチュアからプロまで、静物から動体まで、幅広く対応できる汎用性を持っているのに対して、5Dsはかなりピーキーなカメラといえますね。
使い手のスキルを要求する5Dsは、手軽に良い写真が撮れるCanonの中でも特異なカメラですが、そうは言ってもやはりCanon。高画素機のデメリットである手ブレは、NikonのD800系高画素機と比較すると、レビューを見た限りではかなり抑えられている様です。
高画素機にするか迷っている人ならば、高画素機ならではのデメリットを考慮する必要がありますが、高画素機が必要な人にとっては選択肢が限られているので、Canonユーザーであれば5Dsは唯一ともいえる選択肢となります。
ローパスフィルターは必要か
Canonは5Dsの発売と同時に、ローパスフィルターをキャンセルした5Ds Rというモデルを発表しました。NikonやSONYではローパスフィルターレスのデジタル一眼が主流となってきていますが、Canonは一貫してローパスフィルターを使い続けています。
ローパスフィルターとは、高周波の光をぼかすことで偽色やモアレといったデジタルカメラ特有の問題を軽減してくれるフィルターで、CMOSの前に重ねて設置されており、光をボカしてしまうので、解像感が下がるというデメリットがありますが、Canonは「ローパスフィルターはCMOSには欠かせないもの」という意見を持っています。
CMOSの光を電気信号に変える受光素子は、光の強弱を電気信号に変えるだけで、色までは判別できません。そのため、受光素子の前にフィルターを設置し、赤・青・緑の光に分け、受光素子にそれぞれの色の光の強弱を判断させています。
画像にするとき、1つの受光素子から送られた信号は3色のうちの1色の情報しか持っていないので、隣の受光素子から残る2つの光の情報を借りてきて1画素の色を作りますが、隣の受光素子から色情報を借りてくるので、高コントラストな被写体の輪郭部分などでは偽色が起きたり、細かい模様などではモアレが発生してしまったりします。
特に高周波の光はコントラストが高いので、ローパスフィルターによって少し輪郭をボカスことで、モアレや偽色を起こりにくくしているのです。つまり、CMOSで発生したモアレや偽色は、ローパスフィルターで解決するしかないというのがCanonの見解ですね。
一方で、高画素機は受光素子密度が高いので、偽色やモアレが発生しにくいというメリットがあり、そこで、NikonやSONYは解像感を下げるローパスフィルターを使わないようになりました。
実際にローパスフィルターの有無がどこまで解像感に影響を与えているかというと、画像を比べても、肉眼ではほぼ判別不能というレベルではありますが、それでもプロカメラマンにはそういった細部にこだわることもあり、5DsRというローパスフィルターキャンセルモデルが発売されています。
ローパスフィルターレスではなくキャンセルの理由
EOS 5Ds Rがローパスフィルターレスではなく、キャンセルとなっていることに違和感を覚えませんか?ローパスフィルターが必要ないのであれば、ローパスフィルターを取っ払ってしまえば良いのですが、CanonはEOS 5Ds Rをローパスフィルターキャンセル仕様としています。
これは、EOS 5Dsのイメージセンサーにもう1枚のローパスフィルターを加えることで、ローパスフィルターが一度ボカしてしまった高周波の光をもう一度収束させ直しているため。
単純にローパスフィルターを取っ払ってしまうと、映像エンジンのホワイトバランスや露出の設定を変更する必要があり、そのためには開発費用や時間が余計にかかってしまうので、ローパスフィルターの必要性を訴えるCanonとして、5Ds Rではキャンセルという選択をしているのです。
5Ds Rではローパスフィルターの機能がキャンセルされているので、撮影時には偽色やモアレが発生しにくいよう、使い手がライティングや被写体選びに注意する必要があります。5Dsでも超高画素機ということで、かなり使い手を選ぶカメラとなっていますが、5Ds Rはさらに使い手を選ぶ、こだわりのあるカメラマン向けのカメラですね。
おすすめレンズ「CANON EF16-35mm F4L IS USM」
超高画素機にはやはり広角レンズがよく似合います。広角レンズは画角が広く、ワンショットの中に多くの情報が収まりますが、その1つ1つを高精細に描画することができる高画素機との組み合わせがベストとなります。
EF16-35mm F4L IS USMはF4通しのLレンズということで、F2.8通しに比べるとまだ手に入れやすい価格ですし、高画素機の場合はあまり明るいレンズだとピントもシビアになるので、F4ぐらいの方が使いやすいでしょう。
Canon EOS 5Ds / EF16-35mm F4L IS USM
ユーザーレビュー
■ ポジティブレビュー
- 今までのカメラで撮影した写真には写らなかったものが写せる
- 高画素機なので、クロップ撮影が有効で便利
- 思ったほどはブレない
- 多機能なので、オート設定でも十分な写真が撮れる
- 高画素過ぎるとも言われるが、意外と使い勝手は悪くない
意外にも手ブレに対しては高評価が多く、高画素機とはいえそこまで手ブレにシビアではなく、手持ちでも十分撮影できそうです。
■ ネガティブレビュー
- RAWデータが重いので、パソコンのスペックが高くないと扱いにくい
- バッテリー持ちは良くないので、予備バッテリーは必須
- ファインダーの出来が5D相当なので、画素数に合わせてもうちょっと見やすくして欲しかった
- 実用性という点から見ると無駄に多機能すぎる
- 屋外撮影では背面液晶が見にくい
やはり高画素機ということで大きな画像データなど、扱いにくさがあるようです。
まとめ
万人が扱いやすいカメラを作る傾向が強いCanonの中で、5Ds、5Ds Rはまさに使い手を選ぶ異質なカメラといえます。まるで日本刀のように、達人が使わなければその本来の切れ味は見えてこないかもしれません。
しかし、その性能を理解して使うことで、切れ味抜群のシャープな画像を得ることができます。高解像度機で被写体の細部まで写したいなら、5Dsを使いこなして撮影してみてはいかがでしょうか。
レンズマウント | |
---|---|
レンズマウント | Canon EFマウント |
撮像素子 | |
センサーサイズ | フルサイズ(36.0×24.0mm) |
有効画素数 | 5,060万画素 |
ダスト低減機能 | ○ |
映像エンジン | デュアルDIGC 6 |
画像記録 | |
記録媒体 | CFカード
|
スロット数 | ダブルスロット
|
記録画素数 | L(ラージ):約5030万(8688×5792)画素
|
画像ファイル | JPEG/RAW |
動画 | |
4K対応 | - |
記録サイズ | Full HD(1920x1080):29.97p
|
記録形式 | MOV |
ライブビュー | |
フォーカス | コントラスト検出方式(顔+追尾優先AF、ライブ1点AF) |
シャッター | |
シャッター速度 | 1/8000秒〜30秒 |
連続撮影速度 | 最高約5.0コマ/秒 |
露出制御 | |
測光方式/測光分割数 | 252分割TTL開放測光 |
ISO感度 | 100〜6,400 |
AF | |
測距点 | 最大61点 |
ファインダー | |
視野率 | 100% |
倍率 | 約0.71倍 |
ストロボ | |
内蔵ストロボ | - |
液晶モニター | |
サイズ | 3インチ 104万ドット |
可動式 | |
I/F | |
インターフェース | HDMI、USB3.0 |
無線LAN | |
Wi-Fi機能 | - |
ネットワーク | |
NFC | - |
Bluetooth | - |
防塵・防滴 | |
防塵・防滴 | ○ |
手ブレ | |
手ブレ補正機構 | - |
GPS | |
GPS | - |
電源 | |
撮影可能枚数(ファインダー) | 常温(+23℃)約700枚/低温(0℃)約660枚 |
撮影可能枚数(ライブビュー) | 常温(+23℃)約220枚/低温(0℃)約210枚 |
動画撮影可能時間 | 常温(+23℃)合計約1時間30分/低温(0℃)合計約1時間25分 |
USB充電 | - |
使用電池 | 充電式リチウムイオン電池LP-E6N/LP-E6 |
サイズ・重量 | |
サイズ | 約152.0(幅)×116.4(高さ)×76.4(奥行)mm |
重量 | 845g |
発売日 | |
発売日 | 2015年06月18日 |
価格情報2022.06.30 更新
製品情報
- カテゴリ
- デジタル一眼レフ
- メーカー
- Canon
- タイプ
- ハイアマチュアモデル
- マウント
- Canon EFマウント
こちらもおすすめ。[ハイアマチュアモデル]のデジタル一眼レフ
Canon EOS 5Ds / 5DsR | Nikon D500 | Nikon Df | Nikon D850 | |
価格 | 新品:215,820円〜 中古:12,800円〜 | 新品:53,022円〜 中古:98,800円〜 | 新品:519,800円〜 中古:132,000円〜 | 新品:275,550円〜 中古:193,537円〜 |
センサーサイズ | フルサイズ(36.0×24.0mm) | APS-C(23.5×15.7mm) | フルサイズ(36.0×23.9mm) | フルサイズ(35.9×23.9mm) |
有効画素数 | 5,060万画素 | 2,088万画素 | 1,625万画素 | 4,575万画素 |
連続撮影速度 | 最高約5.0コマ/秒 | 最高約10.0コマ/秒 | 最高約5.5コマ/秒 | 最高約7.0コマ/秒 |
4K対応 | - | ○ | - | ○ |
手ブレ補正 | - | - | - | - |
撮影可能枚数 | 常温(+23℃)約700枚/低温(0℃)約660枚 | 1240枚 | 1400枚 | 1840枚 |
重量 | 845g | 760g | 710g | 915g |
発売年月 | 2015年06月 | 2016年04月 | 2013年11月 | 2017年09月 |