製品解説
スペック情報
APS-Cカメラを新たなステージに開放するレンズ
一眼カメラはAPS-Cに対してフルサイズが上位とされますが、それは絶対ではありません。
望遠ならAPS-Cの方が高画素で撮影しやすいですし、撮影が主目的ではない散歩などで持ち歩くカメラとしてはAPS-Cのコンパクトさが活きます。そのため、フルサイズカメラを買ってもAPS-Cを1台は売らずに所有しているという人も多いでしょう。
また、子供の撮影が主目的なら、運動会などで望遠撮影するときに取り回しが良いのでAPS-Cをメインカメラとしている人もいるでしょう。CanonはAPS-C一眼レフ用レンズとしてEF-Sレンズをラインアップしていますが、その中にEF-S17-55mm F2.8 IS USMという注目レンズがあります。
EF-S標準ズームレンズといえばEF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STMという非常に評価の高いキットレンズがあります。そのため、APS-Cの標準域はこのレンズで十分とよく言われますが、もちろん十分ではありません。
レンズは開放F値が小さければ小さいほど、被写体はシャープに、背景は大きくボケた写真を撮ることができます。EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STMはキットレンズとは思えない描画力がありますが、もうちょっと明るいレンズが欲しいというのが本音ではないでしょうか。
フルサイズ用の単焦点や24-70mmF2.8という選択肢もありますが、APS-Cに装着すると焦点距離が換算で1.6倍となり、標準域では使いにくかったりもします。そこでEF-S17-55mm F2.8 IS USMです。
隠れLレンズ、APS-CのLレンズとも称されるこのレンズは、F2.8通しというLレンズ並の明るさで、キットレンズとは一味違った描画が楽しめます。
APS-Cはフルサイズに比べるとボケ量が少ないというデメリットがありますが、F2.8という明るさがあれば、特にテレ端なら十分なボケ量を確保して、ピント面ではシャープな描画となります。
EF-S17-55mm F2.8 IS USMは2006年発売の少し古いレンズですが、CanonがRFマウントに注力してる現状では後継レンズの発売もなさそうなので、程度の良い中古品などがあればぜひ抑えておきたいレンズです。
フルサイズではないから、APS-Cだからと妥協することなく、一眼レフの性能を十分に活かした写真を生み出すことが出来るのがEF-S17-55mm F2.8 IS USMです。
Lレンズに迫るもLレンズではない
EF-S17-55mm F2.8 IS USMはAPS-CのLレンズと称されますが、やはりLレンズではありません。
F2.8の明るさ、USMを採用したAFモーター、フォーカス時に鏡筒の長さが変わらないインナーフォーカスなどまさにLレンズを想起させる機能が満載です。
しかし、プラスチック感のある防塵防滴ではない質感やいつの間にかズームが伸びてしまう鏡筒、レンズフードは別売りなど、Lレンズではないと実感させられる部分もあります。描画面でも周辺減光がはっきりわかるレベルであり、コントラストが大きな被写体では色収差やパープルフリンジがあります。
これらはCanonの純正現像ソフトであるDPPを使えばレンズ情報から簡単に取り除くことができますし、シャープな描画力自体はキットレンズとは1ランク違った、Lに匹敵するものがあります。
そもそもEF-S17-55mmがLレンズだったら、新品で10万円を切り、中古では3万円から購入することはできないでしょう。EF-S17-55mmはキットレンズに比べると一回り大きなレンズですが、Lレンズはさらに一回り大きなレンズです。
APS-Cのコンパクトさを活かしつつ、Lレンズに近づく描画を実現する、そんなポジションにあるのがEF-S17-55mm F2.8 IS USMです。
APS-C使いなら、旅行には必携
APS-Cのメリットはコンパクトで気軽に持ち出せることにあります。
EF-S17-55mm F2.8 IS USMは、APS-C用レンズとしてはやや大きなレンズですが、APS-C一眼レフの大きさを考えれば、旅行などで1日持ち歩いても苦になることはありません。
もちろんコンパクトなカメラならミラーレスという選択肢もありますが、電子ビューファインダーやライブビュー液晶は苦手という人も少なくないでしょう。
Canonはそういったユーザー向けの本格APS-C一眼レフとしてEOS 90Dを発売しました。EOS 90DにEF-S17-55mm F2.8 IS USMを組み合わせれば、一眼レフでも持ち運びやすく、かつ光学ファインダーで小気味よく撮影することができます。
そして、フルサイズと違って気軽に持ち出せるので、F2.8の明るさを活かした一眼カメラ独特の写真を散歩中などでも常に狙うことができます。F2.8の明るさは、単焦点レンズを複数持ち歩く必要はなく、ちょっと暗いシーンでもシャッタースピードを稼げるので三脚を使わずに撮影することができるというメリットもあります。
もちろん撮影が目的の旅行なら機材はガッツリ持っていきたいですが、今回は撮影はサブ機で手軽な旅行程度なら、最適な組み合わせの1つとなります。
ネット上のユーザーレビュー
■ ポジティブレビュー
- このレンズで納得いかないならフルサイズを買うしか無い
- Lレンズと比べても遜色ない高い表現力
- やはり明るいレンズは解像感が高く、一眼レフらしい写真が撮れる
- 室内でも手持ちで安心して撮影できる
- フルサイズにも付けたくなる写りのよいレンズ
EF-Sズームレンズとしては別格の明るさに高い評価が集まっています。
■ ネガティブレビュー
- 10万円もするレンズなのに操作感が悪すぎる
- ピントに芯が感じられず、ぼやけた描写となる
- 普段持ち歩くには重すぎる
- 逆光ではすぐフレアが出てしまい使えない
- 防塵防滴ではないので埃の混入が出てくる
やはりLレンズと比較した場合の質感の違いにネガティブなレビューが挙がってしまうようです。
まとめ
EF-S17-55mm F2.8 IS USMは2006年発売の古いレンズですが、EF-Sズームレンズとしては唯一無二の明るさで、キットレンズでは味わえない描画力があります。
フルサイズのEFマウントやRFマウントのことを考えるとなかなかEF-Sレンズに予算はかけられませんが、EF-S17-55mm F2.8は中古なら3万円台で購入することもできます。
APS-C一眼レフがメイン機の場合はフルサイズに移行する前のワンステップとして、APS-C一眼レフをサブ機としていて活用するためのレンズとして、EF-S17-55mm F2.8があればキットレンズでは撮れない、新たな写真の世界を見ることができます。
基本仕様 | |
---|---|
対応マウント | Canon EF-Sマウント |
フォーカス | AF/MF |
フルサイズ対応 | - |
APS-C専用 | ○ |
レンズ構成 | 12群19枚 |
絞り羽根枚数 | 7枚 |
焦点距離 | 17-55mm(35mm判換算:29-216mm相当) |
最短撮影距離 | 35.0cm |
最大撮影倍率 | 0.17倍 |
開放F値 | F2.8〜22.0 |
画角 | |
手ブレ補正機構 | ○ |
防塵 | - |
防滴 | - |
サイズ・重量 | |
最大径×長さ | 83.5x110.6mm |
重量 | 645g |
フィルター径 | 77mm |
発売日 | |
発売日 | 2006年05月26日 |
製品情報
- カテゴリ
- ズームレンズ
- メーカー
- Canon
- タイプ
- 標準
- マウント
- Canon EF-Sマウント
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