Panasonic LUMIX S 18-40mm F4.5-6.3

小型機のメリットを活かす広角ズームレンズ

デジタルカメラでは、センサーサイズが35mmフィルムと同じになっても構造上の問題でボディサイズが大きくなり、フィルム時代ほど手軽に扱うことが長らくできませんでしたが、ミラーボックスを廃したミラーレス機時代となりその状況から徐々に脱却。今ではPanasonicのS9やSIGMAのfpといった、かつてのコンパクトデジタルカメラと同等程度のボリューム感のフルサイズ機が展開されるまでになり、それらに対応した小型レンズのラインナップも徐々に増えてきています。

今回紹介するLUMIX S 18-40mm F4.5-6.3はその最たるもので、長さ約4.09cmは一般的な単焦点レンズよりも短い寸法。重さも約155gと非常に軽量で、 AF対応フルサイズミラーレス用交換レンズのズームレンズにおいては世界最小・最軽量を実現しています。

その代わり、F値がF4.5~6.3と少々暗めな変動タイプにはなっていますが、フルサイズセンサー対応レンズであり、昨今のセンサーは高画素でありながら高感度耐性も非常に高いため、明るさの点で不自由することはほぼないでしょう。非球面レンズやEDレンズ、UHRレンズといった特殊なレンズも使われているので描写性能は非常に高く、センサーのポテンシャルを充分に引き出すことができます。

沈胴タイプなので撮影時にはレンズを繰り出す必要がありますが、それでも最長約6.60cmと充分短く、レンズを繰り出しっぱなしにしても邪魔になりにくいです。

常用レンズとしての機能が充実

S9の新色とともにリリースされ、S9のキットレンズにも採用されるほどのリーズナブルなズームレンズではありますが、 防塵防滴性能がきちんと備わっているため、シーンを選ばずに使用可能。夏場などの天候がころころ変わってしまうような時期に持ち出しても気を使わなくてすみます。

焦点距離も18-40mmという超広角から広角気味な標準域までをカバーしたスナップ向きなタイプ。加えて最短距離は21mmまでは約1.5cmまで寄ることができるので、ワイドマクロな写真を楽しむこともできます。ここまで寄れればF値があまり低くなくても充分ボケてくれますし、非球面レンズを使用していますが、ボケ味具合は上々です。さっと取り出してテーブルフォトに勤しむこともできます。

フィルター径が62mmと小さめで、保護フィルターの価格も抑えられてフィルターワークがしやすいのもメリットです。

ユーザーレビュー

■ ポジティブレビュー

• パンケーキレンズ並みのボリューム感
• このF値でもボケ具合は充分。広角レンズなので気にならない
• このグレードのレンズとしては逆光に強い
• カメラを持ち出す機会が増えた
• 質感が良い

レンズの仕上がりに高い満足度を得ている意見が多数。このクラスのレンズで超広角域が使えることに大きなメリットを感じているという声も。

■ ネガティブレビュー

• いちいちレンズを伸ばさないといけないのが煩わしい
• 手ぶれ補正が付いていない

沈胴式は好みが分かれます。速射性を重視するなら繰り出したままでいるのが良いでしょう。サイズ重視で手ぶれ補正は非搭載ですが、ボディ内手ブレ補正とISO感度で充分対応可能です。

まとめ

フルサイズ機を使っていることを忘れさせてくれるほどのコンパクトさを誇るLUMIX S 18-40mm F4.5-6.3。小型機との組み合わせはもちろんですが、ファインダー搭載機と組み合わせても充分機動力を確保できます。フルサイズ用レンズとしては比較的安価ですし、常用レンズやトラベルレンズとしてもとてもオススメです。