製品解説
スペック
OLYMPUS最後の機械式一眼レフ
1.OMシリーズでの位置付け
OMシリーズにはOM-1からOM-4がありますが、OM-1/OM-2/OM-4/OM-3の順で発売されました。奇数番号が機械式シャッター、偶数番号は電子式シャッターになっています。
1970年代はカメラにも電子制御を取り入れたものが出始め、1980年代には測光やシャッターを電子化するのが主流になりつつありました。しかし、電子式シャッターには、電池が切れるとシャッターが切れないという弱点があったため、それが嫌だというユーザー向けに1984年に発売されたのが機械式シャッターを備えた最新のカメラOM-3でした。
しかし、発売当時は市場でのウケが悪く、すぐに製造中止になってしまいました。
しかし、発売当時は市場でのウケが悪く、すぐに製造中止になってしまいました。
2.プロ向けに作られたOM-3
OM-3の特徴はなんといっても機械式シャッターです。ミラーショックやシャッター音などの細部にいたるまで部品から見直し、プロの撮影環境にも耐えられるように設計されました。なので、OM-1と同じ機械式ではありますが、シャッター最高速度はOM-1の倍の1/2000秒に高速化されています。
また、OM-4と同じマルチスポット測光方式を採用するなどOMシリーズの良い所をふんだんに取り入れています。マルチスポット測光が採用されたことによって、OM-1よりも表現の幅が広がりました。
3.中古市場
オンラインショップでは大体40,000円から70,000円の価格帯で販売されていますが、元々生産数が少ない上に人気が高い機種なので、取り扱いは少ないです。
ネットオークションやフリマアプリで販売されていることもありますが、故障している場合もあるので、カメラ初心者にはお店で整備されているものがおすすめです。また、どうしても見つからない場合は、OM-3が入荷されたら連絡が来るようにお店にお願いしておくと良いかと思います。
OM-3 Tiについて
OM-3 TiはOM-3の復刻版で、1994年に発売されました。OM-3はOLYMPUSの機械式一眼レフの最終モデルとなったことから、製造終了後に中古市場で爆発的人気を博し、復刻を望むユーザーに応える形で生産されました。
OM-3 TiはOM-4 Tiと同様にチタン外装になったことから、名前に「Ti」が付けられました。OM-3の復刻なので機能はほぼ同じですが、シャッター速度が選べるTTL自動調光機能を搭載したことによるフラッシュ機能向上など、OM-3より進化したモデルとなっています。
OM-3を楽しむなら
生産数の少ない貴重なカメラだからと飾らずに、外に連れ出してたくさん写真を撮ってほしいカメラです。プロが使用することを想定されているOM-3は堅牢な造りになっているので、色々な場面で活躍してくれます。
また、デジタルや電子式と違って、機械式カメラはマニュアルで操作することがたくさんありますが、丁寧に設定しシャッターを押す瞬間まで大事に味わってみてください。絵具を少しずつ塗っていくように、一つ一つ調整していくことで一枚の写真が自分の世界観を反映した作品になっていきます。
作例紹介
玉ボケが美しい作品。暗い場所でも三脚で固定すればここまできれいな作品が作れます。
光の透明感を感じる一枚。フィルム独特の柔らかさと相まって穏やかな空気が流れています。
窓から差し込む光がとても柔らかい一枚。光が当たった羽根は今にも舞い上がりそうです。
金属の冷たさや表面の滑らかさが伝わる一枚。ボンネットの光の反射がギラギラせず、滑らかに捉えられています。
ネットユーザーのレビュー
機械式カメラなので、液漏れなどを起こしていてもメインの部分は無事だったという方が多かったです。市場に出回っている数が少ないので、見つけたら即購入し、メンテナンスする方も多いようです。
また、メカニックな物が好きな方はデザインやマニュアルな操作が良いという声が多かったです。
まとめ
1984年、OLYMPUS最後の機械式一眼レフとして発売されたOLYMPUS OM-3。当時電子式シャッターが急速に進化する中、電池が切れても撮影できるような最新のカメラを求めていたユーザーに向けて発売されました。
機械式シャッターとマルチスポット測光を搭載したOM-3でしたが、発売当時は人気が出ず、直ぐに生産中止となってしまいました。しかし、生産終了後に機械式カメラの価値が見直され、1994年には復刻版が発売されるほどの爆発的人気が出ました。その為、中古市場に出回っている数は少なく、価格も40,000円からと少々高めになっています。
しかし、プロ向けに作られたその性能は非常に高く、価格に見合う価値があります。ぜひ、OM-3を手に、マニュアル操作とフィルム写真の良さを楽しんでみてはいかがでしょうか。
レンズマウント | |
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型式 | 機械式一眼レフカメラ
|
レンズマウント | OMマウント |
ファインダー | |
視野率 | 97% |
倍率 | 約0.84倍 |
ミラー | |
露出制御 | |
測光方式 | |
測光範囲 | EV0〜EV19(50mmF1.4レンズ/ISO100) |
露出モード/撮影モード | マニュアル |
ISO感度 | ISO6〜3200 |
多重露光 | - |
シャッター | |
シャッター速度 | 1/2000〜1秒 |
巻き上げ・連写速度 | |
レリーズ機能 | |
セルフタイマー | - |
AF | |
AF方式 | |
測距点 | |
電源 | |
使用電池 | SR44x2個またはLR44x2個 |
サイズ・重量 | |
サイズ | 136Wx84Hx50Dmm |
重量 | 540g |
発売日 | |
発売日 | 1984年01月01日 |
製品情報
- カテゴリ
- フィルム一眼レフ
- メーカー
- OLYMPUS
- タイプ
- MF機(機械式シャッター)
- マウント
- OMマウント
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OLYMPUS OM-3 / OM-3Ti | HASSELBLAD 500C/M | CONTAX S2 / S2b | Nikon FM2 | Nikon F | Canon F-1 | Canon New F-1 | |
価格 | 中古:104,450円〜 | 新品:118,000円〜 中古:118,000円〜 | 中古:69,800円〜 | 新品:44,800円〜 中古:32,000円〜 | 中古:29,800円〜 | 新品:4,100円〜 中古:16,696円〜 | 中古:12,430円〜 |
レンズマウント | OMマウント | Hasselblad Vマウント | Yashica/CONTAXマウント | Nikon Fマウント | Nikon Fマウント | Canon FD/New FDマウント | Canon FD/New FDマウント |
露出モード | マニュアル | マニュアル | マニュアル | マニュアル | マニュアル | マニュアル ※アイレベルファインダーFN、AEファインダーFN、AEモータードライブFNの組み合わせで「絞り優先AE」「シャッター優先AE」を拡張可能 | |
シャッター速度 | 1/2000〜1秒 | 1/500〜1秒 | 1/4000〜1秒 | 1/4000〜1秒 | 1/1000〜1秒 | 1/2000〜1秒 | 1/2000〜8秒 |
重量 | 540g | 1,390g | 540g | 685g | 820g | 795g | |
発売年 | 1984年 | 1970年 | 1992年 | 1984年 | 1959年 | 1971年 | 1981年 |