製品解説
スペック
価格からは想像できない性能のレンズ
このレンズはCanonで一眼レフライフをはじめた多くの人が最初に手にする望遠レンズといえるほど定番となっているレンズです。
通常、CanonAPS-C機のWズームキットに標準ズームの18-55mmと同梱されていますが、もちろん単体での購入も可能です。Wズームキットの購入が新品を最も安く入手する方法ですが、単体で買っても望遠レンズとしては安価で、またレンズキットから放出されるものも多く中古市場も賑わっているので、入手しやすくなっています。
このレンズは2013年にEF-S55-250mm F4-5.6 IS IIの後継として発売されていて、STMの搭載によって旧モデルよりもAFの静粛性とスピードをアップさせました。また、スイッチの切替なしにMFが使える、フルタイムマニュアルフォーカスが可能になっています。
AFスピードに関してはSTMより上位のUSMを搭載した他のレンズや、Lレンズなどに比較すると若干の遅さを感じますが、ピント合わせに秒単位でもたつくようなことはなく、AFスピードでストレスを感じることはほぼありません。
AF精度においても、不満のない精度を出すことができます。等倍で画像を確認しても大きくピンを外すということはありません。さすがに野鳥撮影で目にガチピンという精度まではAFではできませんが、通常の撮影であれば解像感に物足りなさを感じることこもありません。
この様に、低価格でありながら、ほとんど不満の出ないレンズあることから神レンズ扱いまでされることもあります。
本レンズにあった撮影シーン
不満の出ないレンズということで、子供の写真を撮るといった理由で一眼レフカメラを買った人は標準ズームと、この望遠レンズで成長記録の撮影を完結することもできます。
250mmという焦点距離は、小学校の運動会程度の撮影距離であればほぼ全てカバーできます。トリミングにも耐えうる解像感ある写真が取れるので、編集で切り抜いてアップにすることも可能です。
一方で本格的なスポーツ撮影や野鳥撮影などではちょっと焦点距離が足りない印象を受けます。広いグラウンドと観客席の距離を考えると、選手を大きく写すにはあと少し長いレンズが必要です。ただし、選手をアップにしない、ライトな感じであれば軽量で持ち運びやすいこのレンズは選択肢に入ってきます。
Canon EOS Kiss X8i / Canon EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM
出典:flickr(@satoshi yamazaki)
ある程度近づけるスポーツ撮影なら申し分ない画角
Canon EOS Kiss X70 / Canon EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM
望遠ならF5.6でもこのボケ感
Canon EOS M5 / Canon EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM
出典:flickr(@yagi-s)
電車などの大きな被写体であれば十分な望遠倍率
Canon EOS Kiss X7i / Canon EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM
望遠なので小さな鳥に対してもしっかり寄れます
Canon EOS 80D / Canon EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM
250㎜のF5.6なら一眼レフらしい玉ボケもしっかり作れます
ある程度近づけるスポーツ撮影なら申し分ない画角
電車などの大きな被写体であれば十分な望遠倍率
望遠なので小さな鳥に対してもしっかり寄れます
併せて検討したいレンズ
- TAMRON 18-270mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD 2016 30135
- SIGMA 18-200mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM
- CANON EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USM 2016 60440
このレンズはCanonの標準ズーム18-55mmと焦点距離がつながり、テレ端250mmはフルサイズ換算400mmということで、ズームレンズの画角を勉強するには最適のレンズとなっています。
他のレンズと比較するとき、250㎜という焦点距離に着目するとTAMRON 18-270mm F/3.5-6.3 Di II VC PZDというレンズが候補になります。TAMRON18-270㎜は1本のレンズでCanonの標準ズーム+望遠ズーム+20㎜という広い焦点距離をカバーできる高倍率ズームで、旅先などで交換レンズを持ち運ばずに撮影できることから「旅レンズ」と呼ばれたりもします。
似たような焦点距離と価格帯ではでSIGMA 18-200mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSMというレンズもあります。しかし、他社製レンズの場合は、純正と比較すると専用設計ではないことからAF速度やピント精度、解像感で一歩譲る面があります。
価格の差が少ないので、レンズ交換不要の利便性と操作性、画質の妥協点をどこにとるかが選択のポイントとなります。
同じく旅レンズを選択肢とするならばキャノンのEF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USMも候補となります。こちらもキットレンズになっているので、一眼レフを新規に買うときにWズームキットにするか、135mmUSMのキットにするか悩む場合があることでしょう。
レンズ交換を頻繁にするほど一眼レフを使い倒すことはないという人ならば135mmでも良いかもしれませんが、運動会などの撮影ではちょっと望遠が足りません。まるでキットレンズとは思えない写真が撮影できます。
用途に応じて、上記のレンズと比較検討することをおすすめしますが、本レンズは神レンズ扱いされるほどのコストパフォーマンスを発揮していることは間違いありません。
用途に応じて、上記のレンズと比較検討することをおすすめしますが、本レンズは神レンズ扱いされるほどのコストパフォーマンスを発揮していることは間違いありません。
ネット上のユーザーレビュー
・ポジティブレビュー
- スナップ感覚でシャッターを切っても一眼レフならではのハッとする写真が撮れる
- 「価格の割に」と言われる以上に使えるレンズ
- 他の望遠レンズが不要に思えるほどのコスパと性能
- 驚きの軽さと低価格で、積極的に持ち歩きたくなるレンズ
ポジティブレビューは基本的にはべた褒めの嵐で、評判の高さは間違いなしといった感じです。
ポジティブレビューが多いので逆に期待が大きくなりすぎて、使ってみると普通ということもありますが、購入価格と合わせて性能を考える必要があります。
・ネガティブレビュー
- 新品を購入したのに白箱(キットレンズ用の梱包)が届いた
- 古いカメラではフォーカスが誤作動した
- 外見がプラスチック感があり安っぽい
ネガティブレビューに多いのは通販トラブルによるものが多くみられます。
STMではなく旧モデルが送られたというものや、キットレンズからバラして販売されたと思われる「白箱」が届いたというレビューがよく見られました。
まとめ
EF-S55-250mm F4-5.6 IS STMは安定したAFと申し分ない画質、そして低価格ということで標準ズームと合わせて、大抵の撮影を完結させるポテンシャルがあります。
そしてAPS-Cで一眼レフライフをスタートさせた人にとって望遠レンズの扱いをマスターし、今後、フルサイズなどで機材選びをするときの指針ともなるレンズです。
基本仕様 | |
---|---|
対応マウント | Canon EF-Sマウント |
フォーカス | AF/MF |
フルサイズ対応 | - |
APS-C専用 | ○ |
レンズ構成 | 12群15枚 |
絞り羽根枚数 | 7枚 |
焦点距離 | 55-240mm(35mm判換算:88-400mm) |
最短撮影距離 | 85.0cm |
最大撮影倍率 | 0.29倍 |
開放F値 | F4.0〜32.0 |
画角 | 27.5~6.15度 |
手ブレ補正機構 | ○ |
防塵 | - |
防滴 | - |
サイズ・重量 | |
最大径×長さ | 70x111.2mm |
重量 | 375g |
フィルター径 | 58mm |
発売日 | |
発売日 | 2013年09月12日 |
価格情報2022.06.30 更新
製品情報
- カテゴリ
- ズームレンズ
- メーカー
- Canon
- タイプ
- 望遠
- マウント
- Canon EF-Sマウント
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