OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6 II

デザインを一新したエントリー銘レンズ

35mm判換算で18〜36mmをカバーするM.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6の最初のモデルが登場したのは2010年。当時はまだPENシリーズしか展開されていないこともあり、この年代にリリースされたレンズは、いずれもコンパクトなカメラ本体に合わせて小さく軽量。M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6のボリュームも、長さ56.2mmで重さも約154gとなり、デザインが変更された新バージョンにおいても変わりありません。

というのも、今回II型へとリニューアルされたといっても、レンズ本体で変わった部分は外装のみ。根本のシルバーを黒に変更し、黒基調のデザインへと変更されました。それ以外のレンズ構成やコーティングといった描写に関わる部分については2010年版と同じです。

14年越しのリニューアルで描写性能にテコ入れが行なわれなかったことには少々残念ですが、裏を返せば、それだけクオリティが高いレンズということ。2010年時点では1200万画素が基本だったMFT規格も、現在は2000〜2500万画素と約2倍となっていますが、最新カメラと組み合わせても見劣りするような描写にはなっておらず、2010年当時に感じられた洗練された画作りを堪能することができます。

常用レンズ候補となる使い勝手の良い仕様

18mmの超広角域から、35mmという標準域も担える純広角域までカバーしているので、軽量コンパクトなボリュームと合わせて、ボディキャップ代わりの常用レンズとしても使用しやすいです。F値は少々暗めですが、MFTというセンサーサイズや焦点距離を考えると、パンフォーカスで撮影することがメインとなってくるので、さほど大きな影響はないでしょう。露出の面でも、比較的新しい機種であれば感度上げてカバーもしやすいです。

近接性能はほどほど。25cmまで寄れるので、テーブルフォトや、被写体をクローズアップした風景写真なども楽しめます。

デザインとともに大きな変わった部分といえば、専用フードが角型から花型へと代わり、それがあらかじめ付属すること（前モデルはフード別売りだった）。以前の四角タイプに比べて遮光効果が良く、レンズに施されているコーティングやカメラ本体の絵作りと相まって、ヌケの良い写真を取ることが可能です。

ユーザーレビュー

■ ポジティブレビュー

• 付けて良し、持ち運んで良しのボリューム感
• はっきりした画作りで写りの良さを実感しやすい
• 性能を考えるとかなりコスパが高い
• AFはキビキビ動いて正確

写りの良さへの評価は高く、フレアやゴーストなどの発生も少なめで広角レンズとして使いやすいとの評価。

■ ネガティブレビュー

• 防塵防滴にしてほしかった
• 沈胴式が面倒

使用にワンアクション必要な沈胴式への苦手意識がチラホラ。リニューアルに合わせて、光学に手を入れないぶん、防塵防滴にしてほしかったという意見が散見されました。

まとめ

PROシリーズが展開されるまでの旧OLYMPUS・MFT規格を支えてきた、プレイバリューの高さが売りのエントリーレンズシリーズ。その筆頭であるM.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6 IIは、今でも色褪せることなく、主力レンズとして充分に活躍してくれるでしょう。超広角域のレンズを使ってみたいけどPROをシリーズは荷が重いという方は、その足がかりとして試してみてはいかがでしょうか。