Nikon D500

Nikon D500

Nikonのフラッグシップ機であるD5と同じ「5」という数字が使われているD500。Nikonの型番の数字は、大小にあまり大きな意味がないこともありますが、D500とD5を「5」という数字で揃えているということには大きな意味があります。Canon 7D Mark IIとの比較も交えながら解説します。

デジタル一眼レフ / Nikon / ハイアマチュア
新品:
128,000円〜(94)
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DXにこだわりをもつNikonが作ったD500


NikonはフルサイズをFXフォーマット、APS-CをDXフォーマットと呼称しています。Nikonがデジタル一眼レフを作りはじめた当初は、DXフォーマットが当時の技術に合ったセンサーサイズであるということで、フルサイズ機は作っていませんでした。

Nikonがフルサイズ機、FXフォーマットを発売したのは2007年のことで、2002年からフルサイズ機を作り続けるCanonとは大きな開きがありますが、逆に言うとNikonはDXフォーマットに強いこだわりがあり、APS-Cサイズを知り尽くしたメーカーともいえます。

Nikon D500
出典:flickr(@Sandor Somkuti)

Nikon D500
出典:flickr(@Koshy Koshy)

Nikon D500
出典:flickr(@Sumarie Slabber)

Nikon D500
出典:flickr(@Sandor Somkuti)

Nikon D500
出典:flickr(@Sumarie Slabber)


D1桁機から暖簾分けされたDXのD3桁機


Nikonは2007年に初のFXフォーマット機としてD3を発表しましたが、そのとき同時に発表されたのがD300です。D300はD1桁機のサプ機とされたD200の後継ではなく、DXフォーマットのフラッグシップ機としてD3と同じ「3」の数字を使った機種となっており、これはD500でも同様のことがいえます。

2016年発売のD500はD300の後継にあたる機種なので、通常D400という数字が当てはめられるはずなのですが、そこでNikonがD500としたのは、同年に発売されたFXフォーマットのフラッグシップ機であるD5と数字を揃えたことは明白ではないでしょうか。D500は単なるAPS-C機ではなく、DXフォーマットのフラッグシップ機なのです。

Nikon一眼レフ/ミラーレス一眼相関図(2020年1月時点)※マッピングはCanon製品との対比で作成(運営者主観になりますので、参考程度にご覧ください)



数字だけでなく性能もD5譲り


D5のイメージセンサーはフルサイズで、D500はAPS-Cと違いはありますが、画素数は2082万画素と2088万画素でほぼ同じ数字、AFセンサーはどちらも153点測距AFです。両者で全く同じセンサーを使っているかは確証情報がありませんが、同等のセンサーであることは間違いありません。

流石にD500は縦位置グリップが標準装備ではなく、XQDやCFカードの同種メディア2枚刺しはできませんが、XQDとSDカードの2枚刺しは可能で、バックアップや記録枚数が必要なプロが使うのにも十分な性能があります。
 
APS-C機はフルサイズ機と比較するとダイナミックレンジが狭く、アマチュア機として見られがちですが、望遠撮影においては同一画素数でフルサイズよりも拡大倍率が高くなるので、APS-Cの方が有利となります。D5での撮影の際、D500で600mm F4のレンズを使用した撮影と同じ画角で撮影しようとすると、920mm相当のレンズが必要となります。

この超望遠撮影は、高画素フルサイズ機であるD850でトリミングやクロップをしても、D500と同画素数での撮影はできません。
超望遠撮影が必要な場合、D500はプロの選択肢にも入りますね。
 
また、10コマ/秒の高速連写が可能なことで、スポーツ撮影や野鳥撮影ではかなり重宝するカメラとなります。10コマ/秒という連写速度は、D5の12コマ/秒には及びませんが、一瞬を切り取るには十分な連写速度ではないでしょうか。

一瞬を狙って連写する場合、6コマ/秒では物足りず、連写するくらいなら狙いすまして単写した方が瞬間を抑えやすい印象で、8コマ/秒あれば連写に頼って撮影した方が瞬間は抑えやすくなり、10コマ/秒となれば、連写した写真から最適なものを選ぶことができます。D500の連写はそういった速度をもっています。
 
フルサイズ画質のD5、APS-Cならではの超望遠撮影が可能なD500、Nikonに両雄並び立つ、といったところでしょうか。

Nikon D500
フォーカスエリアの広さはAPS-Cならでは。可愛いフレンチブルドッグを370mmで画面の端に捉えることが可能

Nikon D500
暗所での流し撮りでも、マシン中央のゼッケンにピントを合わせてしっかり追尾しています。

Nikon D500 / Tokina AT-X 116 PRO DX II 11-16mm F2.8
ISO 3200で若干ノイズ感が気になりますが、星空撮影も可能です。

Nikon D500
野生動物をここまで大きく撮影できるのはAPS-Cならでは。


Canon EOS 7D Mark IIとの比較


APS-Cの高速連写機はニーズが高く、CanonもEOS 7Dシリーズを販売しています。EOS 7D Mark IIはD500と画素数がほぼ同じで、連写も同じ10コマ/秒の撮影が可能です。しかし、連写可能枚数は7D Mark IIがRAWで24枚に対して、D500は200枚撮影可能なので、連写を多用する場合はD500の方がストレスを感じないかもしれません。

また、AFにも大きな開きがあり、AF測距点はD500の方が多く、カバー面積も広くなっています。ISO感度も7D Mark IIが常用で16000なのに対して、D500は51200というところも大きく差がありますね。
 
Canonが市場のニーズに合わせて作ったEOS 7D Mark IIと、Nikonがフラッグシップ機として開発したD500という、コンセプトの違いがスペック上にも現れています。もちろんスペックの差がある分、価格にも差がありますが、スペック差と価格差で優劣をどう見るかは、ユーザーのニーズとコスト、まさに市場が決めるところとなりそうです。


Nikon伝統の丸型ファインダー


D500には丸型のファインダーが採用されていますが、他社ユーザーには馴染みのないものです。しかし、Nikonファンにとってはとても重要な意味を持っており、角型ファインダーが標準となっているD750にさえも、アダプターを介してオプションの丸型ファインダーを装着しているユーザーが多くいるくらいです。

なぜ、丸型ファインダーにこだわるのでしょうか。それは「丸は悟りの窓、四角は迷いの窓」だから。京都の源光庵がそう教えてくれます。

…これは冗談ですが、丸型ファインダーは縦位置撮影でも違和感がないことや、ケラレが少ない、アングルファインダーが固定しやすい、また、上位機種であることのアイコン的な意味合いがあるようです。ファインダー1つとっても、D500に対するNikonの意気込みが伝わってきますね。
 

そのモノコックでNikonは満足なのか


D500唯一とも言える不満点といえば、モノコックに高剛性炭素繊維複合素材を採用しているということではないでしょうか。D5はマグネシウム合金のみでモノコックを作っていますが、D500はマグネシウム合金と炭素繊維の2種類で作られています。

炭素繊維はF1でも使われる軽量かつ高剛性な素材で、D500もそれによって軽量化を実現しています。軽量化は携帯性の向上に繋がるのでカメラにとっては重要なポイントですが、信頼性はどうなのでしょう。確かに炭素繊維は高剛性ですが、モノコックに2種類の素材を使うよりもマグネシウム合金1種で作った方が剛性は高くなり、事実、D5はマグネシウム合金のみで作られています。

しかしD5に求められる信頼性は、ユーザーの要求が高すぎるということもあります。それにNikonは他機種にも炭素繊維を積極採用しているので、一般的なカメラの使用要件では問題はないでしょう。Nikonも「D500は酷使に耐える強度と防塵防滴性を確保している」と言っているので、炭素繊維を使用したことによる不安は杞憂に過ぎないのかもしれません。


D500に最適のレンズ、AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR


Nikon D500
F5.6でも500mmの超望遠撮影ならこのボケ感。青い鳥のきれいな羽を緑の背景ボケが際立たせてくれています。

やはりD500には超望遠レンズを組み合わせて、様々な被写体をAPS-Cならではの画角と高速連写で狙いたいところです。AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VRならFX換算で307-767mmという画角になり、まさに超望遠。

しかもズームレンズなので、被写体に合わせて画角を変えることができます。標準レンズではF5.6というとやや暗い印象ですが、望遠レンズでは十分なボケ感、またF5.6通しなので、テレ端767mm F5.6というフルサイズではなかなか出来ない撮影が可能です。


ネット上のレビュー


ポジティブレビュー

  • D5と似た操作感で、サブ機にしても違和感がない。
  • AFエリアが広いので流し撮りがしやすい。
  • スポーツや飛行機、野鳥など、特殊用途においては唯一無二。
  • 丸型ファインダーが上位機種を所有している満足感を教えてくれる。
  • グリップが深いのでホールド感が良い。

DXフォーマットのフラッグシップ機ということで、D5譲りのAFに操作感、Nikonの特徴ともいえるフィット感のあるデザインに満足するユーザーも多いようです。

ネガティブレビュー

  • 上部液晶が消えなくなる不具合あり。
  • 保管時、バッテリーを入れたままにすると減っている。
  • バッテリーの持ちが良くない。
  • 普段使いのカメラとしてはちょっと重い。
  • 内蔵フラッシュがないので、シチュエーションによっては不便を感じる。

望遠撮影で手ブレ補正を効かせてのAF-C撮影だと、バッテリーの減りが早くなる傾向は他のカメラでもありますが、バッテリーの持ちに定評があるNikonカメラとしてはちょっと残念な部分かもしれません。


まとめ


D500は、DXフォーマット入門機からのステップアップとしてFXフォーマットの中級機と比較するようなカメラではなく、望遠高速連写を多用するユーザーがカメラ探しをしたときの到達点の1つで、その性能は、運動会撮影のようなライトな撮影でも大きな威力を発揮しますし、本格的な野鳥撮影もこなすことができます。

APS-Cならではの望遠撮影をフルサイズ機で代用することはできないので、FXフォーマットのフラッグシップ機であるD5と使い分けて撮影するという使い方もできますね。

撮影目的が明確なら敢えてフルサイズにこだわる必要はないと教えてくれるカメラ、それがD500です。
レンズマウント
レンズマウントNikon Fマウント
撮像素子
センサーサイズAPS-C(23.5×15.7mm)
有効画素数2,088万画素
ダスト低減機能
映像エンジンEXPEED 5
画像記録
記録媒体

XQDカード
SDカード
SDHCカード
SDXCカード

スロット数

ダブルスロット
XQDカード/SDカード

記録画素数

・撮像範囲[DX(24×16)]:
5568×3712ピクセル(Lサイズ)
4176×2784ピクセル(Mサイズ)
2784×1856ピクセル(Sサイズ)

画像ファイル

JPEG/RAW/TIFF

動画
4K対応
記録サイズ

3840×2160(4K UHD):30p
1920×1080:60p
1280×720:60p

記録形式

MOV

ライブビュー
フォーカスTTL位相差検出方式
シャッター
シャッター速度1/8000~30秒
連続撮影速度最高約10.0コマ/秒
露出制御
測光方式/測光分割数TTL開放測光方式
ISO感度100〜51,200
AF
測距点最大153点
ファインダー
視野率100%
倍率約1.0倍
ストロボ
内蔵ストロボ-
液晶モニター
サイズ3.2インチ 236万ドット
可動式チルト式液晶
I/F
インターフェース

microUSB3.0、miniHDMI

無線LAN
Wi-Fi機能
ネットワーク
NFC
Bluetooth
防塵・防滴
防塵・防滴
手ブレ
手ブレ補正機構-
GPS
GPS-
電源
撮影可能枚数(ファインダー)

1240コマ

撮影可能枚数(ライブビュー)

動画撮影可能時間

USB充電-
使用電池Li-ionリチャージャブルバッテリー EN-EL15bまたはEN-EL15aまたはEN-EL15
サイズ・重量
サイズ147x115x81 mm
重量760g
発売日
発売日2016年04月28日