製品解説
スペック
PENTAX Mシリーズの原点
PENTAX MシリーズのベースとなったME。多くの派生モデルを生んだ魅力をご紹介いたします。
1. シャッターダイヤルの無いカメラ
作画に専念できるように、情報はファインダーに集中させ、操作は簡略化するというコンセプトの元設計されたME。当時としては大胆な試みである、シャッタースピードダイヤルを無くした絞り優先AE機として誕生しました。
なので、撮影者は絞りだけ決めれば、あとはカメラが自動でシャッタースピードを調整してくれるので、撮影に集中できるようになりました。
2.Mシリーズ派生モデル
MEを含むPENTAX Mシリーズは、PENTAXの小型軽量カメラとしてMEとMXが開発されました。その後、MEを元に高機能化と簡略化の2本に分かれて派生モデルが誕生しました。
派生モデルは4種類作られており、ファインダー内表示などを簡略化したものが「MV1」、MEの露出モードにマニュアルを追加した「ME Super」、ME Superをベースに世界初となるオートフォーカスを搭載した「ME-F」、ファインダーが明るく見やすく、さらにストロボ充電完了やシャッタースピードが表示されるようになった「MG」の順に発売されました。
3.基本的な使い方
まず電池を入れます。電池は本来は、1.5V 銀電池 G-13型が2個必要なのですが、現在販売していないので、LR44かSR44電池を2個入れます。
その次にフィルムを装填し、フィルム感度を設定します。フィルムを巻き上げた後、天気や照明の明るさに応じて絞りを決め、ファインダーを覗いてピントを合わせます。
シャッターを半押しにして、ファインダー内のLEDが点灯したら、シャッターを押しこみます。シャッターを押したら、フィルムを巻き上げるのを繰り返し、最後まで撮り終えたら、ボディ底面のボタンを押し、フィルムを巻き上げ・取り出して終了です。
4. 中古市場
オンラインショップやフリマアプリでは、ボディだけの場合安いもので3,000円台から取引されており、状態の良い高いものでも20,000円弱で流通しています。レンズセットのものでも大体同じ価格帯で取引されていることが多いです。
経年劣化で不具合も多く発生する機種なので、場合によっては修理費の方が高くなってしまうこともあるので、ジャンク品を買う場合はそれ相応の覚悟が必要です。心配な方は、店頭で動作確認を入念に行ってから購入する事をおすすめします。
PENTAX MEを楽しむシチュエーション
絞り優先AE機なので、ぜひ風景や花などの植物など動きの少ない被写体の撮影に適しています。シャッタースピードなどはカメラが自動で決めてくれるので、焦らずに撮りたい対象にピントを合わせ、シャッターを押してみましょう。
また、小型で有名なMXよりも一回り小さく、カバンに入れてもかさばらないので、旅行など遠出をする際に活躍してくれる事と思います。
作例紹介
逆光に照らされた野の花から風を感じる一枚。ボケ感がどこかノスタルジックな気持ちにさせます。
天窓から差し込む光と陰になっている壁のコントラストが美しい作品です。
End rollというフィルムの一番端の作品。一部感光している部分のオレンジ色がきれいなフィルムならではの一枚です。
暗いライブ会場での一枚。ビビッドな背景に、クリアなピントで浮かび上がる人物が印象的です。
夕日が暮れた暗い街に浮かび上がる橋が独特の雰囲気を醸し出している一枚。ざらっとした粒子感で、橋の光と遠くの夕日がぼんやりと写っているところがフィルムらしい作品です。
対応レンズ
MEはPENTAX Kマウントに対応したレンズが対応しています。Kマウントはバヨネット式という爪でひっかける方式のマウントです。そして、最大の特徴がユニバーサルマウントという仕様が公開されているマウントであるという事で、Kマウントはリコーなどでも使用されています。
おすすめのレンズはsmc PENTAX-M 50mm F1.7という単焦点レンズです。軽量でコンパクトなパンケーキレンズと呼ばれ、風景はもちろん最短45cmまで被写体に寄って撮影できます。このレンズの魅力は何よりも柔らかなボケ感です。こちらがsmc PENTAX-M 50mm F1.7とMEを組み合わせた作例です。
手前の被写体にだけピントが合い、他はきれいに優しくボケています。このボケ具合が特徴的なレンズです。
ユーザーレビュー
ボディが本当に小さく、それでいて高機能であるので、よくこのボディに収まっているなという関心の声が多く見受けられました。また、縦走り金属幕シャッターなので、巻き上げが軽く音も軽快で良いという意見も多かったです。
まとめ
MXと共に誕生し、数多くの派生モデルのベースとなったPENTAX ME。小型ながら高性能であり、かつシンプルで操作が簡単という事もあり、フィルムカメラ初心者を始め多くのカメラファンに愛されてきました。
Mシリーズの原点とも言えるこの一台を手に、自分の世界を切り取ってみてはいかがでしょうか。
レンズマウント | |
---|---|
型式 | 電子式35mmフィルム一眼レフカメラ |
レンズマウント | PENTAX Kマウント |
ファインダー | |
視野率 | |
倍率 | |
ミラー | |
露出制御 | |
測光方式 | 中央部重点全面測光 |
測光範囲 | |
露出モード/撮影モード | |
ISO感度 | |
多重露光 | - |
シャッター | |
シャッター速度 | 1/1000〜8秒 |
巻き上げ・連写速度 | |
レリーズ機能 | |
セルフタイマー | - |
AF | |
AF方式 | |
測距点 | |
電源 | |
使用電池 | LR44x2またはSR44x2 |
サイズ・重量 | |
サイズ | 131x82.5x49.5 |
重量 | 460g |
発売日 | |
発売日 | 1976年01月01日 |
製品情報
- カテゴリ
- フィルム一眼レフ
- メーカー
- PENTAX
- タイプ
- MF機(電子式シャッター)
- マウント
- PENTAX Kマウント
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PENTAX ME | PENTAX 645 | PENTAX LX | PENTAX Super A | PENTAX 67 | PENTAX 67II | |
価格 | 中古:3,190円〜 | 中古:12,480円〜 | 新品:1,320,000円〜 中古:12,783円〜 | 中古:16,696円〜 | 中古:66,800円〜 | 中古:303,110円〜 |
レンズマウント | PENTAX Kマウント | PENTAX 645マウント | PENTAX Kマウント | その他 | PENTAX 67マウント | PENTAX 67マウント |
露出モード | プログラムAE 絞り優先AE シャッター優先AE | マニュアル 絞り優先AE | プログラムAE/絞り優先AE/シャッター速度優先/マニュアル/TTLオートストロボ/外光オートストロボ | マニュアル | 絞り優先AE、マニュアル | |
シャッター速度 | 1/1000〜8秒 | 1/1000〜15秒 | 1/2000〜125秒 | 1/2000〜15秒 | 1/1000〜1秒 | 1/1000〜30秒 |
重量 | 460g | 1,320g | 570g | 490g | 1,290g | 1,660g |
発売年 | 1976年 | 1984年 | 1980年 | 1983年 | 1969年 | 1998年 |
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PENTAX ME | Nikon F3 | OLYMPUS OM-2 / OM-2N / OM-2SP | Canon AE-1 / AE-1 program | Nikon FE2 | Nikon FE | MINOLTA XD | |
価格 | 中古:3,190円〜 | 中古:5,060円〜 | 中古:5,060円〜 | 中古:5,380円〜 | 中古:6,000円〜 | 中古:6,000円〜 | 中古:6,000円〜 |
レンズマウント | PENTAX Kマウント | Nikon Fマウント | OMマウント | Canon FD/New FDマウント | Nikon Fマウント | Nikon Fマウント | Minolta SR/MC/MDマウント |
露出モード | A(絞り優先オート)、マニュアル | 絞り優先AE マニュアル | 絞り優先オート、マニュアル | 絞り優先オート、マニュアル | 絞り優先AE シャッター優先AE マニュアル | ||
シャッター速度 | 1/1000〜8秒 | 1/2000〜8秒 | 1/1000秒〜60秒 | 1/1000〜2秒 | 1/4000〜8秒 | 1/1000〜8秒 | 1/1000〜1秒 |
重量 | 460g | 715g | 590g | 550g | 590g | ||
発売年 | 1976年 | 1980年 | 1975年 | 1976年 | 1983年 | 1978年 | 1977年 |